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「地球最後のオイルショック」
デイヴィッド・ストローン著 高遠裕子訳(新潮選書 1575円)

著者のディヴィッド・ストローンさんは、敏腕ジャーナリストらしい素晴らしい手腕で、石油のピークオイルとピークアウト問題について、綿密なリサーチの上で鋭く言及している。

まず、石油の埋蔵量に関して発表される数字は、明らかに水増しされていたり、信用できないということは、産油国やオイルメジャーの自己欺瞞を表しているが、なぜ、彼らは、石油が大量にあるふりをしているのか?
各国政府や環境活動家は、ピークオイルやピークアウトについて、なぜ、何も語らないのか?

石油をめぐる「なぜ?」について、著者は2年にわたり、石油関係者170人あまりに取材を行い、膨大な資料に向き合った。その結果を、私たちにわかりやすく提示してくれている。

石油と人類を巡る状況は、複雑怪奇な迷路を歩くように難解だ。イラク戦争。石油とアメリカドルの関係。サウジ王家とアメリカの蜜月の終焉。石油を巡るアメリカ、EU諸国、ロシア、中国のひそかな争い。いつ、どこかで紛争になってもおかしくない状況である。

なぜ、自衛隊が、違憲ぎりぎりの拡大解釈により、イラクのサマワに派遣されなければいけなかったのか。この本を読むと、目的は、テロとの戦いではなく、戦後イラクの石油の権利獲得のためだったのだろうと想像する。しかし、アメリカの仲良しクラブのメンバーであればご安泰という安易な考えでは、来るべく「最後のオイルショック」を乗り越えることは無理だろう。

憲法9条を堅持したいならば、本気で、日本のエネルギー戦略について考えなければならないはずだ。なのに代替エネルギーに関して、全く議論されていないのが日本の現況である。自衛隊をスーダンに派遣するなどと言ってるが、それよりもこちらの議論を始めるべきではないだろうか。

政府は、最近、温暖化問題を、しきりにとりあげだしたが、ピークオイル問題の隠れ蓑にしているのではないかと、勘ぐってしまう。

結局のところ、石油依存社会では生き残れないので、国民の石油消費を減らさなければならないのだが、「石油がなくなる」とか「オイルショック」というとパニックが起きると思っているから、「温暖化対策の為に消費を減らしましょう」といって、ソフトランディングを狙っているのかもしれないが、そんなんじゃ、手ぬるいし、間に合わないと思う。

よく石油の枯渇というが、これは、あまりにもおおざっぱな言い方だ。この本によると、まず、オイルメジャーを取り巻く状況や立ち回りからして、石油の生産量が落ちていることは間違いないだろう。簡単に加工できる質の良い原油は減る一方で、オイルサンドの開発が始まっているが、これは、掘るのも、加工するのも、大量の天然ガスと水が必要だ。とても、持続可能とは思えない。しかし、人類が石油に依存し続ける限り、いくらコストがかかろうが、資源を無駄に使おうが、カナダの露天掘りは拡大し、美しい国立公園をも飲み込む可能性があるだろう。

天然ガスも注目されているが、その埋蔵量も、どうやら水増しされているようだし、いずれにせよ、いつかはなくなる。石炭は埋蔵量はあるが、CO2を吐き出す量が多すぎる。

代替燃料としての「水素」「バイオ燃料」であるが、現在生成されている水素の96%は石油か石炭、天然ガスを原料としており、さらに水素を生成させる過程で大量の石油や天然ガスを消費し、CO2を発生させる。一方、水を電気分解したら、クリーンに水素を得られるように感じるが、水を電気分解するにも大量の電気が必要だ。その電気はどこから得るのか?バイオ燃料は、ご存知のように、食料危機を引き起こしている。

太陽熱や水力、風力などの再生可能エネルギーだけでは、現在の世界の需要には応えられない。著者は、次世代へのつなぎとして、原発の普及を認めているが、わたしは、反対だ。

代替エネルギーや技術革新で、石油ショックのパニックは、緩やかになるかもしれないが、問題解決にはならない。

結局、人類の石油依存を断ち切り、消費を減らし、少ないエネルギーで生きるしかないのだ。

最後の石油ショックはかなりの確率で起こることは間違いないと思う。1929年の世界恐慌と同じくらいか、それよりもひどい不況とインフレがおこるのではなかろうか。かつて、世界はそこから、第二次世界大戦へ突入していった。21世紀の経済危機は、なんとしても、戦争なしで乗り越えなければいけない。

起こるべく危機にそなえて、これからどう生きたらいいのか、よく考えないといけないだろう。幸い、本の終章には、これからどう生きるべきかも書いている。

どんな人間でも嫌な結論は聞きたくないし、想像もしたくない。できれば、先延ばしにして、今のまま、のんきに生きられたらどんなにいいだろう。でも、危機は突然やってくる。そう、あの日、突然、スーパーからトイレットペーパーが消えたときみたいに。

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