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治療中に「今日はワイヤーを太くしますね」 という言葉を聞くことがあると思います。 ワイヤーが太くなることにはどんな効果があるですか? というご質問をいただきましたので 今日はそのお題で書いてみたいと思います^^。 長くなりますがご興味のある方はお付き合いくださいね♪ お子さんの治療ではいろいろなタイプの装置を使用しますので、 今回の内容は 主に12歳頃以上の患者さんで行う「永久歯列の矯正治療」で、 ブラケットという一般的な装置を使用する場合のお話です。 例えば・・・イメージしてください。
デコボコと入り組んでいる歯並びですが、これに初めてのワイヤーを通すとしたら・・・ 装置は歯の外側に出ている部分(歯冠)のほぼ中央に付けます。 その装置のほぼ真ん中をワイヤーが通るので ワイヤーは歯冠の真ん中を通ることになります。 上の写真にワイヤーが通るイメージを描き込んでみるとこうなります。 相当たわむワイヤーでなければ入れることができませんね ^^。
その上で、治療中の各ステップには
そして、前述のように 最初は細くて柔らかいワイヤーしか入れられない場合が多いので、
ということなんです。
ということになりますね ^^♪ 「今」を見つつ、何ステップも先のための準備をしていく、 パズルが出来上がる行程を最初から最後までイメージしている感覚でしょうかね。 どのサイズのワイヤーをどんな順番で入れなければいけないか、という マニュアルはありません。
ご質問には「太さの違いによる効果の違いは?」とありましたが、 このように、「このワイヤーならこの効果」という風には表現できないものです。 ですが、
太くて硬いワイヤーほど 力をかけたときの反作用が少ないということでしょうか。 反作用とは痛いとかそういうことではなく、 ゴムのチェーンをかけたり すき間を閉じる力をかけたりしたときに 入れてあるワイヤーがその力でたわんでしまったりすることです。 太く硬いワイヤーはそのような反作用が生じにくい・・・ということが言えると思います。 ゴムのチェーンで引っ張っるような場面で ワイヤー全体がたわんじゃったら 歯列ごと一緒にグニャリとたわんでしまいますからね ^^;。 そうならないためのワイヤーを選ぶ必要がありますね。 その反面、硬くて太めのワイヤーは 歯や歯ぐき、歯を支えている骨にも大きな影響を与える場合もあります。 ワイヤーが太くなったら歯ぐきがガクンと下がってしまった、 歯髄炎(歯の神経の炎症)が起きてしまった、など ダメージを与えやすいのも事実で、時々耳にする現象です。 *「ワイヤーを換えたときに痛いかどうか」とコレとは別問題ですよ。 お子さんよりも成人の場合、特にこうした歯や歯周組織への配慮が大切! ですから使いたいワイヤーと、それに伴うデメリットを考慮しながら 無理のない選択をしなければなりません。 少々話がそれますが、 実はワイヤーがレベルアップするときには ほとんどの場合、「今よりも少しキツイもの」を入れていくことになります。 前に入れたワイヤーが楽に通る状態になったから次に進むわけです。 ということは、逆に言うと必ずステップを踏んで入れていくので 「硬くて太いワイヤーを使った時が一番痛い」にはならない、ということでもあります ^^。 階段を5段飛ばして登るわけではないですからね、 せいぜい1段か2段飛ばしなんです(笑)。 最初のワイヤーが一番痛かったという場合があったり、 奥歯に挟んだゴムが一番痛かったということがあるのは、このためですね。 さて、そろそろまとめに入ります(笑)。 では、最後に実際の流れを簡単にご紹介してみましょう。 < 八重歯で抜歯が必要な治療をするAさんの場合 >
デコボコが著しいので細くて柔らかいワイヤーでスタート ↓ 抜歯したすき間を閉じるときには堅めのワイヤーを使いたいから、 それに向けてサイズアップしながら並べてゆく ↓ 全体がまっすぐになってきてすき間を閉じる準備も整ったし、 硬いワイヤーが入れられるようになったのですき間を閉じる ↓ すき間はなくなっておおよその歯列が出来上がってきたが、もう少し微調整が必要、 繊細な微調整のためには細いワイヤーが適しているから細いモノに戻す ↓ 終了! < 非抜歯で治療できるデコボコの少ないBさんの場合 >
最初から硬くて太いワイヤーが入りそうだけど、それを使う必要がない(笑)、 だから細いワイヤーでスタート ↓ 細いワイヤーサイズのまま、材質だけは少々硬いものを使ったりしながら並べてゆく ↓ 結局、細いワイヤー3種類だけで終了! こんな感じです ^^; なんとなくイメージは伝わりましたか ?
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歯科&矯正
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怪しい縦縞・・・さて、これはなんでしょう? 矯正治療に使うワイヤーですね^^。 徐々に太くなっているのが分かりますか^^;?? 種類はいろいろあるのですが、 1枚目の写真はアーチ状になったワイヤーを並べて写してみたものです。 以前紹介した「断面が丸のワイヤーと四角のワイヤー」があります。 これらは 同じ太さ・同じ素材のものを10本1パックにして売られていて、 1本の全形はこんな形をしています。 1本ずつパッケージされて ちょっとVIP扱いされているようなものもあります(笑)。 アーチ状のワイヤーには上の歯列用、下の歯列用がそれぞれ存在します。 先生がアーチ状のワイヤーを買うときには アーチの形、太さのサイズ、素材、上なのか下なのか・・・ などを選択して一つのワイヤーが決まるというわけです。 アーチ状ではなくて真っ直ぐなもの、巻きになっているものもあります。 他にもいろいろあるのですが、 まぁ、こんなようなモノを曲げたり、必要な形を作ったりして 使っていくんですね。 先生によって常備しているワイヤーの種類は違います。 それと、ひとりの患者さんに全てのワイヤーを使うわけでもありません。 治療の最初から最後まで、たった1種類のワイヤーで終わる患者さんもいれば、 6種類くらいを必要とする患者さんもいます。 同じ種類のものでも、新しいワイヤーで形を変えて何度か使う場合もあるので 実際には種類の数以上に新しいワイヤーに交換されている感じがするとは思いますが・・・。 多くの種類を使えば「難しい症例」というわけではなくて、 「先生が何をしたいためにどのワイヤーを使うか」によって決まります。 難しい症例かどうかというよりも、 治療のゴールまでにいろいろなステップを踏まなければならない症例ほど 使う種類は多くなる・・・という感じです。 ワイヤーには太さや材質によって特徴がありますから、 長所を発揮できるシーンで使う、 まさに「適材適所」といったところでしょうかね。 経営上は(笑)、 少ない種類のワイヤーを上手に使い回せる(使いこなせる)先生の方が賢いですね(爆)。
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これは萌出(ほうしゅつ:歯がはえること)途中の永久歯の模型です。 はえたばかりの前歯は このように先端がポコポコと2〜3山の山型になっています。 歯並びが悪くて、不自然に咬んでいる部分だけ削れているのとは ひとあじ形が違いますよね。 鋭利な部分やスパッと削れた部分がないキレイな山型です。 2山だとハート型みたいでちょっとカワイイですよね^^。 で、これがだんだんと咬み合わされていくうちに 少しずつ削れてフラットになっていくんです。 ということは、大人になってもこの形が残っている場合は 前歯は咬んでいない、機能していない・・・ということを意味します。 「前歯部開咬」と呼ばれる状態の方にはよくみられるものです。 水晶と同じくらい硬いエナメル質(歯の表面を構成しているもの)が 自分の咬む力で この山型がフラットになるほど自然に削れてゆくのですから、 咬む力とはスゴイものですね。 だからこそ、 歯並びが悪くて半分くらいの歯しか咬む機能を果たしていない場合は 咬んでいる歯だけにものすごい負担がかかっている・・・とも言えますね。
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矯正治療の検査時にいくつかレントゲンを撮ります。 通常の歯科治療では撮らないけど、 矯正治療となるとよく撮られるものにこのようなレントゲンがあります。 頭の骨を横から撮影しているもので、通称「側方セファロ」と言われています。 正面から撮ったものは「正面セファロ」と言い、いかにもガイコツっぽいので画像を載せるのはやめました(汗)。 どうしてこんなものを撮影するかと言うと、 頭の骨に対して、上の顎の骨・下の顎の骨・歯などがどのような位置関係、角度にあるか・・・ ということを知るために必要なんですね。 そして知り得たものは「数値」としてデータ化されます。 要するに、 「なんとなく出っ歯だね」とか 「なんとなく受け口だよね」という見た目だけで判断するのではなく、 根拠に基づいた診断をするために必要なもの・・・というわけです。 まぁ、とはいえ、 角度計測などはランドマークとなる点を「人間が」入力していって行うので、 点の位置が1ミリずれただけで数値的にはかなりの誤差が生まれてしまいます。 ということは、同じ患者さんのレントゲンを同じ術者が何度か計測しても 毎回微妙に違った数値がはじき出されることも多いというわけです。 だから、このレントゲンから得られたデータがすべて・・・というわけではなく、 私なんかはあまり重要視していませんが(汗)、 治療前にコレを撮られた記憶のある方は多いはず。。。 このようなレントゲンは滅多に撮る機会がないこともあって、 患者さんは見せてあげるとけっこう興味を示してくれます。 この画像は少々カットしてありますが、 実際には後頭部の輪郭もハッキリ分かるため、 ゼッペキ度合いも分かってしまいます(汗)。
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矯正の治療期間についてご質問があったので、少々書いてみたいと思います。 矯正治療を始めるにあたって、気になる事はいくつもあると思いますが、 治療方法、料金に並んで気がかりなモノと言えば「治療期間」ではないでしょうか。 1日でも早く装置を外したいという気持ちは当然ですよね ^^;。 治療期間については、どちらかというと長めに伝えている先生が多いのではないかと思います。 私もそうです。 最初に見栄を張って(!?)短めに言っても仕方ないですから、 「○年で終わるって言ったのに、終わらないじゃない!!」と言われるよりは 「あ、思っていたより早かったな〜、ヨカッタ♪」というパターンの方が お互いのためですよね ^^;。 先生によって違うとは思いますので、あくまでも私の場合ですが 例えば、2年で終わるなと思ったら2年〜2年半とお伝えします。 やみくもに長く伝えているわけではなく、 途中で不測の事態が起こった場合に半年くらいあればリカバリーできるかな・・・という計算です。 治療期間はどのように考えているのかというと、 抜歯治療であればだいたい2年から2年半くらいになるのが通常ですので、 どの先生もだいたいこのあたりを目安にしていると思います。 上だけ2本抜いても、上下で4本抜いてもほぼ変わりありません。 ただし、1本だけ抜歯という場合は、どのような部位をなんの目的で抜いたのかによって 非常に短くなる場合も考えられるので一概には言えないように思います。 非抜歯の場合は通常ですと抜歯よりも治療期間は短くなります。 ただしこれも、拡大装置で幅を広げてから歯を並べるだとか 奥歯を後ろに移動させてから並べるなどのステップがあると 抜歯治療と同じくらいの期間を要する場合もあり、 患者さんによって変わってきます。 このように、個人個人の状態や治療方針によって誤差はありますが、 初診相談のときにおおよその治療期間をお話する場合は、 抜歯であれば2年から2年半くらいにはなりますよ・・と伝えています。 そのうえで、検査をしていただいた方には最終的な予想治療期間をお話ししますが、 その場合もやはり、私は半年くらいの幅をもって提示していますね ^^ 。 治療している側も早く装置を外したいと考えています。 肩の荷が下りますしね ^^; 。 その反面、提示した治療期間内であれば 結婚式や留学など特に理由がない限りギリギリまで粘ってもいいかな・・・ と思っているのも事実です(苦笑)。私はね。。。
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