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前回までの記事で、夏休み奥飛騨・信州旅行の模様を紹介して来ましたが、実は先日、以下のようなメールをいただきました。 「掲示板の方を見ていた際、夏休み第2弾の旅行として、一人旅で東北地方に行ったと聞いた。一人旅の参考にしたいのだが、是非それを記事にしてくれないか。」とのこと。 正直、自由気ままな一人旅であるし、記事にしたところであまり面白みのある内容を書けるような自信がなかったため、今回の旅の記事はスルーしようと考えていました。 ・・・が、メールをいただいたことで、一人で泊まれる温泉宿の情報を発信していくこともある程度意義があることかも知れないと考え、また何よりブログを読んでいただいている読者のニーズに応えようとの思いを込めて、この夏足を運んで来た東北方面の温泉旅、題して「みちのく一人旅2009・夏」の模様について、これからしばらくの間連載して行くことに決めました。 とは云っても季節は既に晩秋、ある程度時間が経ってしまい、記憶の方もやや曖昧になりつつあることを踏まえて、よろしくお付き合いいただきたいと思います。 取りあえず、簡単に宿泊場所のおさらいをしてみますと、 ○8月1日 秋田県 田沢湖高原温泉『ロッジアイリス』 ○8月2日 岩手県 つなぎ温泉『ひいなの丘 湖山荘』 ○8月3日 宮城県 青根温泉『湯元 不忘閣』 ○8月4日 山形県 新高湯温泉『吾妻屋旅館』 ○8月5日 栃木県 板室温泉『大黒屋』 といった5泊6日の行程になります。 今回はETC割引料金の恩恵をしっかりと視野に入れつつ、東京から秋田までの長区間をマイカーでひた走り徐々に南下を図るという作戦。 本当は青森方面の秘湯宿も狙っていたのですが、ねぶた祭の期間と重なることもあってか、希望する宿は悲しいかな軒並み全滅。 それでも何とか一人旅受け入れOKの宿を予約し、途中・途中にその日の気分による立ち寄り湯なども絡めて行くという、一人旅ならではの行き当たりばったり的な計画実行と相成りました。(ちなみに往復の走行距離は何と1,600Km超という数字に) 先ずは初日に宿泊した、田沢湖高原温泉『ロッジアイリス』再訪の模様からスタートします。 8月最初の土曜日となったこの日、本格的なバカンスシーズン到来ということで、渋滞を避けるため寝ぼけ眼のまま自宅を午前3時頃に出発し、暗闇の東北道をひた走ります。 長時間の運転で話し相手がいないのはかなり疲れますが、今回は心に重荷を背負った哀愁の一人旅というワケでも無いので、好きな音楽をガンガンかけながらとにかくテンションを上げてハンドルを握りました。 途中、事故による通行止めなどという悲しい仕打ちに合いつつも、何とか秋田入りすることができました。 ご覧の写真は国道46号線、走る度にほぼ毎回「こまち」と競争になる楽しいルートです。 お昼前には田沢湖高原周辺に到着。 取りあえず腹ごしらえをしなければ始まらないということで、お馴染みの『鶴の湯別館 山の宿』にてランチをいただくことにしました。 お昼時だというのに、珍しく人気(ひとけ)の無い食事処へと足を運び、一人慎ましく隅の席へと腰を下ろします。 たのんだのはもちろんこちら。 毎度ワンパターン気味のご存じ山の芋鍋定食です。 乳頭温泉界隈に来たらこれを食べずして帰れないというほどの大好物で、一人前でもしっかりと鍋に入れてくれて嬉しい限りでした。 今回はさすがに定食だけでぐっと我慢。 これで秘湯ビールを飲むことができたら、旅の疲れもあっという間に吹き飛んだことでしょうに・・・。 さて、程良くお腹も満ち足りた後は、いよいよ湯巡り開始です。 どこに行こうかあれこれ頭を巡らせた結果、ふと閃いた場所がありました。 黒湯温泉の駐車場に車を停め、温泉道具をリュックに背負ってお目当てのお風呂へと向かいます。 黒湯温泉を通過し、道標に沿って孫六温泉方面へと向かって行きますが、今回は孫六温泉に入るというわけでもありません。 目指す目的地へは、沢沿いに延びる乳頭山への登山道をひたすら登って行きます。 この辺で温泉ツウの方はもうピンと来たのではないでしょうか。 そうです、今回目指した温泉の答えは、超有名系野湯の一つである一本松温泉 「たつこの湯」に他なりません。 登山道の途中で橋を渡り、 沢からそよぐ涼しい風を感じていると、何やら風に混ざって硫黄の香りが・・・。 ふと目をやると、橋の袂に白濁した湯溜まりを発見。 ひょっとしてこれが「たつこの湯」!? 見た感じいい具合に湯船が作られていましたが、思っていたよりも湯温が温く、どうやらここは別物の様でした。 気を取り直し、矢印にそって沢沿いの道を再び上流に向かって歩いて行きます。 真夏のジリジリとした陽射しが照りつける中、清冽な沢の流れが一層心地よく感じます。 正直、温泉よりもむしろこちらの沢に浸かりたいという気持ちが強まっている自分がいました。 黒湯から山道を歩くこと凡そ30分、やや開けた草地に到着しました。 再び鼻孔に漂う硫黄の香り、今度こそ「たつこの湯」がある場所にたどり着いたのでしょうか? ふと足下を見ると、何やら古ぼけた看板が。 そして、薄くかすれた文字を目を細めて読み上げてみると・・・。 「一本松温泉跡地 環境省 秋田県」の文字を確認! どうやらようやく念願の一本松温泉へと到着した模様です。 硫黄の香りをたよりに周囲を見渡したところ・・・。 ありました!、正しくこれまで何度となくネット上の温泉系サイトで目にして来た憧れの野湯、一本松温泉「たつこの湯」の姿そのものです。 あらためてその露天風呂の様子をじっくり監察してみると、黒湯温泉等と同系統の焦げ硫黄臭が漂い、自噴する透明な硫黄泉が満ちる湯船の底には、析出した黄色っぽい湯の花が多量に沈殿しています。 底が浅く、全身ゆったりと浸かるようなサイズではありませんが、秘湯感漂う超開放的な野天風呂は魅力十分!、ここまで来たら入らずにはいられないという様相を呈していました。 ・・・がしかし、前述した通りこの日は正に真夏の暑さ、おまけに湯温の方も尋常ではない熱さ。 先人が用意してくれたらしい沢の水を注ぎ込むホースも極めて無力で、温泉好きの私の気持ちを萎えさせるには十分過ぎる条件が整っていました。 取りあえず足湯だけでもという感じで一瞬の湯浴みを楽しみ、その後しばらくは目の前の沢で水浴びを楽しみ、しっかりと記念撮影を済ませて元来た道を帰りました。 やや不完全燃焼気味ではありましたが、一度は足を運んでみたかった「たつこの湯」の感触を確かめられただけで満足です。 そして再び黒湯温泉に戻り、せっかく来たので往復の山歩きの汗をこちらで流していくことにしました。 黒塗りの壁に茅葺き屋根、そしてそこかしこに立ちこめる湯煙。 風情だけなら、『鶴の湯』をも凌ぐような印象的な風景が広がっています。 敷地内の湯畑からは、こんこんと貴重な源泉が湧き出ています。 以前私は黒湯温泉の別の湯畑に写真を撮ろうと思って近づき、見事足を取られて落っこちたという苦い経験があるので、くれぐれも近寄らない方が賢明です。 黒湯温泉の湯小屋は混浴と男女別の2箇所があり、どちらかといえば混浴の方がメジャーな存在となっていますが、私はこちらの男女別浴室の方が断然気に入っています。 扉を開けると広がる風情満点の内湯。 正に絵に描いたような湯治場の光景を前に、いつもながら心が躍りました。 湯船に身を沈めると、灰白色の硫黄泉が東京からはるばる運転してきた体全身に染み渡ります。 嬉しいことに、ちょうど先客のグループ客達と入れ替わりだったので上がる直前まで貸切状態で楽しめました。 そして今回楽しみだったのは新設された露天風呂に入ること。 以前は女湯にしかなかったこちらの露天風呂、思っていた以上に開放感があって、眺望もなかなかのものでした。 更に温度も温めということで実に入りやすかったのですが、残念ながらやはりここは夏場の東北の山の中。 もはやこの季節の風物詩とまで思えるようになってきた天敵のアブが、ものの1分としないうちに近づいて来るという有様です。 昨夏もアブにはずいぶんと痛い目に遭いましたが、しばしタオルを振り回して防戦を試みるも、この夏もあえなく退散するハメになってしまいました。 私の顔はその時、恐らくザブングルのような表情になっていたのは間違いありません。 それでも名湯に浸かって十二分にサッパリし、湯上がり後は最近すっかり重宝しているキリン・フリーにてのどの渇きを潤しました。 車を運転する際でも飲めるこちらのフリー、この夏はずいぶんとお世話になりました。 さて、一頻り湯浴みを満喫した後は、再びハンドルを握って『ロッジアイリス』へと向かいました。 『ロッジアイリス』は、既にもう何度となく足を運んでいるというオラが秋田の定宿、今回約1年ぶりの訪問です。 いつもと変わらぬウッディーな外観、ロッジという名称がこよなく似合う隠れ家的な山の宿です。 木の階段を上がり、 玄関の扉を開けて中に入ると、いつも通り愛想のいい元気な声で支配人達が出迎えてくれました。 「あぁ、どもども、いらっしゃい!」 朴訥とした秋田訛りのあいさつを聞くと何だかいつもホッとします。 今回宿泊したのはお気に入りの新館。 シンプルで美しい白木の廊下も相変わらずでした。 全て樹木の名前が付けられている客室、どうやら今回は「楢(なら)」という客室を用意してくれた模様です。 初めて宿泊する客室ですが、一体どのような景観が楽しめるのでしょうか。 この続きはまた次回に。
次回へとつづく・・・ |
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来年は東北に行こうと思っていたので、東北の旅行記は嬉しいです、ポチ☆
今後の旅の参考にさせてくださいね。
私は来年は青森中心にめぐってみようと思ってるので、りんくさんが予約しようと思っていた青森のお宿がどこか気になります〜。
鶴の湯別館山の宿の山の芋鍋定食は美味しいですよね♪
ここのお料理は連泊しても飽きることはなかったです。
[ jin*ir*26 ]
2009/11/11(水) 午後 10:24
秋田までマイカー!すごい体力&気力です。
(ウチなんて、旦那が迷わず飛行機選びました)
黒湯の内湯がいい雰囲気ですね〜。
お湯の色が、浴室によく映えます。
2009/11/11(水) 午後 10:26
5泊とも、別々の旅館を選んだことがスゴイ!
いろいろ検討して苦労したんでしょうねぇ〜
りんくさん、えらい!脱帽です!
[ ミサコング ]
2009/11/12(木) 午後 0:42
ウチがいつも泊まる部屋だ〜!お風呂に近くてお気に入りです。
[ まっつん ]
2009/11/12(木) 午後 9:39
りんくさん、こんばんは〜
「みちのく一人旅2009・夏」シリーズ、記事にして下さって喜ぶ方が沢山いらっしゃると思いますが、私もその中の1人です。気になる宿目白押しですし!!
一泊目のロッジアイリスに到着するまでの記事なのに、内容が盛りだくさんでとても濃い旅をなさったんだなぁと思いつつ、何だか自分も旅してる気分になってワクワクしちゃいました^^
こまちと競争になる46号線、楽しそうですね〜、しかもお写真がホントタイミング良いベストショット!!黒湯も良い雰囲気ですね〜、自分が黒湯に行った時は羽アリの団体さんと遭遇してしまい、あまり落ち着けなかったので、虫があまりいない時期にもいちど行ってみたいです。
ところで、黒湯の湯畑に落っこちちゃった経験がおありなんですね!火傷とか大丈夫でしたか??
[ ポルポ ]
2009/11/12(木) 午後 11:41
クロさん、こんばんはー☆
すみません、PC新しく買い換えてたりしてたんで返信が遅くなりました!
何となしに始めた東北一人旅バージョンの旅行記ですが、今回は鄙びた宿に泊まったりしてたんで果たしてクロさんには参考になるかなぁ。。。(^^;)
青森は蔦温泉と青荷温泉に泊まりたかったんですよ。
どちらも一人旅OKの秘湯宿ですが、とにかく温泉が素晴らしいんで久々(といっても昨年も行ってますが)に足を運んでみたかったんですよねぇ・・・。
希望日には完全に満室だったご様子で残念でした(^^;)
クロさんも来年は青森行きを計画されているんですね!
青森には素晴らしい温泉地がたくさんあるので、宿選びも悩んでしまいますが、是非ステキな旅をプロデュースしてくださいね〜☆
2009/11/14(土) 午前 0:05
ちろっこさん、この夏はにわかにETC割引の恩恵に目覚めてかなりのロングドライブをがんばったのですが、さすがに疲れるのでしばらくはまた電車&飛行機の旅になりそうです(^^;)
今回は初めて車での秋田行きだったんですが、思っていたよりは近かったです。一人じゃなきゃもっと頑張れるですけどね(笑)。
でも社会人になって、6日間も一人旅をする機会なんて一度も無かったからとても楽しかったですよ。
おかげであちこち好きな温泉を入りまくることができました(^-^)
2009/11/14(土) 午前 0:10
ひめなさん、そうそう!いろいろ検討して選んだ5軒でしたが、一人旅OKの宿の中からのチョイスであり、尚かつ直前予約が中心だったせいもあって、なかなか希望の宿が取れなくて結構苦労しました(^^;)
でも宿を探したり選んだりする作業はある意味一番の楽しみでもあるし、今回は同行者の意見を聞いたりする必要が全く無かったのでよかったです(笑)。
2009/11/14(土) 午前 0:15
まっつんさん、ボクはいつも「ななかまど」を指定するんですが、今回は特に指定せずのお任せでした。確かにお風呂に近くてとっても便利な部屋でしたね☆
「ななかまど」の次におすすめな部屋だったかもっ(~o~)
2009/11/14(土) 午前 0:18
ポルポさん、体のお加減はいかがですか? ようやく週末になったのでここでしっかり回復するといいですね☆
さて、ポルポさんのようなお優しい方ばかりならいいんですが、今回の旅日記は何だか全くメモとか取ってないし、宿もそんなに大したとこに泊まってないんで、一部のマニア専門って感じになりそうです(^_^;)
ポルポさんが黒湯に行かれた時は羽アリの大軍団との対決でしたか!
ボクは相変わらずアブとの戦いを強いられましたが、思えば黒湯ではまだましな方で、この後日程を進むにつれてますますアブとの壮絶な戦いを繰り広げるハメになっちゃったんですねぇ〜(-_-;)
あと湯畑におっこった時は、黒湯がすでに冬季休業中に入った時で、やけどは全然大丈夫だったんですが、下半身が沈殿している湯の花にどっぷり浸かってしまって、履いてたデニムが真っ白ドロドロになってしまったんですよ。しかも硫黄臭いドロだからかなり悲惨な目に遭っちゃいました。まぁ、今となっては楽しい笑い話ですけどね〜(^_-)
2009/11/14(土) 午前 0:28