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日本を代表する秘湯の宿である『鶴の湯』は、その佇まいや白く濁る温泉の魅力に加えて、この宿ならではという名物の料理をいただくことができます。 最終回となる今回は、囲炉裏を囲んで滋味溢れる山のご馳走をいただく『山の宿』の食事を中心に紹介していきたいと思います。 『鶴の湯』本館の湯浴みから戻って来てすぐに、夕食をいただくべく食事処へと向かいました。 長い廊下を進んだ先に食事処「庵」の入口があります。 扉を開けると、鹿の剥製と熊の毛皮のお出迎えとなります。 こちらが食事をいただく囲炉裏の様子です。 広間に仕切られた囲炉裏端をはじめ、奥の方には個室もあるようです。 先ずは秘湯を守る宿での定番、秘湯ビールで乾杯です。 囲炉裏といえば、やはり岩魚の塩焼きがよく似合います。 串に刺された岩魚を焼きたて熱々の状態でいただくことができ、野趣溢れるご馳走となりました。 こちらは初めに運ばれるお膳です。 ふき、きのこ、ミズなどの山菜類の小鉢や秋田名物いぶりがっこといった素朴な料理が並んでいます。 一番上の角皿には後から囲炉裏焼きを取り分けていただきました。 続いて、かぼちゃのスープ仕立てが運ばれます。 見た目よりもさっぱりとした味わいで、とんぶりのプチプチとした食感も楽しい一品でした。 こちらはキノコやかぼちゃの他、八幡平ポーク、軟骨の入ったつくね、大根の煮物などボリューム満点な食材を炭火で豪快に焼きあげる囲炉裏焼きです。 タレのしょっつるも独特の味わいで、非常に満足度の高い焼き物となりました。 囲炉裏の火で体がポカポカになり、思わずビールも進みます。 続いていかにも山の宿らしい一品、鹿肉のユッケの登場です。 鹿肉はクセがほとんど無く、馬肉とはまたひと味違った美味しさがあり大好きです。 しかも単なる鹿刺しではなく、ユッケにして出してくれるところが料理にもこだわる『山の宿』ならではの味わいを感じました。 そしてこちらが本日のメインディッシュ、鶴の湯名物の「山の芋鍋」です。 独特の自家製味噌仕立ての鍋には、伊勢芋という品種を使った山芋の団子の他、豚肉、せり、キノコ、ネギなどの野菜類が具だくさんに並び、身も心も満足させる素晴らしい鍋料理になっています。 秋田といえばキリタンポ鍋が有名ですが、個人的には『鶴の湯』の「山の芋鍋」が全ての鍋料理の中で一番好きだと云っても過言ではありません。 地元の郷土料理店でいただくものは醤油仕立てが中心であるので、味噌仕立ての味わいはまさに『鶴の湯』ならではのオリジナル鍋だと云えると思います。 『山の宿』では立ち寄り入浴はできませんが、予約なしで昼食をいただくことができるので、こちらの「山の芋鍋」を気軽に味わうことができます。 まだ食べたことのない人には是非とも味わってみて欲しい一品です。 山の芋鍋の解説 http://www.e-komachi.jp/rakushoku/seven/yamaimo/index.htm この後は素朴な味わいの揚げ物や、さっぱりとした冷たいなめこおろし蕎麦などをいただきました。 最後にお茶とデザートをいただき、大満足の夕食の終了です。 白いご飯はいつでも運んでもらうことができますが、今回は囲炉裏焼きや鍋を中心に十分満腹になったのでいただきませんでした。 『山の宿』の夕食は、派手さこそはありませんが、秘湯の山の宿の雰囲気は損なわずに、ここでしか味わえないようなご馳走の数々をいただくことができました。 雰囲気や温泉だけでなく、料理についても非常に満足度が高いということが『鶴の湯』の人気を支えている要因の一つであると再確認した思いです。 しばらくお茶を飲みながらまったりと過ごした後、客室へと戻ります。 布団の敷かれた客室には、明日の朝食にも大きな期待をいだかせるような挨拶文が置かれていました。 引き続き朝食の紹介です。 朝食は8時からお願いし、夕食と同じ食事処「庵」へと足を運びます。 食事処には他の宿泊客の姿は見えず、皆ゆったりした時間を過ごしているようでした。 食事時間は7時から9時頃まで対応してくれるので、秘湯の宿にしては嬉しい時間設定となっています。 昨夜と同じ場所へ通されました。 朝食は比較的定番メニューが並びますが、どれも皆美味しくいただきます。 特にウドの煮物が気に入りました。 ご飯はかわいらしいお櫃に入っており、お米は当然あきたこまちです。 こちらは湯豆腐で、柚の風味が効いていてさっぱりとした味わいでした。 こちらが朝食の名物となっている鮎の開きのぬか漬けです。 塩焼きなどとはひと味違う絶品の味わいでした。 味噌汁も囲炉裏にくべられると贅沢な御馳走に様変わりします。 入っている具材も、なら茸など山の幸満載といった感じで美味しくいただきました。 朝食後は有料でコーヒーをいただくことができます。 できればサービスでつけてもらえると云うことなしですね。 コーヒー豆はこだわりがあるようで、売店や食事処でも販売されていました。 朝食後、締めの湯浴みを楽しむべく足早に部屋へと戻りました。 チェックアウト時間の10時まで十分滞在を満喫し、宿を後にしました。 春を待つブナの森、そしてたおやかな秋田駒ヶ岳の頂。 大自然の懐に抱かれた乳頭温泉郷は、まさに都会人の憧れの秘湯です。 いつもはスルーしがちな田沢湖まで車を走らせ、神秘的な湖の姿も目に焼き付けて来ました。 秋田杉の山道をひた走りながら、充実した旅を終えて秋田空港へと向かいました。 以上で『鶴の湯 別館 山の宿』の宿泊レポートを終わります。 写真や文章で『鶴の湯』の素晴らしさを表現するのは大変難しく、やはり泊まってみてこそ体感できる極上の湯宿であると思います。 何万円もするような至れり尽くせりの高級宿などでは決してありませんが、温泉を楽しむという温泉宿本来の目的と魅力が凝縮された『鶴の湯』の姿は、ある意味どんな高級旅館でもかなわない癒しの時間が流れているような気がしました。 次回もまた、雪をたっぷりと抱いた厳冬の冬にでも最高の暖かさを求めて足を運んでみたいと思います。 採点(5段階) 接客・・・・・4(概ね満足。特に不満なし) 館内の雰囲気・・・・・4.5(静かな環境、木の温もり感など大変素晴らしい) 部屋の雰囲気・・・・・4(秘湯の宿ながらも非常に快適。洗面台とお風呂の工夫を望みたい) 清潔感・・・・・3.5(建物も広く、ほこりのたまっている箇所もあるが許容範囲) 温泉・・・・・5(本館のお風呂も楽しめ、文句なし。貸切風呂の数が増えれば尚良し) 夕食・・・・・4.5(質・良ともに大満足。秘湯系の宿の中では最高レベル) 朝食・・・・・4.5(質・量ともに大満足。コーヒーがサービスなら尚良し) コストパフォーマンス・・・・・5(1万円台で充実した温泉ライフを体感できる) 総合満足度・・・・・5(何回訪問しても変わらぬ満足度。) 次回リピート度・・・・・5(紅葉の時期か雪深い冬に再訪確実)
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乳頭温泉 鶴の湯
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『鶴の湯 山の宿』に宿泊する上で最も大きな楽しみとなるのが、風情溢れる本館に足を運んでの温泉三昧です。 日帰り客の喧騒が去った午後3時以降は、『鶴の湯』本来の姿である静かな山の秘湯の雰囲気を取り戻し、まさに宿泊した者だけが味わえる至福の一時を迎えることができます。 第3回目となる今回は、日本屈指の人気と実力を兼ね備えた『鶴の湯』本館のお風呂及び宿の雰囲気について紹介して行きたいと思います。 『鶴の湯』本館と『山の宿』とはおよそ1.5kmほど離れているため、『山の宿』の宿泊者は主に送迎バスかマイカーにて本館に向かうことになります。 夏場であれば山道をハイキング気分で本館に向かうのも楽しそうですが、今回は夕食前に送迎バスを利用してみました。 バスは本館宿泊者も乗せながら、雪の壁がそびえる林道をひた走ります。 初めて『鶴の湯』を訪問するという宿泊客の期待いっぱいの会話が車内に響き、和やかなムードに包まれました。 およそ5分ほど走ると、雪をかぶった『鶴の湯本陣』の風格有る姿が見えて来ました。 静寂な雰囲気と冷たく凛とした空気−。 3月半ばとはいえ、まるで水墨画のようなモノトーンの世界が広がる最高のロケーションです。 これまで何度も『鶴の湯』に足を運んで来ましたが、やはり雪景色が一番好きかも知れません。 外壁を黒く塗り直したためか、渋さが一段と際だつ佇まいとなっていました。 軒下に吊された干し柿やお餅など、山里の郷愁を感じさせます。 こんな田舎では当たり前のようなことでも、絵になる光景となってしまうから不思議です。 小川に架かる橋を渡った先に、極上のお風呂達が待ち構えています。 『鶴の湯』に来たら、先ずは何と言っても露天風呂(混浴)へ入らなくてはなりません。 はやる気持ちで露天風呂の横に達つ湯小屋へと足を運びました。 脱衣場には下駄の代わりに、雪道を歩く長靴が並んでいます。 まさに雪国の温泉ならではの光景でした。 脱衣所の先には、小さな内湯である「中の湯」が設けられています。 こちらの「中の湯」は別名「目っこの湯」と呼ばれ、眼病に効能があるとのことです。 露天に比べて温度がやや高く、露天を出た後に最後にここで温まってから出るというのが私の定番です。 「中の湯」から外に出ると、ご覧の露天風呂が広がっています。 以前はもう少し小さな湯船でしたが、女性に入りやすいように拡張して右奥の出入口の方までお湯がたたえられています。 そしてこちらが誰しも一度は目にしたことがあるであろうという露天風呂の全景です。 やや青みがかった乳白色のお湯は全国的にも貴重な足下湧出泉の一つで、湯船の底から産まれたての温泉が肌を伝って表面に湧き上がってくる感触は感動ものです。 滑らかな肌触りの温泉は別名美人の湯と呼ばれる「白湯」で、『山の宿』に引湯されているものと同じ源泉となっています。 こちらの露天風呂は日が暮れてからの表情もまた素晴らしく、沸き立つ湯煙にランプの灯りが反射して何とも言いようのない艶やかな雰囲気を醸し出していました。 露天風呂を一頻り満喫した後は、鄙びた風情が魅力の2つの内湯に入ってみました。 こちらの湯小屋には「白湯」と「黒湯」という2つの源泉が注がれるお風呂を有しています。 女性用は奥に大きな露天風呂を有するなど、男女でつくりが違うようですが今回は男湯のみの紹介です。 こちらが脱衣所の様子です。 日中は人の出入りが多くて大変ですが、夕方以降は静かで鄙びた雰囲気に包まれます。 先ずは「白湯」の方に入ってみました。 浴室に入ると、まさに湯治場の雰囲気を色濃く感じさせる素晴らしい空間が広がっていました。 浴室内には樋をつたって流れ落ちるお湯の音だけが静かに響き、時間を忘れて湯浴みにいそしみました。 続いてもう一方の「黒湯」にも入ってみます。 こちらが「黒湯」の湯船で、「白湯」に比べると一回り小さいつくりとなっています。 普段は乳白色のお湯ですが、天気が崩れる前などに黒っぽく濁ることがあることから「黒湯」と呼ばれているそうです。 『鶴の湯』の極上湯を一通り満喫して外へ出ると、辺りはすっかり夕闇に包まれていました。 建物からこぼれるオレンジ色の優しい光りが、癒しの空間を演出します。 露天風呂にもランプが灯り、一段と雰囲気を増してくる時間帯になりました。 夕餉の時間帯となり、忙しそうに宿のスタッフが料理を手にして客室を行き来しています。 バスが出発するまでの間、帳場に入ってお土産を覗いてみました。 帳場の入口には、清水に冷やされた飲み物が販売されています。 こちらが帳場の様子で、『鶴の湯』本館宿泊者はここでチェックインの手続きを行うことになります。 帳場の前には所狭しとお土産類が並んでいました。 刻一刻と夕闇が辺りを包み込みます。 宿泊してこそ体感できる『鶴の湯』の夜の表情・・・。 日本屈指の人気宿たる理由を知り得ることができる非日常的な光景でした。 お風呂の後には楽しみな夕食が待っています。 お迎えのバスに乗り込み、満ち足りた気持ちで『山の宿』へと戻りました。 以上で『鶴の湯本館』の風情溢れる宿の雰囲気とお風呂の紹介を終わります。 今回は深夜11時頃にも車を運転して本館のお風呂を満喫しましたが、あらためて何度足を運んでも飽きることのない素晴らしいお湯であることを実感しました。 今まで日帰りでも何度も足を運んでいますが、やはり宿泊してゆっくりとお湯を堪能する場合と、人手の多い時間に慌ただしくお湯につかるのでは満足度が格段に違って来ます。 是非たくさんの人に『鶴の湯』に宿泊してもらい、日帰りでは知り得ない本当の魅力を味わって欲しいと感じました。 次回は囲炉裏を囲んで山のご馳走をいただく、宿の食事について紹介したいと思います。
次回へとつづく・・・ |
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前回は『鶴の湯 別館 山の宿』の宿泊した客室の様子を中心に紹介しましたが、第2回目となる今回は、地元の雑木のみによって建てられたという見事な曲り屋建築の館内、及び本館から引湯した極上の白濁湯が楽しめる宿のお風呂の様子について紹介していきたいと思います。 客室に通されてお茶と饅頭をいただいた後、館内の散策へと出向いていました。 曲り屋建築の特徴でしょうか、直角に折れ曲って延びる廊下がいくつも広がっています。 こちらは帳場のある母屋と客室棟を結ぶ廊下です。 回廊好きの私にとって、広い館内を結ぶ廊下を歩くことは大きな楽しみの一つです。 突き当たりが玄関、左手には帳場(フロント)、帳場の前にはロビーが広がっています。 また写真手前左のガラス窓の中には、お土産品が展示販売されていました。 お茶請けにいただいた饅頭などもこちらで購入することができます。 館内の至るところに『鶴の湯』ならではの魅力溢れるポスターや写真が飾られていました。 秘湯を守る会の提灯の下には、ご覧のようなご意見箱が置かれていました。 気が付いたことや感想など気軽に記入することができるので助かります。 こちらは帳場前に設けられているロビーです。 ソファーが置かれていて、雑誌などを眺めながら休憩をしたり、本館へ向かう送迎バスの待合い場所となっています。 こちらは玄関横から別棟へと延びる廊下です。 比較的新しい建物のようで、和モダンな雰囲気も漂っていました。 廊下の先にはご覧のような炭焼きの見事なオブジェが飾られています。 さらに先を進むと雰囲気の異なる廊下が奥へと延びていました。 こちらの廊下の奥の棟には、会議室のようなホールの他に2部屋だけ客室が設けられています。 廊下の窓から望む景色。 雪に埋もれた建物に風情を感じます。 また廊下の一角には、ご覧のような雑木の標本が飾られていて思わず見入ってしまいました。 こちらは外から見た宿の光景です。 翌朝撮った写真ですが、青い空に真っ白な雪、そして重厚な曲り屋建築の佇まいが一体となって非常に絵になる光景を生みだしていました。 宿のすぐ脇には先達川が清らかに流れています。 きっと今頃は周囲一体美しい新緑に包まれていることでしょう。 続いて、『山の宿』のお風呂について紹介します。 『山の宿』に設けられたお風呂は男女別の内湯が各1箇所、貸切の露天風呂が1箇所とわずかに3箇所のみです。 この他に本館のお風呂も自由に利用することができ、定期的に送迎バスも走っているので『山の宿』の宿泊客の多くは本館へと出向いているようでした。 こちらはお風呂のある湯小屋へ向かう玄関です。 湯小屋へはいったん外へ出るかたちになりますが、わずか5Mほどしか離れていないのでさほど不便は感じません。 黒塗りの湯小屋は風情満点の雰囲気です。 中に入ると男女別の内湯が隣り合って設けられていました。 先ずは男性用のお風呂から紹介します。 脱衣所は狭く、わずかに籠が数個並んでいる程度でした。 それでも今まで一度も他の入浴客と一緒になったことがないので特に問題ないと思います。 扉を開け、早速浴室に入ってみます。 こちらが内湯の様子です。 3人も入ればいっぱいになってしまう大きさですが、前述したとおり今まで一度も他の宿泊客と一緒になったことがないので、風情溢れるお風呂を貸切状態で楽しむ時間は格別でした。 本館から引湯した温泉は白濁した硫黄泉で、通称(白湯)と呼ばれています。 滑らかな肌触りと、まさに温泉らしい硫黄の香りが鼻孔に広がり、極上の湯浴みを満喫することができました。 白濁した硫黄泉は全国に存在しますが、鶴の湯の泉質は個人的にベスト3に入るほどお気に入りの浴感です。 湯気抜きの高い天井も趣が感じられます。 続いて女性用の内湯を紹介します。 男女とも脱衣所、浴室とも左右対称でほぼ同じつくり・大きさとなっていました。 扉を開けると、男性用内湯と同様に風情溢れるシンプルなお風呂が目に飛び込んで来ます。 お湯の温度も適温で、じっくりとお湯を味わうには最適なつくりであると思います。 続いて表情が変わる夜のお風呂の様子も紹介したいと思います。 同じつくりのため、男女の入れ替えが行われることはありません。 こちらは男性用のお風呂です。 浴室内には湯船に注がれる湯の音だけが響き渡り、神々しいような雰囲気が漂っていました。 こちらは女性用のお風呂です。 男性用と同様、夜は非常に静かな雰囲気に包まれています。 夜はお風呂だけでなく、館内の雰囲気もまた昼間とは違った山奥の秘湯らしい静かな雰囲気が感じられます。 客室にテレビが置かれていないため、ロビーでゆっくりと雑誌などを眺める時間もまた楽しみの一つです。 団体客などとは皆無のため、『山の宿』の夜は静かにふけていきました。 最後に貸切露天風呂について紹介したいと思います。 貸切露天風呂は男女別内湯のすぐ隣に設けられていて、空いていれば鍵をかけて自由に利用できるスタイルになっています。 1箇所しか設けられていないので、タイミングに寄っては入れない場合もあるのが少々残念でした。 浴衣を脱ぎ、扉の外の露天風呂へと足を運びます。 露天風呂も小ぶりなつくりながら、非常に魅力的な佇まいです。 岩で組まれた露天風呂には、やや青みを帯びた白濁湯がとうとうと掛け流されていました。 本館の広い露天風呂も素晴らしいですが、こちらの貸切露天風呂の魅力もまた素晴らしいものがあります。 周囲にはブナ林が広がり、あまりの心地よさにずっと浸かっていたいような感覚を覚えました。 極上の鶴の湯温泉を貸切で楽しむことの贅沢さといったらありません。 以上で『鶴の湯 別館 山の宿』の館内及び魅力溢れるお風呂の様子についての紹介を終わります。 『山の宿』のお風呂は小さい上に数が少ないので、人に寄っては物足りなさを感じるかも知れません。 確かに『山の宿』のお風呂だけしか入れないとなると魅力は半減してしまいそうですが、あくまで本館のお風呂とセットで考えればその数は必要十分であると思います。 また前回宿泊時は、貸切露天・内湯ともいつ行っても貸切状態だったのですが、今回はタイミングが悪かったせいもあって、貸切露天は朝の1回のみの利用となりました。 チェックイン時から夕食前であれば、ほとんどの宿泊客が本館のお風呂に足を運んでいるようなので、貸切を存分に楽しみたい人であればこの時間帯がねらい目だと思います。 『山の宿』のお風呂は日帰り入浴を受け付けていないため、夕食前までの時間帯は静かな雰囲気の中で極上の湯浴みを満喫することができることでしょう。 次回は日本を代表する秘湯の宿、『鶴の湯』本館の鄙びた宿の雰囲気及び風情満点のお風呂の数々について紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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温泉が好き、とりわけ山の中の鄙びた秘湯が好きという人にとっては、乳頭温泉『鶴の湯』の存在は一際大きく、誰もが一度は泊まってみたいと願う憧れの温泉宿であると思います。 かくゆう私もそんな『鶴の湯』をこよなく愛する温泉好きの一人・・・。 『鶴の湯』について今さら説明するまでも無いと思いますが、その美しい乳白色の湯、大自然に囲まれたロケーションと風情溢れる宿の佇まい、滋味溢れる山のご馳走をいただく食事と、あらゆる面で旅人の心を満たす要素が凝縮されている珠玉の湯宿と云っても過言ではありません。 そのあまりの人気ぶりに、日帰りで訪問して芋洗いのような状態に遭遇し、「どこが秘湯だ!」と云って宿を酷評するような声も時々耳にしますが、『鶴の湯』の真の魅力を知る為には宿泊して初めて分かり得るものだと強く思っています。 今回は『鶴の湯』の中でも快適な設備と落ち着いた佇まいが魅力である『別館 山の宿』に宿泊し、今年最後となる極上の雪見露天を満喫して来ました。 これから数回に分け、日本の秘湯系宿の最高峰である乳頭温泉『鶴の湯 別館 山の宿』の宿泊レポートを紹介していきたいと思います。 第1回目となる今回は、宿に至るまでの行程と宿泊した客室の様子について紹介します。 秘湯王国秋田に足を運んだのは3月の中旬。 当日は朝から雨が降ったり止んだりというスッキリしない空模様となりました。 先ずは昼食を取るべく、みちのくの小京都・角館へと立ち寄ってみました。 先ず足を運んだ先は、田町武家屋敷ホテルに隣接するイタリアンレストラン「樅の木亭」です。 こちらのお店には未だ立ち寄ったことがなかったので、今回の訪問を楽しみにしていたのですが、何と土曜日の昼時にもかかわらず店はCLOSE・・・。 シーズンオフのため、4月までランチ営業はお休みとのことでした。 気を取り直して次に向かった先は、郷土料理で有名な「百穂苑」です。 こちらも今回が初訪問で、とにかく栗おこわが美味しいとの評判を耳にしていたので以前から気になっていたお店の一つでした。 築400年の古民家を移築したという建物の暖簾をくぐり、店内へと入りました。 黒光りする板の間に太い大黒柱、そしてそこに敷かれたペルシャ絨毯と、何とも表現し難い不思議な空気感が漂う店内です。 団体客の到着を待つテーブル席の周囲には、ペルシャ絨毯でつくられたという絵画がところ狭しと飾られていました。 実はこの店の女将さんがイラン出身の方で、その女将さんのセンスにより古い日本家屋に中東の美術品を展示するという、あまり目にすることのないような異空間が出来上がったということです。 そしてこちらが今回私達がオーダーした栗おこわ定食です。 名物の栗おこわの他、山菜などの小鉢としょっつる貝焼きがセットさせた内容でした。 小鉢類は普通でしたが、評判の栗おこわは本当に美味しく、思わずお代わりしたくなるような味わいに十分満足することができました。 食事が済んだ後は、2Fにある資料館にも足を運んでみました。 こちらのお店には単品のメニューが無く、食事料金は少々値を張りますが、角館町観光協会のHPにも「ぜったいおすすめのお食事処。本物の郷土料理と本物の伝統」というように紹介されているので、味に関しては確かなものを持っていると思います。 ただ内装については、落ち着いた古民家レストランを期待して中に入ると、想像した佇まいとのギャップに驚かされるので、この辺は人によって好みが分かれそうな感じました。 百穂苑 http://hyakusuien.com/index.html 角館を後にし、雨上がりの山道を走りつつ乳頭温泉郷に向かいます。 少し霧がかかったような風景が辺りに広がり、秘湯へのアプローチを演出しているかのようでした。 『鶴の湯』入口の看板を左に折れて林道を走ることおよそ5分、雪に囲まれたブナの森の中に『鶴の湯 別館 山の宿』の勇壮な建物が見えてきます。 乳頭温泉郷に足を運ぶとなると、普段であれば宿に到着前にいくつか湯巡りをしてから向かうというのが常ですが、今回は『鶴の湯』のお湯をじっくり満喫しようとの目論見であったので、立ち寄り入浴等は行わずに宿へと直行しました。 駐車場に車を停めて宿へと向かいます。 道路上の雪はすっかり溶けていましたが、冬の名残である「かまくら」はまだ健在でした。 周囲を深いブナの森に囲まれた、まさに宿名どおり『山の宿』です。 『山の宿』に宿泊するのは今回で2回目、食事利用のみでこれまで数回足を運んでいます。 風雪に耐えるがっしりとしたアプローチの階段を上がる際には、いつも期待で胸が高まります。 玄関の扉を開け、宿の中へと足を運びました。 玄関を入ってすぐ右手にフロントがあり、名前を告げて先ずはチェックインの手続きをこちらで行います。 宿帳へと記入後、スタッフに案内されながら客室棟へと向かいます。 山の宿らしい素朴な木造の廊下からは、随所に木の温もり感が感じられました。 途中、お馴染みの「秘湯を守る会」の提灯が燦然と輝いていました。 客室へと向かう廊下はフロントから長く奥へと続いており、太い梁が特徴の曲がり屋風建築となっています。 こちらが客室棟の前の廊下です。 天井部分はガラス窓となっており、外の光りが差し込む明るい印象のつくりとなっていました。 今回通されたのは「きはだ」という名前の客室です。 引き戸を開け、客室内へと足を踏み入れます。 こちらが今回宿泊した客室の様子です。 『山の宿』の客室は秘湯の宿ながらも、全室バス・トイレ付という明るく機能的なつくりとなっており、秘湯の温泉は味わってみたいけれど不便な部屋には泊まりたくないといった宿泊客のニーズに応える内容となっています。 窓の前に面した広縁には掘りごたつが備えられており、寒さの厳しい冬には非常にありがたい装備となっています。 全11室中9室が掘りごたつ付の客室で、掘りごたつの無い2室については宿泊料金が安く設定されています。 夏場であれば必要性はあまりありませんが、冬は体の芯から冷え込むので掘りごたつのある部屋を選んだ方が賢明だと思います。 こちらは窓の外に広がる景色です。 11月の下旬から3月下旬にかけては、ご覧のような一面の銀世界に覆われていますが、春から夏にかけては緑豊かなブナの森の景色が望め、錦秋の秋には黄金色の鮮やかな世界が一面に広がります。 こちらは到着時にお茶請けとして置かれている饅頭です。 山芋が練り込まれていて、もちもちした食感で美味しくいただきました。 レトロなランプシェードに木の電話機など、置かれている備品類も部屋の雰囲気によく似合っていました。 こちらは浴衣やタオルなどの温泉道具です。 『鶴の湯』といえば紺色の丈の長い丹前が有名で、寒い冬場は重宝します。 入口から見て左手の襖が客室、正面のガラス戸の奥がお風呂と洗面所、右手にトイレが設けられています。 続いてガラス戸の奥の様子について紹介します。 ガラス戸を開けると、手前に比較的大きめの冷蔵庫が置かれていました。 上段はフリーのスペース、下段は飲み物類が入っています。 冷蔵庫の隣には、何とも雰囲気にそぐわない洗面台(流し)が備え付けられています。 ゆとりのある大きさで便利は便利なんですが、もう少し雰囲気にあったものをセレクトして欲しい感じがしました。 そしてこちらが客室のバスルームです。 『山の宿』にはパブリックの浴室にシャワー設備はないので、洗髪等を行うのにシャワーの付いたバスルームがあるのはやはり重宝します。 水圧もしっかりしており、女性などには助かる設備ではないでしょうか。 但しこちらもありきたりのユニットバスなので、できれば温泉ではなくても木のお風呂などを備えてもらえると嬉しく思います。 客室のトイレはしっかりとウォシュレットが備わっており、秘湯の宿ながらも快適な設備で助かります。 最後に夜に布団を敷いた状態です。 この日はいい温泉につかり、美味しい食事をいただき、ゆっくりと快適な眠りにつくことができました。 以上で『鶴の湯 別館 山の宿』の宿泊した客室についての紹介を終わります。 こちらの宿には、TVや冷房は備えられていませんが、バス・トイレ、暖房設備などの装備はしっかり整っているので、日常の喧騒を離れてのんびりとした時間を過ごすのには申し分のないつくりであると思います。 本陣をはじめとする『鶴の湯』本館の鄙びた湯治場の雰囲気も素晴らしいものがありますが、『別館 山の宿』の客室は快適そのものであり、自分の好みのスタイルに応じて選択できる余地があるということは非常にありがたいことであると感じました。 次回は『山の宿』の館内及びお風呂の様子について紹介していきたいと思います。
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