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『湯どの庵』でいただく食事は、地元の旬の素材を用いた和と洋がクロスオーバーする独特の創作料理です。 月替わりでメニューが変更されるため、年間を通じて食事目当てで訪れる宿泊客も多いと聞いており、私達もそんな『湯どの庵』の料理に魅せられている宿泊客の中の一員です。 但し今回は不覚にも旅の途中で体調を崩してしまったため、満足に食事を摂ることができずに非常に残念な思いをしました。 したがって十分に伝えることができないという前置きの下、最終回となる今回は雰囲気のよいお洒落なダイニングでいただく『湯どの庵』の食事について紹介していきたいと思います。 今回は宿への到着が予定より遅くなったため、普段よりも遅めの時間となる夜7時から夕食をいただくことにしました。 夕食時間となり、リビングのある棟の2Fに設けられたダイニングへと足を運びました。 階段を上がった先はちょっとしたホールになっており、スタッフの案内を受けて今宵のダイニングへ通されます。 ダイニングの入口を入ってすぐのスペースには、ご覧のようにアルコール類各種がストックされており、視覚的にも味わってみたくなるような効果を生んでいました。 今回通されたダイニングは、前回来訪時と同じ部屋になりました。 この部屋以外にも4つの個室や同じようなつくりの部屋が別に設けられており、事前に予約すれば食事場所の希望もある程度は聞いてもらえるようです。 全体的にモノトーンで統一されたシックな雰囲気の中、ライトアップされたグリーンが一際輝いていました。 夕食は和テイストのコース料理になっていて、 1.スープ 2.お造り 3.魚料理 4.肉料理 5.食事 6.デザート といった順番で運ばれて来ます。 先ずはこちらのスープから。 今回のスープはニンジンのポタージュでした。 一口いただいてみましたが、ニンジンのほのかな甘みがとても優しい味わいの一品です。 続いて日本海で上がったお造りです。 甘エビ、烏賊、鯛の3点盛りに美しく盛られたツマが添えられ、柚子こしょうを混ぜた味噌でいただきました。 こちらのお造り、過去にいただいたものは全て立体的に盛りつけられていて、お造りと表現するもの以上の創作料理といった感じだったのですが、今回は奇をてらわずに文字通りお造りとして出て来ました。 それならば素直に醤油ででいただいてもよかった感じですが、そこはさすがに『湯どの庵』、運ばれる際、「当館は創作料理なので柚子こしょうを合わせた味噌でお召し上がりください」との言葉が添えられました。 続いての魚料理は冬の庄内の味覚、鱈の蒸しものです。 旬の味覚をシンプルに味わってもらおうとの料理長の思いからか、魚・つけ合わせの野菜とも下味は無く鍋物のようにポン酢をかけていただきました。 その理由は、私達は鱈があまり好きでないということと(味噌汁を除く)、前回1月に訪問した際のメニューもほとんど同じ鱈の蒸しものであったからです。 『湯どの庵』に訪問するのは今回を含めて4回とも全て冬であったため、旬の味覚はどうしても鱈などの魚になってしまうのかも知れませんが、せめて調理法を替えてもらえればもう少し楽しめた様な感じがします。 過去3回は素材も調理法も違った魚料理を美味しくいただけたので、次回訪問時は季節をかえる必要性を感じた次第です。 もちろん、初めていただく方については十分満足できる一品であると思いました。 そして今回のメインとなる肉料理は、地元庄内の銘柄豚である三元豚のソテーです。 こちらの『湯どの庵』では肉料理に三元豚を使ったメニューが多いのですが、毎回工夫をこらしたメニューで登場するので全く飽きません。 今回は濃厚なチーズにさっぱりとしたトマトソースを合わせ、つけ合わせのクレソンやたまねぎ、パプリカなどの新鮮野菜とともにいただきました。 体調不良でほとんど残してしまいましたが、普段であればお代わりしたくなるくらいに美味しい一品であったと思います。 そして今回のお食事は、ウニご飯・鱈の味噌汁・漬物です。 こちらのご飯ものも毎回出てくるメニューが違っていて楽しめる内容となっており、今回も海の幸満載のお食事に大満足となりました。 あまり手が付けられなかったのでご飯も極めて小盛りにしてもらいましたが、お代わり自由かつスタッフが盛んに進めてくれるので、周囲のお客さんはお代わりをしている人が多く見られました。 一通り食事が済んだ後は、お待ちかねのデザートです。 しばらく間をおいて、デザートとお茶が届きました。 こちらが今回のデザートです。 クリスマスシーズンということでツリーをイメージしたケーキとだだ茶豆のアイスが運ばれました。 地元の鶴岡のお菓子屋さんからわざわざ仕入れているという『湯どの庵』でいただくスイーツは、味はもちろん見た目も楽しむことができ、ディナーの締めくくりにふさわしい一皿となりました。 夕食を終え、ダイニングを後にします。 リビングや廊下同様、ダイニングスペースの入口にもいくつかの椅子やテーブルが置かれており、食事の余韻を楽しみながら会話などを楽しむことができるようになっています。 以上で夕食の紹介を終わります。 今回は体調不良により、普段ではまずあり得ないようにたくさんの料理を残してしまい、給仕してくれたスタッフにも心配と迷惑をかけて大変申し訳なく思っています。 それぞれ一口程度しか口に出来ませんでしたが、今回の料理は創作テイストがやや薄れ、普段よりも素材の味を活かしたシンプルな調理方法であったような感じがしました。 『湯どの庵』の創作料理はかなりオリジナルな内容なので、必ずしも万人受けするとは言い切れないものですが、今回の内容であれば割と多くの方々に支持されるメニューであったと思います。 但し、言い方を変えれば少し物足りない感じがしたのも事実で、もっと『湯どの庵』らしく創意工夫された創作料理をいただきたかったというのが率直な感想です。 続いて朝食の紹介です。 『湯どの庵』の朝食をいただく上で何より嬉しいのが食事時間をあらかじめ決めておく必要がなく、朝7時半〜10時までの間で好きな時間に足を運んでよいということです。 設定時間の幅が広いので、いつも朝起きた時の気分でいただくようにしていますが、今回は8時半頃に昨夜と同じダイニングへと足を運びました。 私達が出向いた際は他のお客さん達の姿はなく、優雅に貸切状態で朝食をいただくことができました。 朝食は夕食にくらべると極めてシンプルで、いかにも胃に優しい和食となっています。 朝食時間の幅が広くてもおかずが冷めて出てくるようなことはなく、しっかりと温かいものをいただけるのが嬉しく感じました。 当然出来たてというわけでは無いのでしょうが、時間が経ってしまった感などは微塵もなくいつでも美味しい食事をいただくことができます。 朝食はいつも同じようなメニューなのですが、毎回楽しみにしているのがご飯にかけていただくおかずの一皿です。 今回はとろろご飯となっており、体調がまだ完全ではありませんでしたが少量をじっくりと味わっていただきました。 庄内米の炊きたてご飯や味噌汁も優しい味わいでした。 朝食をゆっくりといただいた後は部屋に戻って帰り支度です。 チェックアウトの際、デザートの仕入れ先であるお店の名前と場所を聞いたりしながら、4度目の『湯どの庵』を後にしました。 2007年最後の温泉宿訪問となった湯田川温泉〜。 季節を替えて必ずまた足を運びたいと思える静かで落ち着いた温泉地でした。 デザイナーズ旅館の先駆けとして、今も変わらぬ魅力を放ち続ける湯田川温泉『湯どの庵』のスタイルが肌にしっくりと来る人は、きっと再びこの宿を訪れることと思います。 宿泊代に数万円もかかるような温泉宿が珍しくない昨今、一万円台半ばの宿泊料金でこれほどまでに高品位な滞在ができる温泉宿はおそらく数えるほどしか見当たらないのではないでしょうか。 全国的にもハイレベルな人気旅館が軒を連ねる山形の地において、『湯どの庵』には常に時代の先頭を走り続けて行って欲しいと思っています。 採点(5段階) 接客・・・・・4.5(ホテルのようにプライベート重視ながらも、皆さん丁寧で満足できる) 館内の雰囲気・・・・・5(進化した日本旅館の理想の姿を感じる。統一感のある家具や間接照明の使い方も素晴らしい) 部屋の雰囲気・・・・・5(あえて眺望を捨て、デザインと快適さで見事にカバーしている) 温泉・・・・・4(新設露天風呂への期待感が強かったが、個人的に内湯の石風呂が以前の方が好きだったのでやや残念な気も・・・) 夕食・・・・・4(今回は十分に味わうことができなかったが、これまでよりやや大人し目な印象を感じた) 朝食・・・・・4.5(質・量とも大変満足) コストパフォーマンス・・・・・5(1万円台で宿泊できる宿の中ではトップクラス) 総合満足度・・・・・4.5(今回は体調不良が関係したこともあり、5点満点には至らず) 次回リピート度・・・・・5(次回は季節を替えて訪問したい)
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湯田川温泉 湯どの庵 2
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かつては庄内藩主も湯治をしたという湯田川温泉『湯どの庵』では、日本秘湯を守る会の宿らしく歴史のある温泉がとうとうと掛け流されています。 湯田川温泉といえば、全国で91地域しか指定されていない国民保養温泉地の一つとしても数えられ、そのお湯の特徴は肌に優しいさらりとした無色透明の硫酸塩泉です。 第3回目となる今回は、『湯どの庵』の宿のお風呂について紹介して行きたいと思います。 『湯どの庵』のお風呂は檜と石という趣の異なる男女別の大浴場が各1箇所づつ設けられていて、夜8時に男女が入れ替えとなります。 今回は到着時から夜8時まで檜風呂が男性用、石風呂が女性用となっていてその後入れ替えになりました。 檜風呂はリビングルームの奥に設けられています。 入口の照明が「男性用」と標示されているのを確認して中へと入ります。 脱衣所は広々としていて、暖房が良く利いているので冬場でも快適です。 貴重品を入れるキーボックスなどは設けられていませんでした。 檜風呂の方は、浴室への入口にすのこが敷かれています。 扉を開けると、木の香漂う何とも風情のあるお風呂が目に入りました。 檜風呂の方は内風呂のみですが、浴槽の大きさと注がれる湯量とのバランスが丁度良く、非常に気持ちよく湯浴みを満喫することができます。 客室数が限られているため、独り占めできる時間帯が多いのも嬉しい限りです。 切石の床と檜の湯船のコントラストが非常に美しいので、その浴室のつくりに惚れ惚れとする思いでした。 微熱があったためか、誰もいない浴室で静かに目を閉じると思わず眠ってしまいそうなくらい心地よい気分にひたることができました。 カラン・シャワー類も不足なく設けられていて快適です。 『湯どの庵』の浴室は天井が高く開放感があるのが特徴で、太い柱と梁がそびえる様は見事でした。 こちらは朝の檜風呂の光景です。 小さめの窓からは庭園の木々を望み、すがすがしい雰囲気で湯浴みが楽しめます。 湯上がり後は、ロビーに置かれた氷水でのどの乾きを潤すことができます。 気持ちの良い湯浴みを満喫した後、ゆったりとしたソファーに座ってひと息つくこともまた至福の時間でした。 続いて石風呂の紹介です。 2つの大浴場は離れた場所にあり、石風呂の方は渡り廊下の端に位置しています。 扉を開けて中へと足を運びます。 脱衣所のつくり・広さはほぼ同じような感じですが、こちらは洗面台の上に鏡が無く脇に設けられていました。 浴室への入口は檜風呂の方はすのこが敷かれていましたが、こちらは切石の床となっており、さりげない意匠の違いにも感心させられました。 こちらが石風呂の全景です。 2007年5月に改装したばかりの浴室は、以前とはやや雰囲気が変わって寝湯スペースが設けられていました。 高い天井に太い柱は健在ながらも、どこか都会的な雰囲気に生まれ変わりました。 個人的には以前の寝湯の無い浴室の雰囲気の方が好みです。 ゆるやかなカーブを描く寝湯の部分です。 温めのお湯で心地よく楽しむことができました。 こちらの浴室もカラン・シャワーは十分に設けられていて快適に利用することができます。 続いて、楽しみにしていた露天風呂へと足を運んでみました。 新しく設けられた露天風呂はかなりスタイリッシュな雰囲気です。 露天風呂へと続くデッキのアプローチもお洒落な感じがしました。 露天風呂の浴槽は3人も入ればいっぱいという小ぶりなものでしたが、さすが『湯どの庵』といったしつらえには十分満足できました。 引き続き、朝の石風呂の様子について紹介します。 大きくとられた窓からは、夜はあまり見えなかった竹林の姿を望むことができました。 朝の石風呂は夜に比べてよりクールな雰囲気が漂っている感じがしました。 小雨の混じる露天風呂の光景です。 竹林や奥に置かれた大きな瓶がアジアンリゾートを思わせる佇まいです。 雪の中であればもっと風情を感じられたと思いますが、冷たい雨の中では長湯はできずに早々と内湯へ戻りました。 以上で湯田川温泉『湯どの庵』のお風呂の紹介を終わります。 期待していた露天風呂は、いかにもデザイナーズ系旅館のお風呂という感じで宿の雰囲気に良くあったセンスあるつくりであったと思います。 その反面、以前の石風呂(内湯)の規模を縮小して寝湯スペースを設けることで湯量を確保したと思われ、露天ができたことと内湯が小さくなったことで±はゼロといった感想を持ちました。 特に以前の石風呂の雰囲気を知るものとしては少々残念な感じもします。 個人的には小じんまりとしているひのき風呂の方が落ち着いていて好みですが、同行の彼女は石風呂の方が温度も温めで露天も楽しめるということで前より良くなったという感想をもらしていました。 いずれにしても、檜と石という雰囲気の異なるお風呂を掛け流しのお湯で楽しめるということは非常に贅沢であり、衛生管理のために深夜のみ消毒剤を使用しているという湯の使い方にも好感が持て十分に満足することができました。 次回はモダンなダイニングにて絶品創作料理をいただく宿の食事について紹介します。
次回へと続く・・・ |
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湯田川温泉『湯どの庵』の館内の雰囲気を一言で表現すると、安直ながら「スタイリッシュ」という言葉がよく似合います。 扉温泉『明神館』なども手掛けている著名な家具デザイナー・岩倉榮利氏のプロデュースにより、館内の床や壁、そこに並んだ椅子やテーブルなどの家具に至るまで、築80年という大正時代の古い建物が見事なまでに現代風にリニューアルされた統一感のある空間が広がっています。 第2回目となる今回は、『湯どの庵』のそんな絵になる館内・外の風景を中心に紹介して行きたいと思います。 客室を出て、宿泊棟の階段を降りつつリビングルームの方へと足を運びます。 鉄筋造りの宿泊棟はどこか無機質な感じもしますが、階段には木の板が使われていて明るい雰囲気をつくりだしていました。 日が落ちた後の渡り廊下は、照明類達が黒光りする床を鈍く輝かせます。 こちらは渡り廊下に置かれたソファー。 湯上がり時や食事の後など、中庭を眺めながらひと息つくことの出来る憩いの空間です。 さすが家具デザイナーが手掛ける宿だけあって、館内のちょっとしたスペースには雰囲気にあった椅子やテーブルなどがセンス良く並んでいます。 和モダン・アジアンテイスト系のインテリアが好きな私にとっては、館内至るところに置かれた素敵な家具達に思わず目が奪われてしまいました。 こちらがメインのパブリックスペースとなるリビングです。 座り心地のよいシックな色調のソファーやイサムノグチの照明が落ち着いた雰囲気を演出しており、多くの宿泊客が思い思いの時間を過ごしている姿をよく目にしました。 スタイリッシュな空間ながらも、決して肩の凝らない居心地の良さが『湯どの庵』のリビングの大きな魅力であると云えます。 リビングの奥には、宿で使っている食器などの小物が展示販売されており、まるでギャラリースペースのような雰囲気が漂っていました。 小物をディスプレイしているスペースの奥にも、ご覧のように椅子とテーブルが並んだ渋い雰囲気の空間がつくられています。 続いて宿の外にも出てみることにしました。 こちらは夜の玄関です。 竹や灯籠、飛び石など純和風の趣が感じられます。 築80年という木造建築の外観からは、中に広がるモダンな空間の存在など想像し難い感じがしました。 決して人通りが多くない物静かな雰囲気の温泉街ですが、風情や日本的情緒が強く感じられ私にとって好きな温泉地です。 雪のない庄内でも夜はさすがに寒さがこたえます。 足早に宿へ戻り、微熱をたたえながら静かな一夜を過ごしました。 『湯どの庵』の朝はモーニングコーヒーで迎えるが定番です。 フロントでオーダーしたコーヒーをお気に入りのリビングにていただきました。 朝のリビングの風景は夜とはまた違った表情で楽しめます。 こちらの庭園に雪が降り積もると、何とも云えない風情を感じることができます。 今回は期待していたホワイトクリスマスには成りませんでしたが、今頃はきっと静寂なモノトーンの世界が広がっていることでしょう。 朝の館内の風景は、どこか凛とした空気が流れているような感じがしました。 再び散歩へと繰り出してみます。 白壁の上に構える通りに面した2階部分が食事をいただくダイニングスペースになっていて、リビング同様にスタイリッシュな空間が広がっています。 メインストリートに交差するいくつもの路地が、石畳を敷いた風情ある景観をつくりだしていました。 通りには作家・藤沢周平ゆかりの地との案内が設けられています。 思わず歩いてみたくなるような雰囲気に溢れています。 路地の先、メインストリートの中央には威風堂々たる風格の共同湯である『正面湯』も建っています。 『湯どの庵』を初め、湯田川温泉の宿泊客は宿で鍵を借りて無料で入れることになっていますが、今回は体調不良だったこともあり入浴は遠慮しました。 前回訪問時は、湯量豊富な硫酸塩泉がとうとうと掛け流されているお湯を存分に堪能し、大いに風情を味わせてもらいました。 また温泉街を少し歩くと、共同湯と同じような外観のお土産屋の姿も目にすることができます。 こちらの「ぱろす湯田川」では、名物の蒲鉾などのお土産の他に地酒や食品などが並んでいました。 ちょうど温泉街の端に位置しているので、散策の休憩スポットとして好都合なお店です。 以上で『湯どの庵』の館内及び周囲に広がる風景の紹介を終わります。 『湯どの庵』の洗練されたジャパニーズモダンな宿づくりの底に流れるコンセプトは「生活の延長としての宿、つまりは家を創ろうということ」だそうです。 リビングがあり、ダイニングがあり、バスルーム・ゲストルームのある家というものをイメージしてリニューアルした結果、スタイリッシュでありながらも非常に居心地のよい素敵な空間が出来上がったというわけであり、自分にとってはあくまで非日常の時間・雰囲気に身を寄せていながらも、好みの家具や空間に囲まれて過ごしているという現実が、自分の描く理想の生活のイメージに重なってくるような感じを受けました。 新築ではなく、あくまで歴史ある建物を活かしてリニューアルしているという点もこの宿の魅力を大きくしている点であると思いました。 次回は、檜と岩の異なる魅力が楽しめる宿のお風呂について紹介していきたいと思います。
次回へとつづく・・・ |
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静かなる雰囲気と洗練された上質な空間、演出感のある創作料理に何よりも確かな実力を持った温泉を楽しめる宿−。 そんな条件で宿選びを考えるとき、必ず候補に上がる宿の一つが湯田川温泉『湯どの庵』です。 『湯どの庵』にはこれまで3回ほど足を運んでいますが、何度訪れても飽きることのない上質なホスピタリティを得ることができる点や、比較的リーズナブルな料金で非日常的な温泉ライフを満喫することができるという魅力に加えて、2007年4月には待望の露天風呂がOPENしたという話を耳にしていました。 新たな魅力が加わったということで以前から再訪の時期を考えていたところ、ちょうどクリスマスシーズンの3連休に運良く空きを見つけたため、川渡温泉『山ふところの宿みやま』の後泊の宿として庄内の奥座敷である湯田川温泉『湯どの庵』へと足を運ぶことになりました。 デザイナーズ旅館の先駆け的存在として、今ではすっかり全国的にもメジャーな存在となった『湯どの庵』の宿泊レポートについて、これから数回に渡って紹介していきたいと思います。 第1回目の今回は、チェックイン時から宿泊した客室についての紹介です。 12月の庄内平野は、昨年同様ほとんど雪が見られないという冬らしからぬ光景が広がっていました。 前泊の『山ふところの宿みやま』を立つ際に体調不良となってしまい、鶴岡へ向かう途中の新庄で休日病院に立ち寄って時間をロスしてしまったため、日もだいぶ傾いて来ました。 小規模ながら風情ある温泉街を形成する湯田川温泉のメインストリートに入ると、目指すべき今宵の宿はもうすぐです。 2007年の正月以来、ほぼ一年ぶりの訪問となった『湯どの庵』〜。 奇しくも2007年最初と最後の温泉旅行をこの宿で迎えることになりました。 ライトアップされた宿の看板を見るにつけ、確かなセンスの良さが感じられます。 駐車場に車を停め、いつも通り心地よい緊張感を持って玄関へと足を踏み入れました。 歴史と風情を感じる古びた宿の外観からは、想像もつかないようなモダンな空間がこの先に広がっています。 玄関にさりげなく吊された「秘湯を守る会」の提灯が、本物の温泉宿としてのブランドを印象づけている感じがしました。 この提灯欲しさに、今でも基準をはずれた規模の大きい温泉宿の加入申込みが後を絶たないという話も聞かれます。 館内に入り、先ずはフロント脇にあるティーラウンジへと通されました。 体調がすぐれない中、落ち着いたティーラウンジの雰囲気に心落ち着く瞬間でした。 ウェルカムドリンクにハーブティーをいただきながら、チェックインの手続きや食事の時間についての説明を受けることになります。 リピーターであっても宿帳の記帳や館内の説明など毎回同じ手続きを踏むので、ひょっとすると仮に違う相手と来ても初めてのように振る舞うことができるような宿の配慮なのかもしれません。 ひと息着いた後は、中庭を眺めながら黒光りする廊下を通って宿泊棟へと足を運びます。 館内は何度見てもほれぼれするようなジャパニーズモダンの空間が広がっていました。 宿のスタッフが付き添うのはこちらのエレベーターまで。 ここから先は宿泊客のプライベートを優先させるということで、鍵を受け取って自分達で客室へと向かいました。 宿泊棟はロビー周辺とは趣が異なり、ホテルのようなシンプルな雰囲気が漂います。 今回宿泊した客室はこちらの206号室。 鍵を開けて早速部屋の中へと入りました。 扉を開けると、ご覧のように客室と玄関を隔てる簾状の引き戸が目に留まります。 そして客室内に入ると、フローリングの床に段差を設けた和ベットが2つ並ぶというシンプルで洗練された空間が広がっています。 今では珍しくもない和ベットルームですが、数年前はさすがデザイナーズ旅館、何ともお洒落な客室だなと感動を覚えたものです。 眺望が効かないのでやや閉塞感を感じますが、多彩な間接照明に彩られた客室の雰囲気は個人的に非常に落ち着きます。 設けられた和ベットも清潔感に溢れ寝心地が良く快適でした。 ベットスペースの対面には、ご覧のように椅子やテレビなどが置かれています。 さらに壁には落ち着いた色調の木板が取り付けされ、部屋のアクセントとして雰囲気づくりにひと役買っていました。 また、こちらの客室で特筆すべきは床暖房システムです。 フローリングの床から一段上がったベットスペースに至るまで床暖房が配備され、空調を入れずとも冬でも快適に滞在することができるようになっています。 空調の暖房設備だと乾燥に悩まされることが多いのですが、こちらの客室は乾燥もあまり気にならずに温かい床でゴロゴロすることができるので非常に助かります。 もちろんエアコンも客室の雰囲気をこわさぬようにしっかり装備されているので、好みに応じて使い分けができるようになっています。 こちらは用意された浴衣です。 落ち着いた色調の浴衣ですが、やや生地が薄くシワが寄り易い感じがしたのでできれば2枚用意して欲しいと思いました。 また、客室内には鶴岡市で栽培しているというオーガニックのハーブティーが数種類用意されていて、寝る前などリラックスしてティータイムを楽しむことができるようになっていました。 シンプルな客室ですが、そっと置かれたグリーン達に気持ちも和まされます。 続いて客室の洗面所の紹介です。 トイレと洗面台はホテルのような一体型で、トイレはもちろんウォシュレットが完備されています。 洗面台周りのアメニティは少ないですが、こちらにも地元のハーブ園でつくられたというナチュラルソープが置かれていました。 個人的にはプッシュタイプのハンドソープの方が便利ですが、添加物の無い肌に優しい物が用意されているということで、女性などには喜ばれるのではないでしょうか。 以上で湯田川温泉『湯どの庵』の宿泊した客室の紹介を終わります。 14室ある客室のうち、基本的にどの部屋に宿泊しても同じような和ベットルームとなっていますが、バストイレ付の客室やダブルルームなども設けられているので好みに応じて選ぶことがきできます。 前述したように、お洒落な雰囲気の客室ではありますが眺望が全く効かないことや畳のある和室などは設けられていないので、客室からの眺めも重視したい人やぜったいに和室がいいという人にはやや不向な感じもします。 しかしながら、あえて宿の外の世界との空気を遮断し館内に籠もって非日常的空間を楽しむというスタイルは非常におもしろいと感じますし、間接照明やフローリングなどを巧みに使った客室の意匠は個人的には大満足でした。 リーズナブルな料金設定なので仕方無いかも知れませんが、アメニティ類がもう少し充実すると尚嬉しく感じられると思います。 次回はジャパニーズモダンテイストで統一された館内の様子について紹介したいと思います。
次回へと続く・・・ |
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