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たとえリーズナブルな宿泊料金であったとしても、日常を離れて温泉宿で一夜を過ごす以上、最終的に宿の満足度を大きく左右するポイントの一つが食事にあると思います。 『山しのぶ』では、山里の宿らしい地の食材を活かした月替わりの会席料理をいただくことができ、あらゆる面でバランスの取れた満足度の高い滞在を印象づけてくれました。 最終回となる今回は、夕・朝食とも落ち着いた食事処で味わう宿の食事について紹介したいと思います。 夕食時間の6時になり、食事処へと向かいます。 食事処「都わすれ」は玄関脇に位置し、2階建てで1Fが掘りごたつ席、2Fが椅子・テーブル席になっています。 今回私達は1Fの掘りごたつ席に通されました。 完全な個室空間ではありませんが、テーブル毎に区切られていて落ち着いた雰囲気です。 窓の外には田園風景を望み、和やかな気持ちで食事を楽しむことができました。 先ずは見た目も美味しそうな先付と前菜です。 右の小鉢は、ブロッコリーのマヨネーズ合え、しめじと竹の子の味噌合え、つる菜とイカ真砂子合えの和え物3品で、しっかりとした味付けの中にも上品さを感じさせる内容でした。 籠に盛られた前菜は、地鶏の松風、数の子昆布、菜の花のお浸し、黒豚スモーク、ヤーコンの金平とんぶり和え、うなぎ寿司、辛子レンコン、ミロク貝の佃煮、紫芋というどれも一口サイズの酒肴風なラインナップ。 どれも皆とても美味しく、この後の料理に十分期待を抱かせる品々でした。 続いてはお吸い物です。 豆腐、蛤のしんじょう、水前寺菜、針柚子という吸物にしては具たくさんな内容で、シャキシャキの水前寺菜とふわふわの蛤しんじょうの食感がよく、さっぱりとした柚子の風味が良く効いた食べ応えのあるお吸い物でした。 続いてはお造りとなりますが、お造りといっても海の物ではなく、熊本といったらやはり外せない馬刺の登場です。 クレソンやオニオンのつけ合わせとの相性もよく、あっという間に平らげてしまいました。 また馬刺の他にも湯葉と柚子こんにゃくが添えられ、湯葉刺のとろけるような味わいもまた絶品でした。 続いては煮物です。 運ばれた煮物はびっくりするくらい器が熱々で、しばらくほって置いても全く冷めることが無い嬉しい一品でした。 煮加減、味のしみ具合など文句なしです。 次に運ばれて来たのは鮮やかな器に盛られたそばまんじゅうです。 もちもちのまんじゅうの中にはそばの実ときのこが入り、こちらも上にかかった餡が熱々でとても美味しくいただきました。 続いて温泉宿の定番、川魚の塩焼きです。 こちらのお宿では岩魚ではなく山女魚の塩焼きでした。 さすが渓流の女王と呼ばれるだけあって、岩魚よりもどことなく上品な味わいのような感じがして美味しかったです。(養殖ものだとは思いますが・・・) そしてメインディッシュとして運ばれて来たのが、黒毛和牛のしゃぶしゃぶです。 レタス、カブ、人参、芽吹きピーナッツ、椎茸、もち、豆腐という豊富な具材に加えて、極上の霜降り和牛をいただき至福の味わいとなりました。 ただ、添えられたタレがかなり強い味のポン酢だったので、できれば胡麻ダレなども用意してもらえるとありがたかったですね。 また、芽が出たピーナッツというのも初めていただきましたが、野菜と豆が同時に味わえるようでとても美味しかったです。 ここで、替えのおしぼりとお茶が運ばれて来ました。 たまにおしぼりを交換してくれる宿がありますが、こういうサービスはもてなし感が伝わって来て嬉しいものです。 またお茶も冷めないように蓋付の器で運ばれて来たのも好感触でした。 続いての一品は、お待ちかねの草太郎そばです。 お椀に入った冷たいぶっかけですが、さすが蕎麦屋の味という感じで温泉宿でいただく蕎麦の部類では文句のない美味しさでした。 そしてようやく食事となり、とろろ汁、白米に豚味噌を載せたご飯、漬物をいただきました。 こちらは別々に食べても美味しいですし、とろろ汁をご飯にかけてお茶漬け風にしても美味しくいただくことができます。 特にご飯に載った豚味噌が絶品で、これだけでも何杯も食べられそうな感じがしました。 最後はデザートで、キウイとシューアイスをいただいて夕食を食べ終えました。 見た目の派手さこそ無かったものの、初めから終わりまで出てくる料理全て美味しく、大満足の夕食となりました。 食べ始めの頃はまだ明るかった空も、午後8時を迎える頃にはすっかり暗くなっています。 部屋に戻ると、行灯の手元に挨拶文が置かれていました。 さらに夜食用として素朴な塩おにぎりのサービスがありました。 私は夜食にまで手を付けることはほとんどなく、少々もったいないような感じもしましたが、もてなしの姿勢は十分に伝わって来ました。 引き続いて、朝食の紹介です。 朝食の時間は8時半か9時という選択で、ややゆっくりした時間でのスタートとなりました。 朝食場所も夕食時と同じ「都わすれ」でいただきます。 席も夕食時と同じ場所でした。 朝食は比較的定番メニューが並びますが、彩りが良く、器にも凝った見た目にも美味しそうなおかずの数々に食欲がわいて来ます。 特に魚の西京焼きと肉じゃが、極うす味のドレッシングでいただくサラダは絶品でした。 朝食の漬物は、大皿に盛られた物を取り分けていただきます。 ご飯と味噌汁も優しい味わいでした。 最後はコーヒーとミルク(ホットかコールド)から好みの方をいただけるようになっています。 夕、朝食ともに、のどかなロケーションの中でいただく田舎料理のご馳走の数々に大満足の思いでした。 朝食をいただいた後は、この日の観光の目的地となる由布院に向けていざ出発です。 以上で、小田温泉『静寂な森の宿 山しのぶ』の紹介を終わります。 泊まってみての率直な感想は、人気の出る理由がよく分かったという感じです。 1万円台で宿泊できる宿において、なかなか全ての面で満足感を得るということは難しい感じがしますが、『山しのぶ』での滞在はどれも皆高い水準での満足感を提供してくれました。 もちろん、基本的には「田舎宿」というスタイルであるために決して至れり尽くせりという高級宿ではありませんが、そこかしこに見られる宿のセンスの良さが個人的趣向にぴったりとはまり、自分にとって相性のいい宿であったような気がします。 これでイン14時、アウト11時にでもなればまさに文句なしといったところでしたが、その辺りは今後の進化に期待したいと思います。 採点(5段階) 接客・・・・・4(皆さん丁寧で特に不満無し) 館内の雰囲気・・・・・4.5(緑に囲まれたのどかな環境の中に、風情ある建物が点在していて癒された) 部屋の雰囲気・・・・・4(落ち着いた日本家屋に、温かいコタツが居心地の良さを演出してくれた) 清潔感・・・・・4.5(概ね満足、特に不満無し) 温泉・・・・・5(湯使い、お風呂の雰囲気とも素晴らしかった。無料の貸切風呂もあって文句なし) 夕食・・・・・4.5(食事処の雰囲気も良く、どれもみな大変美味しくいただくことができた) 朝食・・・・・4.5(同上) コストパフォーマンス・・・・・5(1万円台で宿泊できる宿の中ではトップレベル) 総合満足度・・・・・4.5(チェックイン時間に融通が利けば文句なし) 次回リピート度・・・・・4(周囲に魅力的な宿が多いので選択に迷うが、リーズナブルな露天付客室に泊まってみたい)
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小田温泉 山しのぶ
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宿の敷地内に男女合わせて7つものお風呂を有する『山しのぶ』の泉質は、鉄分や塩分を含むほんのりと青みがかった硫酸塩泉です。 空いていれば自由に利用することができる貸し切り風呂3箇所を中心に、どのお風呂もみな野趣溢れる特徴のある湯船であり、居ながらにして湯巡りが楽しめる環境が整っています。 第3回目となる今回は、そんな魅力溢れる『山しのぶ』のお風呂の数々について紹介していきたいと思います。 先ずは男性用の内湯、「河鹿の湯」から紹介します。 「河鹿の湯」は囲炉裏のある談話スペースの隣に設けられていて、露天風呂はなく内湯のみとなっていました。 のれんの先が入口となっています。 脱衣所は比較的ゆったりとしていて、脱衣かごの脇には自由に利用できるタオルが用意されていました。 『山しのぶ』のお風呂には、貸切風呂も含めて全てのお風呂にタオルが用意されているので大変便利でした。 (バスタオルは客室のものを使用) 扉を開けて中へと入ってみます。 こちらが内湯の様子です。 床、湯船とも切石でつくられていて、2面取られた窓からは外の緑や木漏れ日が優しく目に飛び込んできました。 湯船の右奥から熱い源泉が投入され、湯の花も舞う落ち着いた雰囲気のお風呂です。 カラン・シャワーもしっかりと備わり、使い勝手に問題はありませんでした。 続いて回廊を歩き、別の場所にある男性用露天風呂へと足を運んでみます。 男性用露天風呂は「郭公の湯」と名付けられていました。 こちらが「郭公の湯」の脱衣所で、お風呂との隔たりはなく、板の間に屋根がついた形の開放的なつくりとなっています。 「郭公の湯」は豪快な岩露天風呂。 手前側は屋根がかかり、雨天時でも入れるようになっています。 見た目のインパクトが強く、すぐにでも湯船に飛び込みたくなる気持ちを抑えながらしっかりかけ湯をしてから入りました。 周囲を木立に囲まれ、広さもかなりあるので、湯につかっていると身も心も開放感に包まれる露天風呂でした。 ほんのり灯りがともる夜は幽玄的に、湯気の立ちこめる早朝は幻想的にと、いつ入っても素晴らしい雰囲気に大満足です。 カラン・シャワーも一つだけ設けられていました。 続いては女性用の内湯・露天風呂を紹介します。 女性用の方は、内湯と露天風呂が脱衣所を通じてつながっているので入りやすいと思います。 内湯は「撫子の湯」、露天は「鶯の湯」の名前が付いていました。 やや小ぶりな脱衣所の扉の先に「撫子の湯」が広がっています。 こちらが朝日が差し込む「撫子の湯」の様子です。 男性用内湯「河鹿の湯」とほぼ同じつくりでした。 「撫子の湯」の小さな窓の向こう側には、露天風呂「鶯の湯」が広がっています。 カラン・シャワーの数も「河鹿の湯」と同じとなっていました。 そしてこちらが女性用露天風呂「鶯の湯」です。 つくりは男性用露天の「郭公の湯」とほぼ同じですが、大きさはいくぶん小さめとなっていました。 風情もあり温度も適温だということで、露天好きの母はこちらの「鶯の湯」が最も気に入ったようでした。 聞こえてくる鳥の声、川のせせらぎ、木々の緑、美しい湯の色、まさに癒しの露天風呂という感じです。 以上のお風呂が、男女別のパブリックバスです。 引き続き、3箇所の貸切風呂を紹介していきます。 貸切風呂は、敷地の奥に向かって木立の間に点在しています。 先ずは一番手前にある檜の露天風呂、「啄木鳥の湯」に入ってみました。 貸切風呂の利用方法は、空いていれば札をひっくり返して中から鍵をかけるだけでOKです。 脱衣所には籠が2つ。 タオルもしっかり積まれていました。 こちらが「啄木鳥の湯」の全景です。 眼前には木々の緑が広がり、屋根付きなので雨天時でも心配ありません。 木の温もり感が大変心地よく、このお風呂だけで3回も入ってしまいました。 素朴な木組みの湯船に中には、とうとうと源泉が注がれています。 貸切風呂にも、カラン・シャワー設備が整っていたので非常に便利でした。 続いて2つ目の貸切風呂、「川蝉の湯」の紹介です。 脱衣所には同じく2つの籠が置かれていました。 こちらのお風呂は檜風呂とは一転して、竹林に囲まれた岩風呂となっています。 源泉が注がれる湯口は茶色く変色し、泉質の濃さを実感できます。 葉っぱの沈殿がやや気になりましたが、こちらのお風呂も入っていて非常にリラックスすることができました。 こんなお風呂を自由に貸切で利用できる贅沢といったらありません。 そして3つ目の貸切風呂は、これまた全く趣の違うお風呂を有した「五右衛門風呂」です。 こちらの湯小屋だけ室内のお風呂のため、独立した脱衣所が設けられていました。 実際に使われてはいませんが、脇には煙突と巻をくべる炉が再現されています。 こちらが五右衛門風呂の湯船です。 写真などではよく見かけますが、実物に入ってみるのは初めてで楽しい経験でした。 もちろん下からの熱でお湯を沸かしているのではく、蛇口をひねって源泉を投入しています。 完全に一人用の湯船に浸かると、豪快にお湯が外にあふれ出します。 狭いながらも妙に落ち着くお風呂でした。 そしてこちらのお風呂にはもう一つ浴槽が設けられています。 まるで子供用かと思われるくらいに小さな浴槽でしたが、外を眺めながら足を投げ出して入るのもまた気持ちのよい時間でした。 最後に夜のお風呂の写真をいくつか紹介します。 『山しのぶ』の夜は、ひっそりと静寂な雰囲気に包まれます。 こちらは夜の内湯。 ひときわ鄙びた風情が漂い、一人静かに入る時間はわびさびの世界を連想させます。 夜の露天は幽玄的で、森の中にすっぽりと包まれているかのような雰囲気でした。 こちらは貸切の「啄木鳥の湯」です。 うっすらと灯る電球の下、聞こえてくるのは風の音と注がれる湯の音のみ。 非日常を体感できる至福の湯浴みとなりました。 以上で『山しのぶ』のお風呂の紹介を終わります。 どのお風呂もみな特徴があって非常に楽しい湯巡りを満喫できたのと同時に、客室数が少ないわりにお風呂の数が充実していることもあって、どのお風呂も全て貸切という感じで利用することができました。 静寂な森の宿の名前どおり、緑に囲まれた中での湯浴みは心から癒され、滞在中何回お風呂に足を運んだことか分かりません。 一般客室でもこれだけの湯巡りが楽しめるのですから、露天付客室に泊まった人であればきっと1日では滞在時間が足りないのではないでしょうか。 お隣の黒川温泉のように、チェックイン後も湯巡り客がひっきりなしに訪れるような状況にはならないので、私の様に静かに湯浴みを満喫したい人にとってはまさに最適な環境が整っていると思います。 『山しのぶ』のように無料で自由に利用できる素晴らしい貸切風呂が充実している宿もあれば、1時間弱で3千円も払って利用する貸切風呂を有している宿もあり、同じ温泉宿にもいろいろあるなぁと今回つくづく考えさせられました。 次回は雰囲気のよい食事処でいただく、絶品料理の数々について紹介したいと思います。
次回へとつづく・・・ |
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小田温泉『静寂な森の宿 山しのぶ』の周囲の環境は、田んぼに小川、雑木林や竹林といったのどかな山里の風景が広がり、宿の敷地内には文字どおり喧騒とは無縁の緑豊かな癒しの時間が流れています。 宿のご主人曰く、『山しのぶ』では訪れる宿泊客に遊び場を提供し、各々が自由なかたちで遊びを楽しんでもらいたいとの思いで宿づくりにいそしんでいるようです。 「大人が自由に楽しめる遊び場」・・・。 今回はそんな言葉の響きがよく似合う、『山しのぶ』の館内と周辺の風景について紹介して行きたいと思います。 客室を出て、早速広い敷地の探索へと出向いてみました。 客室前の廊下を照らす照明が何とも云えない情緒を醸し出します。 長く張りめぐらされた回廊がそれぞれの建物を結び、敷地内を歩く楽しみが増すような感じがしました。 回廊を奥に進むと、ご覧のような離れ形式の新館客室が建っています。 2007年9月にOPENしたばかりという新館客室は全4室で、専用の内風呂と露天風呂が付いて平日であれば2名一室18,900円、休前日でも21,000円という信じられないくらい割安な料金設定となっています。 当然ながら私達が宿泊した日は休前日のため空きがありませんでした。 さて、こちらが敷地内に点在する遊び場の一つ「夢想館」です。 スリッパに履き替えて部屋の中に入ると、木の温もり感溢れる床にテーブルと椅子が並び、雑誌や本などを眺めながらのんびりと過ごすことができる空間になっていました。 部屋に置かれたピアノも自由に弾いて良いようで、若い女性が軽やかに演奏している姿を目にしました。 もちろん、ピアノの利用時間は21時までとしっかり制限もされています。 私は専ら読書専門・・・。 とは云っても堅苦しい内容のものではなく、地元の旅行雑誌などをひたすら読みふけっていました。 個人的にこの「夢想館」は居心地が良く、滞在中かなりの時間をこちらで過ごしました。 そして部屋から続いている外のテラスに出ると、この宿の名物とも云える大きなロッキングチェアーが置かれています。 例えいい歳した大人であっても、こちらのロッキングチェアーを目にして座ってみないという人はかなり好奇心が薄れてしまっているような気がします。 それくらい存在感たっぷり、見る者を引きつけるロッキングチェアーでした。 椅子に座ると、おおよそご覧のような眺めになります。 目の前には田んぼと里山、ひたすらのどかな風景が広がっていました。 「夢想館」を横から見るとこのような感じに。 デッキの上の2階部分には、更に遊び心をくすぐる天体望遠鏡を備えた「天文館」もつくられています。 こちらが「天文館」の入口階段で、晴れた日には夕食後の21時からおよそ30分間、天体観測が楽しめるように開放されています。 空気が澄んだ夜は素晴らしい星空が広がるので、足を運んだ人は是非覗いてみることをおすすめします。 続いて、別の遊び場の紹介を。 「焚き火」という文字がかかったこちらのスペースは、宿泊客の自由な語らいの場として設けられている談話室です。 中に入ってみると、風情ある囲炉裏が切られた空間が広がり、湯上がり処としても利用できるように冷たい水などが置かれていました。 囲炉裏では巻が炊かれ、火が消えるとまた補充されます。 時折煙が部屋の中に充満し、せき込むこともあったりしましたが雰囲気満点の落ち着く空間でした。 そして夜になると更に嬉しいサービスが提供されます。 こちらの談話室では、夕食後に地酒が置かれて宿泊客は自由にいただけるようになっています。 初めは私一人でお猪口を舐めていましたが、囲炉裏を囲んでの座は、やがて一人・また一人という風に人数が増えていき、見知らぬ者同士の楽しい語らいの場になりました。 こちらも利用時間が夜10時までとしっかり制限されているので、夜更けまで酒盛りして他の宿泊客に迷惑がかかるような事態にはなりません。 続いて宿の周囲にも足を延ばしてみます。 こちらは前回も紹介したフロント前のロビーの様子です。 ストーブの奥の空間が、夕・朝食をいただく食事処となっています。 フロント脇には小さいながらもお土産物が並ぶスペースが設けられています。 母はこちらでとんぼ玉の携帯ストラップを購入していました。 打ち水された玄関から外へと出てみました。 宿の周囲はのどかで鄙びた田舎の温泉地といった感じが漂っていました。 こちらはたった1軒あるお土産処屋です。 素朴な民芸品などが販売されていました。 宿を出てすぐのところに、誰でも自由に利用することができる足湯が設けられていました。 足湯に浸かっている人は誰もいませんでしたが、そこにあるだけで何となく心を和ませる設備でした。 そして宿のすぐ近くには、置き屋根づくりの建物『草太郎庵』が佇んでいます。 こちらの『草太郎庵』は『山しのぶ』の姉妹館となっていて、蕎麦屋+小さな温泉宿というスタイルで人気を博し、『山しのぶ』での夕食時にも『草太郎庵』で打った蕎麦をいただくことができました。 こちらの『草太郎庵』も、風情ある温泉、滋味溢れる蕎麦会席、そして格安な宿泊料金といことで週末などはなかなか予約の取れない状況となっているようです。 今回、『山しのぶ』の宿の敷地内及び周囲の様子について紹介しましたが、次回紹介予定のお風呂と合わせて見ると、より館内での楽しみ方のイメージがわきやすいかも知れません。 『山しのぶ』のお風呂は、男女別の大浴場の他に3箇所の貸切風呂が敷地内に点在しており、お風呂までのんびりと散歩気分で出向いて行って、帰りに談話室に立ち寄ってのんびり過ごしてみたり、「夢想館」のロッキングチェアーに揺られてうたた寝を楽しみ、少し体が冷えたかなと感じたらお風呂に足を運んでみるなど、広い敷地の中で個人個人にあった自由な遊び・過ごし方を見つけるという楽しみがあります。 もちろん、露天付客室で優雅に部屋にお籠もりというスタイルも可能なわけで、幅広い客層に応じた飽きの来ない設備が整っている宿であるように感じました。 宿の敷地内に感じる空気は、まさに「古里の薫り」です・・・。 次回は居ながらにして湯巡りが楽しめる宿のお風呂について紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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ANAのマイルが20,000を超えました。 ほぼ月イチで飛行機を利用して旅をしている私にとっては、マイルが貯まってくることはささやかな楽しみの一つです。 さて、たまったマイルの今回の使い道はどうするか・・・? あれこれと考えた結果、たまの親孝行に利用するのも良かろうとの思いで、今回は母親を九州旅行に連れて行くことに決定しました。 ありがたいことにANAには「いっしょにマイル割」というお得なサービスがあり、これを利用すると11,000マイルを使って往復のチケット代が無料+同行者も片道12,000円で九州に行けるという超バーゲン価格となっています。 こんな時くらいしか親を飛行機に乗せてあげることはできないので、個人的希望を十分加味しつつ、3月の初めに熊本方面へと向かうことになりました。 さて、今回のお宿を決めるにあたり、黒川・由布院という王道コースを中心に考えつつも、たまにはその周辺の隠れ宿にも足を運びたいという思いもあって最終決定にはずいぶんと時間がかかりました。 九州の宿は総じて魅力的なお宿が非常に多く、宿を決めるという行為は非常に頭を悩ませます。(まぁ、この時間が一番楽しいのですが・・・) いくつかの宿の予約・キャンセルを繰り返した結果、充実した温泉・落ち着いた佇まい・少ない客室数・満足度の高い食事・そこそこお手頃な宿泊料金という我が儘な希望条件を満たしそうなお宿として、南小国温泉郷の小田温泉『静寂な森の宿 山しのぶ』、奥満願寺温泉『藤もと』の両宿にお世話になることに決まりました。 これから数回に分け、先ずは小田温泉『静寂な森の宿 山しのぶ』の宿泊レポートを紹介していきたいと思います。 眠い目をこすりつつ、早朝の羽田空港へ到着。 この時間帯はフライトを待つ乗客の数もまばらで、自分の知る普段の羽田と違ってゆったりしていました。 首尾良く機内へと乗り込み、一路熊本空港へ向けての空の旅です。 数分後、雲を抱いた富士山の勇姿を左手に望みました。 最近はフライトコースの座席位置によって、あらかじめ見える景色の情報が分かるため席を指定する際もラクチンです。 羽田を飛び立つことおよそ80分、阿蘇の絶景が目に飛び込んでくると、もうすぐ熊本空港に到着となります。 上空から見ると阿蘇のカルデラがはっきりと分かり、熊本空港へ着陸する際はいつもワクワクしてしまいます。 空港でレンタカーを借り、のどかな農道を阿蘇方面に向かって車を走らせました。 絶好の晴天に気持ちも晴れやかです。 ブランチを取るべく、先ずはなじみの蕎麦店へと足を運びます。 仙水峡へと続く道の途中にある目印の看板を左折し、細い路地を進んで行きました。 こちらがブランチに立ち寄った蕎麦店、「手打ちそば 和」の門構えです。 民家改造型のお店で、自分の好みにあった蕎麦がいただけるので熊本に足を運んだ際はいつも立ち寄っています。 店内に入ると先客は一組のみ。 お昼時は大変混雑しますが、少し前に到着できたので空いていてラッキーでした。 取りあえずお茶と、お通しの揚げ蕎麦をいただきつつ蕎麦の出来上がりを待ちます。 揚げ蕎麦がすこぶる美味く、すぐに空にしてしまいました。 今回注文したメニューは、私がピリッと辛目のおろし蕎麦と野菜の天ぷら。 母がお得なざる蕎麦セットです。 3たてにこだわった蕎麦はどちらも相変わらずの美味しさで大満足でした。 この先向かう南小国周辺も蕎麦の名店がひしめいている場所ですが、比較的手頃な料金で美味しい蕎麦を楽しめるということもあって、ついこちらのお店へと足を運んでしまいます。 さて、適度にお腹も満たされた後は、爽快な高原ドライブが堪能できる「やまなみハイウェイ」をひた走り小田温泉へと向かいました。 春〜夏は緑のじゅうたん、秋〜冬は金色のすすきに一面覆われ、いつ走っても気持ちの良い素晴らしいドライブルートです。 高台より望む瀬の本高原です。 北海道か阿蘇かというくらいの雄大な光景が広がり、この日は阿蘇の山並みもくっきりと見えて一際美しい眺めを堪能できました。 途中、黒川温泉を少しぶらついた後、黒川から車でわずか10分ほどの場所に位置する小田温泉へと到着しました。 左手の黄色い壁は今宵の宿となる『山しのぶ』の外壁で、長く延びた壁から広くゆったりとした敷地であることが分かります。 シンプルな宿の看板、『山しのぶ』・・・。 何ともよい響きの名です。 駐車場に車を停め、石畳のアプローチを奥へと足を運びました。 すぐに玄関が見えない辺りが、期待感を高めます。 こちらが小田温泉『静寂な森の宿 山しのぶ』の玄関です。 チェックイン時間の15時より少し前であったためか、幾分ひっそりとしていました。 早春のために木々の緑はわずかでしたが、季節が進むときっと爽やかな緑に包まれることでしょう。 いかにも九州の古民家系宿らしい玄関の姿でした。 玄関に足を踏み入れると、左手には清水、右手にはグリーンと、なかなか渋い演出で到着する客を迎えてくれます。 館内に入ると、板張りの落ち着いた色調のロビーに暖を取る大きなストーブが目に入ります。 ロビー周辺は小じんまりとシックにまとまっていて、先ずは印象よしといった感じでした。 こちらのフロントにてチェックインの手続きとなりますが、到着時間がやや早めであったため、15時までロビーで待たせてもらうことに。 到着が少し早くても部屋に通してもらえると嬉しいのですが、九州の宿は意外とチェックイン時間が遅めという宿が多く、この辺はやや残念なところです。 中には16時チェックインという宿もあり、どんなに評判が良くてもそういった宿にはあまり泊まりたくない感じもします。 チェックイン時には5種類の浴衣と帯を好きな組み合わせて選ぶことができました。 最近は浴衣を選べる宿が増えていますが、楽しいサービスの一つであると思います。 15時となり、無事にチェックインの手続きを済まして客室棟の方へと向かいました。 一歩外に出ると、長い回廊が風情と落ち着きある佇まいを生みだし、素敵なつくりとなっていました。 宿の敷地は1,500坪という広さで、奥の方にお風呂や客室、パブリックスペースなどが続いています。 今回宿泊した客室は6室ある一般客室で、こちらが一般客室棟の外観です。 『山しのぶ』にはこの他にも新館4室、離れ2室の客室があり、そちらには客室露天風呂が備わっています。 比較的リーズナブルな料金で宿泊することができるため、週末に予約を取ることはなかなか難しい状況となっているようです。 一般客室棟は長屋風のつくりで、風情のある廊下でした。 客室露天風呂はありませんが、貸切風呂を含め宿のお風呂が充実しているため全く不満は感じません。 今回通されたのは「櫟」という名の客室です。 扉を開け、早速客室へと入りました。 客室内に入ると、部屋の中央には存在感のあるコタツが置かれていました。 3月とはいえ、山の中の温泉地だけに朝晩はまだまだ冷え込むらしく、事実温かいコタツの存在にずいぶんと助けられました。 客室はさほど広くはなく7.5畳+広縁3畳でしたが、二人客のため居心地は十分です。 客室に通されて少したった後、仲居さんがお茶とお菓子を持って来てくれます。 上品なおはぎの味はなかなかのもので、長旅の疲れがほっと癒される瞬間でした。 こちらは3畳ある広縁スペースです。 畳敷きなので落ち着きます。 窓からの眺めはさほど恵まれているとは云えない感じでしたが、緑が茂ってくるともう少し安らげるかも知れません。 広縁の左手にはレトロな雰囲気の鏡台が置かれていました。 広縁の右手には物入れの他、冷蔵庫や給茶セットが設けられています。 更に嬉しいことにドリップコーヒーも用意されていて、滞在中に何度か楽しませてもらいました。 物入れには、タオルなどの入浴セットの他、浴衣とは別に寝間着が備えられていました。 また、館内の各お風呂にもタオルが用意されているので非常に便利です。 床の間の飾りも藍色の布に木をあしらうなどの工夫が見られ、温かみを感じるしつらえに好感が持てました。 床の間から入口の方を見るとこのような光景となります。 全体的に民芸調の雰囲気が漂う客室です。 続いて水回りを紹介します。 こちらはシンプルな洗面スペースで、使い勝手に特に不足はありません。 客室のトイレはもちろん、ウォシュレット。 但し、こちらのトイレは芳香剤のにおいがややきつかったので、できればもう少し控えめにした方がよいと感じました。 そして最後に夜に布団を敷いた状態です。 寝具など特に不満を感じることなど無く、快適に眠りにつくことができました。 今回は主に宿泊した客室を中心に紹介して来ましたが、私達が利用した一般客室棟の宿泊料金は休前日・大人2名で一人18,000円(平日15,900円)と非常にコストパフォーマンスに優れていると思います。 これから順番に宿の詳細を紹介していきますが、全体的にレベルの高いサービスを提供してくれるため、この宿の人気ぶりが泊まってみてよく分かりました。 次回は宿の館内と周辺の風景について紹介したいと思います。
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