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これまで3回に渡って紹介してきた七沢温泉『元湯 玉川館』の宿泊レポートも今回で最終回です。 今回は季節感を感じさせる旬の食材を活かした宿の食事について紹介していきたいと思います。 先ずは夕食から。 夕食時間の18時になると、仲居さんがわざわざ客室まで迎えに来てくれるようになっています。 仲居さんの先導で1階にある大広間へと足を運びました。 大広間での食事ということで、雰囲気などは全く期待していなかったのですが、厚木市内の古民家を移築したという大書院造りの広間は、趣があって意外と良い雰囲気でした。 重厚な大黒柱や梁、天井から下がる和紙の照明など落ち着いた和の空間が広がります。 私達は端の席へと案内されました。 取りあえずはお約束のビールで乾杯です。 「さがみビール」という地ビールがあったので迷わずそれを注文しました。 軽めのケルシュを頼みましたが、スッキリとした喉ごしで美味しかったです。 真ん中が先付の蓬豆腐、その上の小鉢が山独活の油炒め煮、右の小鉢が独活と蛍烏賊の酢味噌合え、左の小皿が酒菜と銘打った桜チーズ豆腐・稚鮎の微塵子揚げ・合鴨芥子焼き・鮪の洋風焼き・天豆の煮物といった5点盛りです。 全体的に酒が進みそうな美味しい前菜類でした。 こちらはお造りです。 鮪、勘八、七沢の大鱒、刺身こんにゃくの4品で、ずば抜けた感じはありませんでしたが普通に美味しくいただきました。 続いては見た目も春らしい竹の子の田楽焼きと、ふきのとうの醤油煮が運ばれます。 竹の子は添えられた味噌の味がやや強すぎた感じでしたが、柔らかくて美味しかったです。 また、大好物のふきのとうはほんのりと苦みが利いていて正に春の味覚といった感じでした。 料理は前の一品を食べ終わらないうちに次々に運ばれて来ます。 続いては天ぷらで、蓬などの山菜の他にお餅や長芋の挟み揚げなど工夫された食材を桜塩でいただきます。 やや衣が重かったので、もう少しカラッと揚がっていれば大満足といった印象でした。 続いての料理は野菜餡がのった若草饅頭です。 グリーンピースと芋の饅頭で、箸で半分に割ると中には牛の角煮が入っています。 ほんのりと甘い野菜餡がよく合い、熱々の状態でいただきました。 そしてメインとなる宿の名物鍋は豚しゃぶの豆乳仕立てです。 秋から冬にかけては丹沢名物の牡丹鍋がウリとなっているようですが、今回いただいた豚しゃぶは脂身が少なく、歯ごたえのある甘みが強い肉で食べ応えがあって美味しい鍋でした。 食事は竹の子ご飯に吸物と香の物です。 これら3品、味に関しては全く申し分なく美味しくいただきました。 最後のデザートは桜ムースです。 桜の塩漬けが入った流行りの塩スイーツで、甘すぎずさっぱりとしていてシメにふさわしい美味しいスイーツでした。 昼間にいただいたチーズケーキよりもかなり完成度が高く、ひょっとしてデザートは外から仕入れているのかなとも感じました。 いずれにせよ満足のいくデザートで夕食を食べ終えました。 夕食の紹介は以上です。 お品書きもいただけたので、料理の内容もあらかじめ分かって美味しくいただきました。 特に竹の子や山菜など旬の食材を用いた料理が目立ち、思っていた以上に質の高い料理であったと思います。 しかしながら、食べ始めの前菜からデザートまでの配膳時間がわずか40分という超スピードで次から次へと料理が運ばれて来たため、あまり落ち着いて食べることができなかったのが非常に残念でした。 せっかくの熱々料理も冷めてしまっては味が落ちると思い、急いで口に入れたりしたために1時間で夕食時間が終了してしまいました。 それなりの老舗旅館であると思うので、是非この配膳時間については宿泊客のペースを見ながら出してもらえるように改善を望みたいところです。 夕食を食べ終えて客室に戻ると、テーブルの上に冷水ポットが用意されていました。 嬉しいサービスですが、できれば最初から用意していてくれると助かります。 続いて朝食の紹介です。 朝食は8時から夕食と同じ広間にていただきました。 特別豪華ではありませんが、虹鱒のひらきやシラスおろしなど食欲がそそられます。 定番の湯豆腐も滑らかで美味しくいただきました。 そしてご飯に味噌汁といった内容でした。 朝食をいただいて身支度を整えた後は、出発時間までロビーでくつろぐことにしました。 緑溢れる庭先を眺めながら珈琲を頂き、自宅からほど近い温泉宿でも十分に癒しの効果が得られたなと思い返してみます。 チェックアウトの際も車まで荷物を運んでいただき、良い形で宿を後にすることができました。 この後は無目的に横浜方面へと車を走らせ、中華街などでランチをいただきながら今回の旅を終えました。 緑豊かな東丹沢の麓で、都会の喧噪を離れたスローな温泉時間「現代湯治(いまとうじ)」を提唱する七沢温泉『元湯 玉川館』−。 宿泊してみての感想は、大人の隠れ宿といった雰囲気を感じさせつつも、気取りのない、ただただのんびりとした自由な時間を過ごせる宿として、文字どおり慌ただしい現代人のための湯治宿であるといった印象を受けました。 都心からも近く、ふと気分転換したくなった時など正に最適な環境であると思います。 日帰り入浴も気軽に受け付けているので、観光客でごった返す箱根や伊豆まで足を延ばすのはやや億劫だという人にも向いているのではないでしょうか。 今回は、サロンバーでの接客態度や夕食の配膳スピードについてやや納得のいかない面もありましたが、宿での滞在は概ね満足することができたので、次回は日帰りで雰囲気良好なお風呂と静かで趣溢れる別館食事処「草庵」を利用してみたいと思っています。 採点(5段階) 接客・・・・・3.5(サロンバーでの接客が大きなマイナスだが、その他のスタッフは概ね丁寧で特に不満なし) 館内の雰囲気・・・・・4.5(個人的に好きなレトロモダンな雰囲気。趣と見るか古いとみるかで好みが分かれるかも) 部屋の雰囲気・・・・・3.5(ゆとりがあって広さは十分。眺望がイマイチだが特に不満なし) 清潔感・・・・・3.5(ところどころ隙がある感じ。もう少し頑張って手入れして欲しい) 温泉・・・・・4.5(露天こそ無いものの、泉質・浴室のつくりとも大変素晴らしい) 夕食・・・・・4(食事処の雰囲気、料理の内容は悪くないので、ゆったりと食事ができるように改善して欲しい) 朝食・・・・・3.5(質・量ともに概ね満足。) コストパフォーマンス・・・・・4(1万円台でゆったりとした温泉ライフを満喫できる) 総合満足度・・・・・4(全体的には概ね満足できた) 次回リピート度・・・・・3.5(気が向いた時にでもふらっと足を運びそうな感じ)
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七沢温泉 元湯 玉川館
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古くから湯治場として栄えた七沢温泉『元湯 玉川館』で楽しめる温泉は、アルカリ成分が非常に強い無色透明の冷鉱泉です。 含有成分の量が基準値に満たないため、いわゆる「単純温泉」や「硫黄泉」といった療養泉の定義からは外れますが、肌触りが非常に滑らかで入るとかなりツルツルする名湯であると思います。 また『元湯 玉川館』には露天風呂はなく、総檜造りの内湯が男女1箇所づつあるのみですが、この檜風呂が漆塗りが施された大変素晴らしいお風呂となっており、以前からずっと入ってみたいお風呂の一つでした。 今回はそんな宿のお風呂の様子について紹介していきたいと思います。 お風呂は1階の別棟にあり、湯治場のような鄙びた雰囲気の入口を進んでいきます。 お風呂棟へと続く渡り廊下も風情を感じさせてくれました。 こちらがお風呂棟の廊下です。 手前側が女性用、奥が男性用の大浴場となっていて男女の入れ替えはありません。 先ずは男性用の大浴場から紹介します。 入口には暖簾が下がり、その奥が脱衣場となっています。 脱衣場はゆとりのある広さですが、貴重品を入れるキーボックス等は設けられていませんでした。 洗面台等は清潔に掃除されていましたが、アメニティなどは特に置かれていません。 浴衣を脱ぎ、早速浴室へと入ってみました。 ガラス戸の奥に風情溢れる湯船が待ち構えています。 こちらが宿自慢の檜風呂の全景です。 思っていた通りの素晴らしい浴室を目にして思わず顔に笑みがこぼれます。 湯船の縁が黒っぽく見えるのは漆を何度も重ね塗りした結果であり、まるで石風呂のような艶やかな表情をしていました。 湯船にはつるつるの美肌の湯が満たされています。 浴槽内は加温循環していますが、ほぼ掛け流しの湯船と遜色のない浴感でした。 湯口のつくりもよく工夫されている感じがします。 大きくとられた窓からは外の緑がよく見えます。 木々の緑が湯面に映り込み、何とも云えない癒しの湯浴みを一人楽しむことができました。 桶や椅子も木へのこだわりが感じられます。 肩まですっぽりと湯船に身を埋めると、全身が美容液に包まれているかのような感覚を覚えました。 男性の私にとっても、美肌系の湯というものは入っていて非常に気持ちの良いものです。 洗い場の床や壁に至るまで、正に総檜づくりで惚れ惚れする浴室です。 但し、温泉成分で床や浴槽内は大変滑りやすくなっていたので注意が必要でした。 こちらは洗い場。 カラン全てにシャワーはありませんが、滞在中特に混雑することも無かったので不足はありませんでした。 また、カランやシャワーのお湯については加温した源泉がそのまま注がれるようになっていて、上がり湯の際などはつるつるの源泉を浴びることができるので大変良かったです。 続いて女性用の大浴場について紹介します。 男性同様に暖簾をくぐって中へと入ります。 脱衣場の広さやつくりはほぼ男性用と同じような感じでした。 扉を開けて浴室に入ってみます。 こちらが女性用の檜風呂の全景です。 パッと見は男性用とほとんど同じですが、こちらの湯船の方がいくぶん小さめのつくりとなっていました。 個人的には、女性用の内湯の大きさの方が落ち着く感じがしたので、できれば男女入れ替えがあると嬉しく感じました。 床も湯船も壁も本当に美しい浴室です。 湯口も男性用と形の異なる木づくりとなっています。 カラン・シャワーは浴室の両端に設けられていました。 数的には恐らく男性用と同じだったと思います。 浴室から出た廊下には一休みできるベンチが置かれています。 湯上がりの火照った体を冷ましつつ、風情溢れる渡り廊下を歩いて客室へと戻りました。 最後に夜のお風呂の光景を少しだけ紹介します。 夜更けに一人大浴場に向かう時間は、何とも云えない静寂に包まれていました。 夜も一人貸切状態の湯浴みを満喫します。 夜の大浴場は、日中とはまたひと味違った風情と美しい表情を楽しむことができました。 以上で、七沢温泉『元湯 玉川館』のお風呂の紹介を終わります。 ご覧いただいたように、露天風呂こそ設けられていないものの私のような鄙びた内湯をこよなく愛する者にとっては申し分のない浴室であり、東京近郊でこれだけ風情を感じる内湯を備えた宿の希少価値は極めて高いと云っても過言ではないと思います。 浴槽内が循環していたのが多少惜しいといった感じもありますが、カランやシャワーから新鮮な源泉を思う存分浴びることができるだけでも非常に印象が良く感じられます。 但し、翌朝はやや浴槽内の湯の鮮度が落ちていた感じもしたので、できれば夜間の湯抜き清掃を徹底してもらえると、正に非の打ち所のない素晴らしいお風呂になるのではないでしょうか。 湯の温度も41℃前後で適温ですし、木のお風呂が好きだという人には是非一度味わってみて欲しい素晴らしいお風呂であると思います。 次回は農家造りの大広間でいただく、山里の風情が香る山香膳と称した宿の食事について紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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七沢温泉『元湯 玉川館』の館内は、何となく時間がゆっくり流れているかのような落ち着いた風情と、昔ながらの日本的な温泉宿が持つレトロ感に溢れています。 一方宿の外に目を向けると、丹沢山地の東端に位置する周辺環境はまさに自然の真っ直中という感じで、居ながらにして森林浴気分が楽しめるマイナスイオンたっぷりの環境となっています。 今回はそんな『元湯 玉川館』の館内・外の様子について紹介していきたいと思います。 先ずは今回予約した宿の宿泊プラン、「おやつも楽しむ一泊二日」の“おやつ”を楽しむべく1階のサロンバーへと足を運んでみました。 趣ある木の階段を降り、廊下を奥へと進みます。 階段の下にはこんなレトロな電話が置かれていて、館内の雰囲気によくマッチしていました。 こちらがケーキや飲み物をいただくことができるサロンバー「こもれび」の入口で、廊下の一角にさりげなく設けれている感じでした。 「名泉仕立ての珈琲、手作りのケーキ」の言葉に期待が高まります。 中に入ると、やはりどこか昔懐かしい感じの空間が広がっています。 そしてある意味お似合いの組み合わせともいえるような、愛想のない無口なマスターが一人カウンターで仕事をしていました。 席に着いても「いらっしゃいませ」の言葉がなく、また一向にオーダーを聞きに来る様子もなかったため、期待して足を運んだはずが何となく出鼻をくじかれた感がありました。 少々腹立たしい気分で宿泊プランのケーキセットをオーダーし、気を取り直すべく外の景色を眺めてみました。 名前の通り窓際からは木漏れ日が差し込み、山の中の静かなカフェバーといった雰囲気です。 扉の外にもテーブルが置かれ、オープンエアなデッキテラスでいただくこともできるようです。 こちらが今回のプランで付いてくる自家製チーズケーキと珈琲のセットです。 ベイクドタイプのチーズケーキは、パティシエのそれとは比較になりませんが、温泉宿でいただくケーキとしてはまずまずといった感じでした。 温泉宿に来てケーキをいただけるのはありがたいことですが、宿の中のカフェバーであっても丁寧な接客を受けたいというもの。 残念ながら「こもれび」のスタッフは、温泉宿の従業員というよりも町中にある場末の喫茶店のマスターと何ら変わりのない感じがしたため、実際のケーキや珈琲の味が気分的な面で損なわれてしまった気がします。 館内の他の従業員の接客態度に不満を感じるようなことはなかったので、つくづく惜しい感じがしました。 さて、続いてはロビーの方へと足を運んでみます。 廊下の一番手前側には、ご覧のような昔ながらの帳場がつくられています。 館内にお土産処はなく、こちらの帳場でいくつかのお土産品が販売されていました。 帳場のすぐ脇がロビー、玄関のスペースとなります。 縁側に置かれた椅子に座り、外の景色を眺めながらのんびり過ごすことができます。 玄関ホールには、インパクトのある珍しい草鞋の柄のタペストリーと季節感のある活花が飾られ、到着する宿泊客を出迎えてくれます。 こちらは落ち着いた佇まいのロビーです。 ロビーには新聞や雑誌などが置かれ、くつろぎながら珈琲をいただくこともできました。 ロビーの奥には、こちらの宿に逗留した昭和の漫画家・田河水泡の描いた「のらくろ」の絵が飾られています。 宿の雰囲気に合った、白黒の可愛らしい絵柄です。 ロビーや縁側から眺める庭は緑が眩しく、心が癒される思いでした。 新緑や紅葉、雪景色など四季の移ろいを身近に感じられる自然豊かな風景です。 続いて宿の外へも足を運んでみました。 玄関を一歩外に出てロビーを眺めると、館内からは優しい灯りがこぼれてきます。 宿の隅々まで緑で覆われ、歴史ある建物とのコントラストが静かな安らぎ感を生んでいました。 庭先の階段を降りて行くと、池に通じる小径が続いています。 奥の方はあまり手入れがされていない感じで、蛍でも舞いそうな緑の濃いうっそうとした雰囲気の散策路でした。 こちらは『元湯 玉川館』から数分歩いた場所にある別館食事処「草庵」への入口です。 日中のみ営業の食事処で、日帰り客などはこちらの「草庵」にて和風の甘味や食事をいただくことができます。 「草庵」へのアプローチは竹林の中を下っていきます。 こちらが古民家を移築した「草庵」の風情溢れる佇まい。 日帰り入浴を楽しみ、こちらで食事をいただいて帰るプランもまた楽しそうな感じがしました。 木々が生い茂る道を歩いて宿へと戻ります。 宿の玄関、玄関ホールに共通して飾られている蒼い布の色が、歴史ある建物の雰囲気に良く似合っていました。 そして廊下を進んだ先には、宿の雰囲気を演出するスポットがもう一箇所設けられています。 こちらがそのスポットとなる囲炉裏の部屋、「くるまざの間」です。 普段は自由にくつろげる場所として開放されていますが、4名以上であればこちらの部屋で囲炉裏を囲みながら夕食をいただくことも可能です(要予約)。 お風呂に向かう通路のすぐ近くにあるため、風呂上がりの休憩場所として重宝しました。 特に囲炉裏に火が入っていなくても、こういった囲炉裏の間に座っているだけで気持ちが和みました。 以上で七沢温泉『元湯 玉川館』の風情溢れる館内の様子と、宿の周辺の風景についての紹介を終わります。 今回はケーキと珈琲を楽しみにしていたため、サロンバー「こもれび」での客あしらいには残念な思いをしましたが、小じんまりとした館内に広がるレトロな空間は大変居心地がよく、隠れ宿としての趣を十分に感じさせる風情ある空間が広がっていました。 都会からわずかな距離にある宿にもかかわらず、このような風情を有する宿の存在価値は極めて大きいのではないでしょうか。 また庭先の小径の手入れをもう少し頑張ってもらえると、より一層宿の印象が良くなって来るような感じがしました。 次回は、「くすり湯」と称された肌に優しいお湯を湛える名物檜風呂の様子について紹介したいと思います。
次回へとつづく・・・ |
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東北や九州など、ここ最近比較的遠方の温泉地にばかり目が向いてしまう宿選びの傾向にあったため、たまには近場の温泉地にも目を向けようとの思いで訪問したお宿が今回紹介する七沢温泉『元湯 玉川館』です。 以前から、そのレトロな佇まいと強アルカリ性の鉱泉を湛える総檜造りの渋いお風呂が評判を博していることに注目していたのですが、場所的に自宅から車でも電車でも1時間程度という極身近な土地柄であったためか、訪問に至るまでに随分と月日を要してしまった感がありました。 折しも時は4月の終わり・・・。 七沢温泉の位置する東丹沢温泉郷といえば、心身に癒しの効果があるとして平成19年3月に林野庁から「森林セラピー基地」として認定された場所でもあり、山の緑が一斉に芽吹く春は森林浴を楽しむのに最適な季節を迎えます。 加えて『元湯 玉川館』では、忙しい現代人が自然の中でゆったりと湯に浸かりながら保養にいそしむというスタイル、「現代湯治(いまとうじ)」という言葉を宿のコンセプトとして掲げており、何かと慌ただしい毎日が続く4月の休日を過ごす場所として、自分にとって正に打ってつけの訪問先となりました。 これから数回に分け、自然と風情が共生する老舗宿・七沢温泉『元湯 玉川館』の滞在記についてレポートしていきたいと思います。 今回は宿に到着するまでの行程と、宿泊した客室の様子を中心に紹介します。 今回予約をした宿泊プランはいかにも私が好みそうな内容である、その名も「おやつも楽しむ一泊二日」という宿泊プランです。 ならば旅のプランを「とことんおやつを楽しむ温泉旅」という目的に自分で勝手にアレンジし、先ずは宿に向かう前に地元のスイーツ店へと足を運んでみました。 訪問した先は永山の名店、「ル・ジャルダン・ブルー」です。 クープドモンドにも出場経験のある実力派・福田シェフの手掛けるお店は正にフランスのエスプリが効いたお洒落な空間であり、爽やかな店構え、確かな味、イートインも可能なそのスタイルは、私の好む理想的なお店の一つです。 店内には、焼き菓子・生菓子など豊富な種類のスイーツがたくさん並んでいていつもどれを選ぼうかと悩んでしまいます。 カフェスペースもセンスの良いお洒落な雰囲気です。 私達はテラスを眺める窓際に席を取り、店内で絶品スイーツをいただくことにしました。 いろいろ悩んだ末に選んだ今回のケーキは、フルーツの庭という名前が付いた見た目も美しい「ジャルダン・オ・フリュイ」と、クープドモンド日本予選で優勝した福田シェフのスペシャリテ「キャラノア」、 そして、ヘーゼルナッツとチョコレートムースの組み合わせが絶妙の「プランスノワール」の3品です。 悩んだ割にはどれもいつもの定番になってしまいましたが、特に店の看板メニューでもある「キャラノア」の完成度の高さは本当に素晴らしいのひと言です。 味はあえて書かないので、是非ケーキが好きな人は一度味わってみて欲しい一品です。 きっと日本一に輝いたそのケーキの実力に感動すると思いますよ。 ル・ジャルダン・ブルー http://tama-nt.itot.jp/208 さて、ジャルダンブルーでスイーツを満喫した後は、下道を走りつつ丹沢方面へと向かいました。 近場の旅行はのんびりしていて気分もラクチンです。 途中、ドライブの小休止に宮ヶ瀬ダムに立ち寄ってみました。 神奈川県民の大きな水瓶となっている人造湖ですが、解放感があって美しい光景でした。 宮ヶ瀬を出発すると、目指す七沢温泉郷はもうすぐです。 七沢温泉入口の道を進んでいくと、山あいの小さな温泉地が見えてきました。 七沢温泉郷の一番奥まった場所に、今宵の宿となる『元湯 玉川館』がひっそりと佇んでいます。 周囲を緑に囲まれ、正に隠れ宿といった言葉がぴったりのロケーション。 かわいらしい宿の看板が印象的です。 宿の前の駐車場に車を停めると、すぐにスタッフが荷物を取りに走ってきてくれます。 古民家を移築したという宿の外観はレトロな雰囲気に溢れていました。 暖簾をくぐり、早速宿の中へ。 土間の広がる玄関から館内を見渡すと、歴史と風情を醸し出す重厚なロビー空間が目に飛び込んで来ました。 蒼いタペストリーと活花が凛とした雰囲気を作りだしています。 その奥に広がるロビーは、文人墨客に愛された宿特有のレトロな趣が感じられ、渋い大人の宿の雰囲気が漂っていました。 廊下に置かれた一組の椅子とテーブルの雰囲気もまた良しといった印象です。 到着後はロビーで一休みということもなく、スタッフに誘導されて早速客室へと足を運びます。 館内の廊下・階段などの雰囲気も、肘折の丸屋旅館を彷彿とさせるようなレトロな趣が感じられました。 階段を上がり、 客室は全て2階に設けられています。 廊下の一角にはご覧のように花も活けられています。 この他にも館内至るところに花が飾れていて気持ちが和みました。 今回通されたのは、本館の「菊」という名前の客室です。 『元湯 玉川館』の客室数はわずかに11室。 本館はトイレ付の客室で、新館には檜の内風呂付の客室が設けられています。 少々古めの扉を開けて客室内へと入りました。 客室に足を踏み込むと、玄関の先に4畳ほどの前室が広がります。 奥には鏡台がポツリと置かれていて、レトロな雰囲気を演出していました。 こちらが客室の全景です。 どことなく古民家風の作りとなっていて、古びた感じはありますが趣のある落ち着いた雰囲気でした。 さらに客室の脇には畳敷きの廊下も設けられています。 2面とられた窓を開けると、光りが差し込んで明るくなりました。 こちらは窓からの眺めです。 緑がきれいですが、景色はもう一つといった印象でした。 しばらくすると仲居さんがお茶とお茶請けのお菓子を運んで来てくれました。 もちろんこちらがおやつ付きプランのサービス内容というわけではありません。 こちらは掛け軸が下がった床の間。 そして床の間の隣に小さなテレビが置かれています。 少々変わった部屋の作りは恐らく昔の建物を改装したのでしょう。 畳廊下の先に洗面所が設けられています。 冷蔵庫は古い旅館に見られる引き抜き式かなと思いましたが、そんなことはありませんでした。 こちらは浴衣やタオルなどの湯浴み道具です。 嬉しいことに足袋も用意されていました。 前室から客室の玄関を望むとこのような光景になります。 玄関脇にトイレが設けられていますが、ウォシュレットではありませんでした。 最後は夜に布団を敷いた状態です。 喧騒とは無縁の静かな自然環境とレトロな雰囲気が快適な眠りを誘います。 以上で、七沢温泉『元湯 玉川館』の宿泊した客室と宿に到着するまでの様子についての紹介を終わります。
七沢温泉は過去に何度も車で通過したことがありますが、実際に宿泊してみると東京近郊の宿とは思えないような緑豊かなロケーションに包まれており、自宅から最も近い本格的な温泉宿といった感じを受けました。 館内や客室もレトロ(モダン)な佇まいで統一されており、こういった雰囲気が好きな人にとっては非常に心地良い空間が広がっています。 次回は、そのレトロな館内に広がる風景と宿の周辺の様子について紹介したいと思います。 次回へとつづく・・・ |
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