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宿主が板前ということもあり、『旅染屋山いち』では、宿で振る舞う食事についても大きく力を注いでいます。 三陸の海の幸や地元の郷土料理を取り入れた食事内容はボリューム満天で、この食事を目当てにして足を運ぶ訪問客も少なくありません。 『旅染屋山いち』の宿泊レポート最終回は、そんな宿の食事の模様について紹介したいと思います。 先ずは夕食となりますが、『旅染屋山いち』では、好みに応じて部屋食または食事処での食事を予約段階で選ぶことが可能です。 人気なのは部屋食の様ですが、料金が1,050円UPとなっています。 私達は食事処でいただくプランを予約し、2階にある広間へと足を運びました。 席に着くと、美味しそうな料理達がテーブルの上いっぱいにところ狭しと並んでいました。 後からも料理が運ばれて来ますが、ほぼ一気出しに近い印象です。 取りあえずお約束のビールで乾杯ですが、岩手といえばやはり銀河高原ビールははずせません。 お品書きが無かったのでいただいた順番で紹介しますが、先ずはプレートに盛られた前菜です。 手前から昆布巻き、海老の塩焼き+牛蒡巻き、鰊の煮付け、イクラの醤油漬け、子持ち昆布、砂肝焼きという6点で、どれも皆好みの味付けで酒の肴に良く合いました。 続いては岩手を代表する郷土料理ひっつみと、鮭を使った蓋物です。 初めていただく郷土料理のひっつみは、小麦粉の生地を引っ張ってちぎることからひっつみという呼び名となったそうで、イメージとしてはほぼすいとんと同じ様な感じでした。 肝心の味ですが、具だくさんかつ鶏の出汁が良く出ていて身も心も温まる味わい深い一品で、鮭の蓋物も身の中につみれが隠されていて旨みが凝縮し、わずかに効かせた柚子の風味が上品さを醸し出していました。 どちらも見た目以上の美味しさに大満足の料理でした。 次にいただいたのは棒棒鶏です。 たくさんの擦り胡麻が入ったソースは意外にもさっぱり風味で美味しくいただきました。 こちらはお造り、鮪、海老、湯葉の三点盛りで普通に美味しかったです。 しばらくすると揚げたて熱々の天ぷらが大皿に乗って運ばれて来ました。 テーブルの上の料理が全然食べ切らぬうちに登場しましたが、冷めないうちにと思って箸を伸ばします。 具材はシシトウといった定番の他、海老の湯葉巻きと人参をシソで巻いたものがサックリと揚がっていて、添えられた桜塩をふっていただきました。 続いては鍋物、岩手名産・葛巻高原豚のしゃぶしゃぶです。 肉厚ながらも柔らかくジューシーなブランド豚は食べ応え十分で、こちらのしゃぶしゃぶを食べ終わった時点でかなり満腹になってしまいました。 続いて出来たての料理が再び運ばれて来ました。 こちらは牡蠣のスパイスマヨネーズ焼きで、カレー風味の焼き牡蠣は熱々のウマウマ、満腹とはいっても、あっという間に胃の中に収まってしまいました。 シンプルな焼き牡蠣を好む人もいるでしょうが、私は一手間かけたこのような創作系の料理が大好きです。 料理は続き、こちらは定番の茶碗蒸しと黒胡麻風味のお餅です。 この辺りになるとかなり惰性で食べている感じが強くなっていましたが、美味しいのでついつい完食してしまいました。 そしてようやく食事にたどり着き、ひじきご飯とアサリのお吸い物、漬物が運ばれます。 かなり満腹であったので、一瞬、白いご飯の方が良かったなと思ったのですが、ひじきご飯も吸物も見た目以上に薄味で上品な味わいだったので、残さずに美味しくいただきました。 最後にデザートのメロンとお茶をいただき、質・量ともに満足の行く夕食を食べ終わりました。 夕食の紹介は以上です。 写真では伝わり切らないと思いますが、今回の夕食は本当にボリューム満天で、私が今までいただいた旅館料理の中では間違いなくベスト3に入るだろうという満腹感におそわれてしまいました。 惜しむらくは、ほぼ一気出しで料理が並んでいたため、やっつけ仕事の様に口に入れなければならなかったことです。 お品書きがあればもう少し全体像が掴めて良かったのですが、途中途中で出来たて料理も運ばれて来たため、とにかく必至で料理を片づけていく感じになってしまいました。 もちろん味はどれも皆美味しかったので、次回足を運ぶことがあればペース配分を考えながら食事を楽しめると思います。 ちなみに食事にかかった時間は私達にしてはだいぶ短めの1時間10分であったので、2時間くらいかけてゆっくりいただきたい内容であると感じました。 続いて朝食の紹介に移ります。 朝食会場は夕食時と同じで、夕食に部屋食を選んだ人達も朝はこちらでいただきます。 食事処は畳敷きの広間に椅子とテーブルが並ぶという流行りのスタイルですが、他の館内と比較すると、もう少し雰囲気UPを望みたいところです。 入口付近には、生野菜、納豆、フルーツなどが簡易バイキング形式で提供されていました。 こちらが朝食の内容です。 特別凝ったものではありませんが、夕食ですっかり胃拡張になってしまったので何でも美味しくいただける感じがしました。 好物の玉子焼きやイカ刺しなどが朝食に並ぶと嬉しくなります。 こちらは朝食の定番となる湯豆腐、 そして自由にいただける生野菜です。 朝食はシンプルに白いご飯と味噌汁が並び、ご飯の美味しさに思わず朝からお代わりしてしまいました。 朝食を食べ終わった後は、ロビーへ下りてしばしまったりすることに。 さすが畳敷きの宿、階段まで畳敷きというのが面白い感じがします。 談話スペースで珈琲を飲みながら、北に向かうか南へ向かうか、この日の湯巡りの行き先についてあれこれと候補地を考えたりしていました。 行きたい場所がたくさんあると、限られた時間の中での場所選びは楽しくもなかなか大変な作業です。 チェックアウト時間は10時ですが、やや早めとなる9時半に宿を後にしました。 この日は昨日とうって変わって快晴であったので、門には暖簾が掛かって上品な雰囲気を生み出していました。 良く晴れた日は朝の寒さもひとしおです。 出発前に宿のすぐ近くの御所湖へ立ち寄り、美しい雪景色を目に焼き付けました。 昨日は黒と白の世界、今日は青と白の世界が広がる岩手路を、花巻方面に向けいざ出発です。 以上で、2009年最初の温泉宿となった、つなぎ温泉『旅染屋山いち』の宿泊レポートを終了します。 泊まってみた感想ですが、全館畳敷きの館内はくつろぎ感も強く、温泉や食事に至るまで実にバランスの良いサービスで、欠点の少ない万人受けするようなお宿といった印象でした。 温泉付客室はコストパフォーマンスも高いので、盛岡周辺の観光の拠点としては申し分ない内容であるのではないでしょうか。 ただし、全館畳敷きという点の他に宿の大きな個性やウリが見えづらい感じもしたので、今後、方向性やウリといったものをしっかりと見据えた宿づくりを目指して行けば、更にワンランク上の素晴らしい温泉宿へと進化していけるような気がしました 食事が一番のウリなのであれば、食事処の雰囲気や出し方をもっと工夫して欲しいし、小規模の隠れ家的な温泉宿を謳うのであれば、団体客は取らない方が良いと思います。 幸い、良質の温泉に手を加えないという温泉宿としての基本はしっかりと守られているので、これからも是非とも頑張って欲しいお宿であると思いました。 今回滞在時の採点(5段階) 接客(もてなし)・・・・・4(概ね満足、特に不満なし。到着時に玄関先への出迎えなどがあると更に良いと感じた) 館内の雰囲気・・・・・4(畳敷と民芸調で統一された館内は温かい雰囲気が感じられて良かった) 部屋の雰囲気・・・・・4(客室内はごく普通の印象ながら、温泉付というのがポイント高し) 清潔感・・・・・4(特に不満無し) 温泉・・・・・4(良質な温泉を掛け流しで楽しめるのは◎、貸切風呂など無料になれば尚良し) 夕食・・・・・4(質・ボリューム共に大変満足だったが、もう少しゆったりと味わってみたかった) 朝食・・・・・3.5(概ね満足、特に不満なし) コストパフォーマンス・・・・・4.5(温泉付客室に1万円台で泊まれるのは◎) 総合満足度・・・・・4(大きな不満も無く、充実した滞在を楽しむことができた) 次回リピート度・・・・・3.5(盛岡周辺に足を運ぶことがあればまた利用するかも。できれば大きな宿のウリが欲しいところ)
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つなぎ温泉 旅染屋山いち
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つなぎ温泉『旅染屋山いち』のお風呂に注がれる温泉は、客室陶器風呂を含めて全て源泉掛け流し−。 大型旅館の立ち並ぶつなぎ温泉の中にあって、共同源泉ながらもつなぎ温泉本来の源泉を楽しむことが出来る貴重な湯宿の一つとなっています。 今回は『旅染屋山いち』が備えるお風呂と、館内の様子について紹介して行きたいと思います。 風情ある畳敷きの廊下を奥へと進み、先ずは大浴場を目指します。 1階廊下の突き当たりに男女別の大浴場があり、ほぼ同じ作りの浴室であるため男女の入れ替えはありません。 こちらは男湯の脱衣場です。 棚に籠が並んだシンプルな脱衣所で、キーボックス等の備えは特にありませんでした。 脱衣所の壁には源泉掛け流しをアピールするこのような嬉しい掲示も。 湯の温度は人それぞれ好みが違うでしょうが、なるべく水等で薄めずに源泉の個性を楽しみたいものです。 ちなみに私は内湯なら41℃前後、露天は40℃前後という比較的温めの湯が好みですが、30℃でも48℃でも入ることができるので、割りと守備範囲は広い方だと自負しています。 他のお客さんがこないうちに、早速浴室に入ってみます。 こちらが内湯の様子です。 宿の規模、湯量に見合った小ぶりの湯船で、趣こそありませんが落ち着いた雰囲気でした。 五角形の湯船に入ってみると、この日は思ったより湯温は高くなくツルツルの肌触りで気分良く湯浴みが楽しめました。 洗い場は間隔がやや狭いため、混雑時などは隣に気を使いそうです。 割りと無機的な雰囲気の浴室でしたが、椅子と桶が木製だったのが嬉しかったですね。 続いて内湯の外に併設されている露天風呂に入ってみました。 露天風呂は申し訳ない程度の大きさで作られた感がありましたが、木の床と極めて小さな湯船とのコントラストも良く、意外と落ち着いた雰囲気で気に入りました。 周囲を壁や植木で覆われているため眺望などは全く効きませんが、内湯同様、湯温がズバリ適温だったため、冷たい外気に触れながらじっくりと長湯を楽しむことができました。 湯口の上にはカエルの置物が鎮座していて思わず気持ちが和みます。 夕食前に入ったこの時間帯は、内湯も露天も上がる直前まで貸切状態だったので非常に幸運でした。 1時間ほどかけてつなぎ温泉の湯を堪能し、心身共にすっかりリラックスしてお風呂から上がります。 ちなみに私が今回大浴場に入ったのはこの時だけで、後は珍しく客室の陶器風呂に浸かってばかりいました。 大浴場の前には、湯上がり時に嬉しい冷水もしっかりと用意されています。 また、冷水が置かれた後ろのスペースは、ちょっとした湯上がり処となっていて一休みできるようになっています。 こちらに置かれた足裏マッサージ機が思いのほか気持ちよく、湯上がり後はのんびりとマッサージなどを楽しみました。 続いて女湯の紹介です。 脱衣所のつくり、広さなど男湯と全く同じ作りとなっています。 こちらは夜の内湯の様子です。 湯船の縁からしずしずとお湯が溢れて出ている光景は、入らずとも見ているだけで嬉しくなってくるから不思議です。 ・・・と思ったら、どうやら湯温が熱かったのか誰かが蛇口から水を出してうめているようでした。 温泉成分で真っ黒に変色した蛇口に、ハンドル部だけ新品に交換されているのが面白い感じがします。 洗い場二箇所に対して、シャンプー・ボディーソープ類は一組という数でした。 大規模旅館ではなかなか簡単にはいきませんが、誰もいない露天風呂に一人静かに入る時間は小さな宿ならではの楽しみの一つだと思います。 無色透明な湯でありながらも、香りや肌触りからお湯の良さが伺えます。 成分表を見ると遊離硫化水素は全く含まれていなかったので、白濁したり、強い硫化水素臭を感じるようなことはありません。 したがって、硫黄泉が苦手な人にも比較的入りやすいお風呂であると感じました。 さて、お風呂紹介の最後は有料の貸切風呂です。 今回は客室に陶器風呂が付いていたので利用しませんでしたが、どんなお風呂なのか見学だけさせていただきました。 宿泊した客室の斜め向かいに、貸切風呂「橙の湯」が設けられています。 小じんまりとした脱衣所はしっかりと清潔感が保たれていました。 浴室に入ると、何と床は畳敷き。 さすが畳敷きのお宿だけに、こんなところにも宿の特徴が現れています。 そしてこちらが赤い陶器製の湯船です。 湯気が多かったのでハッキリした写真が撮れなくて申し訳ありませんが、客室の陶器風呂よりもやや大きめサイズの二人様といった感じでした。 洗い場や壁は木の板が貼られていて、なかなか気持ちが良さそうな浴室でした。 但し、50分間の利用で料金が一組1,575円のため、できれば無料で楽しみたいところです。 お風呂の紹介の後は、引き続いて館内の様子を紹介します。 廊下の一角には、地酒処の看板がかかったミニバーなども設けられていました。 中を覗くと、ビールや日本酒などのアルコールの他に、珈琲などもいただけるようになっています。 ロビー周辺は、お菓子や雑貨などのお土産品が販売されていました。 一見雑多な印象も感じられますが、宿の雰囲気に良く合ったディスプレイだと思います。 その他、レトロな家具や小物、照明などを上手く組み合わせて統一感のある民芸調の雰囲気を創り上げていました。 全体的に女性向けのインテリアのような印象を受けましたが、温かい雰囲気が感じられて良かったです。 また、ロビー周辺には2箇所の談話スペースがあり、湯上がり後や食事の後など、雑誌などを眺めたり、珈琲をいただいたりしてゆったりくつろぐことができました。 最後に宿の外にも足を運んでみました。 雪が少ないとは云えそこはやはり真冬の岩手、外に出ると身を切るような空気の冷たさを感じます。 そんな時嬉しいのがこちらの手湯です。 手湯というのは珍しい感じですが、足湯だと冬場は雪に埋もれて楽しめないこともあるため、なかなか楽しいアイデアだと思いました。 宿の脇には雪を被った生け垣、そしてその奥には、春になったらきっと見事な花を咲かせるであろうしだれ桜の木が、ひっそりと眠ったようにそびえ立っていました。 日が暮れると行灯が玄関を照らし、雪国の温泉宿らしい風情が一層と増してきます。 もっと雪が積もった日であれば、さらに美しい雪明かりが足下を照らしてくれることでしょう。 以上で宿のお風呂と館内の様子についての紹介を終わります。
次回は、山海の素材をボリューム満点に味わい尽くす宿の食事について紹介したいと思います。 次回へとつづく・・・ |
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温泉をこよなく愛する者にとって、待ちに待った冬の季節を迎えました。 寒さ厳しい北国の冬、取り分け雪に埋もれた東北地方の冬は正に東京人にとって永遠の憧れであり、加えて温泉に対する想いや郷愁が一際増してくる季節と云っても過言ではありません。 群馬でも長野でも新潟でもなく、私の心の中に憧憬としていつも浮かび上がってくるのは、やはり陸奥方面の温泉地です。 そんな冬の陸奥への熱き想いをぶつけるべく、2009年の初湯として選んだ場所は岩手県〜。 昨年起こった大きな地震以来、岩手に行こうと行こうと思いつつなかなか実現しなかったこともあって、2009年は必ず岩手からスタートしようと心に誓っていたのでした。 今回の旅は、盛岡の奥座敷として知られるつなぎ温泉『旅染屋山いち』と、花巻の湯治場として栄えた台温泉『炭屋台の湯』という比較的小さな温泉宿を巡って来ました。 良質な温泉と評判の料理を目当てに宿を選んだというワケですが、実はどちらの宿も館内全て畳敷きで素足で過ごせるという共通点があり、昨年末の『船山温泉』から数えて3軒連続して畳敷きスタイルを取り入れたお宿に足を運んだ形になりました。 これから数回に分けて、新春岩手の雪見旅の模様をレポートして行きたいと思います。 先ずは、つなぎ温泉『旅染屋山いち』からのスタートです。 1月3連休の初日、羽田発の早朝便で一路秋田空港を目指しました。 新幹線でのアプローチも考えましたが、やはり大好きな空の旅はなかなか止められないものです。 どんよりと曇った空の下、わずか1時間のフライトで雪景色の山々がぐっと近づいて来ます。 秋田空港からは、先ずは車で角館方面に向かいました。 思ったほど地上に雪はなく、慣れない雪道運転もさほど苦にはなりません。 私は陸奥の小京都、角館の街並みが大好きです。 角館は四季折々に実に風情ある風景を目にすることができますが、冬のこの時期は訪れる観光客の姿もまばらで、街全体が凛とした空気に包まれています。 今回も武家屋敷の黒壁と、真っ白な雪景色とのコントラストを楽しみにしていたのですが、やはり雪が非常に少なくてかなり拍子抜けしました。 角館は美食の宝庫、食事をするのにいつもどのお店にしようかと頭を悩ませるのですが、今回はまだ足を運んだことがなかった手打ち蕎麦の名店、その名も「角館そば」でランチを取ることにしました。 ほぼ開店と同時に入ったこともあって、私達が一番乗りの模様です。 小上がりの座敷や一枚板のテーブル席など、明るくスッキリとした印象の店内でした。 今回私達が頼んだのは、この時期ならではの「鴨ざる」です。 実はこちらのお店のご主人、手打ち蕎麦界では泣く子も黙るという重鎮、高橋邦広氏の下で修行したという正統派で、訪問前からその実力の程を大いに期待していました。 程良いコシと喉ごしがバランスの良い蕎麦は、翁・達磨系の蕎麦の中でもかなり好みの味。 肝心の鴨汁につけることなく思わず半分近くいただいてしまいましたが、柚子の風味の効いた鴨汁もサッパリとしていて実に美味しくいただきました。 そして、美味しい蕎麦を堪能した後にいただいたのは、非常に珍しいそばがきのお汁粉です。 滑らかでねっとりとしたそばがきと、表面にまぶしたカリッとした蕎麦の実の食感が心地良く、そばがきの新しい食べ方を知った感動を覚えました。 お餅とは一味違った滋味溢れる非常に味わい深いお汁粉ですので、もしこちらに足を運ばれる方がいれば是非味わってみて欲しい一品です。 「角館そば」にて絶品蕎麦に舌鼓を打ち、カフェやギャラリーなどをぶらぶらと散策した後は岩手方面へと車を走らせました。 秋田と岩手を結ぶ国道46号線は奥羽山脈を貫いて延びているため、途中長いトンネルを何度も通過して向かいます。 岩手に入ると、少な目だった雪も見応えのある雪景色へと変わって行き嬉しくなりました。 角館から車で走ることおよそ1時間、2年ぶりの訪問となるつなぎ温泉へと到着しました。 今宵の宿となる『旅染屋山いち』は、温泉街の入口付近にひっそりと軒を構えています。 駐車場に車を停めて宿の外観を眺めてみました。 一見、あまりパッとしない邸宅のような建物を黒塀で囲うことによって、小粋な雰囲気を作りだしている感じを受けました。 この黒塀があると無いとでは恐らく見た目の印象がガラリと変わるかも知れません。 降りしきる雪によく似合あったシックな趣の黒塀です。 門から玄関へと続くアプローチはしっかりと除雪され、到着する客達を迎えてくれます。 玄関の扉を開けると、先ずは立派な活花が目に入ります。 正月らしい華やかな演出に心が和みました。 靴を脱ぎ、もう1枚の扉を開けて館内に入ると、 いかにも女性ウケしそうな民芸調の明るい雰囲気の空間が広がっていました。 外観よりも、館内の雰囲気の方が遥かに好印象といった感じがします。 館内に入るまでの出迎え等は特に無く、ここで初めて宿の人とのご対面と相成ります。 先ずはフロントにてチェックインの手続きを行い、夕食時間等を決定しました。 そしてチェックインの手続きを済ませた後は、女性には嬉しいサービスだと思われる色浴衣をフロント前のロビーにて選びます。 ちなみに、箪笥の上にはわずかですが男性用の浴衣も用意され、久々に私も浴衣の柄を選ぶことができました。 たとえ柄の数は少なくても、浴衣を選ぶ作業は男であっても楽しいものです。 浴衣を選んだ後は、ロビーからもほど近い本館1階の客室へと通されました。 右手の暖簾の奥が客室となっています。 今回宿泊した客室は「橅(ぶな)」という名称です。 ちなみに『旅染屋山いち』の客室数は本館が12室、別館が5室の計17室で、別館客室の方が新しいため人気があるようです。 こちらが客室内の様子です。 客室の広さは8畳、特にモダンなスタイルを取り入れているというわけでもなく、ごくごく標準的な和室といった印象でした。 障子の奥の広縁も畳敷きとなっています。 広縁に置かれたテーブル一つに対して、椅子も一脚。 奥には冷蔵庫が置かれています。 窓を開けて外を眺めてみましたが、1階客室のために眺望は全く効きません。 正面にはつなぎ温泉屈指の大型旅館である『ホテル大観』の姿が目に入りました。 こちらは床の間の様子です。 テレビは液晶アクオス・世界の亀山モデルが置かれています。 クローゼットの中には、金庫の他にタオルや備え付けの浴衣などが収納されていました。 こちらはテーブルの上に用意されたお茶請けです。 金平糖など懐かしいお菓子もあって、美味しくいただきました。 そして夜に布団を敷いた状態です。 厳冬期の岩手でしたが、エアコンの他、ストーブも強力な物が備わっていたので寒さに凍えることなく安眠できました。 続いて水回りの紹介です。 客室のトイレはしっかりとシャワートイレが備わっています。 そして洗面所です。 洗面台は陶器製でキレイな印象でした。 さて、ここまでの紹介を見る限りでは、全くもって客室自体に魅力を感じることは無かったかと思われますが、実は今回私達がこちらの客室を選んだワケは備え付けのお風呂にありました。 扉を開けて中に入ってみると、 ご覧のように、つなぎ温泉の良質な源泉を部屋に居ながらにしてかけ流しで楽しむことができる陶器製の内風呂付客室だったのです。 ほのかにイオウの香りが漂うそのお湯は、ph9.1というかなりアルカリ性の強い単純硫黄泉で、肌触りが滑らかな美人湯系の素晴らしい泉質です。 翡翠のような美しい浴槽は小じんまりとしたサイズではありますが、板張りの浴室内の雰囲気とも良く似合っており、入っていて本当に気持ちの良いお風呂でした。 カラン、シャワーの使い勝手も全く問題ありません。 今回特に気持ち良かったのが、朝食前に入った朝風呂です。 わずかに開く窓を開けると、眩しい朝の光と共に身を切るような冷たい空気が浴室内に入り込んで来ます。 そんな冷え込んだ朝の空気を顔に感じながら、ピリッと少々熱めのお湯に身をうずめる瞬間は正に最高の贅沢です。 注がれる温泉そのものの質が良かったということもあり、久しぶりに客室備え付けのお風呂の醍醐味を味わってしまった感がありました。 今回は、新春岩手の温泉旅のレポート第1弾ということで、つなぎ温泉『旅染屋山いち』の宿泊した客室の様子を中心に紹介しました。 客室自体は本館ということもあり、設えや眺望など全く特筆すべき点は見受けられませんでしたが、やはり何といっても備え付けの源泉掛け流し陶器風呂の満足度は極めて高い物がありました。 『旅染屋山いち』の宿泊料金は全体的にリーズナブルなものとなっていますが、こちらの温泉付客室においても1万円台後半の料金で宿泊することができるため、温泉目的で足を運ぶのであれば選んで間違いのない客室であると思います。 ちなみに温泉付客室は私達が泊まった8畳のタイプと、さらに宿泊料金を抑えた6畳タイプの2部屋のみのようでした。 次回は館内及び宿のお風呂の様子について紹介したい思います。
次回へとつづく・・・ |
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