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白骨温泉『湯元 斎藤旅館』の宿泊レポートも、今回の食事編を持ってようやく最終回です。 食事に至るまでの間、客室、館内のパブリックスペース、お風呂とも全てGW中の満室時にもかかわらず静かで快適な滞在を楽しむことができましたが、正直言って今回の食事時間が最も心配な思いを抱いていたと明かしておきましょう。 というのも、ファミリー客を中心とした食事会場の騒々しさや、満室による配膳スピードの遅れなどによって、きっと満足に食事を楽しめないのではないか、ましてや前日にわずか5室の料理宿『奥飛騨 山草庵 饗家』において最高の食事をいただいた後ということもあり、かなりの見劣りが感じられるではないかという気がしていたため、あまり期待は持たないようにしようと言い聞かせていた感じでした。 果たしてその結果はどうなったか・・・? それでは早速レポートを開始して行きましょう。 夕食時間を18時からお願いし、指定の時間に食事処「あずみ野」へと出向きます。 嬉しいことに、何と私達が通されたのは広々とした個室席。 椅子・テーブル席がズラリと並ぶ中で、何故私達が個室を用意してもらえたのかは謎ですが、おかげで人目を気にせずゆったりと食事を楽しむ場所が確保されて非常に嬉しかったですね。 先ずはお決まりのビールで乾杯ですが、今回予約したプランは地ビール付のプランだったのでこちらも重ねて嬉しいポイントでした。 初めに運ばれて来たのは、食前酒の他、先付の山菜のジュレ掛け、前菜の旬の肴五種盛りです。 山菜のジュレ掛けはわらび、タラの芽などわずかに苦みが利いていて美味、前菜五種盛は行者にんにくの酢味噌合え、ピリ辛のこんにゃく、山芋の梅肉合え、そばの実の味噌漬け、そして笹の葉にくるまれた草餅と、どれも素朴で滋味溢れる美味しさでした。 続いてはお造り。 レモンと高原野菜が添えられた信州サーモンのサラダ仕立てです。 カルパッチョと違ってオリーブオイルはかかっておらず、レモンと塩でさっぱりといただきました。 続いては信州安曇野豚のしゃぶしゃぶです。 柔らかくてジューシーな豚しゃぶは私の好物。 ボリュームも多すぎずに適量で美味しくいただきました。 続いては太刀魚のなたね焼きです。 こちらの焼き物はお皿も熱々の状態で運ばれ、上品な口当たりの太刀魚と上に乗った菜の花が非常に良く合う一品です。 単なる焼き魚を出されるよりも数段上の美味しさでした。 続いてはハーブ鶏の酒蒸しです。 写真の見た目では少し地味な感じですが、臭みも無くあっさり目の味付けに塩をひとつまみ降っていただくとこれがもう絶品の味。 豚肉以上に鶏肉が大好きな私にとって正に大満足の一品でした。 続いては揚げ物、季節を先取りする稚鮎の天ぷらです。 やや衣の付け具合が多かったものの、揚がりはサックリ、鮎らしいワタの苦みが利いていて添えられたアンデスの紅塩を降って美味しくいただきました。 また、一粒添えられたふきのとうの天ぷらも満足度高しです。 続いては湯葉の飛竜頭です。 最近温泉宿でいただくことの多い飛竜頭ですが、コーンや人参などの甘みのある野菜達を使って具たくさんに仕上げており、何個でも食べられそうな感じの優しいお味でした。 そしてようやく食事に至り、信州そばに漬物、うぐいす豆ご飯というラインナップにしっかり残さず完食させてもらいました。 〆のデザートはシンプルにフルーツとアイス、最後まで美味しくいただきました。 夕食の紹介は以上です。 食事にかかった時間は凡そ1時間15分ほどと、私達にしては比較的早めのペースでいただきましたが、際だった料理や派手さはないものの、出てくる料理がどれもみな普通に美味しく、十分満足できる内容でした。 心配していた騒々しさなども杞憂に終わり、程良く洋のテイストも盛り込んだ夕食は恐らく誰が食べても普通に美味しく感じるであろうという安心感が漂っている気がしました。 続いて朝食の紹介です。 朝食は7時半からお願いし、夕食時と同じ食事処へと足を運びました。 席も同じく個室が用意され、満席の中で何だか申し訳ない気分になってしまう程でした。 朝食は通常提供される料理の他に、ちょっとしたバイキングコーナーも設けられています。 当然ながらバイキングの方もしっかりといただいてみることに。 湯豆腐や出汁巻き玉子など、通常に出されるおかずも十分な内容でした。 更に好物のマカロニサラダやパンなどを取ってきてしまい、朝からすっかり食べ過ぎの予感です。 そして白骨温泉に来たら、やはり朝食に名物の温泉粥をいただかなくてはなりません。 もちろん普通の白いご飯もいただくことができますが、私は他の宿でいただくものよりも『湯元 斎藤旅館』の温泉粥が一番口にあっています。 飲んでよし、入って良しの名湯ですから、温泉粥をいただくことで、きっと疲れた胃腸の調子を整えてくれると信じて口にしています。 最後に珈琲をいただき、朝食の方も大満足の思いで食べ終わりました。 朝食後は〆の露天風呂を楽しみ、道路の混雑を避けるために10時少し前に宿を後にしました。 通常のチェックアウト時間は10時ですが、私の予約したプランのように14時IN、11時OUTといったプランも用意されているので、目的や好みにあったプランを探して予約するのが良いと思われます。 『湯元 齋藤旅館』の宿泊レポートは以上で終了です。 初めは『湯元 齋藤別館』の予約が叶わず、ある意味妥協して訪問に至った感じではありましたが、今回宿泊してみて改めて『湯元 齋藤旅館』の良さを再認識することができ、本当に大満足の滞在となりました。 あれだけたくさん泊まっていた宿泊客達も、チェックインの時と夕食時以外はその姿をほとんど見かけることもなく、極めて静かに過ごすことができたのは非常に驚きです。 白骨温泉には他にもいろいろと魅力溢れるお宿が林立していますが、私の中の永遠のスタンダードとして、これからも『湯元 齋藤旅館』を強く推して行きたいと思っています。 そして、いつか必ず別館の方にも足を運んでみなくてはなりませんね。 湯元 齋藤旅館 http://www.shirahone.net/ 今回滞在時の採点(5段階) 接客(もてなし)・・・・・4.5(忙しい中、皆さん丁寧で一生懸命頑張っていた。老舗旅館ならではの安心感のある接客は好感が持てる) 館内の雰囲気・・・・・4.5(大型旅館らしく、カラオケボックスなど一部余分なものが作られているが、全体的に民芸調で統一されて品のある空間だった) 部屋の雰囲気・・・・・4(目立った特徴はないが、滞在において快適性に全く不満なし。グレードの高い他の客室であれば更なる雰囲気UPが期待できそう) 清潔感・・・・・5(全く問題なし) 温泉・・・・・4.5(抜群の泉質に風情有る浴室。さすが白骨の湯元) 夕食・・・・・4.5(印象に残る料理は無いものの、バランス良くどれも皆美味しくいただけた。個室を用意してくれたことも◎) 朝食・・・・・4(同上) コストパフォーマンス・・・・・4.5(GW中ということを考えると2万円という宿泊料金は納得の価格。違う季節や平日であれば1万円台で宿泊することもでき尚お得感も) 総合満足度・・・・・4.5(全てにおいて全く不満のない充実した滞在を楽しめた) 次回リピート度・・・・・4.5(時期は分からないが、気が向いた時に必ずリピートしたいと思える宿)
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白骨温泉 湯元齋藤旅館
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今回は『湯元 齋藤旅館』のお風呂について紹介しますが、白骨温泉の各宿では、珍しいことに源泉の違いによってそれぞれ屋号ならぬ湯号を名乗っています。 例えば『笹屋』であれば「小梨の湯」、『つるや旅館』であれば「絹の湯」といった具合に。 そして、そんな白骨温泉の湯号の中で唯一「湯元」を名乗る宿こそが『湯元 齋藤旅館』です。 どの温泉地でも「湯元」、「湯本」、「元湯」などの冠が着いた宿は正にその温泉地を代表するような湯を湛えるところが多く、当然ながら『湯元 齋藤旅館』に注がれるお湯は正に白骨温泉発祥の湯であり、白骨の総元締とも呼ぶべき自家源泉掛け流しの極上湯を堪能することができます。 ちなみにお風呂の数ですが、「鬼ヶ城」と名が付いた男女別の野天風呂が1箇所、「龍神の湯」、「薬師の湯」という名が付いた内湯+露天風呂を有する湯殿が各1箇所、そして有料になりますが、木の温もり感溢れる魅力的な貸切風呂「仙人の湯」が1箇所、計5箇所のものお風呂を有しており、有料の貸切風呂以外は全て男女入れ替えとなるので、居ながらにして湯巡りが楽しめる環境となっています。 先ずは長い廊下を伝って、「龍神の湯」「薬師の湯」が備わる湯元館へと向かいます。 客室紹介の時も書きましたが、牧水荘の宿泊者はとにかく浴室までのアプローチが長いので、これもまた楽しみの一つであるという心の余裕を持ちたいものです。 エレベータを乗り継いで向かった先に、ようやく「薬師の湯」の入口が見えてきます。 手前にはゆったりとした椅子やテーブルが置かれたスペースが設けられているので、湯上がり後の休憩や待ち合わせ場所として便利でした。 スリッパ入れは嬉しい殺菌灯タイプ。 私が入るときにちょうど先客達が出ていく感じだったので、例によって貸切状態で楽しめるという幸運に恵まれました。 脱衣場やパウダースペースは実にゆとりのある作り、 外のデッキテラスには椅子も用意されていて、リゾート気分で湯上がり後の体の火照りを冷ますことが可能です。 脱衣所に用意されている冷水は常に水が流れているもので、どうやら湧き水か地下水といった感じの美味しいお水でした。 こちらが「薬師の湯」の洗い場です。 落ち着いた雰囲気の風情ある湯小屋ながらも、浴槽と洗い場が独立した作りで実に快適。 シャワーの水圧も高く、隣との間に仕切があるのも非常に便利でした。 そしてこちらが内湯派の皆さんに自信を持ってお薦めしたい「薬師の湯」の内湯です。 湯船の縁を描く波模様、湯小屋内に立ち上がる湯の香り、そして肌触りが良くどこまでもマイルドな浴感。 昼間ももちろん素晴らしいお風呂ですが、夜は更に静けさとムードが増して最高の雰囲気に包まれます。 どのお風呂も湯口には升が置かれていて、飲泉も楽しめるようになっています。 白骨の湯は胃腸病に効くと有名なので、長旅の胃もたれを解消すべく私もいただいてみました。 決して美味しくはありませんが、それほど不味くもないので意外に飲みやすい湯であると思います。 内湯の外を見やると露天風呂が横たわっています。 さて、こちらが露天風呂の様子ですが、今回は湯を張り替えたばかりのようで白濁する前の透明な状態を目にすることができました。 小じんまりとした大きさながらも、ごつごつとした岩に囲まれた野趣溢れる作りとなっています。 湯口の周りにびっしりと付着した温泉成分(炭酸カルシウム)の塊が分かりますでしょうか。 こういう情景を目にすると、温泉好きの血が騒いで思わず興奮せずにはいられません。 石灰成分が付着し、思わず石の湯船と見間違えてしまうような湯船も元は木製。 湯が透明な状態であったこともあり、正に石灰が湯船を白くし、その姿を白船(シラフネ)と例えた白骨温泉本来の語源を身を持って実感することができました。 続いて、男女が入れ替わり翌朝入った「龍神の湯」の紹介です。 脱衣所の広さ、作りなどは「薬師の湯」とほぼ同様。 但し、「薬師の湯」が屋外のデッキテラスであったのに対して、こちらは室内に設けられていました。 そして浴室の洗い場ですが、こちらも「薬師の湯」とほぼ同じ作りとなっていました。 ご覧のように、湯船と洗い場が独立しているので、お互い気を使うことなく便利な感じでした。 前日と比べて、翌朝はすっかり白骨温泉本来の青白い湯を湛えていました。 こちらも檜の湯船とは思えないような見事なコーティングぶりですね。 湯口から絶え間なく注がれる湯は、加温されてはいますが正に絵に描いたような名湯です。 「薬師の湯」の内湯はL字型になっていますが、こちらの「龍神の湯」は長方形。 したがって「龍神の湯」の方がわずかに小ぶりとなっています。 こちらは「龍神の湯」に比べて比較的スッキリとした印象の露天風呂です。 何となく木の湯船であることがまだ分かる感じですね。 「龍神の湯」の露天風呂は眺望もそれなりに楽しめます。 まだ空気が冷たく感じられる早朝、小鳥のさえずりを聞きながら爽やかな湯浴みを満喫させてもらいました。 次回訪問の際は、恐らくこちらの湯口の析出物ももう少し成長していることでしょう。 続いては露天風呂派に人気の「鬼ヶ城」の様子を紹介します。 牧水荘から向かうと、「薬師の湯」「龍神の湯」がある湯元館よりは手前にあるので、気軽にひとっ風呂浴びるのには便利な感じでした。 風情ある階段を下りて浴室に向かいます。 こちらの「鬼ヶ城」はシンプルな野天風呂スタイルなので、カラン・洗い場等の備えはありません。 先ずは手前のお風呂から。 湯治場を思わせる小さな脱衣場には、まだ肌寒い季節のせいか扇風機型のストーブが置かれていました。 こちらが湯船の様子です。 木の仕切が設けられた湯船は手前の広い方が温め、湯が注がれる奥が適温といった感じで、いずれにしても長湯には適した湯温となっています。 こちらは何故かいつも空いていて、自分の他にせいぜい一人いるかどうかといった状態であったのでゆったりつかることができました。 壁に囲まれているので眺望は効きませんが、晴れていれば満天の星空が望める開放感抜群の野天風呂です。 こちらは翌朝に入った奥の方の浴室の脱衣所です。 扉の先にはひょうたん型の魅惑的な湯船が待ち構えています。 湯口付近に陣取り、『湯元 齋藤旅館』での〆の湯をこちらで楽しませてもらいました。 頭上には青空が広がり、この日の旅もきっと充実したものになりそうな予感がしました。 お風呂の紹介は以上です。 今回は有料の貸切風呂まではさすがに手が回りませんでしたが、それでも十分すぎるほどの湯巡りを楽しむことができました。 特にGW中で満室であるにもかかわらず、思いのほか全てのお風呂が比較的空いている状態であったのは本当に助かりました。 やはりどんな名湯であれ、混雑した状態では心の底から楽しめないというもの。 そういった意味で、今回は湯口を彩る石灰のオブジェや見事にコーティングされた湯船の姿などを目にして、改めて白骨温泉の湯元たる極上湯の素晴らしさを再認識できたので、大満足の湯浴みを満喫することができました。 次回は宿の食事について紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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前回の記事で、今回の白骨温泉の宿を選ぶにあたり、本当なら本館よりも別館泊を希望していたと書きました。 白骨といえばやはりそのお湯を楽しむのが一番の目的ですから、極上の白濁湯にはやはり、鄙びた湯小屋を持つ宿が一番よく似合うと以前からずっと考えていたワケです。 歴史ある木造旅館の『湯元 齋藤別館』には、白骨随一とも云えるまるでいぶし銀の様な渋い魅力を放つ湯小屋をしっかりと備え、更に別館宿泊者に限り、本館と媒香庵(日帰り入浴施設+食事処)のお風呂にも自由に入れるとのことだったので、別館の予約が叶わなかった際は非常に残念でなりませんでした。 「ならばせめてお風呂だけでも!」、という別館への熱き思いは本館にチェックインした後でも尚も消えることなく、「何とか別館のお風呂に入らせていただけないか」と本館フロントスタッフに必死で頭を下げたところ、どうやらその尋常ならざる私の思いが通じたのか、別館に連絡を取ってもらって入浴OKの返事をいただくことができました。 というわけで、『湯元 齋藤旅館』の宿泊レポート第2弾は、別館のお風呂の紹介と本館のパブリックスペースの様子を紹介したいと思います。 チェックイン後、やはり混雑する前に取りあえず本館のお風呂にも入って置かなくてはならないということで、先ずは本館での湯浴みを敢行。 そして湯上がり直後のその足で別館へと向かいました。 ゆるやかな坂道を3分ほど歩いた先に、ご覧の別館が佇んでいます。 見れば見るほど何と魅力的な建物でしょうか。 念願叶って足を運んだ別館を前に、レトロな趣と程良い快適性が絶妙なバランスで成り立っている宿という印象を受けました。 玄関をくぐると、ダイナミックで荒々しい岩塊を組み入れたロビーが目に飛び込んで来ます。 こちらのロビーは実にインパクトのある風貌で、私達のように初めて足を踏み入れる訪問客達は、恐らく誰しもが目を奪われるに違いありません。 また嬉しいことに、別館のスタッフの皆さんは実に丁寧なそぶりで、快く私達を迎えてくれたので、恐縮して肩身の狭いような思いをすることなくお風呂に向かうことができました。 案内されたお風呂は1Fロビーのすぐ奥に位置しています。 宿のスタッフに、「残念ながら今貸切風呂を利用されている方がいるのでそちらはご利用できませんが、男女別のお風呂の方は空いているのでごゆっくりしてください。」と言われたのですが、貸切風呂まで入ろうとは恐れ多くて全く考えていなかったものの、そのように一声掛けてくれたことが非常に嬉しかったですね。 浴室前の廊下はいかにもそれらしい雰囲気、この分なら湯船もかなり期待できそうです。 『湯元齋藤別館』のお風呂は男女別の小さな内湯と、空いていれば自由に利用することができる貸切風呂が1箇所のみ。 館内のお風呂の数は決して多くはありませんが、外湯代わりに本館と媒香庵のお風呂が楽しめるというシステムも非常に良くできたサービスであると思います。 こちらは男湯の脱衣場で、アメニティなどは一切無い正統派の湯治場スタイルといった印象でした。 そしてこちらが憧れていた浴室の様子です。 どうですか、実に素晴らしいこの鄙びた雰囲気。 まさか貸切状態で入れるとは思ってもみなかったので、何て自分はラッキーなんだろうとしみじみと喜びをかみしめる瞬間でした。 小さな湯小屋の中に響くのはただ注がれる湯の音のみ。 鼻孔をくすぐる硫黄のかほり、湯口に付着した石灰成分の美しさ。 やっぱりこうした鄙びた内湯はたまりません。 湯治場風情ですが、しっかりとシャワー設備も備わっていて快適です。 こちらは女湯の様子です。 男湯とサイズも一緒で左右対称のつくりとなっていました。 まだ湯船が新しいのか、湯船の縁を石灰成分が完全に覆うところまでは行っていないようですが、あと数年もすればまるで石の様な浴槽へと立派に成長を遂げるのではないでしょうか。 いずれにしても味わい深い湯船ですね。 惜しむらくは洗い場の椅子と桶が味気ないこと。 せめてケロリン桶か、浴室に合わせた木製のものであれば言うことナシです。 たっぷりと湯浴みを楽しんだ後に貸切風呂を覗くと、ちょうど空いていた様子だったので貸切風呂も目にすることができました。 大人二人が何とか一緒に入れるかどうかといった小さなサイズですが、湯小屋の作りなど男女別の内湯と同じような佇まいといった感じです。 無料で自由に利用できる貸切風呂を備えているだけでも充分だと云えるでしょう。 貸切風呂の洗い場は一箇所のみ。 よく見るとこちらの浴室は椅子が木製であったので、好みにもよるでしょうができれば全体的な統一を図ってもらえると嬉しく思います。 別館の紹介は以上です。 満室で準備に忙しい最中、快く入浴を受け入れてくれた別館の姿勢は実にありがたく、丁重にお礼を云って宿を後にしました。 思った通り実に魅力的なお風呂を有していたので、いつか必ず泊まってみたいという気持ちがより一層強く強くなりました。 湯元 齋藤別館 http://www.saito-bekkan.net/ さて、湯上がり後は温泉街の中心までブラブラと散策しながら夕涼みを楽しみました。 橋のたもとには公共野天風呂を望み、GWだけあって夕方でも賑わっている様子が伺えます。 ちなみに私は、4年前に入浴剤騒動で公共野天風呂が一時期閉鎖になった際、復活OPENした初日にはるばる足を運んだことがありました。 その時はしばらくの間おわびを兼ねて無料開放というカタチで提供され、旅館組合の女将達総出で出迎えてくれたのを懐かしく思い出します。 今ではかつての騒動もどこ吹く風、やはり実力派のお湯が湧くところには自然と人が集まってくるものですね。 宿に戻ると、さすがに満室だけあってより一層車の数が増えているようでした。 とは云え、この後ほとんど混雑を感じるようなことが無かったことは正に奇跡としかいいようがありません。 お風呂や食事処を除き、供用で楽しめる館内のパブリックスペースはほぼ1Fに集中しています。 こちらは売店、宿オリジナルのお菓子類の他、珍しいお土産では白骨温泉旅館組合オリジナルの飲泉カップなどが販売されていました。 白骨温泉といえば飲んで効く温泉としても有名で、カップのデザインが気に入って帰りに購入しようと思っていながらすっかり買い忘れてしまったので、次回白骨温泉訪問時には必ず手に入れたいと思いました。 売店のすぐ脇から、ラウンジへのエントランスが続きます。 ラウンジ「胡桃」と称された案内の灯りがやや大衆旅館的な印象を受けたので、せっかく品の良い空間が広がっているので、もうひと工夫欲しい感じがしました。 スペースも広く、クラシカルで落ち着いた雰囲気が漂うこちらのラウンジですが、いつ行ってもなぜか私達の他にせいぜい1組いるかいないかという状態であったため、静かで極めて居心地のよい時間を過ごすことができました。 珈琲やアルコールなどの飲み物も楽しめ、また気軽に読書などを楽しむコーナーとしても利用できるので、このラウンジがあるかないかで私にとっての宿に対する満足度がずいぶん変わって来そうなほどお気に入りの場所となっています。 ラウンジは宿の玄関脇の建物、明治館の1Fに位置しています。 日が暮れてからは、より一層大人の雰囲気が漂います。 風呂に入った後、食事が済んだ後、ことある度にこちらに寄ってはゆったりと静かな時間を楽しませてもらいました。 書棚には気軽に楽しめる雑誌類が豊富に用意されています。 美味しい珈琲をいただきつつ、私はひたすら業界の専門誌を読みふけって知識と情報の吸収にいそしみました。 良質の温泉と美味しい食事、そして気持ちを静かにクールダウンできるこちらのラウンジ。 他にカラオケパーティールームを備えるなど、多少大衆旅館的な側面も残ってはいますが、『湯元 斎藤旅館』は実にバランスの取れた良い湯宿です。 次回は名湯・白骨温泉の湯を存分に楽しむ、宿のお風呂の様子について紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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2009年GW温泉旅行の3日目に選んだ宿は、古くから「三日入れば三年風邪を引かない」と謳われた薬効高い信州の名湯、白骨温泉『湯元 齋藤旅館』です。 実は必然的に大混雑が予想されるGW期間ということで、当初は客室数が少なく、これまで一度も泊まったことのない『湯元 齋藤別館』への宿泊を希望していたんですが、予約レースに出遅れたこともあって残念ながら連休中は全て満室、仕方なくと言っては申し訳ないのですが、以前足を運んだことがある本館の方へ予約を入れたカタチになりました。 本館の『湯元 齋藤旅館』は、2003年に改装したモダンな雰囲気漂う客室数50室を超える老舗の名旅館、一方『湯元 齋藤別館』の方は、1995年に改装を行ったものの、昔ながらの湯治場の雰囲気が漂う客室数わずか11室という鄙びた木造旅館です。 GWなどの大型連休時には、なるべく少ない客室数の宿を選んでゆったり過ごすことをモットーとしている私であり、お気に入りの宿でありながら50室オーバーの宿に足を運ぶことに正直不安とためらいを感じていたんですが、今回に限っては結果的に『湯元 齋藤旅館』を選んで大正解、そのお湯、食事、館内の雰囲気、そして接客等々、改めて宿の魅力を再確認することができて大満足の滞在となりました。 それでは早速『湯元 齋藤旅館』の宿泊レポートを始めて行きましょう。 新平湯温泉『奥飛騨 山草庵 饗家』をチェックアウトした後は、雄大な北アルプスを眺めるべく新穂高方面へと車を走らせました。 写真は素晴らしい眺望が楽しめるお気に入りのドライブルート、北アルプス大橋です。 新穂高ロープウェイも考えましたが、連休中で混むし天気も今ひとつすぐれないので、毎回よく足を運ぶ鍋平公園へ向かうことに。 散策路が設けられている園内は、静かな雰囲気でブラブラと自然を楽しみながら歩くのにはピッタリ、残雪を抱いた錫杖岳や笠ヶ岳などの勇姿もバッチリ望めます。 そしてこの日は、岐阜県警の山岳救助隊のヘリポート基地としても使われていたらしく、パトロール準備にいそしんでいる隊員の許可を貰って記念撮影をすることができました。 しばらく眺めていた後、爆音と烈風を轟かせてヘリが飛び立ちました。 この時期の北アルプスは多くのアルピニスト達で賑わう聖地、当然ながら遭難や事故も耐えません。 こうした山岳救助隊の地道な協力があってこそ楽しめる登山であるのだとつくづく実感することができました。 さて、鍋平公園で北アルプスの山々を存分に堪能した後は、奥飛騨観光の定番、日本の滝100選にも選ばれている平湯大滝などを見学し、 程良くお昼時に差し掛かって来たので、ランチを取るために福地温泉の蕎麦店へと向かいました。 奥飛騨温泉郷の中でも、風情ある古民家宿が林立している福地温泉は今が正に春の盛り。 思いがけず美しい桜並木を目にすることができてラッキーでした。 今回足を運んだ先はこちら、いかにも奥飛騨らしい店構えの『陶茶房 萬葉館』です。 美味しい蕎麦だけでなく、陶器のギャラリーや喫茶も楽しめるという穴場店で、奥飛騨に来た際はランチによく利用させてもらっています。 玄関をくぐると懐かしい古民家の空間が広がります。 家族経営の店で従業員が圧倒的に少ないので、出迎えなどがなくても靴を脱いで構わず奥へと進みます。 展示販売されている器はご主人が自ら焼いたものだそうで、作家と料理人を一人でこなすマルチな才能を持った職人さんといった感じです。 蕎麦を目当てに足を運んだ私達ですが、カフェも兼ねているこの店に来たらケーキも忘れずに食したいところ。 珈琲と共に、本日の一品にあったスフレチョコケーキをオーダーしました。 私が選んだ蕎麦は、コシがあって実に美味い定番のざる蕎麦、 彼女の方が、たっぷりときのこが乗った、熱々のきのこかけ蕎麦です。 どちらの蕎麦も、観光地にある店としては全く申し分のない美味しさでした。 そして食後は珈琲とケーキをいただきますが、私の好きな蕎麦と珈琲が同時に味わえるという何とも嬉しいお店です。 但し、いつも感じるところなんですが、人手が足りないせいか接客がどうも今イチ。 休日のお昼時などの混雑時には、多少ほったらかしにされる場合があるので、この辺をもう少し頑張っていただきたい感じがします。 蕎麦の味も店の雰囲気も素晴らしいので、顧客満足度UPの為に『萬葉館』さんよろしくお願いします。 さて、自然散策とグルメを満喫した後は、温泉を楽しむべく秘湯白骨温泉へと車を走らせました。 写真の道は湯川渡から白骨温泉へと続く県道白骨温泉線ですが、今年の5月11日から2011年11月までの期間は、道路拡張工事のために通行できないので注意が必要です。 程なくして白骨温泉の入口へと到着。 さすがGWだけあって温泉街の駐車場はどこも完全に満車状態、闊歩する人達に注意しながら先へと進みます。 数年前に温泉偽装問題で徹底的にたたかれた白骨温泉ですが、今では各宿の温泉の使用状況に関する情報公開もいち早く進んで、かつての賑わいを完全に取り戻しています。 温泉街の最奥部まで進むと、凡そ4年ぶりの訪問となる懐かしい『湯元 齋藤旅館』の風格ある佇まいが目に入って来ました。 通常のチェックイン時間は15時からですが、私の予約したプランでは14時から入れるので14時を少し回った時刻に到着しました。 車を近づけるとすぐに男性スタッフが駆け寄って来て誘導してくれるので助かります。 玄関は落ち着いた民芸調の佇まい。 この後ぞくぞくと他の宿泊客がチェックインして来ましたが、私達の到着時は静かな雰囲気が保たれていました。 玄関ホールの設えも品が感じられます。 先ずは帳場にてチェックインの手続き、 そして宿帳の記帳後に、こちらのロビーにて小休止です。 ウェルカムドリンクに抹茶、お茶請けに宿オリジナルの温泉饅頭をいただきました。 ロビー奥を見渡すと、松本だるまと共に嬉しい福助人形を発見。 福助人形がたくさん鎮座しているかみのやま温泉『はたごの心橋本屋』に宿泊以来、何故だか知らぬ間にすっかりお気に入りとなってしまった福助人形を見つけると、ついついテンションが上がってしまって思わずシャッターを押さずにはいられません。 また、ロビーの奥にはご覧のように素敵なラウンジルームも設けられていて、こちらの方に通されている宿泊客もいるようでした。 後ほどまた紹介しますが、ドリンクをいただきながらゆっくりと読書を楽しむことができる大変居心地の良い空間であったので、今回の滞在中実に多くの時間をこちらのラウンジ内にて過ごさせてもらいました。 ロビーにて一休みした後は、客室へと向かいます。 今回宿泊したのは前回訪問時と同じ牧水荘の客室で、お風呂からかなり離れた場所にある客室棟である代わりに、最もリーズナブルな料金(とは云ってもGW中なので2万円ほどしますが)となっています。 こちらが客室内の様子です。 純和風の落ち着いた雰囲気の10畳間で、深い山あいに面してしるためにやや暗い感じの印象を受けますが、2003年に改装されているので古さなどは一切感じません。 広縁には座り心地のよい椅子が2脚。 窓の外を眺めると、眼下には渓流が流れ、少し離れた場所に『つるや旅館』の露天風呂などが目に入ります。 春先のためにやや殺風景な感じですが、きっと今頃であれば緑眩しい山々の姿が楽しめることでしょう。 広縁から見た客室内を眺めるとこのような様子になります。 2人で過ごすには必要充分な空間でした。 客室の鍵は残念ながら1本で、お風呂が充実していることからできれば2本あれば嬉しいところです。 こちらは浴衣やタオルなどの湯浴み道具。 バスタオルは2枚、ハンドタオルも色違いで4枚も用意されていました。 冷蔵庫は前近代的な引き抜き式です。 水回りも一応紹介しておきます。 『湯元 齋藤旅館』は全室バストイレ付で、使い勝手については特に問題ありません。 最後は夜に布団を敷いた状態です。 枕も寝具も快適で、せせらぎの音が程良いBGM代わりとなって心地よく眠りにつくことができました。 『湯元 齋藤旅館』の客室は、全53室中牧水荘タイプが最も多い18室、他に明治時代の旧館の古材を利用したというレトロ感満載の客室や、バリアフリー対応の洋室、更に眺めの良い露天風呂を有した客室(温泉でない)などもあるようですが、個人的には最もリーズナブルな牧水荘の客室に泊まって、じっくりと宿の名湯を味わってみるのがコストパフォーマンスも高く最もオススメであると思っています。 但し、牧水荘の客室はとにかくお風呂までの道のりが遠いというのが難点で、今回は大丈夫でしたが、初めて足を運んだ際はかなり迷ってしまいました。 エレベータを利用するので階段の上り下りなどの心配はありませんが、年配の方や足腰に不安があるような方については、お風呂に近い介山荘の客室を選んだ方が賢明かも知れません。 次回は宿の館内の様子、そして運良くお風呂を楽しませてもらうことができた風情溢れる別館の模様を紹介します。
次回へとつづく・・・ |
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