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癒しの温泉・なごみの宿を探せ
新年明けましておめでとうございます。年末は奥鬼怒・鬼怒川温泉3連泊の旅で〆ました☆皆様にとって良い一年となりますように!!

書庫青根温泉 湯元不忘閣

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充実の湯巡りですっかり体力を使い果たした頃、真夏の蔵王に夜のとばりが訪れました。
心地よい空腹感と共にいっそう趣を増したレトロな本館2階へ足を運ぶと、夕食の宴が始まります。
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用意された食事処は、一人旅でも嬉しい完全個室タイプ。
畳の上には最近は珍しくなったお膳が並び、さながら大名気分で食事をいただくことができました。
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先ずは完全に乾ききった喉を潤すべく、ビールにて乾杯です。
初めに並んだ先付・前菜類に箸をつけると、思っていた以上に上品な味付けで嬉しくなりました。
秘湯を守る会の宿、また非常にレトロな宿ということで、正直いって食事の方は全く期待していなかったのですが、この後も次から次へと運ばれてくる料理達に思わず面食らってしまうほどの充実ぶりでした。
手前から、蔵王チーズ豆腐、その奥が茄子の焼浸し、八角形の器の中身が、鮑と生湯葉、枝豆かすていら、鬼灯ミニトマト、銀宝南蛮漬、焼玉蜀黍という趣向を凝らしたラインナップです。
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お造りは蔵王岩魚、かつお、甘海老という川と海の幸両方を楽しむことができました。
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続いて、水雲しんじょうと白石温麺の吸い物です。
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鍋物もありきたり感の少ない、鱧のはりはり鍋です。
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次々に運ばれてくる料理達〜。
続いては見た目も味も文句なし、実に食べ応えのある仙台牛の炙り寿司です。
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続いては焼物、梶木のステーキです。
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酢の物はさっぱりとしたところ天、じゅんさいや海老も添えられていました。
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更にもう一品料理が並び、塩気の効いたうなぎの茶碗蒸しの登場です。
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空腹だったお腹もすっかりくちたところでようやく食事に至り、宮城産のひとめぼれ、ひっつみ汁、香の物というハズレの無い美味しさを味わいました。
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そして〆のデザートですが、単なるフルーツなどが添えられるわけではなく、蔵王桃のコンポートに薩摩芋プリンという、最後まで手抜きの無いよく工夫された内容に感心しました。
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途中配膳スピードがやや遅くなったために間延びした感じもありましたが、値段を考えると十分に満足できる食事内容であったと思います。
見た目はボロでも、この辺はやはり伊達藩御用達の老舗宿の実力といったところでしょうか。
一人ではなく、連れがいて会話を楽しみながらの食事であったなら、更に満足度が高かったのは間違いありません。

さて、一人きりの夕食を2時間以上かけて食べ終えると、どうやら私が一番最後であったらしく、すっかり日が暮れた食事処はひっそりと静まりかえっていました。
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いったん客室に戻って一休みした後、夜八時に一斉に男女が入れ替えとなった湯巡りへと再び繰り出すことにしました。
真っ先に「大湯」からとも思ったのですが、ここまで来たらお楽しみは最後にということにして、「御殿湯」の小浴場に入ってみました。
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夕食前に入った大浴場も渋い雰囲気でかなり好みの作りでしたが、こちらの小浴場の方も浴槽のサイズが小さくなった分、風情の方はかなりグレードアップした感じがして良かったです。
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こういった浴室は混み合ってしまうと風情が台無しになってしまう場合が多々ありますが、相変わらずの貸切状態で思う存分楽しむことができたので、また一つこの宿のお気に入りのお風呂が増えた感じがしました。
それにしても、入る風呂全てが実に自分の好みに合っているというのは、何て素晴らしいことなのでしょうか。
今まで訪問をためらっていた自分が恥ずかしくなります。
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こちらの浴室にもシャワーは一つだけ、つまり宿全体で男女各一つずつしかシャワーの備えがないので、混雑時を上手に避けて利用するのが賢明かと思われます。
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そしてこの後、ついに念願の新生「大湯」の姿を目の当たりにして大いなる感動と興奮を覚えたのですが、いかんせんお湯に浸かりすぎたということもあって、残念ながらこの日の入浴はあえなく断念、長い階段を最後の力を振り絞って客室へと戻りました。
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さすが蔵王山中ということもあって、寝苦しい真夏でも蒸し暑さが無く極めて快適。
この日は吸い込まれるようにして深い眠りについた私でした。
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翌朝早くに目を覚ますと、青根御殿のすぐ頭上辺りから深い霧に覆われていました。
そんな中、まだ眠りの中といった空気が漂う静寂な館内を、一人はやる気持ちで残された最後のお楽しみである「大湯」へと向かいました。
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さすが東北無双を名乗る伝統の「大湯」、掲げられた効能書き(?)も他とは一線をかくスケールの大きさです。
通い続ければ私の頭も少しは良くなるものでしょうか。
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サンダルに履き替え、別棟となっている「大湯」へ。
昨晩目にしているとはいえ、私の心の中の期待値が最大限まで膨れあがった瞬間でした。
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入口の扉を開けて階段を下りると、「蔵湯」と同様脱衣所はなく、ただシンプルな籠だけがそっと置かれています。
もちろん洗い場なども無く、この余分な物のない潔さが実によく「大湯」の雰囲気に似合っていました。
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そしてこちらが、数年ぶりの対面となる生まれ変わった「大湯」の姿です。
以前の「大湯」の面影は全くといっていいほど残されてはいませんでしたが、とにかく圧倒的に素晴らしい浴室を前に、昨晩味わった感動が再びこみ上げて来ました。
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以前の「大湯」は、男女を仕切る塀が湯船の中央に作られていましたが、今回のリニューアルで大きな湯船を一つだけにしたので、よりゆったりと入れるようになったのが非常にプラスに働いているように思います。
風情、湯温、湯量、泉質、どれをとっても申し分のない、私にとって正に完璧な内湯です。
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湯口付近に陣取り、瞑想気分で浸かる朝風呂の実に気持ちのいいこと。
しかもこの広い浴室を最後まで貸切状態で楽しめたのですから、これ以上の贅沢はありません。
体を洗うではなく、景色を眺めるのでもなく、ただ黙ってじっくりと湯に向き合うのみというこの浴室の姿、正に心の湯浴みを実感することができた貴重な経験となりました。
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朝風呂にしては極めて異例の1時間半という長時間を「大湯」で過ごし、自然とお腹が空いてきた頃にちょうど朝食時間が訪れました。
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夕食と同じ個室食事処にて、朝も大名気分で食事をいただきます。
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パッと見で、朝食もまたなかなか頑張っているといった印象でした。
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少し時間を置いてから、焼きたての鯖に仙台名物の笹かま、自家製豆腐に煮物なども運ばれ、朝から思わずご飯のお代わりですっかり食べ過ぎてしまいました。
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朝食後に〆の湯として歴史ある「新湯」に軽く浸かり、名残惜しい思いで宿をたつことにしました。
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最後に女将さんに、とにかく充実した湯巡りを楽しめたという感動と感謝の思いを伝え、必ず再訪することを約束して出発しました。
向かうべき今宵の宿は、今が旬の米沢の山奥に位置する新高湯温泉『吾妻屋旅館』。
新しい旅の1日がまたスタートします。
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青根温泉『湯元不忘閣』の宿泊レポートは以上です。
とにかく、私がこの宿のお風呂にすっかり惚れ込んでしまった思いが伝わりましたでしょうか?
建物も古く、決して万人向けとは言い難い宿ではありましたが、あらゆるマイナス面を補って余りあるような素晴らしいお風呂の数々に触れ、半年近くが過ぎた今でもあの時の充実感は決して忘れられません。
また、意外と言っては失礼ですが、食事の方も正当派の会席料理をしっかり堪能することができたので、魅力があるのは決してお風呂だけでは無いという点がより強い満足感として私の心に残ったのだと思います。
次回再訪の際は、更に充実した湯巡りを満喫するためにも、長い階段を上らなくても済む西別館の客室に狙いを絞って予約をしたいと思っています。

更に旅はまだまだつづく・・・
この夏のみちのく一人旅において、私が最も楽しみにしていた湯巡りが今回紹介している『湯元不忘閣』です。
前回もお伝えした通り、宿を代表する復活の「大湯」が一番のお目当てだったわけですが、実は「大湯」以外にもどうしても入ってみたいというお風呂が別にありました。
男性が「大湯」に入れる時間帯は夜8時から朝8時までだったので、先ずはもう一方の憧れの湯殿である、その名も「新湯」から湯巡りを開始しました。
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目指すべき浴室は、客室から長い階段を1階まで下りて、更に地下へと続く階段の先にようやくたどり着くという、まるでタイムトンネルの中をくぐっていくような印象。
実は「新湯」とは名ばかりに、宿に現存するお風呂の中では最も歴史のある湯船を有し(何と400年以上も前)、かの伊達政宗公も同じ湯船に浸かっていたという、正に悠久の歴史ロマンを感じずにはいられないような文化財級のお風呂が待ち構えています。
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脱衣所は思ったよりも普通の佇まい。
埃を被ったようなかなり年代物の空間をイメージしていたので、ある意味ホッとした感じです。
期待と緊張が入り交じる中、400年前との時をつなぐ歴史の扉に手をかけました。
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目の前に飛び込んで来たのは、「究極の鄙び」と表現しても決して大げさではない趣溢れる浴室の姿でした。
日中でもほの暗いその浴室内には、厳かな「気」のようなものが充満していて、服を脱いでもなお襟を正して入らずにはいられないような雰囲気を感じました。
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永い歳月にも、決して崩れることのなかった堅牢な石組みの湯船の底には木の板が敷かれ、石と木の持つ素材の質感が見事に解け合っています。
注がれるお湯も、くせがなく一本筋が通った混じり気ナシの単純温泉。
湯温も適当で、正に伊達藩の御湯としての実力をしっかりと肌で実感することができました。
一人静かな湯浴みが、これほどまでよく似合う浴室はそう簡単には見つからないでしょう。
最初のお風呂から、私の心は完全に「不忘閣」に奪われてしまった感じがしました。
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素晴らしい「新湯」の趣に触れ、本当ならもっとじっくりと時間をかけて浸かっていたかったのですが、他にも魅力溢れる湯船が控えているということもあり、早速次の湯浴みに移ることにしました。
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続いては、一人でも気軽に利用することができる貸切風呂「蔵湯」です。
文字通り、蔵を改造して湯殿に仕立てたという比較的最近作られた浴室で、フロント前に置かれているこちらの木札が残っていれば空いている合図。
運良く空いていた模様なので、木札を手に取って貸切風呂へと向かいます。
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入口に目印の木札を置いて奥へ進むと、ご覧の通り見事な白壁の蔵が建ち並んでいました。
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外から眺めても、一見そこが浴室であるとは想像が付きません。
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一番奥にある蔵まで進むと、扉の先に貸切風呂「蔵湯」が待ち構えているという寸法です。
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そしておもむろに浴室内に入ると、これまた思わず息を飲むような素晴らしい空間が広がっていました。
先ほどの「新湯」とはひと味もふた味も違った、ジャパニーズモダンの世界そのものです。
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広大な空間には敢えて脱衣場など設けず、用意されているのはただシンプルな脱衣籠のみでした。
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底に落ちた針までも見通せそうなくらい清澄な湯と、まるで虹を描き出したかのように美しい木目が印象的な湯船。
こんなにも素晴らしいお風呂を、一人貸し切りで楽しむ時間の贅沢さといったらありません。
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恐らく10年後、20年後と、ますますその味わいに磨きがかかってくる浴室であることは間違いないでしょう。
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二箇所のお風呂で極上の湯浴みを満喫した後は、気分を変えて館内・外の散策へと繰り出してみました。
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玄関周りや、道路側から目にする宿の外観からは全く想像もつかないような個性溢れる世界が、館内至る所に広がっています。
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ふと足下を見やると、年老いた猫がのんびりと昼寝を楽しんでいました。
古い旅館には、どうしてこんなにも老猫が似合うのでしょうか。
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隅の方には、ご覧のような風情溢れる門がさりげなく構えていました。
表札を見ると、「永々湯主 大佐藤仁右衛門」という大層ご立派な名前が掲げられており、いかにも歴史のある湯宿といった印象を抱かせます。
この宿は屋号には用いていませんが、創業者の名前をそのまま受け継いで宿名や湯守の宿主に用いているような宿は大抵良い湯を持っていることが多いので、そういった点で見ると、正に『不忘閣』などはその名に恥じない湯宿であると思います。
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さて、宿へと戻り続いては館内の探索です。
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廊下の途中に、資料室も兼ねたような休み処を発見したので中へ入ってみました。
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かなり雑多な空間でしたが、何と自由にいただけるお酒やこんにゃくのおでん、更に柿の種などのお茶請けまで用意してあって感心しました。
この他にも珈琲やお茶などの備えもあり、この手の宿にしては珍しいサービス精神溢れる雰囲気が感じられて好印象でした。
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年代物の鏡に映し出される休憩処内の風景。
まるで時をそのまま閉じこめてしまったかのような感覚を抱かせます。
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そしてようやく初登場、こちらが休憩処の窓から眺めたかの有名な青根御殿の勇姿です。
現在は資料室として使われているそうですが、この様な風格ある建物を擁する湯宿の存在は、改めて古き良き日本の温泉旅館の魅力や素晴らしさというものを強く訴えかけてくるような感じがしました。
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また、湯治場だった頃の客室も見学できるようになっていて、ノスタルジックなムード全開の設えといった感じでした。
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続いて食事処も兼ねている本館の2階へ。
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襖で仕切られた個室、細く長くのびた木の床、歩く度に軋む音が心地よく耳に入って来ます。
大好きな『湯主一條』を彷彿とさせるような味わいのある光景でした。
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凛とした空気が漂う2階の一角。
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多くの文人墨客達も恐らく、こちらの空間に足を止めて窓の外に広がる眺めを楽しまれたのではないでしょうか。
かなり年季が入っていましたが、私の様にこういった雰囲気が好きな者にとっては、たまらない場所であると思います。
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道路側にも同じような休憩処が。
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また西別館側の宴会場からも、ご覧のように印象的な風景が楽しめます。
ちなみに私は参加しませんでしたが、朝食終了後には青根御殿の見学ツアーなども行われているそうです。
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一通り館内を見学した後は、夕食前の〆の湯として「御前湯」に入って行くことにしました。
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脱衣場には裸電球が灯り、館内の浴室の中でも最も鄙びた雰囲気を醸し出しています。
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そして浴室に入ると、これまた見事に私の心に訴えてくるような鄙びた檜の湯船が広がっていました。
こちらの「御殿湯」は大・小からなる男女別の浴室となっていて、夜8時と朝8時に入れ替えとなります。
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唯一シャワー設備が設けられているので、洗髪などをしたい人にはこちらで済ませるのが便利でしょう。
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窓の外は無骨な景観しか望めませんが、それがかえって鄙び度を増している感じでなかなか良かったです。
飲泉も楽しめる青根の湯は全くクセが無く、正に飲んでよし入ってよしの名湯であるような気がしました。
先の2箇所の湯に比べると地味な印象の「御殿湯」ですが、個人的には特A級の満足度です。
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長い湯巡りツアーを一端終了し、長い階段を必死に上りながら客室へと戻りました。
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次回へとつづく・・・。

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みちのく一人旅も3日目を迎え、ようやく中盤へと差し掛かりました。
3日目の宿泊場所として選んだ先は、古くから伊達藩主の御殿湯として栄えた宮城蔵王の名湯、青根温泉『湯元不忘閣』です。
こちらの『不忘閣』、さすが由緒ある湯宿だけあって、よく云えばレトロな趣が満載、悪く云えばとにかく館内至るところが古いという評判で、予約のボタンをクリックするのにずいぶんと決断を悩ませてくれた存在でした。
そんな中、今回訪問を決めた最大の理由が「大湯」というコアな温泉ファンには有名な浴室が復活したこと。
実はこの「大湯」、以前はこの宿のシンボルマーク的な浴室兼青根温泉の共同湯という存在であり、私も過去に一度だけ立ち寄りで足を運んだ際、その滑らかな湯とレトロな趣きにすっかり魅了されてしまったという思い出が残っていました。
ところが、その後わずかなうちにこの「大湯」が閉鎖されるという事態になり、青根温泉の共同湯も別の場所に新築されるなど、すっかりその存在が過去のものとして忘れ去られようとしていました。
そして2年の月日が流れ・・・。
2008年4月、もう二度と入る事はないと思いこんでいた「大湯」が装いも新たになって見事復活、宿に泊まった者だけがその堂々たる湯殿に入ることが許されるという、正にプレミアものの浴室として生まれ変わったのです。
新生なった「大湯」に、自分の体を是非もう一度浸してみたい・・・。
そのような熱い想いをかなえるため、今回意を決して『湯元不忘閣』宿泊に至ったというワケでした。
そして実際に足を運んでみた感想を先に述べると、入る風呂全てがとにかく素晴らしくて感動また感動の連続、正に私のような内湯好きにとっては聖地とも思えるような極上浴室の数々に触れ、とにかくそのお風呂の良さが際だった滞在となりました。
これからその模様について紹介して行きますが、先ずは宿に到着する前に足を運んだ立ち寄り湯のレポートからご覧ください。


『湖山荘』をチェックアウトした後は、取りあえず下道で鉛温泉方面へと向かうことに。
降り続いていた雨も何とか上がり、山間の道をひた走ります。
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今回目指したのはこちら、間違いなく東北の湯治文化を代表する宿の中の一つ、鉛温泉『藤三旅館』です。
実に久しぶりとなった『藤三旅館』への訪問、懐かしい看板を目に感慨もひとしおでした。
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駐車場から緩やかな坂道を下りていくと、やがて風格溢れる建物の姿が現れます。
これぞ正に心を揺さぶる鄙びの極み、平日の朝から湯巡りにいそしんでいる自分がとてつもなく幸せ者に思えて来る瞬間でした。
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そして館内に入ると、もはやお約束とも思えるような赤絨毯のお出迎え。
ぐっとテンションの上がったところで、先ずはこの宿に足を運ぶ一番の目的である超メジャー系湯殿、「白猿の湯」に向かってまっしぐらです。
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こちらの廊下の右手、この窓の下に「白猿の湯」が設けられています。
「白猿の湯」についてご存じの方はたくさんいるでしょうし、今更私ごときが語るに及ばないお風呂であることは当然ながら承知しています。
よってここではあえて詳しく触れませんし、浴室内は撮影禁止のため写真も撮ってはいません。
とにかく私の中では、蔦温泉の「泉響の湯」と共に、厳かな気分で湯浴みをさせていただく最高峰の足下湧出泉(しかも立ち湯)であることだけは強くお伝えしておきたいと思います。
数年ぶりに「白猿の湯」に入ることができて本当に幸せでした。
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さて、代わりと言っては何ですが、「白猿の湯」の向かいに位置する「桂の湯」もなかなか見事な浴室なのでこちらの方はたっぷりと。
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マーブル模様のような岩肌が一際印象的な内湯は、湯船も床も豪快な岩風呂、溢れる湯量も実に見事で「白猿の湯」にも負けないくらいの魅力を放っています。
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そして窓の外に佇む魅惑的な露天風呂。
ひょっとしてアブがいるのでは!?と、若干不安に感じながら恐る恐る外へ出てみることにしました。
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露天も内湯と同じく、なかなか個性的な模様をした岩風呂です。
そして湯船の縁からは、贅沢この上なくとうとうと湯が溢れ出ているのでした。
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眼下には豊沢川の清流を望み、アブの姿も無かったので実にリラックスして湯浴みを満喫することができました。
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そして忘れてならないのが、露天風呂の更にもう一段下に設けられたこちらの露天風呂。
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以外と気付かない人も多いようですが、川面をより間近に眺めながら入ることができるので、なかなか楽しい露天となっています。
できれば増水時などに入って、迫力満点の豊沢川の姿を目にしてみたいものです。
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そして最後にサクッと足を運んだのが湯治部側にある「河鹿の湯」。
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平日の日中ということもあり、嬉しいことにこちらにも誰もいないようです。
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「河鹿の湯」はさすが湯治部のお風呂だけあって、実にシンプルなつくり。
但し、窓が大きく取られていることもあり、鄙びた感じはほとんどなく明るく清潔な印象でした。
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更にしっかりとシャワー設備も設けられていました。
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『藤三旅館』にはこの他にも2カ所の浴室が存在し、館内全ての風呂に、加水・加温・循環一切無しという肌触り抜群の単純温泉が注がれており、正に居ながらにして温泉三昧が満喫できる素晴らしい湯宿となっています。
中でも「白猿の湯」の存在感は圧倒的な素晴らしさなので、まだ未入湯の方は、花巻方面に行かれた際には是非一度足を運んでみることをオススメします。
鉛温泉 藤三旅館 http://www.namari-onsen.co.jp/index.html
 
さて、鉛温泉の湯をたっぷり満喫した後は、東北道を一気に南下して宮城蔵王へと車を走らせました。
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ランチは途中のSAで簡単に済まし、ちょうどチェックイン可能な15時ちょうどに青根温泉へと到着しました。
正面の白い建物が、今宵の宿となる『湯元不忘閣』です。
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そして宿に入る手前、ずいぶんと新しくなった「大湯」の姿が目に飛び込んで来ました。
この「大湯」に入る為だけに足を運んだ『不忘閣』、一体どの様な浴室に生まれ変わっているのでしょうか。
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初めてくぐる宿の玄関。
左右に並んだ秘湯を守る会の提灯も誇らしげです。
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ロビーを見て少し驚きました。
ロビーからしてもっとオンボロの宿を想像していただけに、この様にきれいに改装された姿には、正直若干拍子抜けした感じも否めません。
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ロビーの正面には威風堂々たる大湯の看板が掲げられています。
「東北無双青根温泉 大湯」、何とも力強いフレーズではありませんか。
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フロントでチェックインの手続きを済ませた後は、予約していた不忘庵の客室へと向かいます。
こちらがその入口ですが、実はここからがちょっとハードな道のりとなっていました。
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不忘庵の客室は山の斜面に沿って立てられた高台に位置しているため、ご覧のような階段を100段近く上がって行かなくてはなりません。
事前情報を耳にしていたので驚きはしませんでしたが、やはり実際に上り下りするのは結構疲れるもの。おまけにアブに刺された足の裏が徐々に水ぶくれとなってきたこともあって、お風呂に行く度に難行苦行のような仕打ちを味わうハメになってしまいました。
一人客でなければ、別館1Fに庭園を望むリニューアルした客室が4室設けられているので、足腰に自信の無い方は是が非でも1F客室を予約した方が賢明だと思います。
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ようやくたどり着いた客室は、入口からしてなかなか鄙びた雰囲気が漂っていました。
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とは言え、客室内に入ると思った以上に立派な作り。
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新しさなどは微塵も感じられませんが、恐らく竣工当時は豪華な客室の部類に入っていたのではないでしょうか。
男の一人旅にふさわしい、イメージ通りレトロな趣が充満しています。
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荷物を下ろし、客室係りの仲居さんにお茶を入れてもらいつつ、案内図を見ながらお風呂の説明などを受けました。
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館内の浴室は全部で五カ所、更に男女別の時間帯がこまめに分けられているので、この宿のお風呂を満喫するためには、しっかりと説明を聞いて、計画的な湯巡りが重要となってきます。
真っ先に「大湯」からと思っていましたが、残念ながら男性の利用できる時間帯は夜8時から翌朝8時までとのことでした。
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広縁の作りなども、なかなか渋い雰囲気で私好みです。
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窓の外の景色は、左手に杉並木、
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右手には遠き山並みを望みます。
思っていたほどの景観は楽しめませんでしたが、遠くから聞こえてくる蝉時雨と重なってなかなか味のある眺めでした。
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床の間は畳敷き、テレビのアンテナなど最近の旅館ではほとんど目にすることがないような旧式といった感じです。
さすがに有料式のテレビではありませんでしたが。
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客室は基本10畳と、広さ的には十分にゆとりを感じます。
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浴衣にタオル、歯ブラシなど、最低限の備品は用意されていました。
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最後に洗面所と、
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トイレの写真を少々。
一見トイレ無しの雰囲気も感じられますが、この辺の備えがあるだけでも御の字といった気がします。
全室バス・トイレ付となっていますが、バスの方はお湯が出ないため使用できません。
また、客室の水道は鉄錆による赤水がひどいので、そろそろ改修の必要性ありといった感じがしました。
一瞬、伊香保の様な鉄泉を引いているのか?と温泉好きは期待してしまうかも知れませんが、間違っても口にしない方が賢明です。
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さて、一通り客室チェックも済んだ後は、極上の湯巡りへといざ出陣です。
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次回へとつづく。

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