|
客室も温泉も魅力十分とくれば、必然的に食事に対しても期待が高まるというもの。 『元湯くらぶ』でいただく夕食は、いかにも素朴な田舎宿の手料理の数々が食卓に上り、決して期待を裏切らない内容となっています。 印象としては『旅館多郎兵衛』の夕食内容に非常によく似ていて、いくつかの宿オリジナルの名物料理がメインとしてあって、その他に季節毎の山の幸を取り入れた料理達がしっかりと脇を固めるといった料理構成となっています。 今回用意された食事処は玄関奥の椅子テーブル席の個室。 この他にもお座敷スタイルの個室などがあり、あらかじめリクエストすれば要望も聞いてもらえます。 先ずはお約束のビールにて乾杯。 ほぼ一気出しで料理達が運ばれてしまうため、酒の肴には事欠きません。 お品書きが無いのでハッキリとした料理名は伝えられませんが、こちらは前菜的な位置づけの料理で、茸や山菜などの小鉢の他、好物の鴨肉ローストなどが並びました。 手前のハートの形をしたお猪口に入っているのは、宿オリジナルの古代米で作ったにごり酒「やよいのしずく」、独特の美しい色合いと辛口で濃厚な味わいが楽しめます。 もちろん他に地酒も豊富に揃っているようなので、宿自家製のがっこ(漬け物)などを肴にして酒を酌み交わすのも楽しそうです。(私はあまり飲めないので残念ですが・・・) 山の中の宿ですが、お造りなどはしっかりと海の幸が並びます。 私は山の宿であっても、川魚よりはダントツで海の幸のお造りをいただく方が好きなのですが、最近は山の宿の雰囲気をそぐわずに、川魚でもなく海の幸でもないお造り、地鶏のタタキや馬刺、こんにゃく・山菜の刺身などが登場する宿が増えて来たので、そろそろ既存の山の宿達も、メニューの転換期を迎えるべき頃かも知れませんね。 こちらは宿の名物料理、岩魚の笹蒸し焼きです。 爽やかな笹の香りと共に、濃厚な味噌と筍が身に詰まった一品は個性的かつかなりの美味。 定番の塩焼きもいいですが、個人的にはそれ以外の料理で出してくれる方がやはり嬉しく感じます。 更に、だまこ餅の鍋に皆瀬牛の朴葉味噌ステーキと、しっかりとお腹にたまってくる郷土の味覚が並びます。 秋田名物キリタンポの陰に隠れがちですが、兄弟分ともいうべきだまこ餅もかなりの美味しさ。 皆瀬牛の方も、昼に夜にとこの地域に足を運んだ際は必ず食べまくり状態となってしまいます。 こちらは具たくさんの茶碗蒸し風料理と、ほのかな苦みと塩味が最高の煎った銀杏。 シンプルでありながらも、いかに名脇役といった嬉しい料理達でした。 そしてご飯は宿の自家栽培というこだわりの古代米を使ったゆかりご飯。 また汁物には稲庭うどんが登場し、正にこの土地ならではの料理を十二分に堪能させていただきました。 最後に果物をいただき、すっかり満腹になって夕食の終了です。 食事がほぼ一気出しという点を除けば、個人的には十分満足に値する夕食内容でした。 但し私はゆかりご飯があまり好きではないので、ご飯を普通の古代米のおこわの様な形で提供してもらえるとより満足度が高かったかも知れません。 といいつつも、前回同様かなりボリューミーな料理であったため、実際にはご飯は完食できずにお腹を抱えながら客室に戻る私達でした。 翌朝、朝一番で朝食前に予約していたお楽しみの貸切風呂へと足を運びました。 貸切風呂へは、一旦外へ出て民芸調の別棟に向かう形になります。 『元湯くらぶ』の貸切風呂は3箇所あり、それぞれひのき風呂(内湯)、きはだ風呂(内湯)、露天風呂(冬季は閉鎖)というラインナップ。 宿泊客も通常は有料での利用となりますが、今回は「湯めぐりプラン」の無料入浴付であったので、客室のきはだ風呂とは異なるひのき風呂を選んでみました。 こちらの貸切風呂、何と一組毎にお湯を入れ替えてくれるという極めて贅沢な湯使いが特徴となっています。 到着後、先ずは浴槽に栓をしてフロントに電話を入れると、 ご覧の通り湯口から勢いよくお湯が注ぎ込まれ、約5分ほどで満杯に。 但し湯温が激熱なので、残念ながら同時に蛇口をひねって加水しないとすぐには入れません。 みるみるうちにお湯がたまって来ますが、冬場は待っている間かなり寒いので、お湯を張っている側からどんどん掛け湯をしたり、シャワーを浴びていないと間が持ちませんでした。 湯船いっぱいになると、やがて湯口のお湯もチョロチョロという状態に。 客室の内湯を更に一回り大きくしたこちらのひのき風呂、木の香溢れるその作りは正に贅沢の極みといった印象で、至福の朝風呂を満喫することができました。 洗い場は一箇所のみ。 こちらには鏡の備えがあったので、やはり客室の内湯にもあった方が便利ですね。 凡そ50分間じっくりとお湯に浸かった後は、しっかりと忘れずに栓を抜いてから上がります。 また、今回はいろいろなお風呂に浸かりすぎたせいでパスしてしまいましたが、『元湯くらぶ』には、客室内湯や貸切風呂の他にもしっかりと立派な大浴場を有してします。 大浴場の入口付近には、地元湯沢の名物でもある印象的な絵どうろうが飾られ、何ともいえない情緒ある空間を創り出していました。 前回足を運んだ時とは絵柄が変わっていたので、ひょっとしたら季節毎に異なる絵どうろうが楽しめるのかも知れません。 こちらは男性用の内湯。 ゆとりがあって設備もしっかり整っていますが、手を触れた感覚ではお湯はかなりの激熱気味でした。 そして外に出ると、この季節ならではという素晴らしい雪見露天風呂も楽しむことができます。 こちらは女湯で、男湯とは左右対称となっています。 見た感じ、露天風呂は女湯の方が優雅な作り。 酒造から譲り受けた釜を使っているという釜風呂や、 スッキリとした印象の岩風呂など、充実のお風呂が揃っていました。 大浴場の手前にはご覧のような休憩スポットも設けられています。 自販機がありますが、できればこちらに冷水などを用意しておいてもらえると尚嬉しいのですが。 さて、朝風呂でしっかりと目を覚ましたらすぐに朝食時間です。 朝食会場は夕食と同様。 朝のおかずは定番中の定番といった内容で、地元の栗駒フーズの牛乳も並びます。 そして朝食の名物となっているのが、冬季限定の納豆汁。 私は以前は納豆汁があまり好きではなかったのですが、最近は食べ慣れたせいもあってすっかり納豆汁が好物になってしまいました。 中でも『元湯くらぶ』の納豆汁の味わいは絶品!、これだけでホクホクと体が温まります。 最後にお茶とヨーグルトをいただいて朝食の終了です。 朝食後、最後にもう一度だけ名残惜しい気持ちを抱きながら客室のきはだ風呂にて湯浴みを楽しみ、 充実の足取りで宿をチェックインしました。 そして、東京へ帰る前に最後の雪見風呂を楽しむべく向かった先はこちら、 コアな温泉ファンはもちろん、建築業界や卓球界など様々なジャンルで名を馳せる秋の宮温泉郷の名旅館、『稲住温泉』です。 県内最古の歴史を誇るという秋の宮温泉郷の中でも、『鷹の湯』と共に人気を二分する感のある『稲住温泉』ですが、なぜか私が足を運ぶときはいつも人気(ひとけ)が少なくひっそりと静まりかえっています。 この日も見事なまでの貸切状態で、日帰り客は男湯も女湯も最後まで私達二人きりだけでした。 名建築の宿でありながらも、やや寂れた湯治場の雰囲気を感じさせる風情が何ともたまらない『稲住温泉』。 こちらの脱衣所の奥に、私の一番お気に入りである絶景露天風呂が控えています。 扉を開けると、ご覧の通り開放感抜群の露天風呂達がお出迎え。 手前が半露天風の岩風呂、奥の3つの湯船はそれぞれ釜風呂と桶風呂とが並び、代わる代わる全部の湯船に浸かりながら、ぐるぐると湯巡りするのが私の楽しみ方です。 客室のお風呂にも温泉を引いているほど豊富な湯量を誇り、鮮度抜群・湯の花たっぷりの極上湯の心地よさは堪えられません。 一番奥にある桶風呂は眼下に渓谷を望み、大自然と一体になったような感覚にひたりながら、お湯の力・自然の力が体中に注ぎ込まれて行くのを実感することができました。 そしてこの他にも、レトロな趣満載のひょうたん風呂、 更に女湯には畳敷きの広大な大浴場や 広々とした露天風呂など、小安峡温泉に負けず劣らずの温泉三昧のお宿となっています。 更に自由に利用できる貸切家族風呂なども用意されているので、立ち寄り利用だけでなく、いつか必ず宿泊してじっくりとそのお湯に向き合ってみたいものです。 とことん雪を味わう目的で足を運んだ今回の秋田路、あらためて厳冬期ならではの雪見風呂の魅力、そして秘湯王国秋田の湯力をしっかりと体に染みこませつつ、秋田空港に向けて車を走らせる私達でした。 |
小安峡温泉 元湯くらぶ
-
詳細
全1ページ
[1]
コメント(10)
|
今回約1年ぶりの訪問となった『元湯くらぶ』ですが、再訪の一番の決め手となったのは温泉付メゾネット客室の快適性です。 宿泊した客室「どうたん」の間は、家具や調度品などの設えでもう少しセンスアップが望めそうな印象もありますが、居室と寝室とが分かれたそのゆとりある空間は、二人という人数では持て余してしまいそうなくらいに贅沢なつくり。 加えて、木の温もり感溢れる部屋付内湯の鄙びた雰囲気が実に私好みで、秋田の地元誌で紹介されていた『元湯くらぶ』のこの客室の存在を初めて知った時は、お宝を見つけたかのように思わず「ニヤリ」とほくそ笑んでしまった事を覚えています。 更に今回は、「湯巡りプラン」というオリジナルプランにて予約を入れ、姉妹旅館であるこれまた私のお気に入り宿の一つ、『旅館多郎兵衛』の無料入浴+宿の貸切風呂無料入浴まで付いてくるという、正に温泉三昧の滞在を楽しむことができました。 これが休前日であっても、料金UPなしの1万6千円台で宿泊できるのですから、雪篭もりの宿としてはこれ以上無いようなお宿と言えるのではないでしょうか。 それでは早速、宿泊した客室「どうたん」の間を紹介しましょう。 客室は1Fが畳敷きの和室、2Fがあらかじめ布団の敷かれた寝室となっていて、洗面所などが配された板張りのホールと階段がそれぞれの客室を結んでいます。 全体的に古民家調のシックな色合いが特徴で、民宿とは思えない落ち着いた高級感が漂います。 こちらが1Fの和室。 2Fのベットルームは寝るとき以外は使用しなかったので、滞在中はほぼこちらの客室にて過ごしました。 スッキリとした印象の縁無し畳が配された和室は10畳の広さがあり、正直この部屋だけしか無くても十分にくつろげます。 窓を開けると当然ながら一面の銀世界。 客室からの眺めはそれほど良いとは言えませんが、真っ白な雪はどんな景色であっても、いとも簡単に「美景」へと変貌させてしまう大きな力を持っています。 テーブルの上にはお茶請けのお菓子とこけしの形をした札が置かれていました。 『旅館多郎兵衛』への湯巡りの際、こちらのこけしを持参する仕組みになっています。 そして扉の奥、わずかに段差を上がった先にこの客室の一番の魅力どころである雰囲気満点の浴室が控えています。 冬場ということもあって、脱衣場の空気の冷たいこと。 取りあえず写真だけ撮ろうと思って入ったのですが、浴室から聞こえてくる湯の溢れる音に居てもたってもいられず、「寒い寒い」とはしゃぎながら気付いた時には服を脱ぎ、思わず吸い込まれるようにして浴室に飛び込んでしまった私でした。 こちらが客室付の内湯、その名も「きはだ風呂」の様子です。 名前の通り、黄色掛かったきはだの心材を用いて組まれた湯船は、木のお風呂特有の香りや質感の素晴らしさを思う存分味わえる贅沢な作り。 湯船の縁から豪快に溢れ出るお湯はもちろん源泉掛け流しで、この浴室だけでも十分満足してしまいそうなパワーを秘めていました。 湯の投入量はハンドルを用いて調節自在。 お湯を全部抜いて再度入れ直すといった、超贅沢な湯浴みも可能となっています。 また、湯船の角に浴槽内の温度差を解消するために、底から空気を出してお湯を対流させる装置が付けられているのですが、せっかくの静かな雰囲気の浴室に「ぶくぶく」と耳障りな音が響いてしまうので、気になる人はフロントに連絡して停めてもらった方がよいでしょう。 実際に私達も、音が気になって装置を停めてもらえるかどうか確認したらすぐに対応してもらえました。 大人二人くらいならゆったりと浸かれる湯船に、一人のびのび浸かるという極上の贅沢。 注がれるお湯は、クセが無くさっぱりとした浴感のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、クリアな泉質が浴室の雰囲気によく似合って、思わず何度でも入りたくなってしまうような感じがしました。 窓を開ければヒンヤリとした空気が浴室内に流れ込み、より一層長湯を楽しみたくなるような感覚に。 開閉自在の大きな窓のある内湯は、半露天風呂感覚での湯浴みも楽しめるのが嬉しいところです。 客室に居ながらにして最高の雪見風呂を満喫できるのですから、これ以上の贅沢はありません。 洗い場に鏡があれば尚良いと思いましたが、それは返って無粋になってしまうものでしょうか。 シャンプー類も好みの製品で、正に文句なしの浴室でした。 さて、軽く体を温めた後は再び客室の探索へ。 階段を上がり2階の寝室へと向かいます。 2階寝室にもTVの備えがあり、ゆったりとくつろげる座り心地の良い座椅子も設けられています。 そしてご覧のとおり布団が敷かれているというわけですが、2Fだけでも25m2という広さを誇っているので、2家族での旅行などにも向いているような気がしました。 以上、一通り客室の探索を済ませた後は、暗くなる前にお楽しみであった『旅館多郎兵衛』への湯巡りへ。 『元湯くらぶ』と『旅館多郎兵衛』は歩いて1分ほどの距離でしょうか。 傘を差し、降りしきる雪の中を進むのもまた楽しといった道のりです。 こちらの『旅館多郎兵衛』も、過去に立ち寄りで1回、宿泊で2回足を運んでいる私の中のお馴染みの宿。 今回も素晴らしいお風呂に入れることを非常に楽しみにしていました。 館内に入ると、改装したてのロビーラウンジがお出迎え。 以前に比べてスッキリとシックな装いに生まれ変わりました。 『旅館多郎兵衛』にも実にたくさんの浴室があるので、どれから入ろうか悩んでしまいます。 取りあえず彼女はメインの浴室となる「薬師の湯」へ入るとのこと。 私といえば一旦外に出て、高台にある「三宝の湯」に向かいました。 この雪化粧したアプローチがまた、何とも風情を感じさせます。 「三宝の湯」に入るときはいつも必ず貸切状態。 なぜこんなにも素晴らしい浴室が空いているのか原因は不明ですが、ほんのりと灯る電球の下、黒光りする切石の湯船が一際魅力を漂わせて私の到着を待っていてくれたかのようでした。 せっかくなので記念写真を一枚。 茶色い湯の花たっぷりの湯船に浸かりながら、改めて「三宝の湯」の魅力を一人かみ締める私でした。 続いて、『旅館多郎兵衛』に来たらこちらの「薬師の湯」にも入って置かなくては話になりません。 到着時にはたくさんいた先客達もちょうど上がったようで、どうやらこちらも貸切状態の模様です。 アーチ型の窓の向こうに覗く雪景色。 立ち上がる湯煙、そして静かに響く湯の音。 あまりにも完璧過ぎる風情を感じながら、いつも通りしばし浴室に見とれてしまいました。 すぐにでも湯に浸かりたくなるような浴室は数多あれど、しばらく眺めていたいと思えるような浴室はそう簡単には出会えないものです。 誰もいない隙にこちらでも写真を一枚。 逆光でシルエットだけしか写っていませんでしたが、これはこれで良い記念になりました。 湯上がり後はお目当てのお土産を購入すべく、しばし売店で物色。 宿泊するとお茶請けにも並ぶ女将の手作りクッキー、素朴な美味しさがすっかり気に入ってしまい、こちらに足を運ぶたびに必ず購入しています。 他にも入ってみたい浴室がありましたが、さすがに体力が持たないので今回は2箇所の湯浴みで引き上げることに。 夕闇が近づいて来る中、身も心もすっかりポカポカになって軽やかな足取りで宿へと戻りました。 客室でしばしくつろいでいると、夜の帳と共にあっという間に夕食時間が迫って来ました。 お楽しみの夕食は別室の食事処にて。 夕食の模様など、この続きはまた次回お送りします・・・
|
|
2010年1月末、地吹雪・豪雪雪見風呂を期待して足を運んだ冬の津軽路でしたが、2日間とも青空が顔を覗かせるという予想以上の好天に恵まれたせいもあって、今ひとつ拍子抜けした旅路になりました。 もちろんそのおかげで、計画通り首尾良く秘湯巡りを満喫することができたわけですが、やはり北東北のお湯をこよなく愛する者の一人としては、寒さ厳しい真冬の季節、豪雪にまみれながらの湯浴みをシーズン中一度は経験しておかなくては、何となく本格的な冬を迎えたような気がしないというのが正直なところです。 というわけで、冬の地吹雪秘湯巡りツアー第2弾として、東北屈指の豪雪地帯の一つである秋田県湯沢市の小安峡温泉を次なるターゲットとして選ぶことに決定。 宿泊先として、大湯温泉『阿部旅館』、小安峡温泉『旅館多郎兵衛』、『湯の宿元湯くらぶ』といういずれも再訪組の宿の中から候補を絞りましたが、今回は比較的リーズナブルな宿泊料金ながらも、部屋付温泉+古民家風メゾネット客室に空室のあった、『元湯くらぶ』に再訪することにしました。 同宿、同温泉地周辺はこれまで何度も足を運んでいる地域のため新鮮さはありませんが、私の大好きな温泉地でもあり、その魅力について是非たくさんの方に知っていただきたいと思っていますので、よろしくどうぞお付き合いください。 早朝羽田を発った飛行機の上空は、この日も美しい青空が広がっていました。 一瞬、前回の再現かとも思われましたが、予報では次第に雪が降り出すのは間違いナシとのことだったので少し安心。 空港から秋田道を南下し、湯沢に着く頃にはご覧の通りの積雪量です。 このところの暖冬で例年より雪が少ないとはいえ、路面まで雪に埋もれた道はさすがに都会人の私には冷や汗タラタラで、緊張感で心拍数が上がりハンドルを握る手にも思わず力が入ります。 取りあえず早めのランチを取るべく向かった先がこちら。 知っている人にはもうすっかりお馴染みとなってしまったこの店、衝撃のクロスオーバー料理が楽しめる私のイチオシ店、「かえで庵」です。 今回もまたいつもと同じスペシャルコース、先ずは肉好きにはたまらない皆瀬牛の霜降りサイコロステーキからいただきます。 熱した陶板の上、おもむろにステーキを置くとすぐにジュージューと魅惑の音色がこだまします。 味付けはお好みの加減で塩・胡椒をセルフにて。 このシンプルな味付けこそが、皆瀬牛を最も美味しく味わう秘訣でしょう。 少しほって置いただけで、ご覧の通りジューシーな肉汁と油がこれでもかというくらいにたんまりと溢れ出してとんでもないことに。 写真を見ているとお腹が空いてしまって大変危険ですね。 更にステーキに負けないくらいに美味しいのが、サイドメニューでオーダーできるこちらの皆瀬牛のソーセージ。 牛肉料理宿の至宝、『時の宿すみれ』でいただいた米沢牛のソーセージに勝るとも劣らない、私の知りうる中でのソーセージ界の最高峰です。 ・・・と、いつもながらに皆瀬牛料理の美味しさばかりに目が奪われてしまいがちな「かえで庵」ですが、実は本業は手打ち蕎麦店。 しかも100%地粉を使って打つという本格派で、特に2月のこの時期は「寒晒し蕎麦」と銘打ち、栗駒の冷水に浸して寒風に晒したそばの実を使用することで、アクが抜け甘みが増して最高に美味しい蕎麦に仕上がるのだとか。 更に冷や奴の小皿まで添えられて、ステーキとのセットで1,680円というお値段ですから文句の付けようがありません。 彼女は温かい蕎麦をチョイス。 ざる、温かけ、冷かけの中から好みでいただけるというのも実に嬉しい限りです。 いわゆるツウを気取る方には決して向きませんが、とにかく小安峡周辺で、リーズナブルな値段で皆瀬牛・手打ち蕎麦を手頃に美味しく味わいたい方は迷わずこのお店をオススメしたいと思います。 まだ未体験の方は是非一度お試しください。 さて、「かえで庵」でしっかりお腹を満たした後は、近くの小安峡まで車を走らせます。 小安峡を一望できる絶景スポットとして有名なこちらの河原湯橋。 冬場は誰も訪れる人がいないようで、絶景を拝むためには雪の壁をよじ登る必要がありました。 深いV字谷を形成している小安峡ですが、両岸の樹木が真っ白に雪をまとっている様は正に銀世界という言葉がピッタリの光景です。 煙のように見えているのは大噴湯から猛烈に吹き上がる湯気で、真冬でも大地の鼓動をしかと感じ取ることができました。 続いて足を運んだ先は、宿泊先の候補になった大湯温泉『阿部旅館』。 気軽に立ち寄り入浴を楽しめる人気宿です。 いよいよ雪も本格的に降り出し、期待通りの雪見露天が楽しめそうです。 受付で料金を支払い、冬場は雪のため館内を通って別棟にある湯小屋へと向かいます。 宿の外観もそうですが、全体的に民芸調の佇まいでトウモロコシの飾りなど黒川温泉辺りの雰囲気を強く意識しているような感じがしました。 川底に向かって降りていくこちらのアプローチ、毎度のことながら期待感が高まる瞬間です。 湯小屋の入口には、「秘湯を守る会」の提灯が日中でも消えることなく灯り、いかにも秘湯らしい風情を醸し出していました。 脱衣所を開けると、先ずは鄙びた内湯「今昔風呂」がお出迎え。 湯船の一部が壁で隔てたお隣の女湯とつながっており、混浴でない分少しドキドキする感じの浴室となっています。 内湯でしっかりと温まった後、いよいよ雪が舞い散る露天風呂へ。 男湯の露天風呂は、手前に十和田石と多古石で作られた激熱気味の露天風呂、 奥に「かじかの風呂」という名づけられた熱めの露天風呂が設けられており、いずれもせせらぎに面して作られているので、渓流の流れを望みながら開放的な湯浴みを楽しむことができます。 頭上に降り注ぐ雪の冷たさと、体を包み込むお湯のぬくもりで、これぞ雪見風呂の醍醐味そのものというべき癒しの時間でした。 「かじかの風呂」のすぐ目の前が源泉地帯となっており、圧倒的な湯量と共に川岸からもうもうとたなびく湯気を望む光景は圧巻です。 ちなみにご存じの方も多いと思いますが、こちらのせせらぎは夏季には天然の川風呂と化して絶妙の湯温で自然派の野天風呂を楽しめるようになっています。 個人的には『阿部旅館』のお湯はいつもだいたい激熱気味なので、夏場よりも雪の舞う冬の方が比較的湯温も安定して入りやすく、また混雑することも少ないので、よりゆったりとした湯浴みが満喫できるのでオススメです。 お風呂から上がって館内に戻ろうとすると、どこからともなく子猫が近寄って来ました。 今まで何度も足を運んでいる宿ですが、子猫を見かけたことなど一度も無かったので最近住み着いたのでしょうか? ミャーミャーと鳴き声をあげながら、私の足に体をすり寄せて来る様子は愛嬌たっぷり。 また彼女(彼?)に会うのを目的に、『阿部旅館』に足を運ぶ楽しみができたという感じですね。 湯上がり後は、囲炉裏を切った玄関脇のロビーにてひと休み。 宿自家製のなんてん茶や柿の葉茶などをいただきながら、『元湯くらぶ』のチェックイン可能時刻が近づくまで、しばしまったりとくつろがせていただきました。 大湯温泉『阿部旅館』から小安峡温泉へは車でわずか5分ほどの距離。 冬場は閑散としてより一層寂れた印象の小安峡温泉ですが、いかにも演歌的な雰囲気漂うこの季節が私は大好きです。 こちらが今宵の宿となる『湯の宿 元湯くらぶ』の玄関です。 シンプル過ぎてあまり特徴のない外観に見受けられますが、道路沿いに面しているのはごく1部のみで、初めて足を運んだ際は、館内に入ってから奥の方へ長く延びた建物の意外な広さに驚かされました。 『元湯くらぶ』はどうやら宿の分類上では民宿にあたるらしいのですが、並の旅館を完全に凌駕するような施設を誇るという特異な湯宿となっています。 フロントでチェックインの手続きを済まし早速客室へ。 畳敷きの明るい廊下を進み、一番奥のリニューアルされた客室棟へと向かいます。 館内の雰囲気が古民家風にガラリと変わった先が今回予約した客室。 客室名は「どうたん」で、温泉付メゾネットタイプという一室限定の人気客室となっています。 前回訪問時、その居心地の良さですっかり気に入ってしまったこちらの「どうたん」の間。 果たして中は一体どのような造りになっているのでしょうか!? この続きはまた次回に・・・
|
全1ページ
[1]





