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充実の宴を終え、満ち足りた気分で眠りについたら既にもう朝。 昨夜の余韻にひたりながらも、先ずは頭をスッキリとさせるために朝風呂へと向かいました。 ひんやりとした朝の空気が気持ちよいので露天の方にしようと彼女。 いやいや、〆の湯はやっぱり温泉の方がいい・・・と私。 露天から望む庭の立派な樹の幹の姿に惹かれながらも、私の言葉に納得したのか、内湯の方へと踵を返しました。 こちらは昨日入らなかった方の貸切内湯の脱衣所です。 広々としてかつ清潔で本当に使いやすい脱衣所でした。 貸切内湯は温泉が引かれているとは云っても源泉温度は25℃しかなく、また湯量も少ないので加水して浴用加熱しています。 もう少し上流に行くと湯量豊富な宝川温泉や湯の小屋温泉があるし、手前には谷川温泉もあるので、ツルツル感の強いアル単泉が好きな人はそちらで立ち寄り湯などを楽しんでから宿に入ると、お湯に関してもより充実感が得られるのではないでしょうか。 こちらが浴室の様子。 浴室はもう一方とはまたひと味違った雰囲気の岩風呂です。 大きな一枚窓の向こうにはまだ残雪の姿が。 鈍色に輝く自然石の表情が、荒々しさと独特の趣とを見事につくり出していました。 ひとことで云うと、実に渋いお風呂!といった印象です。 こちらの洗い場もしっかりと三箇所あり、貸切風呂としては申し分ない数ですね。 さて、朝風呂で身も心もしっかりと覚醒した後は、最後のお楽しみとなる朝食に出向きました。 朝食時間は8時半または9時からと、比較的ゆっくりめの開始です。 食事処に入るとすぐにオレンジジュースや牛乳などの飲み物の用意があり、自由にいただけるようになっていました。 光の差し込む朝は、天然木の優しい雰囲気が一際感じられる食事処。 雰囲気的には、個室が並ぶ隠れ家居酒屋といった感じがしました。 朝食はどのような絶品料理が運ばれてくるのでしょうか。 実に楽しみですね! 先ずは見た目も美味しそうなお漬け物の数々と、朝も嬉しいお品書き。 そう簡単にはお目にかかれない朝食時のお品書きが添えてあるということで、この宿の食事に対する気合いの入れようがしっかりと伝わって来ます。 こちらはこだわり食材のプレートです。 お豆にアスパラに卵焼きと、どれも皆滋味あふれる優しいお味の料理達でしたが、中でも右上にある一見地味で小粒な料理、これが実は鹿肉のカレー煮で極めて絶品! 昨晩から数えて、猪・鶏・豚・牛に続く五品目の肉料理となりますが、一つの宿でこれだけたくさんの種類のお肉をいただけるところも珍しいのではないでしょうか。 この他にも、馬刺や鹿刺、猪のすき焼きに熊鍋なども別注でオーダーすることができ、ソフトなジビエ系料理が好きな人にとっては、足を運んでみて決して損のないお宿であるとお伝えしておきましょう。 続いて地産地消サラダ、赤城鶏のハム添えです。 サラダもしっかりとオリジナリティが感じられて美味しくいただきました。 続いては季節の煮物。 しっかりと味の染みた野菜達が、大皿に盛られて見るからに美味しそうな姿で登場しました。 続いては朝食のメインディッシュともいうべき、手作りウインナーを網焼きでいただきます。 こちらのウインナーは、夕食時に鮎の一夜干し(魚)かウインナー(肉)のどちらか好きな方を一品選ぶことができ、ウインナー好きの私達は迷わずこちらを選びました。 そしてそのお味といえば、もはや多くを語る必要が無いほどの美味しさ。 熱々のウインナーを囓ると、パリッとした皮の中からジューシーな肉汁と旨味の詰まった肉の甘みが溢れ出し、この上ない口福感に包まれたのでした。 更に感動的な料理は続き、こちらは梅肉入りの豆乳蒸しなる一品。 まるでスイーツのように滑らかな豆乳蒸しに、ピリッとした山葵と中に隠された梅肉の酸味が非常に刺激的な味わいとして口の中いっぱいに広がります。 普通に上からカラメルをかけて、豆乳プリンとしていただいても十分満足できそうな素晴らしい料理でした。 ご飯は若女将の実家(新潟県新発田市)で作っているというツヤツヤのコシヒカリ。 それにこだわりの自家製味噌を作った具たくさんの味噌汁に、群馬産大和芋のとろろと地元養鶏場のさくら卵の温泉卵が並び、必然的に朝食も満腹状態への道をたどるのでした。 最後はさっぱりとフルーツとお茶をいただき、夕食同様に大満足の朝食を食べ終わりました。 食後は苦しいお腹を抱えながらロビーにて一休み。 温泉が充実している宿であれば、朝食後にもうひとっ風呂という場合もありますが、今回はどちらかといえば食事に重きを置いたお宿。 しがたって、食後の満足感と余韻とをしっかりとかみ締めながら、珈琲をすすってチェックアウトまでの優雅な朝のひとときを楽しみます。 最後は後ろ髪を引かれるような思いで宿を後にし、季節を変えて必ずまた来ようと心に誓いました。 これで1泊2日のつかの間の旅も終わり。 十分に充電して、再び慌ただしい日常へと戻っていくのでした。 もう数年前からずっと足を運んでみたいと思いつつ、その時々の行き先や空室の巡り合わせが合わなかったことで、なかなか訪問の実現に至らなかった『蛍雪の宿 尚文』。 今回、くじ引きの結果でようやく訪問することができましたが、正直言って自分が思っていた以上の満足感を得ることができ、一万円台で泊まれるお気に入り宿をまた一つ見つけることができた喜びでいっぱいです。 たとえ温泉力は弱くても、それを補う充実のお風呂や料理、更にサービスや宿の雰囲気も文句なし、ありきたり感の少ない個性派宿をこれだけ見事に創り上げているとあれば、人気が出ないハズはありませんね。 また、今回残念ながらくじ引きで『尚文』に敗れた結果になった『ゆの宿上越館』、実はこちらのお宿にもこの7月に訪問してきたのですが、それはもう『尚文』に負けず劣らずの素晴らしいお宿でした。 『上越館』の方もいつかまた紹介できればと思っていますが、自分がまだまだ知らない佳宿がたくさん残っていると思われる上州群馬のお宿、今後もますます目が離せない注目の地域となりそうな予感です。 蛍雪の宿 尚文 http://www.syoubun.com/
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水上温泉 蛍雪の宿 尚文
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湯上がり処でしばしくつろぎの時間を楽しんだ後は、客室に戻ることなくそのまま館内をブラブラ。 この日の大方のゲストがチェックインを終え、ひっそりと静まりかえったロビーが味のある実に良い表情で佇んでいました。 ロビーの外に広がる小さな庭園は、本来であれば四季折々の自然の美しさをしかと堪能できるスポットの様です。 宿名の通り、蛍が舞う緑の季節や雪が降り積もる真白い冬などは、きっと館内に居ながらにして格別な光景が楽しめることでしょう。 4月初めの水上はまだまだ冬と春との狭間の季節。 肌寒ささえ感じる午後遅い時間になってくると、穏やかな火鉢の暖かさが身にも心にも染みいりました。 玄関脇には、可愛らしいこんな吊し雛のような飾りも。 重厚でスタイリッシュな空間の中にも、うるさすぎない程度に田舎宿らしいほのぼのとした空気を生み出してくれているのが実に心地よく感じられます。 また、ロビー脇のカウンターには自由に借りられるDVDソフトなども用意されています。 谷川岳の麓にやってきたということもあり、せっかくなので「日本百名山 谷川岳」のDVDを借りて山岳リゾート気分にひたってみることにしました。 こちらはロビーの隣に位置する囲炉裏を切ったラウンジコーナー。 嬉しいことに、こちらでも珈琲や紅茶などのドリンクを自由にいただけるようなサービスが提供されています。 先ほどは地酒を少々いただきましたが、今度は河岸を変えこちらで珈琲を楽しんでみました。 湯上がり処だけでなく、所々にこうしたお楽しみのパブリックスペースを設けてくれるのは、温泉宿として私にとっては正に理想の極み。 本当ならこういったスペースで、他のゲスト達と一緒に温泉談義に花を咲かせられるような一時を過ごせると尚楽しい滞在になるのですが、お籠もり派のゲストも多いだけに、今回は食事時間以外にほとんど顔を合わせることがありませんでした。 逆にいうと、満室であってもこれだけ静かな滞在が保証されている大変貴重な存在の宿であると云えるのではないでしょうか。 風呂から上がってから長い時間館内でまったりと過ごしたためか、しばらくするとまた湯浴みの温かさが恋しくなってきました。 そんな時でも、ラウンジコーナーのすぐ隣に露天風呂があるので大変便利です。 先ほどは覗いてみただけであったので、今度はもう一方の露天風呂を実際に楽しんでみることにしました。 やはり温泉ではないので、湯の浴感それ自体に特筆すべき点はありませんが、夕刻の涼やかな風に吹かれながら入る露天は文句なしに気持ちの良いものです。 お隣の湯と同様、湯船に浮かぶ二枚の板も健在。 隙間から仰ぎ見る樹々のさざめきも風流ですが、月見や雪見の静かな夜の情景を思い浮かべながら楽しむ湯浴みもまた、乙なものだと云えるでしょう。 2箇所の露天風呂は趣はやや違いますが、湯船の大きさや洗い場の数はほぼ同じとなっています。 チェックイン後から夕食前までの長い時間、客室を出てたっぷりと館内で楽しんだ私達。 一旦客室へと戻り、お楽しみの夕食までしばし一休みです。 山の夕暮れは駆け足でやって来ます。 借りてきたDVDなどを見て過ごしているうちに、いよいよお待ちかねの夕食時間が訪れました。 食事は全て1Fの個室ダイニング、その名も「食い処」にていただきます。 入口にはオススメの別注メニューやお酒などの表示がされているので、胃袋に自信があり尚かつ『尚文』の料理をとことん味わってみたい人は、是非別注メニューにもトライしてみるのもよろしいかと。 囲炉裏の切られた美しい天然木のテーブル席でいただく料理コースは主に2種類、雰囲気満点の「囲炉裏料理」と、通常コースとなる「山人料理」です。 料理宿を名乗るだけあって、どちらも山の幸満載の絶品料理をいただくことができますが、今回私達は「山人料理」コースで予約しました。 テーブルに置かれた一際大きくて立派なお品書き。 表紙に書かれた前置きも、ワクワクするような手書き文字が踊っていてググッと期待が高まります。 地産地消にこだわった躍動の春を感じさせるお料理、それでは心していただくことに致しましょう。 先ずはビールで乾杯! さすがこだわり派の宿だけあって、置いてあるのはエビスビールでした。 さて、珠玉の山人料理のスタートを飾る前菜は、奥利根産のわらびのお浸し、水上産牡丹肉のしぐれ煮、自家製胡麻豆腐の三品です。 苦みの利いた旬のわらびの嬉しさ、牡丹肉をここまで美味しく料理できるのかと思えるほど感動的なしぐれ煮、そして煎った胡麻の香ばしさとペーストした胡麻の甘さが絶妙な胡麻豆腐と、最初からノックダウン気味の素晴らしい盛り合わせでした。 更に前菜という位置づけで、揚げたてサクサクのうどの天ぷら、そして衣に味噌を利かせたふきのとうの天ぷらと続きます。 後半になるとやや重さを感じる揚げ物ですが、初めに持ってきてくれることであっという間に胃の中に収まってしまいました。 続いては鶏と野菜のミルクスープ。 ミルクや白菜などの野菜の甘みの中に、スパイシーなコショウの風味がほどよくマッチし、食欲が無いときでも食べられそうなほど実に優しいお味のスープでした。 続いては清流育ちの岩魚。 嬉しいことに、塩焼きと唐揚げから好みの一品をチョイスできたので、私達は迷うことなく唐揚げを頼みました。 衣も重くなく、頭からサックリ丸ごと美味しくいただきました。 お造りもしっかりと山の幸にこだわっています。 最近赤丸上昇中の群馬名産ギンヒカリ、驚くほどクセが無くさっぱりといただけた上州鯉、そして群馬と云えばやはりこれという、手作り刺身こんにゃくの三点盛りが並びました。 それぞれ、醤油・酢味噌・ポン酢でいただきますが、添えられたツマがシャキシャキでこれまた美味しく、刺身は海の幸派という私も十分満足に値する内容です。 そしてここで、予めオーダーしておいた別注料理、赤城鶏の塩焼きの登場です。 牛や豚はもちろん大好物ですが、取り分け地鶏系の焼き物には目がない私。 HPで紹介されていたその姿が実に美味しそうだったので、満腹の心配をよそに予約時についオーダーしてしまったのでした。 表面の皮はパリッと、そして歯ごたえ抜群の身はしっかりとジューシー、これをシンプルに塩コショウ、そして山葵でいただくのですから美味しくないワケがありません。 値段もお手頃で、鶏好きには正にたまらないサイドメニューでオススメです。 続いては口直しの一品、サッパリとした酢の物です。 油揚げの他、切り干し大根やキクラゲ等で作られたこちらの酢の物、彼女曰く、ちょっとただ者ではない程に素晴らしい出来映えの料理であると絶賛していました。 もはや酢の物という一言で片づけてしまうには、あまりにももったいない位に美味しい口直しの一品でした。 続いてはお品書きには載っていないこの日のサービス品という一品が登場。 このアルミホイルに包まれた中身は一体・・・!? そう、ご覧のとおり瑞々しいアスパラガスが中に隠れていました。 アスパラガスも大好きなので、こうしたサービス品はホントに嬉しい限りです。 この辺りで、ずっしりとしたお釜におもむろに点火。 どんなご飯が炊きあがるのかはお楽しみです。 夕食もだいぶ佳境に入って来ましたが、続いてようやくメインディッシュの登場です。 この日のメインは、黒毛和牛と上州麦豚の炙り焼き、そして産直野菜の盛り合わせでした。 網目を付け、お好みの焼き加減で味わう上州麦豚の美味しさといったらもう・・・。 バラとロース、どちらもとろけるような味わいで口にした誰しもが口福感に満たされるのは間違いないでしょう。 そしてとどめは極上の黒毛和牛。 言葉の入らぬ美味しさとは正にこのことです。 こんがりとジューシーに、程良く網目も付いて、見事に焼き上がりました。 こうしてかなりお腹がいっぱいになった頃、最後の一山を超えるが如く、新たな魅惑的な汁物が運ばれて来ます。 その名も尚文の山人けんちん。 塩漬けの山菜や野菜類を贅沢に煮込んだこちらのお汁、ちょっと苦みが利いていて、いかにも山のご馳走といった感じの贅沢な味が楽しめます。 そうこうしているうちに、先ほど火を入れたお釜もしっかりと炊きあがり、いよいよ夕食もクライマックスに。 贅沢なお汁と、お米も野菜も水上の食材だけで作ったという特製釜飯のお味は本当に涙ものです。 あまりの美味しさに、結果的にこうなるのも致し方ないところでしょう。 (くしゃみをしているのではありません。目頭を押さえているととらえてください。) 更にこの後、田舎宿の計らいとは思えないような粋な演出も。 〆のデザートを、場所を移してロビー周辺でいただけるというお楽しみが待っていました。 デザートはお品書きにも明かされておらず、何が登場するのか非常に楽しみだったのですが、運ばれて来たこの日のデザートは、抹茶とバニラのアイスの他、米粉を使い、干し柿と梅酒に漬け込んだ梅を酒粕風味で仕上げたオリジナリティ溢れるパウンドケーキをいただきました。 食べ終わるまでたっぷりと2時間。 最初から最後まで、全てが本当に心から美味しいと思える感動の料理の数々に大満足でした。 朝食もまた大変素晴らしかったのですが、この続きはまた次回に・・・。
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2010年2月末日−。 東京郊外のとある自宅の一室において、温泉愛好家りんく某の4月の旅行先を決定するという運命のくじびきが厳正に行われました。 そのくじびきの名は、「温泉ドラフト会議!!」 簡単に説明すると、どうしても宿泊してみたい2つの温泉宿が4月の有力候補として私の指名を受けたのですが、そのうち泊まれるの宿は日程的にも予算的にも一つのみ。 宿の存在する場所や宿泊料金、また宿のタイプや特徴なども極めて類似していて甲乙が付けがたく、更にその時点で両宿とも希望する日にち・客室にはまだ空室がある状態。 いったい自分はどちらを予約したらよいのか全く決めあぐねてしまったことから、いっそのこと運命をくじ引きにまかせて決めてしまおう!という安直な思いが、今回の「温泉ドラフト会議」開催に至った理由です。 そしてその気になる候補の宿とは、一つが『ゆの宿上越館』、もう一つが『蛍雪の宿尚文』で、いずれも水上温泉郷内に佇む押しも押されぬ人気宿です。 どちらも客室数が一桁の小さな宿であり、大浴場がなく貸切風呂オンリーで料理の評判も上々、以前から一度は泊まってみたい宿としてマークしていた存在であったため、どちらに決まっても待望の初訪問です。 さて、メモ用紙に2つの宿名を書いてシャッフルし、緊張のおもむきで引き当てたその結果は果たして・・・・・!? ↓ ↓ ↓ ずいぶんもったいぶった発表となりましたが、厳正なるくじ引きの結果、今回は『蛍雪の宿尚文』に見事決定!と相成りました。 というわけで、くしくも前回の『旅館たにがわ』に引き続くような形で、残雪の谷川連峰を道標としながら、一路水上温泉郷を目指しひた走ります。 途中、水上温泉でランチなどをいただきながら、ほどなくして向山温泉エリアに位置する『尚文』に到着。 なるほど、国道沿いに面して建っているため、最初は味気ない印象を抱くかも知れないという事前情報を耳にしていた通り、一瞬気づかずにスルーしてしまいそうなほど地味目の外観でした。 駐車場に車を停めると、すぐさま宿のスタッフが出迎えてくれました。 今回は冬枯れに近い早春ということでまだ寂しげな門構えの印象でしたが、今頃はきっと緑が美しいアプローチであるだろうし、雪深い冬場もまたさぞかし絵になる光景であることは間違いないでしょう。 可愛らしい狛犬なども置かれたロッジ風のシックな玄関をくぐると、 地味な外観からくるイメージを一蹴するかのように、百年前の古木を用いたという重厚で存在感のある古民家独特の空気と、洗練されたモダンな和の雰囲気が程良く解け合い、小じんまりとしたいかにも居心地の良さそうなロビー空間を創りだしていました。 現在大流行とも云える古民家改造型の和モダン宿、やはり私もそのスタイルに落ち着きと安らぎを感じてしまう者の一人です。 到着時の呈茶は昆布茶、お茶請けは群馬らしさを感じる花豆でした。 以前も書いたとおり、私は昆布茶は好きでないので正直緑茶をいただきたかったところですが、一度勝手が分かればリピート時はしっかりとリクエストできるというもの。 したがって初回訪問時は、宿のもてなしスタイルをありのまま全て受け入れてみるというのも楽しみ方の一つですね。 チェックインの手続きを済ませた後は、お風呂の場所の説明などを受けながら浴衣選びです。 今回写真は撮らなかったのですが、到着時にはスリッパまでもサイズの違うものがいくつか用意されており、この宿のきめ細かいサービスが始めからひしひしと伝わって来ました。 階段を上がり2階の客室へ。 こちらの宿は全7室、そのうち半分以上の4室が露天風呂を備えているという豪華さですが、貸切風呂主体という宿でもあるため、私はためらわずに値段を抑えた風呂無しの標準客室を予約しました。 小さな宿ながらも、ところどころにホールや調度品が設けられ、飽きの来ない楽しさを演出しています。 今回予約した客室は2階奥の「紫陽花」という標準和室で、休前日でも2万円を切る価格と開放的な角部屋が魅力となっています。 こちらが客室「紫陽花」の様子。 到着時から布団が敷かれ、すぐに横になれるような配慮がなされていました。 客室の広さは10畳ですが、窓が2方向取られていることと、広縁部分も同様の畳敷きということで、あらかじめ布団が敷かれていても二人では十分過ぎるほどのゆとりを感じます。 室内の色調や調度品も宿のスタイルによく似合っていて、一目見ただけでその雰囲気がお気に入りに。 露天付客室に泊まれないという上級ゲストとの格差を感じることもなく、ほっと一安心でした。 シンプルな床の間にはさりげなく活花のみ。 テーブルやテレビなどもコンパクトにまとまっています。 テーブル上にはお風呂を利用する際に使用する木札、そしてお茶請けとして山菜の佃煮と水上名物の温泉饅頭「仙ノ倉万太郎」が置かれていて思わず嬉しくなりました。 数ある温泉饅頭の中でも、私はこの「仙ノ倉万太郎」がかなりのお気に入りで、さすが人気の宿だけにお茶請け一つとってみてもセンス抜群と納得した次第です。 備え付けの洗面台や冷蔵庫などの使い勝手も◎ サービスで無料のミネラルウォーターが用意されている辺りも、正に至れり尽くせりといった感じで私達を喜ばせてくれました。 クローゼットを開けると、便利な温泉籠もしっかりと用意されていて抜かりなしといった感じです。 さて、ひとしきり客室のチェックを済ませた後は早速湯浴みへと繰り出しました。 『尚文』のお風呂は客室備え付けの露天風呂の他に4箇所の貸切風呂を擁し、2箇所の露天風呂と2箇所の岩風呂(内湯)を空いていれば自由に利用できるスタイルを取っています。 客室数が少なく尚かつ露天付客室の数が多いので、全てがふさがっているような不便さはほぼ無しと言って大丈夫かと思います。 先ずは空いていた露天風呂の様子をチラリ。 程良い大きさの湯船に西日が差し込んで湯面がきらめき、なかなか雰囲気の良い露天風呂といった印象です。 また湯船の上には二枚の板が浮かんでいて、木の香りと共に、湯船の中で一杯派の人が楽しめるような演出も施されていました。(この板の使い道は想像なので、真意のほどは分かりません) 但し、残念ながらこちらの露天風呂は温泉ではないので、取りあえず様子見だけで済ませます。 木の温もり感溢れる洗い場は1箇所のみ、鏡があれば尚便利といったところでしょうか。 畳敷きのウッディーな脱衣所も清潔感満点。 また、全ての浴室でバスタオルが使い放題となっています。 バスタオルの重ね方に目に配ると、生成・ベージュ・ブラウンという異なるアースカラー色を規則的に並べているのに気付き、小さな備品まで大きなこだわりももって用意している姿勢に思わず感嘆させられました。 こちらのお楽しみコーナーとも言うべき湯上がり処の奥に、内湯の貸切風呂が二箇所並んで備わっています。 入浴中の木札をしっかりと入口にかけ、 先ずは左側の浴室に入ってみることに。 脱衣所など、貸切風呂とは思えないようなゆったりとした空間でした。 扉の先にうっすらと覗く浴室の姿。 果たしてその全貌は・・・!? 待っていたのは、ご覧の通り自然石の豪快さとモダンな雰囲気を掛け合わせた独特の岩風呂空間。 そのインパクトはなかなかのもので、個人的にはこちらのお風呂が一番のお気に入りとなりました。 雄大な眺望を望むというわけではありませんが、ガラス窓の向こうに眺める庭園風の景観が落ち着いた和の情緒を醸し出しています。 きれいに磨かれた大きな窓ガラスははめころしだったので、これで窓が開閉すれば素晴らしい半露天風呂の誕生といった感じがしました。 スッキリとした眺めを取るか、開閉自在の快適さをとるか、他に露天風呂もしっかり備わっているだけに、難しい問題ですね。 大岩に湯口を設け、しずしずと注がれるお湯は向山温泉を引き込んだアルカリ性単純温泉。 浴槽内で加温循環しているようですが、滑らかでくせのない肌触りの良い浴感です。 ゆとりある洗い場はシャワーも2箇所の備え。 備え付けのシャンプー類は私の一番好きな馬油シリーズでした。 やっぱり今回は相性がとってもいい宿なんでしょう。 貸切露天が非温泉でも、貸切内湯が循環湯でも、何の不満もないくらいに気持ちよい湯浴みをとことん満喫させてもらうことができました。 湯上がり後は畳を敷いた空間で一休み。 こちらの湯上がり処では、冷水はもちろん、何と2種類の地酒を自由にいただくことのできる利き酒コーナーまで用意されており、訪れるゲストにこれでもかというくらいにお楽しみが待ち構えている感じを抱かせます。 普段は飲まない私も、せっかくなので「谷川岳」の方をお猪口に少々。 スッキリとした辛口で、飲み香も柔らかく美味しいお酒でしたよ。 湯上がり後、地酒をちびちびと舐めながら好きな雑誌を斜め読みするという心地よさ。 運命の「温泉ドラフト会議」にて、『蛍雪の宿尚文』を引き当てた黄金の左腕に我ながら大感謝です。 この続きはまた次回に・・・。
次回紹介予定の夕食もまた素晴らしい内容でした。 |
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