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今回の記事は完全なる回顧録になります。 何故なら、宿泊日が2010年の5月であり、約3年も前の宿泊記録を引っ張り出してくるのですから。 以前、はげの湯温泉『和楽の里たけの蔵』という熊本の佳宿を記事にしましたが、今回の宿はその熊本旅の続き、ツルツル・すべすべの美肌湯として人気赤丸上昇中の平山温泉にある『山懐の宿 一木一草』を紹介したいと思います。 実はこの『一木一草』、『たけの蔵』を記事にした際に、この続きはまた次回にと書いておきながら、すっかりブログ作成から遠ざかってしまった関係でずっと消化不良のまま抱えて来た課題のお宿でした。 私が宿泊予約を入れた当時から、賛否両論様々な口コミが漏れ聞こえ評価を二分していた『一木一草』〜。 同じ平山温泉内の人気宿、『ほたるの長屋』と最後までどちらを予約したら良いかずいぶんと頭を悩ませた懐かしい記憶がよみがえります。 あれからだいぶ月日が経ってしまいましたが、母親との九州旅行の思い出のアルバムとして、改めて『一木一草』滞在の記録を綴ってみたいと思います。 はげの湯温泉を後にし、途中、以前からずっと足を運んでみたかった久住高原の秘湯、赤川温泉『赤川荘』にて立ち寄り入浴を。 涼やかな赤川沿いに立つピンク色の瀟洒な建物が見えてくると、宿の前では看板犬のリッキーがお出迎えしてくれました。 2010年当時でも結構な老犬でしたが、どことなくわさおを彷彿とさせる様な愛嬌のある風貌に加えて、とっても人なつこく穏やかで優しい性格の犬だったので、是非もう一度会いたいという思いが湧き上がって来ます。 お風呂の方はといえば、滝を望む豪快な露天風呂、鄙びた雰囲気漂う内風呂共、ご覧の通り美しく白濁した極上の濃厚湯! 泉質表記は含二酸化炭素・硫黄−カルシウム−硫酸塩冷鉱泉(硫化水素型)、石膏と硫化水素に加え、炭酸成分までもこれでもかという位に混ざりあがった上、源泉の温度が25℃程度としかないというかなりの個性派で、正に日本一の冷鉱泉といっても過言ではないパンチが効きまくった温泉です。 正直、非加熱の源泉浴槽に浸かるのは地獄の荒行のような経験でしたが、加熱した天国のような浴槽もあり、そのまま昇天しそうな感覚も楽しめるので、温泉ファンであれば近くに足を運んだ際は必ず入って置きたい屈指の名湯の一つでした。 泉質といい、ロケーションといい、インパクトといい、至極オススメです! 赤川温泉を堪能した後は、阿蘇を抜け山鹿の奥座敷と称される平山温泉へ。 平山温泉にはこの時が初訪問でしたが、『一木一草』は屋号に山懐(やまふところ)の宿と掲げるだけあって、どこか宮城・川渡温泉の某宿の周辺景色を思い起こされるのどかな田園風景が広がっていました。 木立に囲まれたエントランス。 そして打ち水された石畳を少し歩いて宿へと到着です。 九州の宿はこのアプローチの雰囲気造りが実に秀逸な宿が多く、いつも感心してしまいます。 にじり口風の玄関をくぐると、古い酒蔵を移築したという重厚な建物の中に、華やかな印象の番台がお目見えしました。 外から一歩館内に入ると、宿が放つ個性的な魅力のオーラがビンビンと伝わって来るかのようです。 その感覚をより一層印象づけるのがこちらの客室棟の回廊。 美しいステンドグラスの光がどこか異国的な雰囲気を漂わせ、訪れるゲストを非日常の世界へと誘います。 安っぽい時代劇セットのような佇まいではなく、今まで見たことも無い実に存在感のある空間でした。 全8室という客室数の中で、今回通されたのは「龍」という名が付いた客室。 客室は全て意匠が異なり、どこに通されるかもまた楽しみの一つです。 客室に入ると、高い天井にうねる古木の梁、市松模様の襖など、正に凝りに凝ったという印象の設えです。 正直、前泊の『たけの蔵』の様にもう少し控えめな雰囲気でも良かった気がしましたが、居心地は至極快適でした。 室内の彫細工もご覧の通り。 思わず見とれてしまうと共に、その細工の細やかさに感心することしきりです。 こちらは私の一番のお気に入り空間となった囲炉裏の間。 火こそ入りませんでしたが、郷愁を感じる古民家的ノスタルジックな空間はやはり落ち着きますね。 この囲炉裏の間が設けられていたことで、結果的に客室の印象がより良いものへと記憶づけられました。 洗面台周辺もステンドグラスが美しい表情を見せてくれます。 そして、この宿最大の魅力と云っても過言ではない設備がこちら、全客室に備わる源泉を満々と湛えたお風呂です。 いぶし銀の様に渋い表情を見せる切石の湯船の風貌もさることながら、注がれる湯がほのかに硫黄の香り漂うツルツル(人によってはヌルヌルと表することも)の美肌湯そのものですから、こんなに贅沢なことはありません。 泉質は珍しくアルカリ性の単純硫黄泉で、前泊の『たけの蔵』の客室風呂も非常に素晴らしかったですが、同行の母親は肌触り抜群のこちらの浴感も大変気に入っていました。 もちろん私もウワサのツルヌル泉質には大満足。 さすがにトロトロとまでは行かないものの、中山平や羽根沢の湯を多少加水した程度の浴感を楽しむことができました。 立ち寄りで入った強烈な赤川温泉の仕上げの湯としては正にもってこいの癒しの湯でしたね。 内湯の扉を開けると半露天感覚での湯浴みも楽しめます。 眺望は効きませんが、こじんまりとした庭園が和の風情を醸し出してくれます。 更に、庭先の縁側に出てみると何やらアジアンチックな瓶にも満々たる湯が注がれており、何と一人用の露天風呂まで備わっているのでした。 手足を伸ばしてのんびりと浸かることはできませんが、湯船に浸かった際に溢れ出るお湯の量の多さを目一杯実感することができ、贅沢この上ない湯巡りを客室に居ながら楽しむことができるという趣向となっています。 これで一万円半ばからという宿泊料金ですから、『たけの蔵』といい、九州のお宿のお値打ち感には本当に驚かされます。 備え付けの風呂も客室によって表情が異なる模様なので、他の客室の風呂も目にしてみたいと思いました。 こちらは縁側での単なる記念写真。 普段は黒系の作務衣を持参することが多いのですが、この時はブルーのデニム作務衣姿でリラックス。 平屋ならではの縁側は実に魅力的です。 さて、取りあえず客室風呂での湯浴みは母親に譲ることにし、私はといえば宿の名物風呂へと繰り出しました。 こちらがその名物風呂(洗い場ですが)の一コマ、 もうお分かりですね、そうです『一木一草』といえば洞窟風呂で有名なんです。 岩の配置や導線等、なかなか本格的な雰囲気漂う洞窟風呂。 張られた湯の水深は浅めで、本物の洞窟内のプールを思わせるかのような佇まいです。 閉所恐怖症の方には決してオススメできない代物ではありますが、湯温も温めで瞑想の境地で浸かることができ、私は大いに楽しませてもらいました。 ほの暗い洞窟の中ですが、一人きりでかえって他の人がいなかったことが好印象だった要因かも。 それにしても、湯平の旅館志美津、黒川の新明館など、九州の宿には洞窟風呂をウリとする佳宿が実に多いですね。 洞窟風呂を出た後は、その足で更にもう一箇所のお風呂へ。 ちょうど最後の日帰り客達が身支度を終えて帰って行ったところで、こちらの方もどうやら貸切状態となった模様です。 扉の先には広々とした切石の露天風呂(こちらは男性用)。 苔むした階段状の切石が侘び寂びの境地を感じさせてくれます。 全室露天付客室の為か、誰もいない露天風呂にてゆらゆらと一人漂う静寂なひととき。 夜にも一度入りましたが、夜の風情はまた格別な印象でした。 記憶では恐らく入れ替わりは無かったと思いますが、写真で見た女性用の露天風呂もまた豪快な岩風呂で風情満点のようです。 客室風呂はもちろん、男女別の洞窟風呂・露天風呂共に実に味わい深い湯浴みを心ゆくまで満喫することができました。 この続きはまた次回に・・・
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平山温泉 一木一草
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