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電気屋版「人間の絆」
新しく、イタリアの紀行を元に短編小説に挑戦中

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ごあいさつ

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この度は「人間の絆」にお立ち寄り頂きありがとうございます。
このブログは私の遥か20数年前の思い出を、記憶だけを頼りに。ほんの一部、脚色を加えて連載させていただいているものです。
そのため、思い違い、事実と違うところがあるやかもしれません。先立ちましてお詫びいたします。
 
時代はバブルを迎え始めた頃。舞台は神奈川県横須賀市。東京湾を見下ろす小原台。
そこには日本で唯一の士官学校があります。名称は防衛大学校。
いろんな環境、境遇で育ってきた若者達が、縁あって苦楽を4年間共にするのです。
そんなお話です。
 
主人公は学生の中でも勝手気まま、放蕩的気概が抜けきれない電気屋学生。
さて、無事に卒業できるのでしょうか?
 
このお話は「導入 その1」、「導入 その2」、「導入 その3」 を経て 「第40話 逍遥歌」からスタートしています。始めてご訪問頂いた方はこちらからお読み下さい。
 
では「導入 その1」へ↓
 
重ねてお立ち寄り頂きました事、厚く御礼申し上げ、はじめのご挨拶とさせていただきます。
 
 電気屋としき
 
イメージ 1私のブログは25年前のお話。今の横須賀情報をご覧になるなら此方をクリック。

導入 その3

タクシーの運ちゃんは女性だった。
運ちゃんに、「馬堀まで」といった。

本当は「付」に棒倒しなども見せてやりたかった。
あの壮絶な格闘さわぎを!
しかし、「付」には学校が。私には仕事が神戸で待っている。

坂を下りる間に気が変わった。

私:「ペリーの上陸記念碑までどれぐらいかかる?」
運ちゃん:「15分、2000円ぐらいですかね。」
私:「馬堀はやめた。ペリー迄。」と行き先を変更した。

「付」に小説「竜馬がゆく」では坂本竜馬が始めて黒船を見たのが小原台。
竜馬はこの黒船を見て自分の人生を築き上げていった。
と説明した。
「付」はもともとペリーの事に興味を持っていたらしく、大賛成で同意してくれた。

私には、まだこのトリップでやり残していることがあった。
実はそれを行うために立ち寄ったのである。
タクシーを降りるとそこに、上陸記念碑が建っていた。
海の方を見やると、千葉の館山方面と結ぶフェリーが緩やかに動いていた。
私は「付」を記念碑の前に立たせ写真を撮った。
「付」は私からカメラを分捕り、好き勝手に写真をとり、記念館の中に入っていった。
いろいろ、興味が湧くらしい。

私は一人記念碑の土台に腰掛け、リュックサックから今日の朝、買い求めた葉書を取り出した。
あて先と住所を書いた。
20数年ぶりに書く住所と名前だ。
名前の主は多分この住所にはいないだろう。
でも、いいやと思いひっくり返し文面を綴り始めた。

「大変ご無沙汰しております。大学校を卒業して、今日20年ぶりの同窓会に母校にやってきました。
思い返すに、今日この地にやってこれたのは、学生時代にあなたが支えてくれたからです。
本当に有難う。感謝をこめて」と締めくくった。
今の住所や電話などは記載しなかった。名前だけ書いておいた。

葉書とペンをリュックサックにしまい、「付」を探しに記念館の中へ入った。
「付」は資料に見入っていた。
しばらく「付」とあちこち見た後、資料館の人から貰った地図を頼りに久里浜駅へ向かった。

京急の久里浜駅がみえる所までくると右手に郵便局を見つけた。
私は「付」を少し待たせ、リュックサックを広げポストに先程の葉書を投函した。
葉書は心細い「パッサァ」という音を立てた。

投函したとき、今、私の居所は神戸だと思った。
長年、心に居残っていたシガラミが少し取れたような気がした。
相手にとっては些か迷惑な葉書かもしれない。
そうで無いかも?

私は「付」の肩を抱き「神戸に帰ろう!」と元気よく言った。
「付」は「今から帰ったら途中で富士山見えるかな?」と聴いた。
JR久里浜駅で小田原からの新幹線に乗るチケットを買い求めた。
小田原16:10の「ひかり」だった。
私は「付」に「きっと富士山見えるで。」と言った。

久里浜から横須賀へそして鎌倉を抜け大船へ。そして小田原へ。
どんどん私の学生時代も遠のいていった。
定刻に「ひかり」がやってきた。
三島を過ぎ御殿場へ。
富士山がひときわ大きく車窓を飾った。
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19:10神戸三宮駅についた。
僅か23時間のトリップだった。
私は「付」の任を解いた。
明日から息子は勉強。私は仕事だ。
私が今、居るべきところはこの地、神戸である。

四年の波は夢のごと(防衛大学校 逍遥歌)

「第40話 逍遥歌へ」↓ 
http://blogs.yahoo.co.jp/denki_rhythm/5997364.html

導入 その2

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タクシーは、スタートした。
懐かしい横須賀の町を20年前と同じ道を辿りながら観音崎方向へ進んでいく。
「運ちゃん」に「綺麗になったなぁ!でもちょっと寂しいなぁ!」などと話を進めていくうちに、思い出し「確か横須賀は小泉純一郎の地盤やったね。」と聴いた。

運ちゃん:そうですよ。
私   :小泉さんの家ってどのあたりにあるん?
運ちゃん:近くを通りますよ。寄って行きます?
私   :行く行く!

「付」に向かって、「中学で自慢できるやろ!」と言った。
「付」は答えた「ビミョー。もう古いし! 今は民主党やで。」

タクシーは大津の手前1Kmぐらいの所で大通りを左折、細い道に入り50mぐらいで止まった。
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家の前には確かに「小泉」と表札が出ており、ポリさんが一人寂しく、手持ちぶたさに立っていた。
タクシーを下り、「付」を家の前に立たせ写真を撮った。
別に、家の人は出てきたりはしなかった。
仕事柄、エアコンの室外機を全て屋根に置いているのが妙に気になった。
「もうそろろ買い替えの時期やな」と思った。

この細い路地に車がやって来たので慌てて、タクシーに乗り込み、小原台へ向け出発だ!

馬堀海岸までやって来た。
もう、目と鼻の先である。
京浜急行 馬堀海岸駅のタクシー(マボタク)を見ながら、更に走ると、学生時代には無かった自動車の高架橋が架かっていた。驚いているうちに交差点に差し掛かり、これを右折、坂道を登っていく。
右へ左へ曲がりながら上っていく。
500mも上ると左手に通用門が見えた。
「付」に「卒業研究で腹が減って仕方ないときに、こそっと、あそこから抜け出してラーメン食べに行くねん。」、「見つかったら、えらいことになるけどな!」と解説しているとタクシーが坂を上りきった。

突然左手に見えたあまりにも立派になった本館と時計台!
思わず
「ここは、何処や!!」と絶叫してしまった。
そして、心の中で「変わってないところを、探してやろう!」と思った。
学校内に入ろうとすると、テーブルが並べられ荷物チェックが行われている。
物々しい。
私たちの時はこんな事は無かった。
荷物チェックに当たっている学生や、職員、警務隊に、葵の御紋よろしく「同窓会の案内状」を振りかざした。
「ご苦労様です、どうぞ!」と返事が返ってきた。
「当たり前や!今日はゲストやぞ!と思いながら「付」と共に本館を左に見ながら右手正面の防衛学館の同窓会受付へ進んだ。

実は心の中で「俺ってみんな判るやろか?」と思っていた。
ウケ狙いもあり、実はスーツも用意していたのだが、それを着ず、あえて学生時代の校友会(クラブ)の儀杖隊スタジャンを着ていた。
しかし、こんな思いは杞憂であった。受付につくなり「懐かしぃー」「元気にしてたかぁー」と声が掛かってきた。

この受付で今日の同窓会スケジュールを聞いた。今は9時すぎ。10時15分(自衛隊用語ではヒトマルヒトゴ)に本館前で記念撮影。それまで自由時間。「学校内を見学してきて。」と言われた。
「付」を連れ防衛学館を出た。
防衛学館の前にはオブジェが並んでいる。
目玉の1つは74式戦車。
私たちの時は、アメリカがくれたシャーマン戦車だった。
この、シャーマン戦車。実は思い出深いオブジェだった。

学生時代酔っ払って返ってくると正門から学生舎まであまりに遠い。尿意が無性に襲ってくると、このシャーマンのキャタピラにマーキングする犬よろしくシャーとやったものだ。
このシャーマンが10年ここに、あったとする。一晩で10人がマーキングしたとして。ひとり100cc出したとする。一晩で1リットル。1ヶ月で日曜日が5日とすると1年で60リットル、10年で600リットルだ。
さぞかし、移動するとき臭かっただろうと想像したりする。

そしてもう一つの目玉はF1対地攻撃機だ。この飛行機は曲がらないで有名だった。
こんな飛行機で、低空を保ちながら山を越え、谷を越え、陸上の目標物を攻撃するのに使用されていた。
私は航空要員ではなかったのでこれ以上はコメントしないが大変であったと聞き及んでいる。
私たちが学生の頃はこの飛行機は現役であった。
20年前は、F104が置かれていた。(小説不毛地帯で登場する次期戦闘機)
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そして、「付」に学生の名札の見方や、学年章の見方などを説明しながら学生舎に向け足を運んだ。
今の学生舎は我々の時の学生舎では無かった。立て替えられていた。
あの、涙と血と汗を吸い込んだ石の廊下、ちょっと饐えた匂いのする暗い、静謐感漂う学生舎は残っていなかった。
しかし、気を取り直しまだ残っている古い学生舎の方へ足を運ぶと、懐かしい光景が広がった。
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次に昔の姿が残っている可能性の高いところを思いついた。
風呂である。
ガラッと戸を開けた。鍵は掛かっていない。
思わず、20年前の光景が瞼に写る。変わっていない。
週番付に「週番室ご招待札」を入れられた脱衣場。
その棚も健在だ。

脱衣場の戸を開けるとこれまた懐かしい風呂が。
昔、入った風呂。一年の時には浸かれなかった風呂。
お湯の供給量が足らず蛇口から出るのは水ばかり。
その水で寒い冬も何とか我慢した。あの一年生時代。
4年になると、熱い熱いと言いながら、たっぷり浸かったあの風呂釜。
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「付」は面白くなさそうだった。
しかし、きっとこんな親父の顔を見るのは初めてのことだろう!
あまりにも「付」に悪いので「お土産買いに行くか?」と学生会館のPX(売店:自衛隊では何故か進駐軍時代の言葉も残っている)へ誘った。

「付」がお土産を物色する間、私がブラブラしていると数人の同期生と顔をあわせ思わず握手を交わしたり抱き合ったりした。
そうこうしている内に時間は過ぎ、本館前に行くと同期達が集まっている。
流石、防衛大出身、時間はしっかりしているなと思った。
ところが、記念撮影中、一人の同期が慌てて走ってきた。
遅れてきたのである。皆大笑いで迎えた。
また、記念撮影、取り直しとなった。
私は「付」の肩に腕を乗せ、集合写真の右後ろで収まった。

それから記念植樹が行われたが私は後方で同期と旧交を温めた。
そうしているうちに、観閲式が始まるので陸上競技場に足をむけた。
はじめは、遥か後ろの立ち見だったが、誰が気を回してくれたのか、運良く閲覧席の正面パイプ椅子に座ることができた。こんなことは始めての経験だ。
一年生の入学式では「整列休め」(気を付けよりしんどい)で始めてみた観閲式。
今日はゲストとしてパイプ椅子で見ることができる。
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学生隊の入場。整列。
観閲官(本日は学校長)の入場。
国旗入場。
そして、観閲が始まった。
当初珍しさに楽しそうにしていた「付」だが、だんだん飽きてきたようだ

どこからともなく聞こえてくるジェットの音。
いよいよ、「付」をだまくらかして連れてきたネタがやってきたようだ。
私の時は本校の上を、3機編隊でヘリコプター、対潜哨戒機、C1輸送機、F15などがパスして行ったものだ。その度に放送で「編隊長は防大○期、○△2佐」と案内がかかったものだ。
しかし今日は違うようだ。
ブルー・インパルス(航空自衛隊のアクロバット飛行チーム)がやってきた。
次々と披露される妙技に「付」はとても楽しく目を輝かせていた。
私は「付」に「こんな事が見れる学園祭はここだけやで!」と囁いた。

ブルーの6種目披露が終了し、今度陸上自衛隊第一空挺団のフリーフライト(自由落下:降下者自らが高度計を見ながら傘を開く)が5人分隊で披露された。
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最後は我が儀杖隊のファンシードリル。
20年前はあそこで演技していた私。
万感の思いで、彼らが発する「号令」とM1ガーランドが立てる音、そしてドラム演奏に聞き入った。
私たちの頃より洗練されたのかなぁー。
私の様々な思いの中で「空砲」が鳴り響き「捧げ銃」の号令と共に観閲式は終わった。

その後我々33期と「付」は用意されていた懇親会場でビールをやった。
しかし私には「付」を神戸に戻さないといけない。
そして個人的に、ケリをつけなければならないことがある。
懇親会を中座し正門前に待機しているタクシーに乗り込んだ。

「導入 その3」へ

導入 その1

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今年、私は大学校を卒業して20年になる。
私が卒業した年は昭和天皇が崩御され平成になった年だ。
同窓会は20周年ということで、我々33期(惨々期)生に対し、開校祭にあわせて集合をかけた。

私は神戸在住。横須賀まで450Km程ある。
仕事もある。
日曜日1日だけ仕事をキャンセルし、横須賀弾丸トリップを遂行することにした。

一人では寂しいので息子に「付」(「づき」と読む:自衛隊用語で助手の意味)として同行を求めた。
息子は興味半分、面倒くささ半分で当初、生返事であったが、「学校の上を戦闘機が飛ぶで。」とだまくらかし半強制的に同行させた。

神戸三宮 20:40初の夜行バスで横浜を目指す。
一人5000円の安さに惹かれ予約したが、実際に乗ってみると大阪USJ、梅田、京都と人を乗せるために、途中ストップする。なかなか関西圏から脱出できない。
京都を出発したのが11:00であった。

バスの中で眠ろうと思っていたが、運悪く車両後部、エンジンの真上の席であったため振動が響きなかなか眠れない。さらには3時間毎にサービスエリアで休憩し、その度毎に照明が点るため熟睡できない。

しかし時が過ぎ、11/8 5:00頃車両が東名高速から下りるのに気が付いた。
あと30分で横浜だ。

早朝6:00前の日曜日、寒風身にしみる横浜駅に、むずかる「付」と共に降り立った。
私は横浜の高島屋を見上げ、ダイヤモンド地下街に目をやった。
20数年前の思い出と共に、「懐かしい。本当に懐かしい。」と叫んでしまった。
「付」は横目で「このおっさんアホか?」という目で私を見つめていた。

横浜から横須賀に向かうには普通、京浜急行の方が便利だ。
しかし、私はJRを迷わず選択した。
「付」に横須賀に着いた途端に現れる護衛艦の群れをみて欲しかったし、階段が1段も無い日本唯一の駅を経験して欲しかった。
そして私は最近読み返した「坂の上の雲」。
秋山弟が子規の死を横須賀駅の汽車の中で知るシーンを体感してみたかったからである。
しかし、本当の理由は大学校時代に付き合っていた彼女「H」の事である。
「付」には迷惑な話だが、どうしても自分にケリをつけておきたかったのである。

JR横須賀駅を出て横須賀中央方面に歩き出す。
左手に護衛艦、潜水艦を見ながら10分も歩くと「付」は「腹が減った」と言い出した。
思い出の京浜急行「汐入駅」手前でのことだ。
これ幸いと駅前にある公衆電話に飛び込んだ。
昔の記憶を頼りに電話帳を繰り目指す電話番号と住所を見つけ、メモに書き込んだ。
まだ空はドンヨリと曇っていた。

汐入の陸橋そばに「ガスト」を見つけそこへ入った。
モーニングサービスを2つ注文した。
料理が運ばれ、勢いよく、口に料理を運ぶ「付」を私は見ながらコーヒーを啜った。
頭の中では「電話しようか?今更なんと?まだ時間は早いし。などと堂々巡りをしていた」
「付」が最後のトーストを口に放り込むのを私は見届け立ち上がった。
とにかく、ここを出よう。

扉を開けたところでいい案を思いついた。「葉書を書こう」と!
その時空には光が差し込むようになっていた。
大通りを横須賀中央方向に行かずに直進すると左手にアメリカ海軍の基地(ベースという)の入り口が見えた。私の頃は通りにドンとあったが、今は入り口前に陸橋ができており判りにくくなっていた。
入り口のマリーン(海兵隊員)に「一緒に写真を撮って」とお願いすると、にべもなく断られた。

気を取り直して、三笠公園へ足を運ぶ。
途中のコンビニで葉書を一葉、買い求めた。
「付」に勿論、日露戦争の日本の旗艦「三笠」と東郷平八郎の像を見て貰いたいからである。
この日は横須賀市が後援するイベントが行われるため、いつもの静かさは無かった。

三笠公園を出て「付」と共に横須賀中央に向かった。
大通りから町の中を歩くと、学生時代あんなに猥雑な感じもあり、それが魅力だった町並みはガラリと
変わり、オシャレになっていた。それでも「金星劇場」(エロ映画館)など思い出の建物があったのをみつけると「付」に当時の様子やハプニングなどを大声の関西弁で話してやった。

横須賀中央駅前に出ると、あの思い出深い時計台が無くなっていた。
どれだけの本校学生と女性が待ち合わせをした場所だろう?
1週間で1日ぐらいしか外に出れない本校学生。それを待つ女性。
そんな事を思い返していると、「付」が「早よ、行こうや!」と言った。
私は我に帰りタクシーに乗り込んだ。

私は先に「付」を乗せ、次に私が乗り込み、行き先を言った。

「小原台(おばらだい:防衛大学校の別称)の正門まで」

20年ぶりにこのセリフを言った。

「導入 その2」へ

※写真は防衛大学校 儀杖隊(ぎじょうたい) 
学校長直属の部隊(訓練部に所属)で元々は学校にやってくる国内外の来賓に対して歓迎するセレモニーを担当する。でも、それだけではツマラナイので使用するM1ガーランドを自在に振り回し、ドラム隊の演奏の基、ドリル演技を行う。学生同士の中では楽勝クラブと卑下する人もある。実際その一面もあるが。
しかし、何といってもこのクラブでしか得れない事がある。
それは日本武道館、数万人の中で演技をする緊張と喜びである。
ステージという魔物に必ず魅入られてしまう。
本校では絶対お勧めのクラブだ。但し1年のときに部屋長が武道系だと入りにくいことも。

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