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電気屋版「人間の絆」
新しく、イタリアの紀行を元に短編小説に挑戦中

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海自の懐かしいヘリコプターを見た後、更に坂を「ハァ、ハァ」と息を切らせ上る。
やっと橋が現れた。
100円玉を箱に放り込み、橋をユルユルと渡っていく。
下を見ると遥か下を、漁船が走っていく。
風がビュービューと鼓膜を震わせ流れていく。
大三島にさよならして、今度は生口島に渡る。
橋が終わると、今度は下り坂。
「気持ちぇぇー」

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坂を下りきり、島の周回道路に入る。
また青い線を追っていく。
フラットな道をグングン走っていくと、こんな所で昼の休憩をしている。
どんな、事を夢見ているのか?
それとも、何を考えているのか?
またまた、橋を渡るために上り坂がグルグル続く。

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今度は50円玉を放り込む。
今回も、「ハァ、ハァ」息を切らせている。
また、橋を渡っていく。
あの、上り坂の苦しさが吹き飛んでいく。
次は因島だ。

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因島は今までの島より都会化している。
というか、ゴミゴミしている。
道も少し複雑。
「ボォー」としていて青い線を見逃してしまう。
お陰で遠回り。
でも島だから海岸を回っていけば橋は必ず見えてくる。
逆方向から来たせいだろうか?
とても漕げない坂。
自転車を降りて、坂を押していく。
そして、橋まで辿り着く。
今度の橋は、車道の下を走る。
50円玉をまた放り込む。
今度は日陰の橋を渡っていく。
「涼しいぃー!」

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そして最後の島。
「向島」
此処は完全に尾道の町に取り込まれている。
すっかり、街化している。
コンビニ、商店、なんでもある。
クレーンが林立している。
最後、尾道へは橋ではなく、渡し船だ。

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船に自転車を積み込むと直ぐに出発。
70円。
対岸の尾道は青い水路の向こうに佇んでいた。
こうやって渡し船に揺られると、随分昔に旅したイスタンブールを思い出した。
「エルマチャイ」が懐かしい。
そして、十分な空想にふける暇も無く上陸した。

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商店街で何軒もお店を回り・・・3人分の「猫」をキーワードにお土産を買った。
ここから流石に自転車を漕ごうとは思わない。
私は自転車を袋に詰め込んだ。

おわり
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フェリーに自転車を積み込み、忠海を出航する。
暫しの船旅。
客室はガラガラ。
座敷で大の字で寝転がり、ビールを飲む。

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途中、大久野島を経由する。
ここは、旧軍の毒ガス製造工場があったところだ。
まだ処分されていない遺産が、大陸に埋まっているんだろうなぁ・・・
と思いながら・・・またアルミ缶をプシューと云わせる。

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フェリーを降りる。
ここは大三島。
しまなみ海道だ。
アスファルトにブルー線が引いてある。
快晴!暑い!

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これからの長旅に備えて、先ずは腹ごしらえ!

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さしみ定食!
食ったら出発!

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一発目の橋に向かう途中で、何故か懐かしい機体が!
館山に一杯居たなぁ!
1年生の時の夏、あまりの熱さに短靴の底が溶けてしまったっけ!

つづく
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最近は目覚めが早い。
ホテルの朝食も朝一番だった。
海上自衛隊資料館になっている潜水艦に別れを告げて坂を登っていくと
同期の職場が現れた。

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そういえば、通勤はまだしも公式の場では・・・
これから冬服という。
暑いのに大変だなぁ・・・

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地方総監部から長い長い坂を下りていくと潜水艦などが近くに見える波止場がある。
そこで暫く、スケッチをした。
スケッチの対象は潜水艦では無く、退役した掃海艇。
機関砲も取り外されている。
同期に確認すると、ペルシャ湾で活躍した船だと言う。
目の前にあったコンビニでスポーツタオルを購入した。
今日は汗をかきそうだ。
スポーツタオルには潜水艦徽章がモチーフされたものだった。
さぁ、出発!

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南下をしていくと「音戸の瀬戸」にたどり着く。
この赤い橋を渡っていけば江田島だ。
渡し舟には、丁度通学時間帯らしく多くの学生さんが渡っていった。
「船を使っての通学かぁ・・・」

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自転車を進めていくと時たまポツネンとバス停が海岸に佇んでいる。
音戸からは反転、北上している。

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何とか「広駅」に辿り着く。
何!あと6分で発車!慌てて、自転車を袋に詰め込もうとしていると・・・
近くのベンチに座っていたオジサンが助けてくれた。
「俺も!山に行くとき大変だから!」
オジサンのヘルプが功を奏して無事、呉線に乗り込んだ。
ありがとう!オジサン!(私というオジサンからの感謝であります)
電車は速くて楽チンだ!

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電車を忠海(ただみ)という無人駅で降りた。
向かうは・・・フェリー乗り場。
これから海を渡る。

つづく

尾道から呉へ

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猫の視線に誘われ、登った坂道には下町情緒が溢れていた。
スケッチをしていると息を切らせながら漆喰屋さんが蔵の外壁の修理のために登ってきた。
車を使えない現場。とても厳しい現実だ。
寺を渡り歩きながら更に坂を上っていく。

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三重の塔のてっぺんだけが見えるところまで上ってきた。
更に、最近オープンした鎖場。これを越えると空海が開いた千光寺へ。
上りきったら、直ぐにロープウェーで町に戻る。

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時間がないのだ!
町に下りると懐かしいジョニーが・・・・
祖父が何時も美味そうに飲んでいたジョニ黒。
日本人の誰もがこれ以上は無い最高級スコッチと思っていたジョニー!

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商店街の真ん中に置いていた自転車に跨り、サドルの上の人になる。
時間は午前11時半。

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尾道から三原を越えて瀬戸内海を左手に見ながらペダルを漕ぐ。
海の青さを見ていると・・・
何故か?小原台時代の・・・2年生の夏休みのことが走馬灯のように過ぎ去っていく。
風が気持ちいい。
しかし、暑い。

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時にはキツイ上りを3箇所所ほど越えて、気がつくと35Km程を走っていた。
時間は2時半ごろ。
山陽道の小京都。
竹原に到着した。

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写真はニッカウィスキーの創始者のご実家だとか。
余市じゃぁ無かったのね。初めて知りました。
更に呉へは・・・・
自転車やめた。
電車に自転車を積み込み呉線で向かう。

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この夜。
呉の屋台で同期とグラスを傾けた。
「明日は電車で素直に帰れ!自分の年が分かっているのか?!」
何度も同期は私をたしなめた。

私はその言葉をすかしながら・・・今日の暑さでスッカリやられたであろう神戸のお土産。
チョコレートを差し出した。
「嫌がらせか?」
同期は笑いながら受け取った。

つづく


尾道へ

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最寄の駅に到着する頃、夜があけてきた。

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在来線を乗り継ぎ、西明石駅で新幹線に乗り込む。
自転車の入った巨大手荷物は我が物顔で二人席を占領した。

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朝8時過ぎに尾道に到着。
商店街で買ったパンと何故かファンタで朝食。
海を眺めながら、パン屑をボロボロ海水に撒き散らしながら頬張った。

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そうしている間にも・・・渡し舟が忙しそうに発着して
向島と尾道護岸を行ったり来たり。
釣り人があちこちで、竿を降ろしている。
反対側で歓声が上がり、そちらを振り返ると15cm程のハゼが上がってきた。

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護岸を離れ、町の商店街のほうへ。
車道を渡る。

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石畳の狭い路地を入っていくと、おじさんが玄関前で、しゃがみこむ。
何をしているのかと、見入ると・・・・
渡り蟹を〆ていた。

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処置を終えた渡り蟹が大きな盥にいっぱいになっている。
放り込むときに足がもげて道に転がっている。

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どこからとも無く現れた猫。
私に近づく。
「チィチィチィ、ニャァー」と私が呼びかけると・・・・

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猫は私の足に纏わりつき、離れようとしない。
猫の視線になり、街の上を眺めると古寺が見えていた。
あの細い道・・・上から見たら絵になりそう。
私は猫に暇を告げて、登り始めた。

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