|
1、都議選、議席は動いたが、世論も動いたのか、一騎討ち制度の錯覚
都議選の結果は、民主党の圧勝、自民党の敗北だった。確かに、その限度では、世論は動いたと言えるが、固い組織票に守られて公明党の議席は動いていない。動いたのは、多分に世論操作(作られた世論)により、浮動票の大部分が民主党に流れただけだ。その結果、被害を受けたのが自民党(10減)と共産党(5減)だったというに過ぎない。
さらに当選者の内容を見てみると、一騎打ち要素の大きい1人区、2人区では、当選者の入替わりが大きかったが、4人区以上では、相変わらず同じ顔ぶれの当選だ。このようにも新聞、テレビ、雑誌、電網が騒いだ割には、都議当選者の「中心部」は変わっていない。今の日本、今の東京に、新風を送りたいと思っている志士は多い。だが、そういう人は、当選見込みがなく、また、党の公認が得られずに、涙を飲んでいる。
これで、新しい都議会(審議体制、新風導入体制)ができたと言えるのか。私は、根本的に1人区、2人区を区数全体の半数(3人区まで入れれば、6割以上)を残す選挙制度が間違っている。東京を全都一区(除島部)にして、立候補したい人は、誰でも出馬できるようにすべきだと思う。
さらに言えば、国会議員選挙についても同じだ。こちらは、一騎打制(小選挙区制)でしかも3百万円の受験料(法外な供託金制度)になっているから、さらに権力の中枢部は変わらない。
日本は、今や、国際競争ではだら負け状態、国家財政は世界最悪状態、この惨状から抜け出すためには、新しい人材による新しい政策が必須だ。私は、そのために「くじ加味選挙」という制度と考えた(私のブログ)。
1、何故、投票したくないか‥‥しても、しなくても、結果は同じ
どんどん、どんどん、投票率が下がっていく。これは、国民が選挙があることを知らないのじゃないか。なら、広報車を出そう。うるさいほど、広報されるようになった。投票時間が短いのじゃないか。政府は、時間を2時間延長した。だけど、あまり効果はなかった。
今次の都議選、連日連夜、マスコミが騒いだ。そうすると、どうか、投票率が10%も上がった。なんだ、政府が笛を吹いても住民が踊らないのは、投票する人がいないからなんだ。50年前の選挙では、その町の有力者とか、自分の知っている人が立候補していた。だから、その人に投票しようかという気持ちにもなった。小学生の時、兄の友達の親が町長に立候補した。何も分からない私は、その人が勝たないかと応援した。当選したが、何年か後に、評判は最悪で、賄賂ばかりだったと聞いた。そういう事もある。だが、その時は、心底からその人を応援した。
ところが、最近の選挙はどうだ。知らない人ばかり。人間関係が薄くなったこともあるが、党推薦で上がってくる人の玉が悪すぎる。ヤクザの親分、土建会社の社長、子供野球の会長、どの顔を見ても、投票したくない人ばかりだ。特に、選挙区が広域化し、組織化すると、全く投票権をどう使っていいのか処分に困る。
この間を縫うように成長してきたのが、共産党と公明党だ。人と人と繋がりを利用して組織を広げた。特に投票したい人がいないのなら、近所づきあいだくらいの気持ちで投票した。だから、この間に、着実に増えたのが無党派層。意中の人がいないのだから当然のことだった。
2、投票したい人はいないのか‥‥いる、だが、選挙区ちがいで、投票できない
日本のこの現状を憂え、何とか再生できない人はいないのか。いる、いる、沢山いる。だが、その人は、有名でなく、財力がなく、容貌が悪い。そんな人が多い。これらの人は、自らが立候補したいと思っているが、一騎打ちに勝てる訳がなく、受験料は三百万円、選挙運動もできない、では何度足を踏んだところで出馬は覚束ない。
いや、びっくりした。私の知り合いで知事に立候補した者がいる。普通のおじさんだ。さっそく、陣中見舞い。いわく、2000票が目標だと。ちょっと待て、50万票取れないと当選できないのだぞ。彼は、ウン百万円をはたいて、大衆に怒りを示した訳だ。日本社会はここまで来ている。
ある時、小泉に詰腹を切らされた元レバノン大使・天木直人が立候補した。一面識もないが、彼の本を読んでみると、日本の現状がよく分り、国会に送ってやりたくなった。私は、ここ十年中国に住んでいて投票に行ったことはないが、「憲法九条」の死守は日本国にとって大事なこと、ちょっと残念だった。
よく見ていたテレビに、有田芳生がいる。よく喋る奴だ。なかなか面白い事を言うと思っていたら、田中康夫の日本新党から立候補した。人気が出て、もう大丈夫だと思ったのだろう。だが、残念、落選。容貌が悪すぎた。口だけでは、議員にはなれない。
そう、過去を思い出すと、参議院・市川房江がいる。彼女は、ロッキード事件の「松野頼三」を落とさねばと、熊本県まで乗りこんで罪状を叫んだ。だが、彼女いわく、公選法に阻まれて、ほとんど何も喋れなかった。こんなことなら、信任選挙がいいと。
また、ある時、作家の野坂昭如は、田中角栄を断罪すると言って新潟県に乗込んだ。当時、絶好調の角栄に勝てる訳がない。その気コツだけは大いに応援してやりたかった。
だが、現行制度ではどうにもならない。スポーツ選手を支持して何になるか。運動具会社の利益を確保するくらいだ。土建屋を支持してどうなるか。談合を増やすばかりだ。テレビスターを支持してどうなるのだ。国会が華やぐだけだ。こんな事は、全く不要。なら、我々は、意中の人がなければ、これらの者には「負の投票」をしたいが、それはできない。最高裁判所裁判官の国民審査(憲法80条)と同じだ。選挙したい人はいくらでもいる。だが、現行制度では、無価値なだけでなく、害悪を振りまく者にしか投票できない。これが、現実の選挙だ。
3、今、日本に必要なのは、「国家百年の計」を語る真の政治家だ
明治時代には、まあ、実にいろいろなことを語る政治家があった。概して言えば、「富国強兵論」だ。今日本は、冒頭に示したごとく、国際競争は丸でできていない。国際学力は低下する。青少年の理科離れは著しい。年寄りは遊び仕事で高給をもらい、若者は有能でも仕事がない。見てみよ、外国を。40代、50代が国際競争の最前線に立っているじゃないか。日本は、70代が活躍しているじゃないかと言いたいが、4、50代は、出番はまだだと居眠りをいている。公務員は、試験も査定も(僅かしか)ないから、こういう事になる。人材がいないのじゃない。人材を潰しているから、こんな奇妙な現象が起きているのだ。
ここで新しい風を起こしたらどうなるか。無能な60代、70代は、飛んでいく。それは、許さんぞ。既得権者が、必死に抵抗する。そのために、中年には仕事をさせないし、すれば、天木のように詰め腹を切らされる。
ここまで、破綻した日本、どうしても明治の気骨のある政治家の出現が急務だ。私は、日本再生のためには、国際競争に勝つための枠組みが最も大切だと考える。福祉を優先することではない、40人学級をつくることではない。日本の大和魂を引き出し、世界に雄飛できる日本人を多くつくることだ。ちょっと待て、それは、軍国主義に戻ることじゃないか。確かに「大和魂」などと言い出すと、直ぐそれを心配する者がある。私が言う国際競争は、「武力制圧」ではない。日本には、余りにも例外が多すぎ、日本は国内では普通に走っている積りなのか知れないが、世界的には「ケンけん」で競争している。早く、これに気付け。そして、全面的に「世界標準」を取入れ、普通の国内競争が、そのまま国際競争にも繋がる制度を創れと主張していのだ。全貌は、私のブログに書いてある。ついでに言うと、先に言ったように「9条は死守」すべきだ。尤も、中国には、こんな好戦国家に対しては、強く国防意識を持たねばならない。
4、選挙制度の改革‥‥常に新しい殻ができるように
新聞でもテレビでも、新人(救世主)よ出ろ、煩いくらいにこう言う。それだけ、日本の政治は停滞している。だが、政治の中枢は、都議選の結果で見たように、ほとんど変わらなかった。政治のドンは、依然として健在なのだ。国会となると、10選議員までいて、国家改造は、百年河清を待つ状態だ。なら、どうして、「河清」を創り出すのだ。
新聞、テレビでは、古参議員が落選すると、長老・巨星が落ちたという。80歳を過ぎて元気な者もいるが、60歳を過ぎると、日頃頭の訓練をしていない者はボケが始まる。10選もした古参議員は早く引退させた方がいいのだ。だが、今の選挙制度によれば、大抵は、一騎討ち制度だから、新参者では、よほどの事がなければ古参には勝てない。勝てない理由は、無名だとか、経験不足だではない。古参者は、「地域の利益体制」の全権を掌握しているからだ。こんな談合・汚職体質は早く一掃せねばならないが、彼が権力を握っている以上どうにもならない。変わる時は、今次の千代田区の場合のように、民主党に風が吹き、しかも、新人で格好いい若者がいる場合に限られる。別の例で言うと、青森県の藤川ゆり、小渕恵子と言ったところだ。小池百合子もこの中に入るだろう。
そう、ただ、党別当選者の比率が変わるだけでは、政界は刷新されない。どうしたら、党間比率は変わらなくても、党間比率を含めて、党内人事の刷新ができるか。私は、かれこれ、10年も考えた。そう、それが、「くじ加味選挙」だ。
党間の比率は、「選挙投票」により変更し、人事刷新は、「神の手(くじ)」によってしようというのだ。尤も、これは、同時に行う。そのためには、大選挙区で、選挙活動は何でもありに近い形で行う。詳細は、私のブログに書いてある。
|
ある批評では、共産党は、民主党への期待が大きすぎたので、それに食われてしまった、とありました。
その通りでしょう。何で党勢は伸びているのに議席は半減するのか。やはり、選挙制度に問題があるでしょう。
そこで、共産党に提案します。
自分たちの当選者数を多くするには、私の「くじ加味選挙」案に賛成するしかない、と。
いや、共産党は、「政党別選挙で、完全な比例代表制」が最善だというでしょう。だが、この制度では、「政党を仕切るドン」が落選する可能性はなく、木端が入替わるに過ぎない。これでは、党の近代化はあり得ないことを知るべきです。
続けて次のくじ加味選挙の構想も読んでください。
2009/7/14(火) 午前 10:04 [ 出野行男 ]