日本の再生と国際化を考える

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企業の海外進出(逃亡)、法人税(利益)はどうなったか


 2000年頃、日本は、銀行が倒産するほど景気が悪くなった。その悲鳴たるやすごかった。製造原価を下げないと会社が潰れる。これから、企業の海外進出つまり海外逃亡が激しさを増した。我(わたし)はその頃中国に居り、余りの激しい中国進出(逃亡)に驚き、日本での産業の空洞化を心配したものだったが、その心配は後年当たることになった。これが、小泉日本破壊改革の爪痕だ。

 日本から企業が消滅すると、政府に入る法人税も減る。その減りようは、恐ろしい。1990年頃の日本は、バブル景気の最盛期。そのときの法人税は、26兆円。その後、2005年頃から大会社は空前の利益を出し、バブル景気を超えたのに、法人税は、却って14兆円位に縮小した。12兆円の減少だ。何で、法人税が減るのか。正にこれが小泉破壊改革の本質だった。
 その原因は、一つは、法人税の税率の引下げで(37→30%)、もう一つは、中国逃避企業が得た利益は「見なし納付制度」で日本で法人税を払う必要がなくなったことだ。後者については、批判が集中した。日本の職場を潰し日本を破壊に導き、労務が10分の1の中国に逃避して大もうけしているのに、何で減税・無税だなのだ、との批判だ。確かに、その会社がそのまま日本で経営を続け手入れていれば、当然、法人税の減少なんてあり得ない。今後、日本の国家財政は、倒産に喘いでいる国内企業が負担することになるなんて許せない。当然のことだろう。

 なら、この辺りは、どうなっているのだろうか。詳しく見てみよう。



1、日本と中国の税制の関係‥‥日本に納める法人税は、中国に払った残りだ


 海外進出した日系会社の法人税は、現地で得た利益(1億円と仮定する)に対する法人税を現地(相手国)で納ると、納税後の利益を日本に持込む。その後、現地利益(1億円)に対する日本法人税を計算し、日本の法人税が高ければ、その差額を日本政府に納めることになる。例えば、中国に進出した場合は、中国の税金のおこぼれをもらうことになる。

 こんな税制では、日本は丸で植民地的ではないか。だから、国民の立場からは、日本国庫への納税はまた別の基準によるべきだ、と言いたい。だが、企業の側からは、中国で納税し、日本でも納税するのは、二重納税で不公平だ、と。確かに、理由がある。どうするかは、日本国家の法人税制による。現行税制は、企業の言い分を百%聞いている。
 ということだ。そこで、先に日中両国の法人税制度を見ておこう。

 中国法人税:
  国家法人税 30%
  地方法人税  3%  → 合計 33%

 日本法人税:
  1999年まで 37%
  それ以後    30% →(7%の減税)

 従って、中国進出企業は、日本国庫への納付は
  1999年以前:4%
  2000年以降:0%

 中国進出企業は、日本から逃避することにより、膨大な利益を上げているのに、中国に納税したというだけの理由で日本国庫へは一銭の納入もしなくていいのか。この点が大いに問題なる。




2、見なし納付制度‥‥中国その他の国で減税してもらった分は、日本で納税したことになる制度。


 前項で見たとおり、2000年以降は、日本の方が法人税が安いので、「見なし納付制度」を適用しなくても、日本法人税はゼロになる。
 だけど、「見なし納付」を適用すると少し様子が異なる。2免3半で中国で納付したことにしてもらったものだから、その分は、実際には納税していないので、見なし納付制度がなければ、日本で納付義務が生じるはずだ。
 例えば、1億円の利益が生じる。2免3半制度を適用すれば、中国での法人税はゼロ。その利益を日本に持ちこめば、日本の法人税は、3千万円(以前なら、3700万円)かかる。これに「見なし納付制度」を適用すると、中国で免税された3000万円が「納税した」と見なされて、日本では一銭も法人税はかからない。多くの事業者が、国内企業なら、同じ1億円の利益に対して、日本なら3000万円の税がかかるのに、逃避企業には一銭の税金もかからないのは不公平だと言って怒るのだ。ちなみに、国民からは、当然国庫に入るべき3000万円が何故入らないのだ、俺たちには、その分が消費税の加算になって覆い被さろうとしていると言って怒る。

 なら、この種の免税による企業の受ける利益はどれだけあるか。これには統計はないから、合理的に推定するしかない。
 次のような前提を置く。小泉改革の5年間で、それまでと同じ数の企業が海外逃避をした。その結果、日本企業の海外生産比率は70%になった。ここまでは、企業の海外生産比率統計からその概算が分かる。これは、トヨタ、日産のような巨大装置を必要とする企業の例で、松下(パナソニック)、ソニーのような軽装置産業企業は、更に高比率で海外逃避がおき、その比率は80%に達する。疑問のある人は、調べていただきたい。企業の内外生産量を示す統計だ。

 さて、中国(他の国も大同小異)に、2000年以降どれだけ企業逃避があり、そこで、どれだけの税が減免されたか。2免3半制度と、免税の延長で、その額の計算(推定)は非常に難しい。大雑把に言って、60%程度が免税の恩恵を被っているだろう。これを合理的に推定する統計はない。ただ、上海地区の日系企業進出が年数百社という速度であることから、我(わたし)はこう推定してみた。尤も、逃避企業の追加数が少なくなれば、中国政府への納税額が増え、免除率は減る。
 2000年以降、逃避企業が、バブル期以上に企業利益を上げたのは、法人税が以前の37%から12%(←30%0.4。中国への納入分)程度に下がったことが非常に大きく貢献している。

1億円の力がある場合の法人税の納付状況(単位万円)
     収入   中国納付  日本納入 : 国内企業
計算額  10000   3000          3000
減免後          0
見-納付              (3000)
(現納)                0     3000
全納付額       3000     0     3000


2免3半の適用率が6割あるの場合(万円)
     収入   中国納付  日本納入 : 国内企業
計算額  10000   3000            3000
減免後         1200
見-納付               (1800)
(現納)                 0      3000
全納付額       1200     0      3000

 この表から分かるとおり、逃避企業の全税納付額は、3分の程度に減額される。


3、法人税の半減の理由‥‥いずれにしても、企業の外国営業による税はなくなった


 バブル経済の頃の法人税は、26兆円、それから景気は良くなったのに法人税は14兆円にまで下がってしまった。この12兆円の差額は、法人税を37%から30%に下げたことと、「見なし納付制度」による。
 見なし納付制度による企業の利益はどれだけあるか。それには、簡単には計算できないので紙上思考によって計算してみる。企業の逃避率にいろいろな段階を設けて、法人税の増減を調べてみて、減収分が12兆円程度になったときがその逃避%になる。

 逃避率が30%の場合は、国内残存率は70%となる。この値に減税分30/37(→0.81)を乗じれば、現在の法人税の税額が出てくる。
 例えば、こうだ。 
  逃避率30%   減税前の税額       法人税納付額
  26兆円×0.7 → 18.2兆円  (×0.81)→ 14.8兆円

 逃避率30%ならば、法人税の納付額は、14.8兆円位になるはずだから、現実の12兆円とは差がある。だから、逃避率を40%、50%と上げて法人税の納付額を計算してみる。

30%逃避 26×0.7×0.81 → 14.8兆円の日本法人税の減収
40%逃避 26×0.6×0.81 → 12.6兆円
50%逃避 26×0.5×0.81 → 10.5兆円

45%逃避 26×0.55×0.81 → 11.6兆円
 この計算から、日本企業は、今までに43%位が海外逃避したことが分かる。

 そして、この企業が、見なし納付制度で受けた利益は、次のようにして計算できる。12兆円分に相当する利益は、税率は30%(日本)から、40兆円だ(←12÷0.3)。これに、中国で2免3半が60%の収入に適用されると推定すると、その額がそのまま、日本への見なし税額となり、日本での納税はゼロになる。これから、中国で、減免措置を受ける額を計算してみる。

 中国での利益   40兆円
 30%の税額    12兆円 ‥‥その企業が在日本企業なら12兆円の法人税
 中国納付      4.8兆円 ‥‥減免措置により、12兆円が4.8兆円になる
 2免3半       7.2兆円 ‥‥実際の納税はないが、この分が日本納入となる
 日本納入      0兆円 ‥‥中国で減免がなくても、日本納入はゼロとなる

 以上より、2000年以降「見なし納付制度」で、海外進出(逃避企業)が得た利益は、7.2兆円(→7兆円)だ。
 

4、日本企業の法人税(利益)の総まとめ


 小泉日本破壊改革の結果、日本海外逃亡企業は、法人税の減税(37→30%)と「見なし納付制度」により、空前の利益とともに、空前の減税利益を受け(年7兆円)、その結果、日本国庫に入る法人税はゼロになった。
 なんと凄い利益。大企業で海外進出しない企業はなかった。2000年頃の海外進出率ははっきりとは分からないが、最近(2008)では、全体では40%以上(先に計算)に達した。特に、自動車工業は70%、家電では80%も海外逃避したのだ。
 それらの企業は、日本(30%)と外国(中国33%)の法人税は、日本の方が安く(差額を支払う)、外国政府に納入した後は、日本政府に納入する税は1銭もいらず、逃避企業は、日本企業と日本国民が苦しむの横目で眺めながら、仲間内でほくそ笑んでいる。
 日本は、沈没する。その財源は、日本国民にかけられる消費税だ。となれば、いからぬ国民はいないだろう。

 海外投資企業の「見なし納付制度」による利益  7兆円/年
 日本法人税の減税による利益            5兆円/年
 合計:バブル期頃と比較した逃避企業の利益  12兆円/年

 平均海外逃避度 40%
 自動車       70 ‥‥自動車が安くなった方がいいか
 家電         80 ‥‥家電が安くなった方がいいか

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計算するのに苦労しました。

海外逃避会社は、外国で儲けた分には法人税はかからず、その商品を日本に逆輸入すると、中小企業を始めとして多くの企業をつぶしていく。これらの企業は、労務費の安い製造費と日本で法人税も払わなくてもいいなんてな状態では、まともな競争はできない。

みんな、現行の法人税制度には、怒ろう。

2009/7/31(金) 午後 2:49 [ 出野行男 ]

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くだらないガラクタ作って売ってるから必然的に潰れるのだ。

国内でいいものを作りまともな商売をしていれば、どこで作ろうが需要は絶えない!

そもそも根本的問題が違うのである!怒

目先データバカ(マニュアルバカ)は、よく無意味なデータに振り回される。

意味も真偽もわからずひたすら無駄な情報を詰め込んできた高学歴受験バカどもの特徴である!ほんと社会公害である(激怒!)

2009/7/31(金) 午後 3:09 [ 高卒賢者様参上w ]

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>高卒賢者さん、ほんと、おっしゃる通りですよねぇb

2009/7/31(金) 午後 3:10 [ 通行人名無し ]

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皆さんの話をざっと読みましたが

ちなみに、財源確保は簡単である!(笑)

,蹐な仕事をせず、ただ税金に寄生しまくっている無駄なクソ公務員どもをすべて削減、その年間の人件費。

▲ソ官僚に天下り癒着した悪徳売人・企業・教育機関・各天下りクソ協会どもが国民をだまし儲けた収益&財産すべて没収。
更にその慰謝料弁償費用をすべてかき集めれば、たちどころに巨額の財源確保となる!!!

要するに、
クソ官僚やその天下り企業・癒着クソ大学ども(国に蔓延って散々悪さをしている独裁官僚ども)を全部殺して財産を取り上げ、強制労働させれば国民全てに必要不可欠な財源(医療費や福祉・生活保障費などの財源・その他の財源)は簡単に確保できるだろ!!!怒

結局、クソ官僚どもがテメーらの悪徳クソ利益確保のために、能力ある正規の人材や一般層・貧困層にのみに財源負担を負わせまろうとしている.ということである!

国に蔓延る巨大なマイナス要因「公害ゴミ官僚」どもを皆殺し死刑あるのみである!怒

2009/7/31(金) 午後 3:13 [ seigi1 ]

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悪い要因をすべて排除し、本当に必要なもののみを取り入れる。

それによって全体が自然に潤う。

いわば物資・エネルギー循環のメカニズム(必然性)そのものである!

極めて初歩的・根本的問題である!

政治家・官僚どもは、ななぜそれをごまかすのか(笑)

2009/7/31(金) 午後 3:13 [ seigi1 ]

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教訓b

本当の敵は、相手の党や派閥ではなく、
自分たち組織の中で虫食ってきた老害どもや新たに寄生し蔓延ろうとしている寄生虫どもだという事ですねb

組織の寄生虫は、周囲はもとより、その組織そのものを食い荒らしているのですからb

2009/7/31(金) 午後 3:14 [ seig1 ]

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たしかに、いつの時代もどの組織も貢献している人間はごく一部!

党や派閥争い以前に、
それぞれの党の害虫どもを消すことが重要だという事ですねb

2009/7/31(金) 午後 3:17 [ 納得b ]

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老害や便乗してくる新たな寄生虫議員官僚どもがすべての癌(悪の根源)である。

2009/7/31(金) 午後 3:19 [ aja ]

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出野さん、御苦労さまです。みなし納付制度を抜本的に廃止する必要がありますね! それと勿論、税金泥棒をしている悪徳官僚・特殊法人などの整理、撲滅が必要です。
中国の「2免3半制度」を、もう少し詳しく教えてください。

2009/7/31(金) 午後 4:04 [ yajimatakehiro2007 ]

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矢島さん

2免3半とは、中国に投資して企業活動をしたときは、最初の2年は、法人税の全免、後の3年は半分にするという制度です。
単純じゃありません。これに、資本の引上防止、再引上げを促すために各種の優遇措置がついています。5年目に一定の再投資をすると、3半時代に払った法人税が還付されます。その額は不明ですが、元の投資の5倍くらいだったとの記憶です。
第2は、特許権付きの技術を持ってきた場合です。これによる優遇措置は、かなり大きいです。等級が分かれています。技術の重要性を知っていて、この技術で作った製品を世界に売りたいと考えているのでしょう。

ここに書いた内容は、大連への投資を解説したパンフに書いてあったものです。
なお、中国は、1994年には、日本を標的としたとも思える消費税制度を導入します。何で、製造業の税率が17%で、国内産業には、約半分の還付税があるのですか。

2009/7/31(金) 午後 9:41 [ 出野行男 ]

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日本国内での企業活動に対しては法人税が当然かかると思いますが、基本的に海外での企業活動に対しては日本の法人税はかけなくてはいいんじゃないんですか。法人税はふんだくるのが当然という論調なので、税とは何?という観点でふと疑問がわいたもんですから。日本での企業活動ならば、道路とか港湾、空気、水など日本のあらゆるインフラを使用するわけなんでその対価として税を払うべきだとは思うんですが。消費税などで還流してきた金に税を課すのはわかります。法の精神からはどう考えればいいんでしょうかねー。まあ金がないんで取ったほうがいいには違いないんですが。
それに企業が逃避するという考えも理解できませんね。企業悪者説ですね。日本の自治体も企業誘致のため各種優遇措置を講じています。海外でも同様企業を誘致して、多くの人々に職を与え、税収を得、経済を活発にさせようとしていますね。これ競争だと思います。

2009/8/27(木) 午前 7:34 [ jwy*f*79 ]

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ジュワイさん、

個人でも企業でも、社会にある物は、個人的存在であると同時に、社会的存在です。組織が大きくなればなるほど、社会性が大きくなります。

企業が儲けが少なくなったといって外国に行くのは自由です。ですが、巨大企業が日本から無くなれば、巨大な職場が無くなります。それを国家・社会・地域住民は、ご自由にと言って見送っていいとは言えないでしょう。企業には、社会的責任があるからです。

海外移転そのものは、「責任放棄」だけで済みますが、海外で作った物を日本に持ち込む行為(逆輸入)は、日本に害悪を与えます。日本の同種の企業を倒産させるからです。産業の空洞化は、この二つの力で1985年頃から日本に凄い経済縮小をもたらしました。今では、日常の電気製品は、国内自給率は20%程度にまで落ち込みました。

企業の海外進出は、単なる「進出」ではなく、日本に向かって「弾を撃つ」結果になっています。これらの一連の効果は、正に「海外逃避(日本への逆襲)」となるでしょう。

2009/8/27(木) 午前 7:51 [ 出野行男 ]

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こんな馬鹿なことをするくらいなら
南米の日系人を大量帰国させて
日本で生産したほうが良い。
経済を知らない、日本の政治家は
米中の言うなりになって
ぺこぺこ頭を下げて
日本の富を米中に巻き上げられてきた。
駆け引きのできるしたたかでずるい政治家が必要だ。
それには輸出産業の技術者出の経営者が適任だ。

2009/9/15(火) 午前 5:29 [ 悲歌慷慨 ]

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悲歌さん、

日本の「富」を米中に巻き上げられている、との部分は正論です。その対策は、私は、別の考えを持っています。

2009/9/15(火) 午前 10:02 [ 出野行男 ]


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