日本の再生と国際化を考える

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2009,選挙総括と今後の課題

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1、政権交代選挙の結果と今後の課題


 今度の選挙は、「マスコミ」に「政権交代なるか」と引っかき回され、翻弄された国民が、小泉国家破壊改革によって、国土と言わず、職場と言わず、生活に至るまで惨憺たる状況に追いやられ、もがき苦しみ、民主党に入れればこの生活苦から逃れられるのかと思わせた選挙というに尽きる。
 なぜならば、国民は、4年前、小泉に、「郵政民営化」が日本の行政改革の原点だと騙され、大量の「小泉子分」を作り出したばかりだというのに、たった4年で国民感情なんか変わり得ないはずない、それなのに、それを起こしてしまったからだ。もう一つ、自民党の政権公約と民主党を比べてみると大した差がないのに、何で、自民党から民主党へ選択を変えねばならないのか。

 ちなみに、小泉は、自民党に、通常状態から80人も議員を増やす296議席を獲得させ、公明党と併せれば320議席を超える絶対多数を得させた。かと思うと、今次は、民主党だけで307議席、連立予定政党の議席を入れると325議席の大勝という結果をもたらした。その出入りは、自民系190減、民主系180増、出入り差370という大変化だ。地球がひっくり返ろうとも、候補者が声を涸らそうとも、こんな370議席という大変化は起きえない。なら、マスコミが誘導したとしか言いようがないのだ。小泉の起こした大変化の4倍以上の超大変化であることに注意せねばならない。連日連夜40日の吹込みでは、国民もいつの間にやら、これが日本の潮流だとしか思えなくなったのだった。

 こんな変化を国民は望んでいるのか。仮に、これから民主党政治が失敗ならば、次は自民党へということになる。こんなシーソーゲームでいいのか。前回の小泉の時は、比例区の票が余りすぎて、自民票で、社会党の議員が1人出るこことになったが、今次は、民主票(みんなの票)で、自民党、公明党議員が3人も出ることになった。これが民主選挙と言えるか。

 なら、選挙はどうあるべきか。少し考え直そう。



1、真の争点は何だったのか
 大きく分けて3つあった。

   1、全国家債務1200兆円(新党日本資料)にも膨らんだ債務をどうするか。
   2、小泉国家破壊改革で破壊された国土と国民をどう救うか。
   3、ずるずる、ずるずる落ちていく日本の国際競争力をどう解決するか、だ。



 順次、意見を述べよう。


2、天文学的国家債務1200兆円への概観


 現在日本の国家債務は、国債が860兆円、地方債200兆円ほど、鉄道・道路・林野公団等の保証債務(間もなく国民負担になる)が150兆円ほどだ。
 最近は、債務が余りにも多くなりすぎたので、マスコミが官僚に気にしてか国債残高しか言わないが、いずれ国民が被らねばならなくなる債務は、1200兆円に達するのだ。

 ところで、この債務、償還できるのか。今の国家破綻状態では百年たってもできない。それどころか、この調子ならば、百年後には、3千兆円にも膨らんでいるかも知れない。
 いや、自民党は、景気が上向いてきたら、消費税を上げて償還しようなんて言っている。だけど、今の日本の経済状態、日に日に国際競争力が落ちていく状態で、上向く可能性なんてあり得ない。それどころか、急速な少子化と老齢人口の増加で、生産年齢人口(15〜65才)が減っている。経済の上向きなんて、夢でも見ているのかという状態だ。
 ある者は、外国人労働者(奴隷労働者)を1千万人くらい移民させようと言うが、そんなことをさせようものなら、6分の1は、外国人支配の職場になる。戦前の日本の傀儡国・満州国の歴史を見てみよ。わずか百万人の日本移民(農民と軍隊)によって中国・東北人(現在1.1億人、当時は、多分4千万人程度)が支配されていたのだ。両者の単純比較は出来ないが、冗談にもそんなことを言ってはならない。

 今後、この国家債務はどうなるか。来年度は、国債の利子だけで22兆円必要だという。今年度は、国債発行額45兆円で、これは国家の税収を超え、国家収入の2分の1を赤字国債に頼ることになった。これは、世界最悪状態だ。うち、真水の赤字は25兆円くらいだから、今後、今の状態が続けば、2兆円くらいずつ利息が増える。そして、現状維持を続けるとすれば、国債発行高は、来年度47兆円、再来年度49兆円という調子になる。十年もすれば、国家歳入の3分の2は、国債の利子償還ということになる。こうなったら、もうお仕舞い。元本償還なんて思いもよらない。これだけは避けねばならない。なら、バラマキは、止めねばならない。
 この点は、イタリアのベルルスコーニ首相の手法を真似よう。彼は、そうして、念願の欧州統一貨幣ユーロに加入したのだ。やればできる。

 今の生活が苦しいと言っても、可能な限り債務圧縮は必要。大阪府知事の橋本徹、長野県の元知事田中康夫、彼らは、迫り来る日本の危機を出来るだけ防ごうとした模範知事だ。まず、国家は、これらの知事の業績を評価しよう。民主党は、やりくりをして15兆円ほどの資金を捻出すると言う。そして、それを国民にバラ撒こうとしているが、現実の国家破綻をよく見なければならない。麻生太郎の「定額給付金」なんてな意味不明のバラマキは絶対にやってはならない。

 全体として、どれだけ始末できるか。それは、やってみないと分からない。後で、大雑把な見積もりをしてみる。


3、国家破壊者(外国逃避企業)に、復興負担をさせよ


 そもそも、日本経済にガタが入り始めたのは、1973年の円の自由化(変動相場制)による。円高になったために、緊急避難的だということで1974年から赤字国債を発行し始めた。
 円高は、日本通貨の国際評価を上げることだから悪いことではない。つまり、日本の商品が外国に高く売れ、外国商品が安く買えることだから、どう考えても悪くない。しかし、悪い面もある。日本製品が高くなり、外国で売れなくなることだ。そうすると、高くなった商品をそのまま売るか、日本国内の産業を合理化して製品を安くするか工夫するかする必要がある。
 日本は、合理化する道を選んだ。そうすると、ますます円高が進み、ますます国内の合理化が必要になった。ここから、中小企業の悲劇が始まる。賃金が日増しに削られ、また、多くの中小企業が倒産していった。で、ここで円高が止まったか。止まらなかった。とにかく輸出を続けねば日本企業は持たないと輸出は続いた。これから先は、止めどない円高と合理化の連続だった。

 円は3倍(120円見当)になった。もう、合理化はできない。なら、製造は、外国でしよう。ここから、日本企業の海外進出が始まる。この一連の日本企業消滅現象を産業の空洞化と呼ぶ。1985年頃からの話だ。
 外国(中国)で生産し、それを別の国(米国)に売れば、直接的には、中国にドルが貯まり、円高は進まない。円高は一服した。とは言え、円高の最高値は80円で、1995年に起き、その時政府は巨額のドル買いを進めて日本の輸出企業を救った。
 日本の輸出は、その後も収まることなく続き、はっきり言って、労務費の安い中国と競争しようとするから、日本人の労働者の賃金が減り続けた。賃下げには、労働者の大きな抵抗がある。マスコミと組合が騒ぐ。日本企業は、思うように賃下げができず、次第に経営が苦しくなった。更に労務費を下げるか外国に逃避するしかない。2000年頃にはこういう状態だ。この時の日本企業の苦しさは、安定形容の代名詞のように言われる銀行まで潰れる惨状から分かる。山一証券破産、北海道拓殖銀行破産、その他市中銀行の破産、信用金庫・組合の破産だった。
 この時出てきたのが、小泉純一郎だ(2001)。小泉の政策は、日本人労働者の奴隷化(日雇い労働者の増加)と企業の海外逃避の奨励だった。日本企業は、雪崩を打って中国へ移転した。ええっ、それなら、ますます空洞化が進んだのじゃないか。そう、進んだ。電気製品企業は、8割までが海外逃避した。電気製品は、いくらでも安くできた。とにかく、労務費が10分の1以下だ。まだ、お負けがついた、中国で特別減税してもらったその金額が日本で納税したことになり、法人税の全体としての税率は、国内企業より遙かに安く、60%くらいになった。なら、大企業は、国内操業がバカらしいのじゃないか。そう、だから、ますます海外逃避が酷くなった。
 この一連の経済変化で日本の地方と中小企業は、ほぼ現状を留めないほど荒廃したのだ。国民が怒らないのが不思議だ。

 なら、日本を復興するには、どうしたらいいか。勿論、海外逃避企業には、企業の社会的責任を課すべきなのだ。原因者負担の原則だ。企業にも海外逃避の自由があるなら、政治は所得の再配分を行うもので(泥棒に銭をやるのじゃない)、それとの引替に国家はそういう企業に課税すべきなのだ。
 どれだけ課税すべきか。国内企業が同等に競争できる程度に。だが、その程度は分からない。なら、私は、当面、法人税を2、3%上乗せするところから始めたらどうかと思う。日本企業の国際競争力が落ちるが、いいのか。落ちても仕方がない。日本国民とその職場を保護することの方が大事だ。自殺者3万人は、元の社会主義国(ロシアを初めとする東欧諸国)に次いで率が高く、世界10位くらいだ。ちなみに、中国の率は、ちょうど日本の半分ほどだ。これを見れば、どちらが大事か論ずるまでもない。今日は、ここまでにする。

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2009/9/1(火) 午前 2:15 [ 出野行男 ]


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