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2、政権交代選挙の結果と今後の課題
4、国家破壊品輸入品業者に産業振興税(実質・輸入品消費税)を出させよ
日本産業を疲弊させている重大犯人の一人が、安い外国の製品。農産物、海産物などの一次産品、一般電気製品だ。40年前の日本が工業国(生産国)だった時は、農産物、石油の輸入は考えられたが、工業製品の輸入は考えられなかった。工業製品を売って、その利益で日本人の生活を守っていくのだと考えていた。
ところが、1973年の円の自由化から、工業製品は、外国の物を買った方が安くなったのだ。最初は、扇風機だった。韓国製の物が半値(7、8千円)で入ってきた。こんなに安くては、日本の家電会社が生きていけるのかと思われた。勿論、それから、国産扇風機は消滅した。大変な時代になった。だが、その扇風機は、今では、3千円もしない。韓国でも、こんなに安くはできない。東南アジア諸国で作られる。
まさか、中国から電脳が輸入された。おい、その電脳は動くのか、などと揶揄されたが、今では、ほとんどが中国製。最初、200万円した電脳は、30年で、機能は、当時のウン百倍、ウン千倍のもので、15万円ほどになった。値下がり率は、ウン万倍だ。いや、ウン十万倍、ウン百万倍かも知れない。
こんな時代になると、日本での電脳生産が無理になった。この分野は、完全な国際競争。1円でも安く作らないと、競争に勝てない。日本電脳会社は、次々と中国を初めとする東南アジアに工場移転(逃避)した。大体8割が逃避した。いや、もう逃避しないと世界競争に勝てないのだ。
考えてみれば、電脳製品が安く出回るようになった30年前は、記憶装置の80%までが、日本の工場で製造していたのが嘘のようだ。当時、日本は、今の中国のような立場にあった。それが、今や、記憶装置の大半が韓国に移った。そして、間もなく、中国に移る。
だが不思議、中央演算装置(インテル)と電脳操作基本ソフト(マイクロソフト)は、一貫して米国。米国は、その技術を完全に封印して、世界のどこにも移転しなかったからだ。日本とは、大きな差だ。それどころか、日本の電脳会社は、次々と米国のいいなりになり、当時、日本でも、これらの技術開発の目があったのに潰してしまった。その結果、電脳の基本部分は、米国に技術独占され、好きなように利益を吸取られている。この30年は、情けなの30年だ。
これでは、済まなくなった。中国製の電脳が日本に上陸してきたのだ。値段は、日本製の3分の2程度で売られている。まだ、技術に信用がなく、それほど浸透はしていないが、中国が米国IBMを買収して、米国技術を取入れてからは、その信頼性は急速に上がっている。
日本の関税は、平均して1%程度。外国から見てば、日本輸出への障壁はないに等しい。安くて、信頼が置ければ、どんどん入ってくる。入ってくるだけではない。入る分だけ、日本の工場を潰していく。電脳だけじゃない、通常の家電が怒濤のように入ってくる。このまま放置してもいいのか。
消費者は、日本の製造者の名があれば、安心して買う。品質が安定し、安ければ安いほどいい。なるほど、消費者にとってはその通りだ。だが、消費者は、その一方で、工場労働者でもある。工場は、産業の空洞化で、どんどん潰れていく。そうなれば、ますます安価な商品に手を出していく。こうなれば、日本の工場は雪崩を打って亡くなっていく。工場が亡くなっては、いくら製品が安くなっても無意味だ。
なら、どうしたらいいのか。外国製品と日本製品が平等の条件で競争できる環境にするのだ。特に、先に話したように、日本国内企業は、労務費高、経費高では、競争にならない。何で、国内産業が、外国産業より不利な条件で競争せねばならないのだ。当然ながら、政治力により、これを平等にせねばならない。
尤も、保護しすぎると、その分野の産業は、技術革新の努力を怠り、国際技術水準から遅れてしまう。だから、国内企業の保護は、限度を超えてはならない。この点で、日本が最も外国に後れをとったのが、米の生産だ。米作は日本の命だと思ったが、小売価格が外国の10倍にもなるようでは、競争を回避した過保護の世界に過ぎない。
工業製品の世界では、日本は、世界と裸の競争をしてきた。そのため、中小企業は、ひどい低賃金に悩まされた。だが、それも競争しようという意思のある間だった。東南アジアの賃金が10分の1、20分の1では、逆立ちしても競争できない。米作は過保護、工業は過酷競争。日本国内企業に何らかの保護が必要なのは明らかだ。
通常は、調整は関税で行うが、もはや関税を5%上げるとか10%とか上げればいいという段階を超えている。
なら、どうするか。世界では勿論、自由貿易を標榜する米国ですら、国内産業を保護するため、ありとあらゆる手段が採られている。その代表は、部品の50%国内生産、更に、工場操業まで輸入国でせよという例もある。日本の自動車会社が何で米国に出て行くのか、あるいは、日本の機械会社、化学会社が何で欧州に出て行くのか、と思っていたら、現地生産により少しでも現地の労働現場を増やすためだった。
それに対して、日本はどうか。よく経済論客は、外国からの投資環境が悪いのは、日本は法人税が高いからだとか、賃金が高すぎるからだとか、はたまた、高速道路が高いからだ、郵便料金が高いからだと言った。これは、正しいのか。間違いだ。多分これらは、企業が、安くして欲しい日本料金を列挙したものだ。何故ならば、外国企業は、日本で操業するより労務費の安い所の方がいいのは当然の理だし、日本に輸出するのに何の義務もないなら、敢えて日本進出など考える必要はないからだ。
ここから考えれば、日本に、日本雇用を守る意思があるならば、外国企業に、外国並みの義務を課してもいい。だが、何故そう主張しないのか。バカなのか。違う。米国に頭が上がらない日本の政治家・企業・論客が、米国に対して日本国益を主張できないからだ。圧力に抗してそんな主張をするよりは、しわ寄せは中小企業にすれば済むことで、敢えて火中の栗を拾う者がない。企業献金の本質から、これが導かれる。
なら、具体的には、どうするか。私は、末端課税で消費税と同程度の「産業振興税」という税目を設定し、この場合、日本の中小企業、ある特定業には、この税を免除するという方式で課税するのがいいと考える。実質「輸入品消費税」を設定するのだ。
そんなことをすれば、外国が、関税の引上げだと噛みついてくるだろう。だが、それをはね除けるのが政府の役目だ。それが、政府の国民に対する義務だ。お前の所だって、現地生産の義務を課しているじゃないか、と言え。小泉改革では、その義務を放棄するどころか、先に述べたように全く正反対で、国内企業と国民に奴隷並み負担を強いたのだ。
さて、具体的にどのように「産業振興税」を実施するか。これは、最近の「リサイクル法」による資源回収制度を真似るとよい。つまり、輸入品の規格(いや、正確には、全ての製品)と小売り金額に合わせて税額を設定し、商品取引時に誰かに負担させる方式にする。税額は、現行消費税の5%と大体同じにする。税収額は、8兆円程度になるはずだ。
この網にかかるのは、輸入農産物、輸入工業製品。これらの物の値段が実質10%の消費税になるが、これでいいのか。
日本国内生産者は、これにより出荷金額を最大5%上げられ、実質利益で言えば、最大15%伸ばせる。生産者が文句を言う道理はない。だが、消費者は困る。消費者の言い分を聞くか。この措置は、自分たちの職場確保との交換になる。何の見返りもなく消費税の値上げ目論む政府や経団連の計画とは根本的に違う。なら、国民は、諸手を挙げて納得するはずだ。
ついでに言うと、こうして増収になった税は、それこそ民主党主張の国民福祉に回してもいい。まさに、これが世直し税になる。「産業振興税」こそ、日本再生の大きな柱だ。
5、それでも足りねば、法人税を元へ戻せ(30→37%)
日本の赤字国債は、半端な金額ではない。現在45兆円くらいで、この調子で借金を重ねたら、10年後には、6、70兆円になる。こうならないためには、現在の税収を、最低でも10兆円は伸ばす必要がある。どうするか。
小泉国家破壊改革が始まってから減税が多くなったが、その対象は、(外国逃避の)大企業と高額収入者ばかりだ。この減税が、日本を破壊に導いている原因の一つだ。国民が輸入品に5%増税するのなら、小泉恩恵受益者にも応分に負担させるのは当然だ。
具体的には、法人税を30%から以前の37%に戻すべきだ。37%の税率は、大体欧州の税率と同程度だ。ドイツは、これより高く、これでもやっていけるはずだ。39%くらいのはずだ(税率は常に変化し、なかなか確定した数が言いにくい)。ちなみに、日本の以前の税率は50%、今の中国の税率は33%。今の日本の税制では、外国進出企業からの徴収は、外国税率と日本税率の差額だけが、現在は中国の方が高税率だから、進出企業からは一銭だって税は取れない。これには、さすがに違和感が強い。こうすることによって得られる増収は、3兆円程度だ。
それと言い忘れているが、「見なし納付税」制度は直ちに止めねばならない。何で、国内企業と日本国民に迷惑を掛けている「進出企業」に、日本国内企業より安い税率にしてやるのか説明がつかない。この額は、5〜7兆円あるはずだ。霞ヶ関の埋蔵金が50兆とか100兆円だと言われるが、これは残高で、毎年埋蔵金が出てくるわけではない。見なし納付制度では、毎年5〜7兆円の増収で、この額は見た目以上に大きい。
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