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7章 さあ、実践しよう
1、学習の仕方
この章から、今までの理論に基づいて実践してみよう。この章の教材は、「小1の教科書」の例文を使うことにする。皆さんは、小1でもこんな難しい漢字を使っているのかと驚くはずだ。中国は、平仮名がないから、どうしてもこういうことになる。だから、漢字の習得は、非常に速い。日本も見習うべきだ。
日本の昨今の状況を見ていると、平仮名ばかり、片仮名ばかり、名詞に若干漢字が使われる程度になってきた。こんな状況が続くと、日本語は「表意言語」でなく「表音言語」になってしまう。寂しい限りだ。意外や意外、漢字を多く使うと、中国語と日本語に今まで以上に共通性のあることが分かるし、中国語理解にもなる。そこで、訳語は、できるだけ日本語を使い、漢字を使って表現することにした。また、審議会通達(1981)の範囲で、できるだけ送り仮名を省くこと(←連続漢字の一語性)にした。
7章以下の物語を練習するにあたり、どのような編集にするかその概略説明する。
1、漢字には一字一字に意味があり、できるだけ語源・論理を解析するようにした。そこで、次の2節の文は、その点に特に注意した。8章からの物語文は、纏めて意味をとることにした。なお、語源は、公式の物(通説)ばかりでなく、私が創った。
2、できるだけ総論で述べた呼応語(訳語)で訳することにしたが、新しい訳語も入れた。解釈語は、できるだけ筆記用の言葉を用い、日本語訳には、実情に合わせて文章語、会話語にした。
3、どんな文でも読めるためには、白文で練習する必要がある。それを各文末に付けた。必ず練習していただきたい。
4、実際の日本語訳には、「呼応語」は要らないものが多いが、中国語読下しのためには必ず必要で、そのため、呼応語や文末語には取消線を入れることにした。
じゃ、始めてみよう。次の文は、幼児用の絵本「儿童成长大全」を題材とした。
地震中怎么求生(すわ地震、どうして生延びるか)
地震 很 可帕,
地震は① とても 怖いですね
地震は、とても怖いですね。
楼宇 倒 塌、 大批 人员 伤 亡,
建物が 倒れ ぺしゃんこになる② そして③ 多くの 人々が 傷つき 死亡する④
建物が倒壊し、多くの人が死傷します。
而且 具有 突发性。
しかも⑤ 具有している⑥ 突発性を⑦
しかも、突発性があります。
当 大地震 蓦然 而 至 时,
その事に当たり⑧ 大地震が 何気なしに そして⑨ 最高である⑩ そういう時⑪
大地震が、なんの予告も⑫なく、ドカン⑬と来た時、
我们 应该 怎样 做 呢?
我々は⑭ その時当然⑮ 一体どのように⑯ すべきか ね⑰
我々は、一体どうすべきでしょうか。
①「地震は/とは」の区別。中国語に、「は」を示す言葉はない。尤も「于」は、「その事については」の意味で、この漢字がある。ここでは、「地震 は/とは」との訳語を付けてよい。「とは」は、定義を述べる場合だ。そうすると、「地震とは、‥‥怖いものですね」のような「呼応(調子)」ができる。この呼応が、非常に大事だ。
②「倒塌」:これは、「倒壊」でいいが、漢字を覚えるつもりで、「倒れる、そして、ペシャンコになる」→「倒れて、ペシャンコ」→「倒壊する」と解釈して欲しい。そうすれば、他にも応用が利く。ここで大事なのは、「動詞」と「動詞」間には、「そして」を入れて繋ぐことだ。「動詞−動詞」と連続する時は、「そ」を省略して「て」だけにする。更に、「て」も省略できる場合がある(6章3節)。「倒れ、ペシャンコ」となる場合だ。
③「そして」:大きな意味で「動詞」が終わり次の文に行くには、繋ぎの言葉「そして」を入れてから続ける。
④「死傷します」:「死傷する」とは何か。「地震があれば、人が死傷するものだ」という「真理」を表す。こういう時は、「辞書形(原形)」で表現する。中国語は「絵」だけで、「末尾語」がないから、自分で考える。
⑤「而且」:「而」は「いくつかに分かれた物」、「且」は「うず高くなった物」、合わせて、「もう一つの物」。これから「しかも」の意味が出てくる。
⑥「具有」:「具有」は、日本語にもあるが、最終訳では、「持っている」とした。
⑦「突発性」:「突発性を具有する」でいいが、常識に従って「突発性がある」とする。
⑧「当」:「(その)事に当たって‥‥の時」と呼応させる。いきなり「事に当たって」では、日本人は馴染めないので、「そ」を前に付けて「その事に当たって」とすると、「そ」が何か分からないが、分かったような気がする。
⑨「而」:これは、⑤から分かるように、何かの対応を表す。「順接・逆接」「原因・結果」とか、何か「対」にして考えられるものだ。通常、「そして」と訳しておけば、文は下へ繋がる。時には、「であるが」としてもよい。
⑩「至」:「至る」と「到る」の区別。この対比は、「は」「が」の対比と似ていて、「至」は「観念的(主観)」、「到」は「即物的(客観)」だ。中国語にも、こんな区別があったのだ。
⑪「时」:中国語では、いきなり「〜時」と出てくる。「そ」を付けると分かりやすい。「その時」「そういう時」。
⑫「予告もなく」:この場合の「も」は強め。日本語では、情緒語「も」が頻出するが、使うか使わないか、よく考えるべきだ。この「予告もなく」は、「慣用化」されたもの。この限度に留めるのが、文を正確に書くコツだ。
⑬「ドカン」:もし、「至」を訳そうとすると、「最高になった時」となるが、不自然。そこで、「ドカン」と擬音語を入れると「至」の感じがぴったりしてくる。
⑭「我们」:「我々 は」か「が」か。「は」ならば、一旦止まって考える。そして、「それは」となり「話題」。「が」ならば、見ている感じで、下の言葉に繋がる。ここは、常識的には「我々は」だが、無理に「が」ともできる。「我々が当然すべきなのは、‥‥」。
⑮「应该」:「当然‥‥すべきだ」のように呼応する(5章3節)。将来の事を表すとして、「今から(/その時)当然‥‥すべきだ」とすると日本語らしくなる。
⑯「怎样」:「どのように」でいいが、「一体、どのように」とすると下へ繋がりやすい。一般に、「疑問詞」は、「強調形」で表現すると、意味把握に調子が出る。
⑰「呢」:「呢 ne」は、「ね」だ。意味もほとんど同じだ。中国語には、以前、多くの「助詞」があった。現在も、話し言葉には「終助詞」が着く。「ネ」「ダ」「ラ」「タレ」「ダレ」。これらの言葉は、発音も意味も日本語と似ている。こんな所から見ると、島嶼語と大陸語には共通の(感情)祖語があった、ことを強く暗示する。僅か2、3千年前のことだ。なお、中国語は、「絵文字化」する4千年くらい前から「助詞」が減ったようだ(私説)。
今学習したところを、今述べた方法で復習してみよう。
地震 很可帕, 地震とは、とても怖いものだ。
楼宇 倒塌、大批人员 伤亡, 建物が倒壊し、多くの人が死傷する。
而且 具有 突发性。 しかも、突発性がある。
当 大地震 蓦然而 至 时, 大地震が何の予告もなくドカンと来る時は、
我们 应该 怎样做呢? 我々は、一体どのように対処したらいいのか。
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常識と呼応で解釈する中国語
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