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5 将来のエネルギー考
3 石油と石炭の火力の差
石炭は、化学式(組成式)で書くとC、石油は、およそCH2。これを元に燃焼する時に熱量を計算してみる。
C+O2 → CO2 + 94キロカロリー
H2+O → H2O + 68キロ
だから、化学反応式は、
石炭:C + O2 → CO2 + 94kカロリー
石油:CH2 + 3/2O2 → CO2+H2O + 162kカロリー
となる。
この式から、石炭、石油を燃焼させると、1モル当たりの使用酸素(→空気)の量は、下の計算から石油は石炭の1.6倍になる。この際、水蒸気が発生し、その分体積が増えることも計算に入れる。
1×4(余分の窒素)+1(発生炭酸ガス) → 5
3/2×4(窒素) +2(炭酸ガス+水蒸気)→ 8
8÷5=1.6
石油を燃やせば、体積が増える分だけ燃焼ガスの温度が下がる。上の計算で見る通り、石炭は、石油の1.6倍程度の温度になる。このような状況から、石炭を燃焼するのと石油を燃焼するのでは、得られる高温度が違うわけである。この事は、前の諸元の所で明らかにした。
余談になるが、こういう事から、製鉄用には、高温が必要で、石油ではなく石炭が使われる訳だ。発電用には、必ずしも石炭である事は必要なく、むしろ炭酸ガスが少ないことが好まれている。ついでに言うと、石油の中でも水素分の多い天然ガスの方が言われてる。但し、水蒸気発生量が多い分だけ、燃焼空気温度は最も低くなる。
この事から、石油が石炭より良い燃料とは言えない。
4 新燃料なら、何がいい燃料か
太陽熱を利用した再生可能炭化物からエネルギーを得ることを前提とすると(他のエネルギー源もある)、この中では、どんな燃料がいい燃料か。纏めると、
① 「水切り」の必要、
② 「含水率の少ない」化合物の必要。
①は、燃料を集積する為の要件、②は燃焼する時に燃焼ガス体積を増やさない為の要件となる。
生木や生草が燃料になりにくいのは、①の理由による。
分子内脱水が起きていないと燃料になりにくいのは②の理由だ。
石油生成菌により石油を生成するとエネルギー問題が解決できるというのは、①の理由が大きい。つまり、疎水性の物質を作ると水切りが不要になるからだ。そして、生草の場合は、含水率80%〜90%という高率で、水を蒸発するのに熱源が要り、含水量の多い燃料を使えば、発生水蒸気が燃焼ガスを増やして温度が上がらないことが燃料にならないことだ。
私は、間違っていたが、生物石油を作ることの利点は、「石油」であることに利点があると思っていたが、そうではなく、生成物が疎水性、水切りの必要がないことの意義が大きかった。つまり、含水率10%程度の炭化水素を作るれば、薪なら天日で乾かす必要があったがその必要がないことの意味が大きい。
最近では、生物燃料なる物が出てきた。この意義は、含水率の大きい炭水化物から可能な限り水分を蒸発(脱水)して炭素濃度を上げていることにある。その一つに、間伐材から準木炭のような燃料を作るのがいいと言われ、着目されている。原理は、木材を砕いてチップにし、乾燥して水分を蒸発させ、最後に200度くらいで成形して木炭のようにした燃料だ。水分が少ないから、前回紹介したようにガス体積当りの熱量では、石油より大きく、ある論者は、1500度の高温が得られるといっていた。なかなかいい燃料だと言える。
以上纏めると、中間結論として、炭水化物(木材、草)の場合は、太陽熱で十分乾燥すると、いい燃料が出来る。つまり、ラクダの糞でも、乾燥が十分ならいい燃料になるということだ。
更に言替えると、最も手っ取り早い燃料製造方法は、木材を如何に上手に乾燥するかにあると言える。
次は、どうしたらそれができるかについて話そうと思う。
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木材の利用により、森林の保護、エネルギー開発に目途が着きそうな気がしてきました。
巧くいけば、「木炭」が有望視されそうです。
生物石油製造についても考えてみます。
2011/6/9(木) 午後 11:24 [ 出野行男 ]
素晴らしい勉強家ですね…、ポチットね。
私が考案したのは川の水を利用すれば原発程度の発電所ができます…。
ブログ上でも沢山投稿しています。
2011/6/12(日) 午後 6:46 [ reotoreo ]
私は、風力発電、太陽光発電、生物石油などよりも、木材の乾燥燃料化が最も現実的なエネルギー問題解決法だと思うようになりました。
この続きを書きます。
私は、水力発電はいいと思いますが、発電量が少なすぎるように思います。申し訳ありません。
2011/6/13(月) 午後 9:35 [ 出野行男 ]