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3、政権交代選挙の結果と今後の課題
6、小泉国土破壊の復興概観
小泉改革がどんな改革だったかは、その間にどんな変化が起きたかを見てば一目瞭然だ。結論を言えば、日本から職場を消し、工場を外国に移転(逃亡)させたものには、法人税を負けてやるなどして便宜を図り、輸入品攻勢により国内業者を干からびさせてしまうものだった。
日本の職場を潰したために、非正規労働者、平たい言葉で言えば、日雇い労働者を大量に作り出し、新聞によると、正規労働者の賃金も10年前と比べると100万円も下がったという。その間、(海外逃避)大企業の利益は伸び、5年以上も続く大好況期を作った。この間に、どんな収支変化が起きたか。
日本の労働者は、6300万人ほど。その中で正規は、4000万人ほど。この者の賃金が平均100万円下がると、4000万×100万の40兆円で、本来労働者に行くべき金員がこれだけ減ったことを意味する。そして、日本の国富(GDP)は500兆円で、1%成長なら5兆円、2%成長なら10兆円で、これだけの富が日本国内に蓄えられていったはずだ。
そうすると、労働者の失った分と成長分の45〜50兆円が、上層階級に流れた勘定になる。これが、企業の社内留保と株式配当になった。どんな内訳か分からないが、この頃、トヨタが毎年1、2兆円くらいの利益を上げていたので、これから判断して、労働者が失った40兆円が社内留保、残りの成長分5〜10兆円が配当に回されたとしても可笑しくない。
配当の主体は、取締役などの上層部に集中しているので、上層部には、一人当たりウン百万の追加配当があったはずだ。500万円だとしよう。そうすると、取締役と労働者の所得差額は600万円。つまり、彼らは、労働者の貧困を尻目に600万円の相対利益を得たことになる。
これで、労働者が怒らない訳がない。
次は、産業の空洞化。戦後一貫して、電気産業は、日本の花形産業。それがどうか。日本に出回っている電気製品が、中国を主体とする東南アジアになったのだ。電脳を含めた電気産業の日本企業の内外比率を統計で見ると、国内2、外国8くらいだ。今や、電気製品の国内自給率は、2割かそこいら。哀れ、この花形産業。
これだけの商品が日本から売られていたら、日本は、とてつもなく裕福な国のはずだ。これだけなら、日本の被害は大したしたことではない。外国で作った安値製品が日本に押寄せ、その分だけ、日本の電気製品製造会社に打撃を与え、多くの中小企業が倒産に追い込まれているのだ。この事実を見よ。
これが小泉のやったことで、これが「産業の破壊」でなくて何なのだ。
日本再生には、日本企業の復興なくしてあり得ない。第2次大戦の敗戦で日本は焦土と化し、住宅といわず、工場といわず、ほぼ全てのものが灰になった。残った生産能力は、1、2割程度。なら、今の日本の惨状は、ほぼ大戦後を同じだ。尤も、ここで話したのは一般工場で、精密機械工場、福祉施設などは残っているのだから、終戦直後よりいくらかましだが、一般労働者にしてみれば近い惨状。なら、今、何故、悲壮感がないのか。それは、国家が国家財政の半分は赤字国債によって賄うという非常時体勢をとっているからに過ぎない。赤字国債を発行しなければ、中国並みの生活困窮者が出るに違いない。中国の街角を見てみよ。乞食の群れだ。
非常時のまま日本が沈没するか、それを跳ね返し、復興できるかは今後の政府の政策次第で決まる。概括的にいうと、とにかく生活を復興させ、産業基盤を整え、後は徐々に復興するしかない。
7、農業再生のためには、価格保障でなく農家保障せよ
今必要な再生は、戦後の復興と基本的には同じだ。当時は、農業の中でも米作の復興に力を入れ、穫れた米を国民に配り、国民の飢えを解消することだった。今も、基本政策はよく似ている。食えなくなった労働者を農村に集め、当面、農業により糊口が凌げるようにすることだ。企業需要がないのに、企業内失業、完全失業などの当面余った労働者に、時給千円を保障することは無理だ。更なる産業の空洞化が怒るぞ。なら、農業の自給率を上げるとともに、彼らの生活を保障するという方へ目の行き先を転換すべきだ。
なら、農業保護はどうあるべきか。一般には、農産物の価格保障と農家の所得保障だといわれる。日本の農産物は、外国の10倍近い。だから、外国原価の9倍の価格保障をすれば、理屈としては農業が維持できるはずだが、これをやったら米の二の舞になることは明らか。これはけない。だが、最低の生活保障だけするだけでは、全然儲けのない競争をさせることもできないから、多少の色つけ価格保障はしてもよい。
問題は、どんな形式でどんな額の生活保障をしたら、農民になる人が出てくるかだ。
私は、1家族10万円程度でいいと思う。とんでもない。交通費は都会の5倍もするぞ。現状で10万円の補償は少なすぎる、との意見が出てこよう。だが、交通費なんか政策でどんなにでもなる。ちなみに、民主党は、道路公団に31兆円の債務があるのに、高速料をただにするなどと言っている。それならば、農山村復興のために交通料金を都会並みか半値に下げてもいい。生活と地場産業の保護だ。生活優先。なら、今の10分の1くらいにすべきだ。そして、人口の政策移動を続ければ、赤字幅はだんだん縮まる。人口が今の2倍にでもなれば、展望が開ける。
こんな補助では、少なすぎて生活できないか。しかし、寝ていても1ヶ月10万円の補助があり、仕事をすればするだけそれに加算される。感覚的に言えば、10万円の年金をもらいながら、隠居仕事をする感じ。現行の生活保護のように、仕事をすればする分だけ減らされるのとは違う。こんな制度を造れば、どんな山奥でも最低生活だけは保障される。例えば、炭焼きなどの仕事が復活するだろう。そうすれば、木炭を利用する産業が芽を出す。今は、石油と競争しているから、間伐材を利用する産業は、逆立ちしても成立たないが、とにかく人が増えれば、間伐材の利用先が見つかり、他にも各種の産業が芽吹くことは明らかだ。
費用はどれくらいかかるか。今の農業人口は、350万人程度。世帯数で言えば100万世帯(現在、一家平均は大体3人)くらいだ。将来、300万世帯(1000万人)を目指せば、300万×120万で4兆円くらいだ。
いや、これだけでは足りない。林業だ、漁業だと補助はいくらでも増える。そうすれば、補助は、500万世帯(1500万人)になるかも知れない。そうすると、農村対策として7兆円が必要になる。だが、その時は、農村では生活共同体勢が今より強くなっているから、社会保障費が幾分減る可能性がある。もしそれに成功すれば、総予算6兆円で、農村対策ができるかも知れない。いや、そうできるように努力するのだ。
この額は、日本破壊の原因者負担の経費で十分成立つ範囲だ。
8、都市生活維持のために、小商店へ所得保障せよ
都市の荒廃もひどい。特に、地域社会に店屋が全然ないのだ。不便なこと限りない。自動車を持っているものは何とかなるが、老人世帯などは、1回の買い物にウン千円の交通費がかかる。多くの人が生活支援ヘルパーに頼っているが、こんな費用は近くに店屋があれば全く無駄な費用だ。街には、人が多いだけで、実態は過疎地と同じだ。
こうなったのは、通販の半分荷担している。とは言え、通販がなければ、生活が成立たないのだから、スーパー、コンビニ、安売り店の倒産が責任は通販だとは言えない。
私は、配達機能のついた小売店を復活すべきだと考える。それには、小売店の保護が必要だ。これも、1軒当たり、月10万円を補償すれば成立つ。そうなれば、ヘルパー費用が要らなくなり、減った費用だけで小売店の配達費が賄える勘定。おつりが来る。やってみないと分からないが、現在、1回ヘルパーを使って買い物に行くと、5000円の介護保険がいるはずだから、そういう人が月のべ、1000人いるとすれば、その費用は、ヘルパー換算で月500万円にもなる。なら、小売店補助は、15万円にしてもいい。今、街の小売店の1ヶ月の売上利益は、1、2万円しかないという所も多く、多くの店屋が10万円以下だ。それが全収入で月25万円になれば、小売店で十分食っていける。こんな簡単な事で、街が復活するようならば、直ちに実行すべきだ。いや、そんなことをしたら、通販の値段が高騰するから止めるか。ばか。頭を冷やしてからものを言え。
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