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3 日本再生、一石三鳥の秘策は
5、日本の荒廃誰が償うのが筋か
1973年の円の自由化(変動相場制)以降、日本経済は急に止まったかのように失速してしまう。その後の日本経済は、狂ったように暴走しバブル経済から崩壊経済。そして、1995年からは自殺者が年間3万人を超え、大銀行が倒産する国難時代。
救世主よ現れてくれ、颯爽と現れたのが小泉純一郎。彼は、大企業を海外に移して儲けを確保してやったが、国民の大多数へは、職場を減らし、むしろ生活苦を押しつけた。そのために、自民党は、3分の2多数から3分の1少数まで転落。
そして、2008年のリーマンショック。国債残高は800兆円から、900兆円に迫る。もう、日本経済もダメだ。死に体か。そこへ、今次の地震から津波、さらに原発の爆発。いよいよ断末魔の経済。ここで、国会議員は、深刻さに気がつくか。付かない。相も変わらず、権力争奪戦。
その間に、農村、地方都市は、経済が冷え込んで、工場がなくなったばかりでなく、商店街がなくなり、生活もずたずた。一刻も早い日本国の再生が待たれる。
この日本経済の1973年からの凋落を否定する者はいない。なら、この責任を取るのは誰か。そういう政治家を選んだ国民が悪いのだから、皆んなで償うのか。
冗談にもそんなことを言ってはいけない。その間に外国に夜逃げした大企業は、外国で空前の利益を上げた分、日本国内は片っ端から倒産に倒産。この倒産組にも同じ責任を取らせるのか。
6、加害者が、一般消費税で賄えと言っても
最近の議論を聞いていると、政治討論を聞いていると、一般消費税を10%にしようという。職場を奪われた国民がそんな政策に賛成するわけがない。だからか、テレビでは、外国人を連れてきて、企業活動を盛んにするには、法人税はゼロにせねばならない、ついでに、徴税事務の手間を省くために所得税もゼロにした方がいい。その分を補うために消費税を40%(GDP計算で20%)にせよ、などと言わせている。
この措置で、最も儲かるのは誰か。そう、外国でぼろ儲けしている夜逃げ企業と、高額所得者。彼らは、もちろんこんな事が実現されるとは思っていない。一般消費税を10%にすることで十分、更に巧くいけば20%まで上がらないかとニタニタ。
被害者である国民にも納得させるために、「景気が上向くことを条件に」などと言っている。それで、そういう時代が来るのか。来るわけがない。工場のないところに国家経済の回復などあり得ないからだ。だけど、消費税を上げねば、震災復旧、原発事故対策に今後年間70兆円ずつの国債発行は無理だ。できるとしても、2、3年で国民が国債を買える状態ではなくなるのは明らか。
消費税値上げは、細川護煕の時から今にも上げそうな機運があり、あの絶頂期にあった小泉純一郎でさえも自分が政権を持っている間は上げないといわざるを得なかった。そして、今次の菅直人。同じ程度人気。それに奢ったのか、自ら自分の内閣は上げると言いだした。途端に人気失速。実現可能性が低くなった。このどん底経済状態で、被害者である一般国民に消費税値上げができるわけがない。
なら、どこから消費税を取るか。そう、外国で暴利を得ている者から高額の消費税を集めるのが筋じゃないか。当然そうなる。それなら、大多数の国民が納得するのは確実。菅直人は、仮にそれが分かっていたとしても、そんなことは言いたくない。
7、中国の消費税、なぜ一瞬できまるのか
今、中国の消費税は17%。実は、これは製造業の税率。何、国富を生み出す製造業に17%だって。しかも、輸出にも同じ17%の税率を課している。日本なら、冗談じゃないとなるところだ。日本では、還付税が5%あるから、輸出効率から言うと実に22%も違う。それでも中国の輸出は正に世界一。何かからくりがあるのか。
これを始めたのが1994年。まだ16年にしかならない。この間に、リーマンショックの時は、国内消費税は17%だったが、輸出には5%に下げた。さすがにこの時は、下げざるを得なかった。だが、その一年後には、再び輸出消費税を17%に戻した。おまけが付いている。レアアース(希少金属)は、儲かるならなりふり構わず、売値を4倍くらいに値上げし、しかも輸出消費税は50%に引き上げた。だから、日本に輸入陸揚げ価格は実に6倍になった。
なんで、こんな手荒なことが簡単にできるのか。しかも、この決定に1ヶ月とは掛かっていない。しかも、最初の採用の1994年にいきなり17%の高率を設定しているのだ。日本になら、100年経ってもできないことをあっという間にしているのだ。
そのからくりを言おう。中国の消費税は、17,13%と5,6%。高い方が製造業で、低い方は、その他の業種。それと大事なことは、国民大衆は、実質的には払わなくてもいいのだ。何だって。そう、消費税は、実は領収書をもらうときにだけ義務があり、家計簿に領収書は必要なく、領収を払うのは極めて僅かなのだ。だから、家計が占める消費税の割合は1%以下だと思われる。私は、中国に10年住んできて、消費税を払うのは、大型スーパーとか、国家の定める事務手続の領収書だけだった。産業の発達を重視するのなら、反対じゃないのかと言いたい所だ。アメリカの論客の税率40%の主張を思い出して欲しい。
もう一つ、なら、何で、製造業を最高税率にするのか。分からないって。簡単じゃない。実は、こういう理由だ。中国の製造業と輸出は、実は外国資本が主体となった企業だからだ。これから税率を上げるのは、外国企業からの税金は取れるだけ取れとの思想がありありだ。その中でも日本企業の進出率は外国の中では6割程度。そう、消費税17%は、日本を狙い撃ちした税率だったのだ。だから、消費税を決めるのも、その税率を定めるのも「一夜」でできたのだ。そう、日本は食い物にされているのだ。
ちょっと待て、中国製造業も17%なんだろう。これじゃ、中国の製造業は育たないじゃないか。そう、だが、裏技があった。国内企業には、還付税があるのだ。日本の輸出に対すると同じような還付税が8、9%あるのだ。そんなことができるのか。できた。適当な項目を設け、それに合致する企業は大半が中国企業になるように設定すれば、それができる。だから、中国企業で、10%以上の消費税を払っているところは(少)ないのだ。いや、この辺りは、闇の中でどれだけ還付税があるのかは分からない。一般に、中国人社長の話を聞いていると、そういう事を言う。
分かっただろう。中国は、消費税の最高税率は、外国企業で17%、それに対し、国内企業は9%程度、一般企業は5%程度、一般国民は1%程度。日本の経済論客は、中国の消費税は一律17%のようなことを言うが、全く違うのだ。
そう、中国の消費税は、外国人に対する者が最も厳しく、国民大衆には実質掛かっていないのならば、その実施に文句を言う者は居ないのだ。
それに対する日本、税負担に逆進性があり、経済政策の被害者にも同じように掛けようとしていてそれが巧くいくわけがないのだ。しっかり頭に入れてほしい。
8、第2次大戦の責任は誰が取ったのか
私は、面白い事に気づいた。戦前と今次の経済破綻が、大きく見ると似ていることだ。戦前、日本経済に最初のほころびを見せるのが、1918年の米騒動。日本は、第1次大戦(1918)に戦勝したもののものすごいインフレ。まず町民が米が買えなくなり、ついで農民も怒りをあらわにしたのだ。
これからの日本経済は、国内の不況、植民地支配の好況。明暗の対照だった。1927年頃は、銀行への取り付け騒ぎ。国内の不景気は拍車を掛けていく。そして、1931年には柳条湖事件を皮切りに1932年には満州国建設。急ピッチで国外進出(侵略)。どこか似ているじゃないか。そう、国内産業が低迷すると、外国へ出て行くこと。そして、最後は、1945年の敗戦。その少し前から、国家総動員法で、国民はひどい目にあった。これも似ている。2000年頃から、日本の製造業の空洞化。家電では自給率2割程度だ。今や、家電は、外国産ばかりじゃないか。
そして、ここからが大事。日本の復興はどうして行われたのか。まず、1946年には公職追放で公務員の4分の1の21万人が首になった。ついで、財閥解体で、独占企業がなくなった。次は凄いのがやってきた。1949年のシャウプ税制による、最高税率が90%にも達する税金で、高額所得を許さない税制を取った。法人税も税率50%という効率。今考えれば、正に企業と高額所得者に襲いかかる税制だった。その結果、日本経済は、約10年で復興できた。
その結果を見ると、国家上層部に軍国主義政策に処罰を与えるかの税制。アメリカの後押しがあるとは言え、この税制を決めるのに、それほど時間は掛からなかった。国民保護の税制だから大多数の国民が文句を言うわけがないのだ。中国のやり方を見てみよ。外国からどんどん税を取れの政策に反対がないのと同じ何だ。
それに対して、今の計画はどうなんだ。法人税を下げよう、一般消費税を上げよう。1970年からの国家経済の失敗の付けの大半を、疲弊しきった地方と下層国民も巻込もうというのだ。バラマキによってしか成立たない衆愚民主主義では、被害者にバラマキでも納得させられるわけがない。与党民主党内部にも反対が強くて国会ないでも数の暴挙はできない状態だ。
政治家諸君、考え直してくれ。被害者にあめ玉をねぶらせて、その時の快楽を与えつつ、その後には、奴隷労働が待っている政策が巧くいくわけがないことを。戦後の日本には、国家上層部の反省があったが、今は、反省どころか、これを契機にTPP、一般消費税で自分たちは更なる金持ち大国を作ろうとしていること。
崩壊 1918 米騒動 1973 円の自由化
1932 満州国建国 1995 自殺者の急増、大企業の倒産開始
1945 敗戦(トド目) 2011 国債1000兆円間近
地震、津波、原発爆発(崩壊のトド目)
復興 1946 財閥解体 2011 一般消費税、法人税減税、TPP
公職追放 どれ一つ取っても、
国家上層部責任追及なし
1949 シャウプ税制
今日は、ここまでに
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経済評論
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2 日本再生、一石三鳥の秘策は
経済論客の多くが、口を開くと日本の技術は世界一だから、もう少し売り方を工夫すれば、日本製品は世界を席巻するなどと言う。本当にそうなのか。
私は、世界一の物が残っていることは否定しない。東京テレビは、毎日、トレタマとうい番組でそれを紹介する。テレビは嘘は言わないのだろうから,放映された製品は世界一なのだろう。私には、いいとこ取りの放映に見えて仕方がない。考えてみよう。
3、日本の技術は世界一か、ならTPPは不要だ
今次降って湧いたようなTPP騒動。TPPとは、環太平洋連携協定。環太平洋諸国が、関税をなくして経済の自由競争を促進して自国の経済を盛んにしようというのだ。日本は、それにより、欧州での韓国との競争を有利にし、工業製品の輸出を伸ばそうという。一見よさそうだ。
日本は外国で工業製品の販売を有利にするために、現在高関税の農業部門の関税をゼロにせねばならない。これだけ関税を掛けても日本国内の農業は壊滅状態に近いのに、関税をゼロにしたら、農業は大規模農家以外は間違いなくほぼ壊滅する。現在の福島、宮城などの津波で壊滅した農業状態とほぼ同じになる。恐ろし農業破壊が起きるのだ。政府の計算でも10兆円ほどの農業被害だという。いや、TPP推進者は、大規模農業は生き残るだろうから、被害は半分にならないだろうという。
この考え方でいいのか。切られた一般個人農家はどう処遇したらいいのか。自殺に追い込めば、事が省けて楽になるのか。ここが一番問題だ。TPPの影響は、農業、漁業、林業、畜産、その他の第1次産品生産者に及ぶ。だから、TPPにより生活を追われる者は、目の子の計算で5百万人(5千千人)を下らないのだ。だから、切られる者の抵抗は日増しに強くなってくるのだ。
子供手当などという姑息な手段ででも票が欲しい民主党が、5千千人の首が本当に切れるのか。あり得ない政策なのだ。それを敢えてしないと、日本は韓国と対等な競争が出来ないのだ。
分かっただろう。これが、日本の技術水準が大した事がないことの証明じゃないか。
仮に、個人農業関連産業の損害を10兆円、それとの入替わりで大農場の利益が5兆円を取戻したとしよう。なら、経済損失は、高々5兆円。経済論客は、微々たる損失は我慢しよう、そうすれば、それを上回る工業分野に利益があるという。額は聞いていないが、少なくとも見当で50兆円はあるというだろう。
多くの経済論客は、40兆円以上の利益になるのなら、その道を選ぶべきだと説得にかかる。先に言った5千千人の路頭に迷った農漁民の生活はどうするのだ。自分が、残る側に入る保障はない。5千千人とは、日本労働者の1割に近い労働者だ。1割の国民を切れば、差し引き15千千人の生活が良く。生身の人間にそんな計算が出来るのか。
中国を見てみよ。政府は、切捨て農民ウン億人(ウン百千千人)。だから、広州辺りでは暴動が起きているじゃないか。最近、ウン千人が暴動に参加した。私は、在中十年だったから、そういう場面に何回か遭遇している。一部の国民を切りすてれば、多くの国民の生活が良くなるという経済政策は最初から成り立たないのだ。今、日本では、津波被害者を切捨てれば、残りの国民の生活が良くなるという政策はやっていない。幸いなのだ。切られる国民に責任がないのなら、仮にTPPを実施すれば、それによって切られる者は、全員救済されねばならない。
振返って考えてみよう。日本は、韓国と技術水準が同じだから、値段で国際競争をせねばならないのなら、TPPは、弱い者を切り捨て一部の者の経済を維持しようという姑息な手段に過ぎない。つまり、日本の技術は、猛烈な勢いで落込んでいる証左に他ならない。
現に、韓国サムソンの薄型テレビと日本の物を比較してみれば一目瞭然、サムソンの足下にも及ばない。これも、テレビでやっていた。そう、日本は、値段を下げて価格で経済競争をしようという考え方(TPP)その物が間違っているのだ。
4、中国の追上げ、技術窃盗と学生への鞭打ち
日本は経済競争が不利になるに従って、国内企業を潰し、工場を中国に移した。その頃、私は、中国・蘇州にいたから、夜逃げしてくる日本企業の姿を目の当たりにしてきた。
なら、中国は、日本企業の夜逃げにより、棚ぼたで技術水準が上がったのは間違いないが、それが日本に悪影響は与えなかったのか。当時、最新技術を背に腹は替えられないと、中国に捨てきた。2000年からは、今次の大津波の如く、日本は中国に技術を捨てた。だから、それにより、中国の技術水準は、十年ほどで、日本にぼぼ追いつく所まで来た。
いや、もっと恐ろしいことが怒った。2010年5月からだ。何が起きたのか。余り知られていないが、中国政府は、中国に進出してきた企業から、秘密をさらけ出さないと中国では操業を許さないとして、次々と技術を奪い始めたのだ。汗水垂らして開発した製品の秘密を全て明らかにせよだって。命の次に大事な物を只でとっていったのだ。ただ、中国政府は、全ては盗っていない。だが、最近の事件でも分かるとおり、南シナ海では、ベトナム、フィリピンに、なりふり構わず実力を加えて、全海域の支配を始めた。中国が、中国本土内の日本企業から只で技術を盗み取るのも時間の問題だ。
中国の経済成長は凄いというが、軍隊で脅しての技術の奪い取りの面を見逃してはいけない。
いや、それだけではない。学生の受験競争、入社競争は日本の何倍も厳しく、彼らの技術力は日に日に成長している。日本の学生が3年生になれば、就職試験で忙しいのとは違う。いいところに入ろうとして、熾烈な競争をしている。私は、日本語講師として10年その姿を見てきた。
最近、日本の大企業が日本人を雇わないで、中国人を雇う傾向がある。それは、彼らが、大学4年間、高校に負けずとも劣らない勉学をしている事を知っているからだ。確かに、日本の学生は、以前からの貯金で中国学生よりも一般常識はよく知っている。しかし、学校で習う基礎技術は、既にもう、日本学生は周回遅れほど遅れていることに気づくべきだ。
間もなく、日本は、中国と価格競争にもまけ、技術競争に負ける日は近づいている。日本は、再生には、もう通常の方法では韓国には勿論中国にも負ける日は近いのだ。みんなその事に気づいてくれ。
今日は、ここまでにしておく。
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1 日本再生一石三鳥の秘策は
産業の空洞化、地方の崩壊、地震災害、原発爆発、今日本を襲っている戦後最大の困難。いや、国家財政の点から言うと有史以来の危機、この危機はどうしたら乗切れるのか。政界は、待ったなし、待ったなしを繰返しながら、権力争いばかりで、日本は正に死に体にある。早く、救世主よ、現れよ。だが、その芽は、腐った衆愚政治によりその可能性は限りなくゼロに近い。
これから何回かに亘って私の意見を述べてみよう。
1 加害者責任の原則
どんな事でも、被害が出れば、加害者責任が原則となる。1960年から始まった産業公害、1970年に最高点に達し、その翌年の「公害基本法」の設定により、あのようにも激しかった公害も収束に向かった。当時、私は、全国最大の公害の町・四日市におり、公害の凄まじさとそれが眼の前で奇麗になっていったその軌跡を目の当たりにした。原因会社は、公害の垂流しては許さないという住民運動の中での成果だった。
ええっ、今日の日本の経済崩壊、これは、人災なのか。勿論そうだ。私はこの街に住むようになった30年余り。古都であるこの街は、休日ともなると、商店街はごった返す人の群れだった。それが今、かつての門前町にあった商店はほぼ全滅した。そこから五百メートルほど離れた私の知っている繁華街は、2割がシャッターを閉め、4割が爺さん婆さんによる細々とした営業、4割が何とか営業を続け、いくらか元気のある商店は、数店舗しかない。買い物の不便は、どんな言葉でもってしても説明できるものではない。
何百年も続いた門前町の商店街が何で、ここ30年ほどで、これほどまでも崩壊するのだ。福島原発のようなはっきりした形では原因は示せないが、商店街を見れば、これが人災でなくて何だ。原因者にそれを償わせねば我々の生活は間もなくなる。
2 加害者は、政府の経済政策だ
何が原因か。言うまでもなく、円高による経済失速後の政府の経済政策の失敗による。即ち、1973年、日本は円の自由化(変動相場制)をとるや、一気に円高が進み、日本国内企業は危機に陥った。どうしてそに危機から逃れられるか。
政府の政策は、国内から日本企業を労務費の安い外国に移すことだった。いくらか工場がなくなったが、それほどでもなかった。それがひどくなったのは、プラザ合意の1985年以降だった。職場が目に見えて少なくなった。政府は、更なる円高が進まないようにと「外国品の輸入」を進めた。その為に、国内の中小企業が潰れ始めた。何とかしてくれ、何とかしてくれ。だが、政府は、いくらかのバラマキとの交換に、ますます産業の空洞化を進めた。
1985年から始まったバブル経済は、1991年には崩壊し、経済の深刻化が進んだ。1995年になると、自殺者が年間3万人を超え、自殺率世界10位の自殺大国。銀行、証券会社が潰れ始めた。2000年頃には悲鳴に近い経済状態。
そこで颯爽と現れたのが、小泉純一郎。我々は、救世主だと思った。だが、やった事といえば、苦しくなった企業に夜逃げ奨励政策。以前にも増して、国内の空洞化が進んだ。私は、その時、中国・蘇州に住んでおり、日に日に夜逃げしてくる姿を目の当たりにした。年間百社だと聞いた。中国政府や上海の大学では、経済沸騰に沸きに沸いた。
私は、日本はひどい空洞化だろうと心配したが、やはりその心配は当たっていた。今、日本製の家電は、見事になくなった。家電などの弱電企業製品は、国内自給率20%程度まで下がった。高度成長の頃は、この家電が輸出の首座を占めていた事を思えば、隔世の感だった。
今日は、ここまで。
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6 将来のエネルギー考
前回までに各種のエネルギーについてその得失を考えてきた。今回は、現在現実可能だとされかかっているエネルギーについて考えてみよう。ここでは、太陽光発電、生物石油、木材転化燃料について考えてみよう。
1 電力生産費用比較
まず最初に、現在の発電価格を示しておく。ある資料に記載のあった火力発電の費用を基準としてものだ。
火力 原子力 風力 太陽光
発電費用 1倍 2 4 10
原子力の現在の発電費用は、火力の半分ほどとなっているが、これには2倍となっていた。これは、多分前処理、後処理をした時の費用を足した物だろう。
ここで気づくことは何か。そう、一番有望視されている太陽光発電は、現在の価格の10分の1まで下げないと経済生産にならないことだ。今次、ソフトバンクの孫正義は、この経済生産化に挑戦するとのことだが、並の苦労ではできない。それと、ここには書いてないが、木材転化燃料の実現可能性だ。大阪のある会社(近畿大学と共同)が2012年(来年)から製鉄用に商用販売を開始するとのことだからかなり有望であるらしいことだ。
2 太陽光発電の得失
太陽光発電は、今、鳴り物入りで実用化が叫ばれている。確かに、発電板を屋根に取付けるだけでそれで準備完了だから、外見的には非常に有望な方法だ。だから、政府も多額の援助を予定している。
だけど、その製造過程には非常に沢山の電力を必要とする。最大の難点は、純度の高いシリコンを得るには、粗製シリコンを蒸留しなければならないことのようだ。シリコンは、水じゃないぞ、個体だ。その個体を蒸留するのだから、相当の高温が必要で、これに要する電力量を下げるのが容易ではないらしい。よく言われるのは、アルミの精錬。アルミの原料は、普遍的に存在するが、それから金属アルミを得るには、電気で溶融して作る。そのため、アルミは、電気の缶詰だなどと言われるのだ。シリコンの蒸留も同じ。ものすごい電力だ。そのため発電板の製造費を下げるのは今のところ至難の業なのだ。
仮に、これを克服したらもういいのか。そんなことはない。発電寿命が何年あるかだ。10年くらいなら、製造費用を下げても経済性はまだ取れないとの指摘がある。とにかく、発電板の製造と寿命の問題は、今のところ気が遠くなるほど困難だ。
3 生物石油
沖縄の海で通常の石油生成量の10倍の藻類が見つかった。渡辺教授が何十年もかかって発見したものだ。いや、すごい物が見つかった。教授によれば、これが実用化されれば、もう日本のエネルギー問題は解決したも同然だという。とにかく深さ1mで10キロ×20キロ程度の水槽があればいいというのだ。
私は、びっくりした。テレビでは一刻も早く実用化を検討すべきという鳴り物入りの番組を放映した。この方法はいい方法なのか、いろいろ考えてみた。だが、やはり難しかった。
まず、生物培養の難しさがある。少量実験と大量生産ではまるで違う。生物実験を手がけてきた専門家に聞いてみた。ある細菌を培養しようとして、実験したら巧くいった。それなら、少し大量にやってみようとしても全然巧くできないというのだ。たまたま、ある時巧くいくという偶然性が大きいという。それと、やり方を少し間違うと、培養中の細菌が死んでしまうという。こんな不安定な製造工程で日本全国の電力が賄えるほどの条件が得られるのか非常に心許ないという。
そんなことはない。製薬会社は、抗生物質を作るのに大きなタンクを使って生物培養をしている。いや、もっと卑近な例がある。酒、味噌、醤油造りだ。これらのものは、まさに厳しい条件を検討してあのような製品を創作した。だから、出来るはずだとも言える。まあ、時間を掛ければ出来るかも知れない。出来るとして先へ進もう。
次は、製造工程だ。培養液濃度は、通常なら4〜5kg/立米 程度だ。多分どんなに努力しても10kg(10ppm)以上には上がらないだろう。そんなに薄いのだ。石油生成は、排水処理の一種だと言ってもいいから、その時の活性汚泥の濃度がそのくらいだからだ。
その池の中の10ppm程度の濃度の藻を濾過して固形分にまで濃縮せねばならない。固形分濃度は、1〜2%くらいだから、濃縮率は千倍だ。それまで濾過して濃縮することになる。難しくないが、水量を千分の1にするのだから、相当労力(電力)が要るだろう。そして、石油として現実の物に仕上げるには、更に百倍程度濃縮しなければならない。石油は疎水性だから、上手に分離すれば、水と油の分離はそれほど難しくない。だが、労力が要ることは確かだ。
最後は、私は、本当にソロバン勘定は合っているのかと思いたくなることがある。藻を作るための原料、炭素源、つまり炭酸ガスがあるのかということだ。
藻を繁殖するには、湖の富栄養化が問題になるがそれと同じかそれ以上の炭素源が必要になる。どこから集めるのか。太平洋上の炭酸ガスを吸収させることを考えればソロバンの上では成り立つ。だが、どんなに頑張っても10キロ×20キロ程度の池で、何千万トンもの石油に必要な原料が賄えるとは思えない。やはり、石油生成菌の培養は、ビーカー内の最適条件でのみ達成しうる製造過程じゃないか。ちなみに、漁獲量を上げるために山林に植林をして、魚の餌をそこで作ろうというのが、最新の漁獲量を上げる方法だと言われているのだ。そのために、北海道や東北では、植林に力が入れられている。炭素源がなければ、藻類は発生しないのだ。
生物石油の生成も今のところ非常に難しい。
4 木材転化燃料
日本は、森林の国、木材は非常に豊富。現在、その豊富な木材が、惜しげもなく、捨てられている。何とか利用できないかとの動きがある。と、こういう時、大阪のある会社が間伐材を利用して製鉄用の補助燃料の本格生産に入るという段階に来た。私は、そんなことが可能かと思っていたが、考え直してみると、意外に有望だと分かった。前項の生物石油の原料は山の木を対象にせねばならないと気づいたら、急にこの木材転化燃料が再生可能エネルギーとしてはいい物だし、現実に即生産に移れるものとなることが分かった。
木材が工業燃料になりにくいのは水分が多いこと。含水木材を燃焼すると、大量の水蒸気が発生し、木材のエネルギーの何割かを水蒸気生成に使われてしまうし、発生した水蒸気がエネルギー密度を下げるので、燃焼温度を下げてしまう。そのため、木材を燃焼させても千度まで温度を上げるのがやっとだ。
だが、木材を乾燥して薪にすると、計算はしていないが2倍以上のエネルギーと高温が得られる。この事は、前回までに説明した。非常にいい燃料だ。単なる木材では軟らかいから炉の中に入れた時粉々になって燃料としては余りよくない。そこで、大阪の会社は、16トンの圧力(200kg/平方センチ)で圧縮成形するという。そうすれば、1500度まで温度が上がる燃料が出来るという。これを来年から年間1800トン生産するという。
なら、もっといい方法がある。木炭にするのだ。そうすれば、もう石炭と変わらない燃料になる。こうしてできた物が「備長炭」だ。備長炭は、炎が出ないから焼き鳥をやるには最高の燃料だと言われているあの燃料だ。もし、乾燥木材でなく、木炭にまで、水分を少なくすれば、文句なしの燃料になる。
この燃料の最大の問題は、木材の収集と植林(樫の木が最高)の問題だ。だけど、これは国策の問題だ。これも、農村の疲弊を食い止めれば、いくらかでも原料手配になるだろう。それを切に希望する。この木材転化燃料は、現実味のある原子力代替エネルギーとして非常に有効だ。私は、原子力が懲り懲りなら、代替エネルギーはこれより他にないと思うようになった。以上で、この件に関する意見は終了する。
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5 将来のエネルギー考
3 石油と石炭の火力の差
石炭は、化学式(組成式)で書くとC、石油は、およそCH2。これを元に燃焼する時に熱量を計算してみる。
C+O2 → CO2 + 94キロカロリー
H2+O → H2O + 68キロ
だから、化学反応式は、
石炭:C + O2 → CO2 + 94kカロリー
石油:CH2 + 3/2O2 → CO2+H2O + 162kカロリー
となる。
この式から、石炭、石油を燃焼させると、1モル当たりの使用酸素(→空気)の量は、下の計算から石油は石炭の1.6倍になる。この際、水蒸気が発生し、その分体積が増えることも計算に入れる。
1×4(余分の窒素)+1(発生炭酸ガス) → 5
3/2×4(窒素) +2(炭酸ガス+水蒸気)→ 8
8÷5=1.6
石油を燃やせば、体積が増える分だけ燃焼ガスの温度が下がる。上の計算で見る通り、石炭は、石油の1.6倍程度の温度になる。このような状況から、石炭を燃焼するのと石油を燃焼するのでは、得られる高温度が違うわけである。この事は、前の諸元の所で明らかにした。
余談になるが、こういう事から、製鉄用には、高温が必要で、石油ではなく石炭が使われる訳だ。発電用には、必ずしも石炭である事は必要なく、むしろ炭酸ガスが少ないことが好まれている。ついでに言うと、石油の中でも水素分の多い天然ガスの方が言われてる。但し、水蒸気発生量が多い分だけ、燃焼空気温度は最も低くなる。
この事から、石油が石炭より良い燃料とは言えない。
4 新燃料なら、何がいい燃料か
太陽熱を利用した再生可能炭化物からエネルギーを得ることを前提とすると(他のエネルギー源もある)、この中では、どんな燃料がいい燃料か。纏めると、
① 「水切り」の必要、
② 「含水率の少ない」化合物の必要。
①は、燃料を集積する為の要件、②は燃焼する時に燃焼ガス体積を増やさない為の要件となる。
生木や生草が燃料になりにくいのは、①の理由による。
分子内脱水が起きていないと燃料になりにくいのは②の理由だ。
石油生成菌により石油を生成するとエネルギー問題が解決できるというのは、①の理由が大きい。つまり、疎水性の物質を作ると水切りが不要になるからだ。そして、生草の場合は、含水率80%〜90%という高率で、水を蒸発するのに熱源が要り、含水量の多い燃料を使えば、発生水蒸気が燃焼ガスを増やして温度が上がらないことが燃料にならないことだ。
私は、間違っていたが、生物石油を作ることの利点は、「石油」であることに利点があると思っていたが、そうではなく、生成物が疎水性、水切りの必要がないことの意義が大きかった。つまり、含水率10%程度の炭化水素を作るれば、薪なら天日で乾かす必要があったがその必要がないことの意味が大きい。
最近では、生物燃料なる物が出てきた。この意義は、含水率の大きい炭水化物から可能な限り水分を蒸発(脱水)して炭素濃度を上げていることにある。その一つに、間伐材から準木炭のような燃料を作るのがいいと言われ、着目されている。原理は、木材を砕いてチップにし、乾燥して水分を蒸発させ、最後に200度くらいで成形して木炭のようにした燃料だ。水分が少ないから、前回紹介したようにガス体積当りの熱量では、石油より大きく、ある論者は、1500度の高温が得られるといっていた。なかなかいい燃料だと言える。
以上纏めると、中間結論として、炭水化物(木材、草)の場合は、太陽熱で十分乾燥すると、いい燃料が出来る。つまり、ラクダの糞でも、乾燥が十分ならいい燃料になるということだ。
更に言替えると、最も手っ取り早い燃料製造方法は、木材を如何に上手に乾燥するかにあると言える。
次は、どうしたらそれができるかについて話そうと思う。
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