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円高は、好機と危機の隣合せではあるが
元ソニー社長は、今日のテレビで、今の円高は、日本にとって厳しいと言われるが、危機は、危機と好機の意味があり、日本は上手にやれば、日本の経済はよくなると言った。正しいのか。
危機だと言われるのは、輸出企業のことで、輸入企業はほくほく、だから、日本は、円高をほくほくの方へ利用すれば、よくなると言う。なるほど、そうだ。と言いたいが、かなり大きな忘れ物をしている。
1、外国で稼げば、誰が儲かるか
元社長によれば、円高を利用すれば、外国の特許製品が安く買える。だから、その特許を開発途上国へ行って製品化すれば安くできる。だから、それを世界に売れば、ボロ儲けだと。
なるほど、と言いたいが、誰が儲かるのか。特許製品を買った会社が儲かることは間違いない。で、日本国民に利益は回ってくるのか。びた一文だって回らない。何故か。根本的には、日本の労働市場が拡大しないからだ。ちなみに、多くの日本会社は、中国で製造して世界に製品を売っているが、労働市場を拡大しているのは中国であって、日本の労働市場は拡大していない。海外逃避の場合は、むしろ、縮小している。
外国特許を買って何か事業をするという発想は、日本経済をよくするわけではない。
2、円高の影響はどこへ行くか
ある会社が外国で事業をすれば、その利益は日本に回ってくるから、円高は、ますます進む。その影響はどこへ行くか。
円高になればなるほど、一次産業は、更に苦しくなる。農業や漁業は、外国の安価製品に押されて消滅寸前になっているからだ。ある特定の会社が外国から利益を持込めば、その会社はいいかもしれないが、日本の多くの不況産業を更に苦しめる。
だから、個人ならいざ知らず、企業の外国での活動は、本質的に多くの日本国民の利益にはならない。
3、危機は好機でもある、端的な例は何か
最近、多くの国内企業が潰れ、失業者、低所得者が増えている。この状態は、日本にとって正に危機だ。だが、この危機の時すくすくと成長する産業がある。
それは何か。それは、貧困産業だ。ハゲタカ軍団は、落ちこぼれていく貧困者を横目で睨みながら、にたっと微笑む。残った彼らの財産を根こそぎ奪い、彼らに生活保護を受けさせて、国から不当な利益をむしりとろうとする。
ソニー型の大企業と貧困産業は同一ではないが、日本企業が外国で稼いできても必ずしも日本国民の利益にならないことを肝に銘ずべきだ。
円高を活かすには、儲かった産業に利益の一部を吐き出させることこそ、日本国と日本国民の利益になる。それを行うのが、私の構想「産業振興税」だ。
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経済評論
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経済活性化には、自由貿易を広げるべきか
韓国は、多くの欧州諸国と自由貿易協定(FTA)を結んだため、輸出の関税がゼロで、日本は、自由貿易協定が進んでいないから関税を15%払わねばならず、これでは、欧州貿易は韓国に負けそうだという。おまけに、円は為替比率が値上がりし、ウォンは下がっているから、この点でも不利で、日本はこれからどうしたらいいのか。最近のテレビを見ていると、このような議論をしている。
で、日本の自由貿易協定推進政策は正しいのか。
1、自由貿易協定締結の可否、韓国との競争
自由貿易協定とは、各当事国間で関税をゼロにして、自由貿易を盛んにしようというものである。反対に、協定を結ばなければ、その国への輸出には、その国で決められた関税を払わねばならず、欧州各国は、工業製品で大体15%だ。反対に、日本への関税は1%程度だから、欧州各国は、協定を結ばなくても関税率は殆ど変わらない。なら、外国製品を見境なく輸入する協定に賛成するはずはない。
なら、日本は、韓国との競争には、どんなに頑張っても勝てる見込みはない。
だが、農業分野では、いくらか分けが違う。日本の農産物に対する関税は、10%かそれよりいくらか高い程度だ。そうすると、日本が協定を結ぶと、安い農産物がどんどん入ってくる。だけど、消費者にとって、いいのなら好いのじゃないか。トンでもない、只でも苦しい日本の農業を更に窮地に追込む。なぜ、協定締結が進まなかったのは、非工業製品分野の各産業界が反対していた事による訳だ。
日本が農業界などを犠牲に、15%の関税引き下げの恩恵を得ようと自由貿易協定を結びたいというのは、日本の工業製品はどうやっても韓国に勝てない事からの苛立ちを表したものだ。
2、日本の法人負担は、諸外国より重いのか
日本の法人税は、地方税も含めて見かけ上40%程度で、諸外国は30%程度だ。韓国も30%程度。なら、日本の法人税は、諸外国に比べて非常に重いのか。多くの経済論客はそういう。
だが、日本には、各種の控除制度があり、諸外国と比較するため、粗利に課税するのなら、税率は、30%くらいになり諸外国と同程度だという。この点は、テレビで野口悠紀夫が言っていた。
なら、日本企業の負担率は、諸外国とも同程度か。全然違う。消費税も加えた企業の負担率は、日本企業は、諸外国より遙かに軽い。大雑把だが、消費税を法人税率に換算すると、約2倍になる。法人税は、利益にかかり、消費税は、消費全部にかかるからだ。そうすると、消費税を2倍にして計算すると、欧州各国の負担率は30+34%(→64%)くらいで、利益の3分の2は税で取られている勘定だ。中国も同程度だ(33+34→67%)。韓国は、30+20(→50%)。日本は、40+10(→50%)。
日本と韓国は、企業負担は大体同じだ。
全体として言えることは、日本と韓国は、企業負担は、欧州各国より15%以上少ないことになる。だがら、日本は、法人税が高いから諸外国と貿易競争をするのが不利だという主張は間違いだ。はっきり言って、日本の企業は、競争に負けて利益率が減ってきたので、見かけ上高く見える法人税率にかこつけているに過ぎない。
そもそも、国家予算の60%近くを赤字国債に頼っていて、法人税が諸外国よりも高いなどと言うことがあるはずがない。中国を見てみよ。企業は、利益3分の2を税金で取られているのに、儲かって儲かってしょうがない状態じゃないか。この点から考えても、日本の産業体質に大問題があるのは明らかだ。
3、仕事を減らしたら、税収は減る
中国は、日本より遙かに高い企業負担で国家はほくほく、なのに企業もほくほく。日本は、国家も企業も青息吐息。特に、国家は、もうとっくに破産していてもいい状態。財政支出の4割しか税では賄えない状態。どこか変じゃないか。どこに原因があるのか。
野口の説によると、80%近くの企業が赤字か赤字寸前だからだという。もう少し言うと、日本国内企業は、労務費が高いから利益率が低く、大半の企業が海外へ夜逃げし、産業の空洞化が進み、残った国内企業はアップアップの状態だから税収は減るばかりなのだ。
つまり、工場が減って法人税が減り、個人の職場を減らして所得税が減り、国民全体の購買力が減って商店の収入もガタ減りになり、日本の国家状況は、二重苦、三重苦にあるからなのだ。
4、なら、職場を増やして働く貧困者を減らせ
菅直人は、口を開けば、労働需要を大きくするという。だが、菅直人の政策で、職場が増えるのか。彼は、法人税減税を行い、消費税を上げると言っているが。
法人税を下げて儲かるのは誰か。海外でボロ儲けしている大企業。彼らに減税してやる意味があるのか。いや、あると言うだろう。欧州で韓国と競争するためには、日本企業の利益を確保してやらねばならないからというだろう。そもそも、中国を初めとする東南アジア諸国で過剰生産をしながら欧州にその製品を売れば売るほど、値段が下がり、更なる法人税低減の必要が生じる。安売り競争で利益を上げようという発想はもう無理だ。
なら、国内企業には、減税は意味のあることか。赤字すれすれの会社に減税してやっても、殆ど効果はない。儲かっていてこそ減税の意味がある。
輸出基調の経済を指向すれば、今後も円高は続く。そうなれば、ますます企業の夜逃げは続き、国内職場は縮小し、働く貧困者にまで高い税金がのしかかってくる。国民の中下層への打撃は、想像を絶するものがある。
大企業側から見ても、中下層国民の側から見ても、法人税減税、消費税増税にいい効果は期待できない。上層国民の刹那の享楽に過ぎない。
菅直人、真剣に労働市場拡大に取組めと言いたい。
私は、大会社には儲けにはならないが、長い目で見れば、企業の海外夜逃げを防ぎ、外国の安い製品の大量買付けを止めることしか日本救済の道はないと思う。
即ち、夜逃げ企業に税を掛け、外国製品安売りに税を掛けるしかないのだ。これが「産業振興税制」の構想だ。そうすれば、日本からの輸出量が減り、日本への輸入が減り、貿易収支は、適度なところに落ち着き、円高は止まる筈だ。もう、大量生産、大量消費の時代は終わった。中国は、希少金属の輸出を半分にし、値段も2、3倍どかろか5倍くらいにしてボロ儲けを企んでいるが、大量生産を止めれば、中国の陰謀に引っかかることはない。この際、自由貿易ではなく、必要限度内貿易に変更すべきだなのだ。
野口悠紀夫は、別の理由で自由貿易協定には反対のようであるが、理由はどうあれ、とにかく自由貿易による資源の無駄使いを容認する経済政策はもう止めねばならない。
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水が高過ぎるか、米が安すぎるか
今日国会中継を見ていたら、面白い質疑があった。共産党議員が、農家の窮状を訴えるのに、「米(農家の売渡し価格)」と「鉱泉水(市販価格)」を同じペット瓶に入れて、値段は共に同じ程度だ、これでは農家は食っていけるのか、と菅直人にその見解を聞いていた。
なるほど、驚きだ。これでは食えない。
そこで、思い出す。中国の「鉱泉水」。水は、1本600mlのもので2元(25円)程度(市販価格、以下市販価格)。安いなじゃない。信じがたいほど高いだ。観光地に行けば3元(40円)する。それに対し、酒(白酒←焼酎程度)は1本5元、安いのは4元程度。高級な葡萄酒は少し高くて10元程度。醤油は4元程度。水よりいくらか高い程度。こんな値段で業者はやっていけるのか、と思っていた。ちなみに、日本酒なら1500円はする。中国の20倍だ。
なお、米の市販価格は、等級によって異なるが日中では次のようになっている。
東北米(日本米と殆ど同じで最高級米):5キロ40元(500円)程度。以前は、20元程度だったが急激に上がった感じで、通常の最高の中国米と同じ程度だ。水600ml、米800g(同体積)で比較すると、中国では米の売値は30倍程度になる。
日本米(日本の普通米):5キロ2千円程度。売値で、瓶1本分の水と米を比較すると、3倍程度だ。
これから、日中差は4倍程度で、大きく見積もれば8倍程度だ。
中国では、米価は非常に高く、酒や醤油の業者は安い。日本では、米は水に比べれば非常に安い。この値を見ながら考えると、伝統産業産物は、日中共に非常に安い。私は、頭が混乱してきた。皆さんは、どう思いますか。
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円高対策は終わった、その意味は
テレビ討論を聞いていると、GDPに対する日本の輸出依存度は15%(別の番組は17%)と出てきて、その後、だから日本の円高対策は終わっているとの解説。輸出が少なくなることが、円高対策なのか。そして、だから、少しくらい円高になっても日本の貿易に大きな影響はないと。
今までの解説は、日本は貿易立国だから、円高は輸出企業に大打撃を与えるだった。それが、「余り影響はない」なのだ。それに続いて、それよりも輸入品が安くなるから輸入品が安くなるが、それと競合する日本製が苦しくなる、と。輸入品が安くなるのは日本の利益じゃないのか。いつぞや、円高が進行したときにはそのような解説が行われたこともある。
我々は、この一連の事実をどう解釈したらいいのか。
1、15年前、円高必ずしも悪しからずとは
15年前(1995)、80円まで円高が進んで日本の製造業は、その分輸出が苦しくなり大不況に陥った。その時の解説。輸入品である石油が安くなりました。原料が安くなり、電気製品などが安くなりました。だから、円高は、必ずしも悪くありませんと。確かに、当時、輸入家電、雑貨、その他の製品が円高還元セールが行われた。
なるほど、そうか。輸出立国の日本は、円高はそれを上手に利用すれば、日本経済は好くなるのか。
それから、日本の中小企業が激しく倒産し、何で円高は悪いことばかりではないなのだ。産業の空洞化が激しく進み、自殺者が3万人を超え、以後日本経済は、大不況時代に入る。そして、1997年ころは、大銀行、大証券会社が潰れる勢いだった。
2、その後の企業の海外逃避、これが円高対策
これだけ円高では、もう日本の操業は無理だ。企業の工場が海外移転が勢いを増した。いわば、企業の夜逃げの時代だった。これを支援したのが小泉の経済改革。その頃私は、中国・蘇州にいてその事情を目の当たりにしてきた。
2000年からの日本の地方企業、中小企業は、この時代どれだけ倒産したか分からない。小泉はこの現象を見て、日本の産業の合理化が進んでいていい傾向だと。その政治的影響は直ぐ出てきてきた。2005年の参院選で自民党が大敗したのだ。かと思うと、2007年、2009年にも自民党の大敗。2000年頃の製造業の破綻の大きさが分かる。
なら、日本経済も破綻したのか。それが違うのだ。5年続きの国富(GDP)の増加。神武景気、岩戸景気を超えたとも言われた。何でだ。そう、企業の工場の海外逃避でそこから未曾有の利益を得ていたのだ。この時の大企業の利益は、200兆円を超えたと言われる。総理・菅直人もその事を認めている。
3、再度、円高がやってきた、なら、ビクともしないか
15年ぶりの今次の80円目前の円高。いや、困った。だが、それほどの深刻さはない。日本の輸出依存度は15〜17%で諸外国に比べると、桁違いに輸出が少なく、輸出会社の打撃は少ないのだ。ちなみに、韓国は約50%、欧州は軒並み60%70%。尤も、欧州の場合は、EU域内への輸出が大きいのは当然だが、それを考慮しても50%以上の貿易比率だ。
そう、日本は、2000年から2005年頃までに工場は中国を初めとする人件費の安い途上国に移転した。だから、日本の製造業はビクともしないようになっていたのだ。テレビの解説者は、その事を指摘していた。
ちなみに、近頃の電脳などの家電製品の国内自給率は20%程度に下がったのだった。つまり、日本人の普通品の家電製品の大部分が中国を初めとする東南アジアで製造されるようになったのだ。あの時、止めてくれ海外逃避と言ったが、廃墟となった日本では、残った工場は少なく、もう、助けてくれと言って泣きわめくこともできない。
なら、日本では、農産物の自給率が40%に下がったと言って悲鳴をあげているが、工業製品の場合はその危険もなく、万々歳か。
4、逆輸入品の洪水、生き残った日本製品を直撃
日本企業の技術で作った外国製品。これを「メイド・バイ・ジャパン製品」という。「バイジャパン製品」が日本に押寄せると何が起こったか。
日本で細々と製造販売していた競業企業は、最早全く成立たない。大量輸入した製品を通信販売で大量に売るようになったからだ。そう、第2の円高は、日本の販売産業を破壊し始めた。工場がなくなり、商店もなくなった日本、一体この後どんな日本になるのか。もう、恐ろしい経済危機を止めないと、いや、日本の破綻が止められなくなる。
円高対策は終わったは、実は、日本の商業崩壊を意味していた。
5、早く、日本国民の生活を守ろう
私は、かねて、「産業振興税」の新設を提唱してきた。もう、「円高対策は終わった」を聞いて、その必要性を再認識した。
海外移転により日本工場を潰し日本と日本国民に迷惑を与える者に税金を掛けよう。外国製品を逆輸入して日本の流通業を破壊する者に税金を掛けよう。
皆さん、「法人税の減税」じゃない。「消費税の増税」じゃない。「産業振興税」だ。
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中国は、日本企業戦士を一本釣りしてどうするのか
今朝のテレビを見ていると、中国の企業が、東京で日本企業戦士を一本釣りしているという事報じていた。何のためか。
この裏には、日本の企業が日本国内の操業が極めて厳しい状況にある時(空洞化)、日本最高の頭脳を引き抜いてしまおうという国策の一端を表したものだ。引抜きの条件は、元の給料と同じかそれ以上、社会保障も付ける、最高の住宅を付けるという条件だった。こんな事で日本の頭脳が盗まれては、日本産業は極めて短時間で中国に支配されてしまう。断じて許してはならない。
思い出してみよう、韓国。今や電脳世界一になったが、その技術は、定年退職した企業戦士を一本釣りして大きくなったのだ。サムソン、LDの成長を見てみよう。今次、中国は、全く同じ事を狙っている。
まさかと思うが、これは、今中国が実施している対外国企業の秘密を吐出せという法案(国内法)と相まって、日本の技術の総吸取り政策をなすもので、今、毎日毎日、日本技術が中国に吸取られているが、それをますます加速する。極めて憂慮すべき事態に至っている。
皆んなも知っていると思うが、中国は、米国の電脳会社IBMを買収した。数年前の事だ。それから米国での快進撃、聯想(中国企業名)は、世界4位の規模にまでなった。日本に上陸したら、日本の電脳会社はひとたまりもない。いや、今、九州・福岡に上陸したかと思うと凄い勢いで大きくなっている。値段を調べてみると、日本の3分の2ほどだ。皆んなどうするか。日本、一本釣りされた企業戦士がそれに動員されるのを手を拱いてみているのか。このままでは、繊維製品、農産物の二の舞は歴然としている。
まだ、よくない。日本戦士を育てたのは、日本の教育、日本の教育予算、こういう物も全て吸取られてしまう。そうなれば、日本はもぬけの殻だ。その時は、尖閣諸島は中国に奪われ、沖縄にも手が掛かってくるかも知れない(中国は、沖縄の日本帰属は不明瞭だ、明治までは中国の領土で、日本軍国主義に奪われた土地だ、と言いだした)。皆んなで、全力で、日本防衛に立上がろう。今なら、間に合うかも知れない。
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