日本の再生と国際化を考える

英才教育、日本語の国際語化、数値の3桁読み、度量衡改革、漢字仕様電脳、やる事は多い。

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世界の木質資源

石油に頼らない能原確保       

          −電気炉炭焼窯の推進



5 里山の省エネ戦略


 芝刈り縄綯()いの時代


 芝刈り縄綯いの時代つまり環境循環社会には棄てる物は何もなく、全てが太陽の恵みで、それを利用しながら生活できた。よって、この時代は、自給自足だ。だが、今日、農山村で自給できる物は少なくなってきた。本来、森林は、木材だけでなく、燃料資源だったのだが、今は何の役にも立っていない。大半は棄てられている。外国産に押されてと言うより、国家の無策で、災害の原因にしかなっていない。撤退集落にしようか、という所まできた。


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 だが、農山村回復は、日本の回復で、森林の活用を図るのが最善だ。そう、最近、里山回帰が声高に叫ばれている。が、里山には仕事がない、森の木を切っても金にならない、木を除けば、何もない。そんな所に行きたがる者がいるのか。兎追いし、彼の山‥‥」だが、どうにもならない。ビルの高層化で都会が荒れ、技術を外国に奪われ、日本が沈没するのなら、農村回帰がその挽回の秘策になる。私は、長い間考えた結果、里山の利用には、炭焼の高度化が最短で最高の方法だと気づいた。


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 話は、脱線する。私が、炭焼を始めようと最初に行った所が、和歌山県の南部川(南部町)。紀伊田辺からバスで10キロ以上の山あいの地だ。一日に数本しかバスがない。帰り、危うく乗り遅れるところだった。この日は、金環日食の日、忘れはしない(2012520)。この日、帰りに小鳥を買った。この小鳥が逃出し、半年後、また、この近くに行った(左側写真)。近くに熊楠記念館があった。この頃から日課が忙しくなり、もう遊んでいられなくなった。


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 世界の木質資源


 間伐材とは、植林時には密集状態で植え、その後、成長に合わせて少しずつ間引きして伐採された木材の事だ。間伐しないと、無秩序に大きくなってしまうので、それを防ぐために行う。間伐材は、棄てる訳ではなく、大きさに合わせて利用できる資源だ。


 林野庁によると、最近、我が国の森林の年間成長量は約8千万立米(2008)で、その内、国内供給量は、4分の1の2千万立米だという。つまり、木材生長量の4分の1しか使わず、4分の3は、朽ちさせる運命にある。なら、木材の需要が少ないのか。トンでもない。1996年の輸入量は、9千万立米で木材生長量より多いのだ。


 ちょっと待て、木材は重くて運送費が掛かるのに、何で、外国産の方が安いのだ。それは、日本国内の直ぐそこにある山から切出す運賃より、遙か遠くの外国産を運搬する方が安いという異常現象を起こしているからだ。正に国家の無策以外の何物でもない。輸入量の45%は北米から、20%は東南アジアからだという。日本の森林率(森林の深さではなく、国土の覆土率をいう)が70%弱(世界平均は30%)で世界第3位だということを考えると、更にその異常さが分かる。


 次は、炭焼に移ろう。日本の国内生産量は7万トン、輸入量は11万トンで、自給率が40%だ。まず、驚くのは、炭は、太陽能源の84%を固定し、燃料としてはこれほど有用な物はないのに、その木炭への加工率が0.35%(←70,00020,000,000トン)しかないことだ。輸入量も少ないが、木炭は、石油などと比べて、それほど利用価値が小さい物か。

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 海外を見てみると、更にまた異常さが見えてくる。単価は、日本産が400500円/kgであるのに対し、外国産は100円程度。インドネシア産は、質が落ちるのか60円程度だ。なお、中国は、自国の山林が荒れるという理由で、2004年から木炭の輸出を禁止した。驚きは、インドネシアやパプア・ニューギニア。生活の日銭とは言え、森林を激しく伐採し、国土の荒れ地が1割も増加したという深刻事態だ。そのため、原木での輸出を禁止したところ、脱法的に合板加工や木炭が増えた。炭焼技術が低く、しかも単価が極めて安い。低収率でも日本に売れるとなると、森林の荒廃が止まる気配がない。国土破壊でしかない(木質炭化学会の講演2013)。更には、地球温暖化に拍車が掛かる。


 


 


石油に頼らない能原確保       


          −電気炉炭焼窯の推進


4 完成実験の公開


 従来の炭焼と電気炉炭焼の比較 ‥‥収率、省エネ率、木酢液


 従来の炭焼で最も良くなかった所は、自燃量が多いため製品の収率(歩留り)が低いこと、炭焼き時間が長く人件費が高くつくことだった。更に、自燃量が多いことから木酢液の収集も少なかった。電気炉にすることにより、これらの点がどう改善されるか。


 収率:土窯の場合、焚付けて焚口を閉めるまで23日かかった。窯の容量も大きいが、その間の焚付け材の消費が非常に大きかった。焚付け材も燃焼量に入れると、収量は、理論収量(蒸焼き)の4分の1くらいしかなく情けなかった。反対に言うと、電気炉その他の蒸焼き方式は、従来収量の4倍ほどの収量になる。


  ただ、蒸焼き方式では、その燃料(電気)を計算に入れる必要がある(次記)。


 助熱材:外部加熱方式(蒸焼き)の場合は、助熱材の極小化が重要になる。先にも話したが、可能な限り水蒸気を復水(温水)にして排出することが大事だ。


  発生水蒸気が全て復水にできれば、省エネ率は93(14)← 1 40/600)となり、これが目標だ。で、どうしてこの値に近づくか。なお、労力の点は後述。


  電気炉法では、現行の10時間使用で示すと、


 使用能原:電気使用量 +   炭化熱    =


          約10時間      電気量とほぼ同量で固定  


 放熱能原:  500度昇温熱     +  蒸気排出熱 保温熱 


              80度+蒸気400度(固定)      20%程度と仮定     50kg水蒸気


となる。この式において、電気使用量は、蒸気排出熱保温熱が減らせた分だけが減らせることになる。その鍵になるのが、「炉内循環蒸気量」だ。つまり、炭化時に無駄な水蒸気量を減らせば、それから発する水蒸気量が減らせるし、保温熱も減らせるという案配だ。では、どうして、それをするか。


 難しくない。蒸気が貯まってきたら、温度を下げて復水にして系外に捨てればよい。我が実験のある結果では、炭焼終了の電気切断により、炉頂、炉底の1時間毎の温度変化は、「(炉頂) 530℃ 220℃1h→ 150℃2h」「(炉底) 320℃→ 250℃ → 180℃」と変化していた。よって、冷却時間は2時間で十分で、急ぐ時は1時間で好いことが分かる。


 で、それを何時行うか。飽和水蒸気量グラフと炭焼温度推移グラフから判断して、炉底温度が300に達した時が最良だと思われる。この時の滞留蒸気量の推定量は、目の子で5g/L(→ 1kg/200L)程度で、残存水蒸気量は、これも目の子で、全体の半分程度100kg炉で25kg)が残っていると思われる。そうすると、2時間の冷却でほぼ全ての水分は、復水化され炉外に排出されることになる。余談だが、循環気体には、大量の木酢液(酢酸)が含まれていて、冷却すればその大半が抜け、大いに炉の保護に役立つ。


 残りの水分は25kg程度で、ここまで水分を減量した状態は、「半炭化・半乾燥」の状態で、それ以降の乾燥は、炉内が乾燥していれば、温度は一瞬のうちに500度に達し、急速な乾燥が始まる。ちなみに、繊維素の比熱は0.5/g程度(昇温しやすい)で、また、過熱水蒸気理論では、炉内が乾燥していればいるほど脱水の効果が大きい。


 以上の事から推定すると、炭焼時間は、


 炭焼時間:炉頂600度まで +炉底300度まで + 休憩  + 熟成 +冷却


           炭化開始 30分      炭化2時間     水抜き2時間  木芯炭化3時間   半日


であるが、木材量の変化で炭化時間は大きく変化し、この値は、あくまで目安だ。


 労力:次は、労力について考えてみる。現行炭焼方式では、炭焼時間中ずっと寝ずの番をして3日くらいになる。炭焼規模が大きいので、本実験炉に当てはめれば、大体1日と計算してよい。助熱材は要らないが、労力は、日当で計算すれば1万円/日くらいだ。なお、この中には、木材の詰込時間も含まれている。


  電気炉にしたらどうなるか。電気代は、7.5時間だから3035kW・時で、500円以下に収まる。炭焼過程は、完全自動化できるから、これに費用はかからない。で、雑用は、23時間、多くても半日程度を見込めば十分だ。よって、全費用は、確実に半分以下にできる。つまり、電気代込みで、5千円/日となる。


 木酢液:理論的なことを言えば、燃焼木材がないから、収率上昇分だけ増えて4倍になる。ただ、現行法では、燃える前に木酢液が出てくるのだから、本法では、想像だが、2倍くらい採取できるかも知れない。木酢液は副次的なものだから、やってみないと分からない。


⑤ 総合評価:総合評価は次のようになる。


 炭焼の経済効果率():炭焼収率(割合a) + 労力等の間接費(割合b)
  ‥‥(ab=1

                             4a倍             2b倍


 よって、経済効果P= 4a+2b → 約5倍

                        ‥‥大雑把だが間接費が直接費の半分の時


 万歳、電気窯炭焼法は、従来法の5倍の経済効率が見込まれる。間接費の合理化が進めば、更に経済効率は上がる(目標は、67倍)。これなら、里山の再生が夢でなくなる。なお、外国炭の単価は、100円/kgくらいで、他方、日本の単価は、400円/kgくらいだから、上記の数値が確実なら、いや、本当に山村が生返る。ちょっと待て、電気窯の購入費はどうなるのだ。頭が痛いね。これは、国家からの援助に頼るしかない。


 



石油に頼らない能原確保

          −電気炉炭焼窯の推進


 


ⅳ 復水取得率 ‥‥炉底が100度まで


 炭化で発生する水蒸気を水蒸気のまま炉外放出すれば、丸々600カロリーの熱損失だ。もし60度の復水(温水)として放出すれば、熱量損失は常温との差の40㌍/gだから、省エネ率=93%(← 1 40/600(省エネ14)となる。この数値は、炭焼をするのに、殆ど熱原を使わずにできる事を意味する。だが、単純ではない。


 復水は、付着水の膨脹からくるものと繊維素の熱分解水によるものがある。


 付着水の膨脹:薪を燃やしていると、その下端から水が垂れてくる。内部に水蒸気ができ、その圧力で付着水が膨脹してくるからだ。それがどれくらいあるか。


  はっきりしているのは、繊維素だけで付着水がゼロなら、250度以上にならないと分解水蒸気が発生しない。その意味で、水分%がゼロなら、復水もゼロだ。もう一つはっきりしているところがある。沸騰寸前(99℃としておく)では、水
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分は、飽和量近くに来ているのだから、僅かの水蒸気が流れてきても、それが水滴(復水)になる。その意味で炉底が99℃なら、99%の水分が復水になる。


  その中間はどうなるか。水分の少ないところでは、水蒸気が発生しても、木材空間に吸収されてしまう。その意味で、水蒸気の発生分だけ復水は出来ない。そうすると、中間の復水率は、両端を結ぶ直線よりやや少ない量の湾曲で、右図のグラフのようになる。


② 繊維素の熱分解:繊維素が分解されるのは、250度くらいだから、計算上一滴も復水は取れない。しかし、炉頂は、電熱器で直ぐに500600℃まで暖まり、分解水蒸気が発生する。しかもこの時、繊維素中の水分の割合は60%(←186180)だから相当量の蒸気が発生し、これが、送風機の下降流により、100℃以下の原木に触れて復水になる。その意味で、循環流を多くすれば、相当量の復水が得られる。そして、下部木材が乾燥していれば、復水を吸収するが、下部が濡れていれば、復水が多くなる。


  熱分解は250℃以上だし、復水は100℃以下。また、木材表面が250℃になっても、一瞬で内部まで炭化される訳ではない。更に木材が乾燥していれば、発生水蒸気は、木材に吸収される。で、炉内の水蒸気分布が複雑になる。で、我々は、これを最単純化し、炉頂を400℃、炉底を0℃に設定し、案分比例して250℃の位置を定め(上から38の位置)、ここからの上部は全て炭化され、炭化分解水の3分の1が下部の材木層を突破するという条件で、復水率を計算した。水分量=12%程度( 60含水率 ×3/8 × 1/3)となる。その後は、分解水蒸気の殆どが炉内の循環水蒸気になってしまい、この値が正かどうか変わらないが、高水分木材は、繊維素分そのものが少ない。そこで、復水が漸減するとした。グラフにすると上のようになる。


③ 現実の(総合)復水量:現実の復水量は、付着水からくるものと熱分解からくるものの合計だ。案分重量と復水率の組合せの合計が予定収量となる(上図)

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 炭化の促進 ‥‥300度まで


 以上より、炭焼開始から炉底が100度に達するまでに、最良条件による復水取得量が分かった。その先は、可及的に炉底の温度を300度にまで上げ、炉内全体を炭化することに全力を挙げねばならない。ここで、我々が大いに間違っていたのは、「炭化は、ゆっくりやる」だった。これが間違っていたことは先に示した。


 炭化が始まれば、炭化熱が出る。量は、水蒸気熱(600/g)と同じくらいだが、この熱の大部分が、炉頂の水蒸気として貯まってしましい、木材の加熱には役立たない。炭化は、温度のみの関数で、送風速度には関係しないから、上部に熱が貯まらないように、できるだけ送風量を多くして炉頂を冷やし炉底をできるだけ速く300に近づけることが大事だ。


 


 炭化の熟成 ‥‥400600度程度


 木質成分には、繊維素だけでなく、種々雑多のものが混ざっている。低温で焼いた炭は(400℃)、揮発油分が残っており、炎が出て、焼き肉食品用には向いていない。で、高温で焼けば、備長炭の感じに近づき(1000℃)、無炎で、焼き肉用に最適になる。尤も、易燃料は、着火に便利で、難燃料は、高温のみを得るのに適している。


 で、最後の仕上げをどうするか。室内で煙突なしで炭を燃やすには、臭いが気になる。よって、熟成温度は600度くらいまで上げた方がいい。単に炭を利用するだけなら400度でよい。


 電気炉の場合、火力が弱いので(現行実験炉で、火力の5分の1程度)、余り高温にはできない。それと、電気は高価なので、余り大量に使えない。なら、電気炉の場合は、中程度の炭質、単純な燃料用を狙うのが好いかもしれない。


 熟成時間は、5時間を標準にしておけばよいと思われる。我々の実験で、完成した炭を燃焼してみると、3時間ではやや短い感じがした。この話は、主観による差が大きいので、絶対的ではなく、下記の改良をすれば、3時間でも十分だと思われる。


 


 


 


 


 


 



炭焼、従来常識の変更

石油に頼らない能原確保


          −電気炉炭焼窯の推進


 


 従来の炭焼経験則の変更 ‥‥炉内循環を良くし、炉底の昇温


 従来の炭焼では、製品となる木材の燃焼量を少なくするため、ゆっくり炭化すべきだ、とされていた。しかし、外部加熱窯も同じか。我々も「ゆっくり」の迷信からなかなか抜出せなかったが、「ゆっくり」の意味は「燃やしすぎない」の教訓だった。だが、蒸焼き炭焼では、「緩速加熱」ではなく、一般常識に戻り「急速加熱」が適当だ。


 もう一つ重大な事がある。従来の考え方は、煙の色が「青色透明」になったら、炉内温度を高温に保つために、大事な原木だから、ほんの僅かずつ燃やせ、だった。間違いとまでは言えないが、炉底を暖めるために最低の炎流を確保せよ、が正しい認識だ。つまり、炉内蒸気分布の所で述べたが、高温になればなるほど飽和量が増えるので、下方炎流を作らないと、熱水蒸気が炉頂ばかりに貯まって下方が熱くならないのだ。

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 例えば、炭焼が始まった300℃付近の水蒸気飽和量は、100℃60倍であるが、良く燃えている700℃では、900倍になる。800℃なら1000倍を越える。上記実験の200Lの小さな窯に、飽和なら120kgの水蒸気が炉内を駆巡る勘定だ。炉内で、こういう物理現象が起きるのだから、下方炎流を作らねば、下方は暖まらない。比喩すれば、部屋にストーブを入れると、天井付近は蒸れるほど暑いのに、床は全く暖まらない現象だ。


 我々は、炉内では、上昇気流は対流により、下降気流は水蒸気の膨脹で起きるように考えていたが、最大の理由は、発生水蒸気を炉頂の高温側が捕まえて離さないことにあった。そういうことで、炭焼では、下方流を作るために、炉底に煙突を付けて炎流を吸出さねばならなかった。炭焼とは、こういう操作をしていたのだったのだ。


 で、外部加熱窯で、できるだけ多く復水を取ろうと発想すると、①蒸気加熱器にならい、温度が下がれば自然に復水ができる構造にし、木材を乾燥するには、②過熱水蒸気加熱を考えればよい。


 それを満足する炉は、右図に示すような加熱と同時に、送風機の誘導により水蒸気の下方誘導を行えばよい。我々の炭焼炉は、こういう発想の下に造られた。詳細後述。


 


ⅲ 炭焼炉の熱収支 ‥‥水蒸気排出と復水排出の差


 繊維素の炭化と燃焼の熱量関係は先に示した。通常、物理変化という僅少な熱量は無視できるが、木材中には大量の水が含まれているので、水蒸気のまま系外に排出するか、復水にして排出するかは、大きな差となって現れてくる。そこで、ここでは、少し詳しい熱収支を計算してみる。

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 まず、熱収支の基線となる位置を定める。繊維素(セルロース)に置く。そこで、繊維素の生成熱を計算する。面倒な計算になるが、生成熱は別表に載っている。302k㌍/モルだ。


 次いで、炭化熱、木炭の燃焼熱を計算せねばならない。図中に示してある。炭化熱:109k㌍/モル、即ち、0.6 k㌍/gだ。この数値は、水蒸気の蒸発熱とほぼ同じだ。木炭の燃焼熱は、炭素の燃焼と考えると7.8キロになるが、繊維素1gを基準にすると、3.14k㌍/gとなる。また、乾燥木材の燃焼熱は、3.7k㌍/gだ。


 繊維素の炭化には、水蒸気が発生する。この熱は、化学的には僅少だが、炭化熱は0.6k㌍/g程度で、水蒸気も同程度の0.6k㌍/g程度だから、復水化で熱を回収すれば、それが、そのまま省エネになる。図中の水蒸気熱の最小化だ。


 熱原固定率: 有機質燃料は太陽の恵みであるであるが、これを炭にすると、一部その熱が消費されてしまう。木質をそのまま燃焼すれば100%の有効利用だが、水分が多ければ燃えない。そこで、何らかの方式で有機質を乾燥せねばならない。


 熱原固定率という考え方が出てくる。有機燃料を使える形にするのに、如何に元の熱量が残せるかというその比率だ。天日で乾燥すれば、含水量を基準とすれば、固定率は更に上昇させられる。それに対して、木炭にすれば、一部燃やす(炭化)するのだから、当然内部能原が減少する。天日乾燥は、時間と手間が掛かり、炭焼は、速くできるが、そのために熱源の損失がある。どちらが有利か。現代社会では、経済性を重視し、炭焼法を選択した。しかし、この炭焼法でも、不十分。そこで、燃料を灯油にすることになった。更に、極端な例では、「水素燃料」を創る浪費の燃料も創った。


 だから、どんな燃料でも、別の新たな燃料にするにはいくらか損耗するが、元の熱原をどれだけ利用できたかという尺度も重要だ。比喩すれば、黒砂糖から白砂糖にするには、砂糖分がいくらか損耗するが、白砂糖の方が有用だという発想と同じだ。


 この観点から、原理的に炭化により、どれだけ熱源の損耗が起きるかとの計算が必要になる。ここでは、それを固定率と言う訳だ。図から計算できる。

  熱原固定率=1− 1  0.8484


 この固定率84%という数値をどう評価するか。驚異的だ。いや、まだ、付着水を考慮せねばならないから、手放しでは喜べないが、とにかく乾燥木材から「炭」という有用物にするのに、たった16%の目減りなのだから、とにかく凄い。いや、最高は、石炭無煙炭)だ。掘出した物がそのまま燃料になるので、固定率は100%だが、石炭は採掘とガラ処理に費用が掛かるから、その分を引かねば正味の価値は分からない。


 


 


石油に頼らない能原確保       
          −電気炉炭焼窯の推進


 電気炉炭焼、鍵は飽和水蒸気量


 前項の目的を同時解決するには、どうしたらいいか。我々は、何も考えずに、電気炉で木材を蒸焼きにし、その蒸気を復水にすることを目指した。蒸焼きの所までは巧くいくが、水蒸気の下方移動が全くできなかった。何故か。100度以上になった水蒸気の挙動が全く分かっていなかったからだ。気がつくのに2年近く掛かっていた。

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 それは、100度以上の水蒸気は、想像しがたい速度で飽和量が増加し、750度以上では、飽和量は、100度の1000倍にも達するのだ。それを上のグラフで示した。


 このグラフを元に、炉内の水蒸気滞留量を推定してみた。推定の基礎条件は、次の通り。炉容量200L、詰込み木材85kg、水分35(非常に多い)、電熱器4.2kW、通電時間15時間。炉内気体の循環 毎分1立米程度。通電3時間で、炉底が100℃に到達した。 炉内蒸気の計算は、炉を4分割し、温度と飽和水蒸気との関係から予想した。


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 このグラフから分かることは、炉底が100度を越えると、炉内水蒸気は、飽和量の方が遙かに大きいため、炉内から水蒸気として排出されないことだ。炭焼で言えば、青煙になって殆ど煙が見えない段階だ。その時、水蒸気は、炉頂部に貯まる。その後、電源を切ると、炉内温度が急に下がり、どっと復水化が始まることになる。






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