日本の再生と国際化を考える

英才教育、日本語の国際語化、数値の3桁読み、度量衡改革、漢字仕様電脳、やる事は多い。

中国毒餃子事件

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続4・中国毒餃子事件、証拠の背後に何があるか
 
5、親元への取材禁止、後で真実がばれるのだろう
 
 今次の犯人検挙では、どこにも捜査の跡がない。だとすれば、親元へ取材すれば何らかの正しい情報が出てくるかも知れない。それは、危険なことだ。
 私は、こんな理由で、親元への取材を禁止したのだろう。日本の取材者が親元に踏み込むと、村民の生活の平穏を邪魔しないでくれとの理由で取材禁止されたようだ。
 中国公安は、こういう理由で、あらゆる事を禁止する。私も類似の経験がある。上海の日本語学校で騒動があった時、多くの学生が助けを求めて日本人の宿舎になだれ込んだ。そうするとどういう事か、学校側は、日本人を保護するために、これらの学生を排除すると言って捕まえ始めたのだ。そこで、我々は、その必要はない、学生は、我々が読んだのだと言った。現にそうなのだ。そうすると、学校側は、もしものことがあって日本人に怪我人でも出ると困り、我々は、命にかけてでも日本人を守る義務があると言うのだ。結局、学生は、一人ずつごぼう抜きだれて、日本人宿舎から引きずり出された。この手の実力行使は、公安の常套手段のようだ。
 
 どんなことでも、屁理屈はある。公安と対峙した時、公安の言うことに真実はない。
 
6、呂の戸籍には、不明朗な点がある
 中国では、戸籍を替えるのは、非常に難しい。こうやる。まず、古い勤め先で、離職証明を出してもらって、新しい勤め先の入社証明書をもらうというやり方をする。この間の操作は、まず、新しい勤め先で採用されて、元の職場に戻って、自分が辞めることを承認してもらうというやり方をとる。会社は、丸で個人の監視員のようだ。
 例えば、上海内で仕事を替わるのだったら簡単だが、内陸から出てきた人が正規でこの手続きをしようとすると、不便であるばかりか、元の職場がお前逃げるなと言おうものなら転職はだめになる。だからかも知れない。あいつは、この会社を辞めてどこへ行ったという情報が簡単に入るのだ。
 いや、いくらでも都市には臨時工がいるじゃないか。そう、いる。だが、彼らは、潜りだ。いや、潜らなくても、新会社で臨時住所を設定してもらえる。上海では、潜りが多くなったので、苦肉の策としてとられた処置だ。
 絶対によそ者はいれないという都市もある。例えば、南部の都市だ。広州までは、簡単に行けるが、そこから先は、身分証明書がないと入れない事がある。バスの中で検査がある。私は、その現場に居合わせたことはないから、何とも言えないが、私の知り合いでは、何人か途中で降ろされたと言っていた。いずれにしても、移動は、簡単じゃない。
 
 そこで、呂の場合であるが、原籍を親元にせずに義父宅にしたのか疑問が大きい。そういうところから見ても、呂には、何か裏がある可能性はある。ただ単に就職のために、寄留するというのではなさそうだ。先にも言ったように、あれだけの事を背負って別の土地に行くのだ。私には、何故なのか見当がつかない。
 
 
7、呂が妻に自分が犯人だと言っただって
 中国では、自分の家に表札をかけない。だから、1号室に誰が住んでいるか、2号室に誰が住んでいるか、皆目見当がつかない。人を訪ねるには、警察に行って聞くほか手がない。どうだ、驚きか。それくらい、個人情報が入りにくい。人の付き合いは、本当に、個人的なのだ。
 だから、自分の妻や親戚には、自分が犯人だと言っても平気か。まさか。とにかく、公安に睨まれたら最後、もう犯人に仕立て上げられてしまう。そんな怖い土地柄だ。自分が犯人だと言うことは、あり得ない。仮にその人が犯人ならば、仲間同士でも、偽名で連絡し合うほどの警戒振りだ。先に書いた通り、人脈による芋蔓操作があるので、うっかり喋るなんてな事はあり得ない。日本では、犯罪を自分の手柄のように吹聴して回る者がいるが、中国でそんな事をしたら、命はいくつあっても足りない。ちなみに、中国の死刑執行は、闇の中だが、年間3千人から8千人だといわれている(アムネスティ)。世界の死刑執行の9割以上が中国で行われている。断、断、断トツの世界1だ。この怖さを知らない者はいないだろう。だとしたら、口が裂けても「自分が犯人だ」とは言わない。
 
 中国公安の主張は、にわかに、どころか、全然信用できない。
 
8、正社員にされない事への鬱憤、それなら500人はいるぞ
 こんな理由は、掃いて捨てるほどある。こんな単純なことは何の理由にもならない。日本人は、これで納得できると思うが、こんな事で犯人にされるのなら、犯人候補は5百人はいる。
 
 今、中国の農村は、50年前の日本の所得倍増政策の頃と似ている。都市と農村の格差が広がり、農村では生活できなくなっていく過程だ。いや、もう、中国の農村の荒廃は酷い。酷いと言うより、食べるだけ、という動物並みの生活をしている。だから、若者は、都市へ都市へと流れる。そこで、職にありつける者は幸いだが、都市には仕事が多いと言っても無限にある訳ではない。どうなるか。そう、この事件で犯人に名指しされている者みたいな運命が待っている。いや、これでもいい方だ。その仕事もない時は、男は、泥棒、ポン引き、ダフ屋、ヤクザなどになっていく。女は、もう、売春婦。決まっている。いや、若くて奇麗でないと売春婦にもなれない。それが、今の中国の姿なのだ。
 
 それに対する会社の幹部、通常の数倍の賃金をもらっていい生活をしている。農村から出て来た者が怒らない理由がない。更に言うと、社長は、従業員を低賃金で働かせ、残った金は全て自分の収入としている。雇った従業員に経理を任せては、金を抜かれると、自ら財布を抱え込むか、親戚の者を雇って、一族で金勘定を独占している。一体いくら収入があるのか、どこに裏金を使っているのかも分からない。そんな会社経営だ。
 
 従業員は、呂でなくとも、機会あれば、会社の金や資材を盗んでやろうと考えている。私の知合いの者が言った。自分は経理をやって、会社の金を少しずつ抜いてやろうと思ったが、経理になった者は別の者だったと。また、別の者は、非常に奇麗だったため、社長の目にとまり、結婚、経理になった。そうなると、自家用車を乗回すようになった。それまで、給料が安い、上海に出て行って職を探したいと言っていたのが嘘のようだ。
 
 臨時工は、皆こういう状態でいつもいらいらなのだ。はっきり言って、少数の運のいい者だけがいい夢を見られる。なら、そうでない者は何人くらいいるのか。一族以外は全部だと言っていい。この天洋食品ならば、臨時工の850人は全部だと言ってもいい。
 こうして、天洋食品では、臨時工を中心として不満が爆発することになった。会社の犯人捜しが始まる。誰が、一番割を食っているか。それが犯人に違いない。こうして、洗い出されたのが呂だったわけだ。いや、本当に呂が犯人かも知れない。言えることは、呂は、最大に不満をため込んだ臨時工だったという訳だ。
 呂が犯人でなかった場合は、どうなるのか。それは、それでいいのだ。中国には、無辜の者を処罰してはならないなどと言う考えはない。いや、私は、そんなに正確な事は分からない。中国の道徳みたいな教科書を読むと、自分は学は無くても、与えられた職場で全力を挙げればそれでいいのだ、というような事が書いてある。なら、呂が浮かばれるには、「宗教」にでも入らねば救われない。また、道徳の教科書は、その「宗教」信仰と矛盾しない。結局、役に立たない者は、その者を犠牲により、他の者が豊かになればいいのだとなる。そこいらの犬がなぶり殺しに遭ったところで、我々は、それは間違っているなどとは言わない。そう、呂もそうなのだ。学校に行っていないから、字もろくに読めない、仕事もろくにできない。そんな者は、犬同然なのだ。彼に犠牲になってもらい、中国が、日本との交渉に有利な条件ができれば、それで十分じゃないかとなるのだ。
 
 この筋書きは、私は、本当に正しいかどうかは分からない。だが、中国政府が、情報取得を極端に制限する裏には、この筋書きと矛盾するところはない。
 
 呂の冥福を祈るのみだ。終り。

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続3・中国毒餃子事件、証拠の捏造も思いのまま
 中国政府は、いくつかの事情と証拠を挙げ、毒餃子事件の犯人を検挙したという。犯人が工場内の人間であることは99.9%確かだが、呂が本当に犯人だろうか。中国政府の説明は、矛盾が多いと言うより、事実に反することばかりで、証拠は、犯人製造のために作られた物だといわざるを得ない。
 
 ⅰ 分解しやすいメタミドホスが、2年もたってから、下水道から発見されたこと
 ⅱ メタミドホスは芝生用だったとの主張。芝生に、何故、殺虫剤がいるのか。
 ⅲ 側溝、川は、ゴミ捨て場。そこから出てきた物が、犯人の物と断定できるのか。
 ⅳ 2年後、近隣者の証拠を得たとすること。近隣の人は、その事実すら知らない。
 ⅴ 何で、親元の取材を禁止するのか。後で真犯人が見つかっても、死人に口なし。
 ⅵ 呂の戸籍は実家から80キロ離れた親戚にある怪。
 ⅶ 妻に、自分が犯人だと言ったこと、そんな事がありうるのか。本人も1ヶ月調べたという怪。それが、2年後突如として、あり得るのか。
 ⅷ 会社への不満、これは理由にならないほどおおい。真の理由は、陰湿な攻撃だ
 
 ざっと、こんな所に疑問がある。ⅰ、ⅱ、ⅲは、中国当局の話を聞かなくても、日本の化学者なら判断できる。客観的に起こりえない事が証明される。月の石を拾ってきたに属する証拠だ。
 供述証拠は、供述自身は真実かも知れないが、「一つしかない選択肢」の責め具で責められた可能性は99%以上だ。
 
1、リン系殺虫剤の分解性
 リン系殺虫剤は、分解しやすい。裏を返せば、殺虫力が強い。これは、農薬研究者の常識だ。というのは、メタミドホスは、化合物の分類で言えば、「リン酸アミド」。「酸アミド」とは、酸性物質と塩基性物質(アルカリ性物質)との塩のことだ。一般に、有機塩は、「酸」または「アルカリ」の存在下では、非常に分解が速い。中性でも、水溶液中なら結構速い。排水溝が、ある時、酸性になり、またある時は、アルカリ性になるのは、極めて常識的。酢を流したり、石けんを流したりするからだ。ここまでは、基礎知識。
 
 さて、中国政府は、事件発生2年後、注射器と共にメタミドホスを検出したという。年中水溶液の中に漬かっていた注射器内の有気塩が安定であり得るのか。
 いや、大量に注射器内に残っていたというならいざ知らず、通常の犯行で使われていたとするのなら、付着程度。基礎知識で述べた事実から、あり得ない。だが、分解メタミドホスが付着する可能性はある。だが、水に対する溶解性は、分解物の方が大きい(この辺りは、何とも言えないが、有機物が分解した元の酸、塩基の場合は、それぞれ溶解度が大きくなる)。だったら、分解後は速やかに注射器から除去され、常識的には、注射器内には何も残らない。
 言うのを忘れている。農薬の分解速度は、夏は、冬の10倍以上にはなると考えられる。病院からもらってくる液体薬は、冷蔵庫に保管せよといわれるだろう。これは、その裏返しなのだ。この事件では、2夏を経過している。分解しないで残っている物がどれだけあるというのだ。
 
 以上から考えて、「にわかに信じがたい」のじゃなくて、「そんな事はあり得ない」。あるとすれば、最近、誰かがその場所で証拠を創ったものだ。
 
2、殺虫剤を芝生に撒くのか、除草剤と違うか
 工場内では、芝生に殺虫剤を撒くのか。これは常識に反する。殺虫剤の主な目的は、蚊や、蚤、南京虫の駆除だ。食品会社で、芝生付近で使うはずがない。芝生には、除草剤を撒く。いや、撒かなくてもいい。雑草が伸びてきたら、手で引き抜いていい。中国で、芝生に除草剤を撒いているところは皆無だと言っていい。人手は余っている。清掃員は、石を投げれば当たるほど多い。そんなところで、除草剤を撒こうものなら、直ちに何十人も首を切らねばならない。
 なら、殺虫剤は、どこに使ったのか。想像するに、従業員宿舎だ。夏には、痒くて堪らないから、大量に使われたはずだ。そして、10月、11月、虫も一休み。殺虫剤はそこいら辺りにごろごろしていたはずだ。寄宿舎以外にも、殺虫剤を使うところがある。当直室だ。日本と違って、中国では、職場毎に当直室がある。こんな所は、秋になれば、誰も殺虫剤の存在には気付かない。犯人が使ったとすれば、そんな物を1本持って来たのだろう。なお、当直室は、職員が順番で当直するのではない。ある特定の者が家には帰らず、夜も昼もそこに寝泊まりするところの事をいう。いわば、ある特定の人の寝室だ。だから、その人は、自分のアパートを持っていないことが多い。呂の場合は、工場の外にアパートを持っていたのだから、呂が犯人ならば、こそっと盗んできたことになる。
 
 中国当局のいう「芝生用の殺虫剤」は、あれば極めて特殊な物だったということになる。はっきり言って嘘だ。最初に発表した「殺虫剤は使用していない」が正しい。だが、今次は、犯人を作り上げるために、素人である担当者が「過って、芝生用の」と言ったのだろう。
 
3、ゴミ捨て場、それと同然のところから証拠が出てくるのか
 犯罪者の心理として、凶器はどこに捨てるか。もう少し、分かるように言おう。犯人は、見つかりにくいところに捨てるか、見つかりやすいところにすれるか。言わずとも分かっている。ゴミが沢山捨てられている所だ。そこなら、他のゴミと混ざって発見されにくい。常識だ。
 
 まず、中国の側溝について説明しておこう。本件では、発見場所は、工場内のとしているので若干違うかも知れない。
 中国では、管理の行き届いていない側溝は、ゴミ捨て場と同じだ。残飯がよく捨てられる。そのほかに、分解しないで残っている物に、練炭の燃えかす、ポリ袋、瓦礫、紙類がある。流れていないところは、信じられないほど臭い。池でも同じだ。池の場合は、一方の側から、そういうゴミで池が埋立てられているところが多い。
 さあ、犯人は、そこに捨てるか。勿論、捨てる。絶対に見つかりっこない。
 
 政府発表では、工場内の下水道となっている。だから、一般の側溝より奇麗である可能性がある。私は、見たわけではないから、正確な所は分からない。常識的に、そんな見つかりやすいところに捨てるわけがない。手で握って運べる物なら、誰がどう考えても、工場の外の側溝に捨てるだろう。ちなみに、呂は、工場近くのアパートに住んでいる。
 それと、2個同時に見つかったという怪。犯人は、気が動転しているから、早く証拠を捨てたいという気持ちは分かる。だけど、同じような場所で、見つかりやすいところに捨てるだろうか。まかり間違っても、2度目にそんな事をするわけがない。
 
 纏めれば、呂の供述とされた所に、誰かが新しい証拠を創ったことは明らかだ。
 
 
4、2年後に突如として、犯人が見つかった怪
 その年の年末、つまり事件後8ヶ月頃は、公安当局は、人気のいなくなった工場付近を必死に犯人を見つけて捜し回った。だけど、犯人は見つからなかった。得に、呂は犯人と目星を付けられ、1ヶ月も調べられた。だが、断定はできなかった。だが、2年後は、あっさり見つかり、自白も得、近隣の人からも供述証拠が得られた。政府の言うこの情報を信じる者がいるか。
 
 中国公安は、その者を犯人に仕立て上げたければ「一つしかない選択肢」の責め具を使えば、1ヶ月と言わず、1週間で、犯人は特定される。
 そうであるから、呂がもし犯人ならば、事件後一目散に逃出すはずだ。よく中国では、「戸籍」を買って逃げるという。公安は、地域の人物の全ての情報を握っているので、その筋から追える人物は、どうやってもこうやっても公安からは逃げ切れないのだ。情報としての記載事項は、生年月日、原籍、現住所履歴、勤め先、臨時の勤め先、結婚歴、離婚歴、その他だ。私は、ここに記した物については確実に知っている。何故か、その理由は言えない。
 呂は、逮捕された時は、工場近くに家族と共に住んでいたのだから、奇怪としか言いようがない。逮捕してくれと言わんばかりだ。非常にあり得ないことだ。
 
 公安は、近隣の人から供述情報を得たというが、そんな事はあり得ない。中国人は、天気がよければよく外で食事をする。家はとても狭くて、そんなところでは、食事をする気になれないからだ。それと、暑い時は、家の中には居られないので、多くの人が夜遅くまで外で夕涼みをする。また、暇な者は、朝から麻雀、トランプをする。
 もし、毒餃子事件で、公安当局がその辺りをうろつけば、その日の内に、情報は団地を駆け巡る。皆んな、天洋食品から首になり、いらいらしている。殺気立たないはずはない。そして、犯人はいなかった。そして、2年。人々の関心は薄くなっていった。そこへ、当局発表の生々しい情報。真実ならば、直ぐ近所に伝わる筈。それがないと言うことは、当局が調べて回ったという事実自体が嘘なのだ。
 
 纏めると、当局は、現地に行かずに、机上で情報を作り上げた可能性が99%以上ある。得に、呂を1年ほど前に1ヶ月も責めたという下りは、100%ないと言ってもいい。そこまで目星を付けたのならば、その時点で、「犯人に仕立て上げている」。
(続く)  
 

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続続・中国毒餃子事件、犯人製造は思いのまま
 中国政府は、犯人を逮捕し名前を公表した。この人物は、本当に真犯人か。いや、私は、冤罪じゃないかと言っている訳じゃない。石家荘の会社付近に犯人がいることは、前回の論述で確かで、言いたいのは、呂月庭が真犯人かも知れないが、中国の犯人逮捕は余りにも人権無視が酷く、犯人誤認の確率が極めた高いと言いたいのだ。
 日本の戦前の特高の酷さは、知る人は知る。とにかく、特高に狙われたら、もう運の尽きだと言われた。あらゆる手段によって自白を強要された。拷問だけじゃない、家族の安否を気づかわせ、放免を餌に仲間の告知を迫った。色事も使われた。中国では、果ては公開強姦も使われている。
 これでは、攻められる方がもう保たない。これから、私の知っている中国の犯人逮捕の手口を紹介しよう。
 
1、「1つしかない選択肢」という責め具
 静かに話し合った。その結果、彼は「自白」した、という場合、この自白は任意の自白か。更に、任意だから「真実」に違いない、という推定。これが正しいのか
 以前、私は、そう信じていた。だが、今は違う。容疑者に指一本触れることなくて、彼を奈落に陥れることができるのだ。そう、それが、「1つしかない選択肢」という責め具なのか。そうなのだ。
 こうするのだ。「お前は、やったのか」「やっていない」「なら、頭を冷やして考えよ」。もう、それだけなのだ。部屋から出られはしないが、何をやっても構わないという攻め方だ。明くる日、担当者がやってくる。「考えたか」「考えた」「なら、どうだ」「俺は、やっていない」「そうか、なら、今日は終わり」。その時間30秒と掛からない。
 とにかく、担当者は、何も聞いてくれないのだ。何か言おうとしても、全く無言で出て行ってしまう。容疑者は、次に来たら何か言ってやろうと思っても、何も言えない。こんな日が何日も、というより、1週間で十分だ。容疑者は、何の手応えもない状態では却って憔悴し、もう、犯人でなくても早く楽になりたいと思う。
 
 こんなやり方は、中国では、日常茶飯事に行われている。一つ例を言おう。日本語学校の例だ。
 ある学生が、授業中に小用に出た。日本人が許可したのだ。そうすると、たまたまそれを見ていた教務が、不真面目だと、始末書を出せと言ったのだ。だが、実は違う。休み時間が短すぎて、私の計算では、一人平均30秒ほどで、その時間内に全部の者が用足しできなかったために起きた問題だったのだ。
 学生が怒った。始末書を拒否した。そうすると、どういう事か、教務はその者の机と椅子を放出し、その者を特別室にいれて、反省文を書けと迫った。それに気付いた日本人が、机と椅子を戻し、教務に抗議したが聞き入れない。再び、机と椅子を放出す始末なのだ。ついに、学生が負けた。先生、私たち、始末書を書きます、と。その後、教務は、やはり、奴らは不真面目だったのじゃないか、との勝利宣言。
 
 第2の例。先に揚げた、日本人逮捕のために「告発書」作り。どうやって学生を責めたか。
 理事長が言う。「お前は、いい奴だ、俺は時間がない。あの日本人について知っていることを全部言ってくれ」「はい、あの先生は、いい先生です。私たちの面倒をよく見てくれました」「ばかやろう。俺は、そんな事聞きたくない。考えてくれ」「考えても出てきません」「そうか、それなら、教えてやろう」。別の物、多分、公安関連のヤクザだ。
  「よく聞け、あの日本人は、日本の右翼で、日本のスパイなのだ」「ええっ、そんな事、初めて聞きました」「お前は、世間知らずで、こんな事も知らない。だけど、これは、本当のことだ」「そんな事はありません。絶対ありません」「まあいい、よく考えてくれ。俺は、行くから」。学生は、何も言われず、自動車でどこか連れて行かれる。丸で小説のような事が始まる。
 10分かそこいら、田舎道を走る。どこからともなく、理事長が現れる。「どうだ、何か言うことはないか」「ありません」「バカヤロウ、無いんだって」「はい」「なら、もう一度、あの人を連れてきてもいいんだぞ。お前は、いい奴だ。俺を困らせるな。お前が、あの日本人の話してくれたら、後は悪いようにしない」「だけど」「いくら考えても、お前、自分の立場を考えて見ろよ。俺は、お前の親も知っているのだぞ。このまま、こんな事をやっていても、事は解決しないのだぞ。とにかく、俺は、お前があいつの事を話してくれるのを待っているのだ。それに、そんな手荒なことはしたくないのだ」。学生が観念した。「書きます」「そうか。これで、俺は、あの人を連れてこなくてもすんだ」。
 
 まあ、こんな調子で、ある日本人に関する調書が作られていった訳だ。ちょっと待て、そんな事が簡単に分かるのか。実は、その学生が、事件後、日本人に詫びをいれ、その時に提出した資料にこのような事が書かれていたのだ。この詫び文書は、便せんに7、8枚あり、中国語で書かれていた。前文は、その一部だ。私は、そのコピーをもらったので、確実な証拠だ。これは、勿論、彼の任意で自発による文書で、確実に信用がおける文書だ。「一つしかない選択肢」じゃない。
 
 第3例を挙げよう。これは、私自身のものだ。ある時、おもちゃ会社にいる時、断っておくが、私はその社員じゃなく、居候しているだけだ。
 共同企画者が、私にこう言うのだ。「先生、先生の計画は、それではダメです。もっと、でっかく造り、金の取れるものにしましょう」「だめ、ですよ。技術を駆使し、小さく造ることこそ、皆んなが喜ぶやり方なんだ」「いや、だけど、それでは儲かりませんよ」「いや、儲けに主眼を置いてはいけないよ。技術だよ」。とまあ、私は、彼と意見が合わなくなった。彼は、最後にこう言い残した。「先生、いいですよ、私は、待ちますから、私の案を採用すると決めたら、私に連絡して下さい」と。私は、何も中国まで来て喧嘩をすることなんかないと思うようになり、全く屈辱的だったが、3日もしないうちに、方針変更を迫られることになった。
 
 他にも、体験記などには、この種の「一つしかない選択肢」の責め具は、広く使われている。
 
2、誰が、責められたか、身内、知人、友達は全部
 一つしかない選択肢で責められるのは、本人は勿論だ。だが、通常は、家族が責められるのだ。
 今次の容疑者・呂は、嫌疑を掛けられてからは、当然、拷問は分からないが、「一つしかない選択肢」の責め具で責められている。他に、だれかいないか。いる。大勢いるのだ。
 ちょっと考えてみただけでも、今次の事件は、不可解な事情が多すぎる。
 ⅰまず、天洋食品は、毒入り餃子が見つかって、1ヶ月もしないうちに、従業員は全員解雇されている。なのに、肝心の「呂」の捜査は10ヶ月くらいたってから始まっている。関係者が一人もいなくなってから、どんな聞き込みができると言うのか。できる。これは、後から話す。
 
 ⅱ真犯人なら、当然逃げると考えられるが、何で、いつまでも石家荘近くで逮捕されるのか。
 
 ⅲ証拠とされる物が、供述に従って出てきたようになっているが、その時捜しても出てこない者が、農薬の付着した注射器がどうして簡単に見つかるのか。ちなみに、中国は、溝、川は、ゴミ捨て場と同じで、とてもそこから証拠が探せる状態ではない。捜せば何でもそこいらに落ちている。そんな小さな物品である証拠捜しは無理に近い。
 
 以上の事を前提に、誰から、どんな聞き込みをしたのか考えてみよう。
 公安は、誰が犯人かは、従業員名簿で当たりを付けられる。たった850人の臨時工だ。容疑者・呂は、当然、真っ先に揚げられただろう。他にも勿論調べられた。私の想像だが、皆んなどれも犯人のようであり、どれも違うように見えたはずだ。懸賞金30万元を付けたという事の裏には、人脈の洗出しが目的となっているのだ
 
 公安は、何を考えたか。「お前、自分が犯人じゃないとしたら、誰が、一番臭いか言え」だったはずだ。中国の刑罰は、非常に厳しい。なら、自分に嫌疑が向かないようにするためには、犯人になりそうな人物の名を言った方がいい。多分、こうして、何人かの名が上がったはずだ。
 私は、もう、蜘蛛の子を散らすようにいなくなった者の捜査なんかできっこないと思っていたが、芋ずる式に、可能性のある者が表出されたはずだ。
 
 さあ、どこでどんなことをしているか分からない者をどうやって捜すか。中国では、それができるのだ。最初に狙われるのが、家族だ。家族は、自分の息子や娘が犯人だとは思ってもいないから、比較的簡単に家族の居場所を漏らしてしまう。怪しいと思った時は、勿論、口を割らない。その時なのだ。家族をしょっ引いて、「一つしかない選択肢の責め具」責めるのだ。自分は、勿論、犯人じゃないのだから、その間に、息子や娘に電話で確かめるだろう。自分も犯人だとは言わないから、結局、親は、子供の住所をいわざるを得ない。中国では、身分証明書に直結している公安調書に書かれた住所、勤め先、そういう者から、実に簡単に身元が特定できる。これが、全公安当局にほとんど安全番号なしに担当者が情報を抜き出し、コピーもできる。私は、1mも離れていないところから、公安職員がそんな事をやっているのを現認している。
 こうすると、家族、知人、友人の網から、やる気になれば、その者の居場所は、比較的簡単に分かってしまうのだ。まさに、蛇に睨まれた蛙のような物だ。ここで思い出してみよう。福岡で中国人による強盗殺人事件が起きた。犯人は、3人組で、一人は日本で捕まり、2人は、故郷の瀋陽に逃げ帰った。情報が日本から中国に伝わると、一人は、逃げ切れないと観念して自首した。最後の一人は、北京に逃げていたが、聞き出されてしまったのだ。中国公安は、凄い力を持っている。その裏には、「一つしかない選択肢の責め具」で周りの者をぐいぐい責めるからだ。
 
 続きは、また明日。
続・中国毒餃子事件、社内の不満は力で抑えられた
 
 中国毒餃子事件では、2年間も、犯人逮捕が困難だったのに、今次、突然その発表があった。地元では、何らかの捜査活動があったという報告もない。それなら、犯人はもうとっくに分かっていたのじゃないか。
 なら、何故、中国政府は、事件直後、それができなくても半年以内に、何故、犯人が逮捕できなかったのか。新聞によると、9ヶ月ほどたった時に容疑者の尋問等が行われたことになっている。何か、この辺りにも疑問が残る。いや、そもそも、犯人逮捕は、真犯人を逮捕したのか。中国の国情を考えると、大いに疑問だ。ここでは、その辺りの事について考えてみよう。
 
1、天洋食品では、労働者の不満は渦巻いていた
 新聞によると、天洋食品の労働者の不満が特殊なのかどうか分からない。
 だが、中国では、労働組合がなく、労働者は、自分たちの不満を訴える場がない。僅かにあるとしたら、市政府の中に「苦情処理室」という所があり、そこに文書で訴える程度だ。この訴えだって、文書で訴え、当該部署の再考を促すだけで、他の部署が強制的に捜査を行うものではない(後述)。勿論、あの会社のやり方は酷いなどとデモ行進したり、ビラで訴えることはできない。だから、一般に、労働者の労働環境は非常に悪い。
 
 賃金その他の労働条件は、会社の一方的判断で決められている。そんなのだったら、労働条件は止めどなく下がっていくのではないか。その可能性はある。だが、そうはならないのだ。相場がある。相場とは、中国では、現場の労働者は、嫌なら直ぐ止める。だから、他の工場より極端に賃金を下げることはできないのだ。まあ、そういう事で、相場の賃金というものが自然とできている。
 日本のように終身雇用ということはない。いや、終身雇用もある。幹部職員だ。今次、天洋食品に850人の臨時職員がいたと報じられているが、これは、一般職員の事だ。彼らの給料は、12時間も働いて800元かそこいらしかもらえなかったというのだから、かなり酷い。上海当たりなら、これだけ仕事をすれば、2、3千元はもらえる筈だ。悲しいかな、このような田舎では、他に企業がないから、会社は、賃金をいくらでも安くできた。
 800元という金額は、自分一人の生活費を賄うのが精一杯だ。容疑者の場合、夫婦二人で、1600元程度の収入になり、この中から、自分の子供生活費などを送ることになるが、多分千元くらいは仕送りしていただろう。そうすると自分たちの残りは、二人で600元。この水準の生活は、乞食同然だ。そんな生活をいつまで我慢せよと言うのかいう不満があったはずだ。
 
 この会社は、日本への輸出でかなりの利益を得ていたと考えられる。なのに、これほどの低賃金、とすれば、当然、幹部は自家用車を乗り回す生活だったに違いない。こういう状況は、中国では普通に見られる状況だ。後で私の経験を述べる。
 毛沢東時代のように、皆んなが苦しければ、労働者も納得できる。だが、自分たちの生活は、乞食同然に苦しいのに、幹部は、信じられないような贅沢。これでは、労働者の不満は溜まるばかり。しかも、先にも言ったように、訴え先がないのだ。
 
2、中国のある会社経営
 一握りの幹部の贅沢のために、多くの一般労働者が酷くこき使われる。こんな事が長続きするのか。私は、上海近くの工場で次のような経験をした。
 
 労働者は150人。新しい会社だ。労働者の大半は、20代の青年で、会社の一角にある寮に住んでいた。食事は、全て会社が提供。始業は朝8時、終業は5時。だが、その後に8時までの残業がある。納期に追われる時は残業をやっていたが、私は、その当たりは知らない。この会社はおもちゃを作っており、主に米国に輸出していた、といっても上海の商社を通じて輸出していたので思ったほど儲けはなかったようだ。社長曰く、自分の会社は、上海地区では最大だとのこと。そんな工場だから、労働者が特に搾取されるほどの条件の悪さはなかったように思う。とは言え、1ヶ月に10〜20人ほどの退職者があり、この会社が特にいい会社というわけでもなかった。
 
 会社の幹部は、出資者と、雇われ社長の2人。いや、もう一人いたが、彼らとは閨閥関係、同級生関係にあり、いわば全て身内。金銭関係その他の重要事項は、全てこの2人と親戚でやっていた。余談だが、出資者は、自家用車に乗っていたが、社長は、家を造るために質素な生活をしていた。
 勿論、これだけでは幹部要員は足りない。そこでどうしたか。ここからが、中国の会社経営の核心部分だ。
 会社には、部課があり、それぞれ責任者がいる。責任者と言っても、30そこそこの若者。この若者を通じて労務管理をした。彼らを1ヶ月に1回料亭に招いて慰労会をしたのだ。私は、部外者だったが、一度この慰労会に招かれたことがあった。いや、他の会にも、時々招待された。それで、どんなことをやっているのか、その様子を知っているわけだ。残念ながら、私の身分を明らかにすることはできない。
 その会に出席すると、どういう事か、社長が隣のテーブルに座っている者としゃべり始めた。同業者じゃないが、資本家仲間なのだ。どうも、上部層には、こういう連帯があったようだ。
 
 分かっただろう。こうして、彼らは、一方で、会社の飼い犬を育て、他方でまた、他の会社とも情報交換をしていたのだ。
 この会社では、それが奏してかどうか分からないが、多分、社長の穏やかな性格もあり、労働争議は起きなかった。
 
3、日本語学校で争議勃発
 私は、ある時、日本語学校に就職した。いや、まあ、驚き。この学校の理事長は、名うての女たらしの守銭奴。上海中に、その名をとどろかせていた。就職して初めてそんな事が分かった訳で、辞めるにも辞められなかった。契約書には、この契約は絶対に破棄できないもので、もし辞める時は、2万元(?)の罰金を払うこととなっていた。
 学生は、450人。ここを僅かの講師と管理人で運営していたので、その利益率たるや粗利益は90%を超えていた。例に漏れず、社長(理事長)は、自家用車に乗っていた。そして、日頃の管理は、身内に任せ、中国人講師、日本人講師には、紙1枚といえども只でやることはなかった。そこまで締め上げていた。
 
 ここで、あの新型肺炎騒動が起きた。驚き、理事長は、それにかこつけて学生200人をだまし討ちにして退学させてしまったのだ。皆んな外に出ろ、出たら、門に鍵をかけて、特定の者しか入れなかったのだ。勿論、大問題。だが、理事長は、閉め出された者が諦めるのを只待っただけだった。警察が来た、暴力団が来た。理事長は、騒動が起きることを予想して、彼らを呼んだのだった。ええっ、警察が何で暴力団と一緒なんだ。分かるだろう。飼い慣らされた犬なのだ。
 
 次に、学校が授業を短縮するといったので、学生が立上がった。授業料を返せ。理事長は、学生の代表を何度も何度も懐柔した。我々日本人にも回し者をつくった。それでも学生はくじけなかった。
 さあ、これから、理事長がどんな手を使ったか話そう。
 日本人のある一人がよくない。あの者が、学生を扇動しているに違いない。あれをしょっ引いてやれ。運動の中核だったある学生を逮捕し、自動車に監禁した。そして、「あの日本人は、日本の右翼だ、ヤクザだ、回し者だ」と脅したのだ。最初、学生は、拒んでいたが、観念して、その旨の「調書」に署名して釈放された。彼が、その時の模様を記録した回想録が残っている。
 
 理事長は、その調書を公安当局に提出した。息のかかった公安がやくざ風の男と共に学校に逮捕にやって来た。○○はおらんか。○○は、公安に捕まった。逮捕されるか。いや、きわどいところで逃げられたのだった。実は、もう事前に、日本人講師たちは、何か起きそうな事を察知していて、上海の日本領事に救済を申入れていた
 学生、日本人、学校職員が取囲んでいる中での逮捕劇。50人。というより、緊急、緊急。一斉にある者が全員を集めたのだ。そして、領事に電話、そして、その電話を公安職員に渡したのだ。数分の後、その日本人は解放され、公安とヤクザ風の者は帰っていった。
 
 その後も、闘争は続いた。その日から、ヤクザ風の者が6人、常駐することになった。最大の山場では、20人ほどだった。こうして、理事長は、公安に助けられて、この学校を守りきったのだった。尤も、最後の最後は、若干の和解金を出さざるを得なかった。
 
 2項と3項の事実から、皆さんは、天洋食品で、平時何が起きていたか想像がつくだろう。そして、投毒のあった辺りでは、何らかの労使紛争があった模様で、新聞に書かれていない何か凄いことが起きていたことが想像に難くない。ひょっとすると、容疑者とされた者は、争議の中心人物だったのかも知れない。
 
 今日は、ここまでにしておく。

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中国毒餃子事件、犯人逮捕の裏を読む
 
 中国毒餃子事件の容疑者が逮捕されて、事件収束の気配が見えてきた。その間2年、この事件は、こんなに難航する事件だったのか。いや、果たして容疑者・呂月庭は真犯人なのか。まだまだ、解決困難な問題が残っている。
 
 というのは、毒餃子の犯人を中国にせねばならない事情があるからだ。当初は、犯人を日本国内に押しつければ、中国は何一つ傷つくことはないと中国政府は考えたが、中国製品の危険性を訴える日本のテレビの影響が大きく、その後、中国食料品の売上げがただ安いだけでは思うように伸びないという状況があったからだ。
 
 では、何故、2年経った今、犯人逮捕に踏みきったのか。裏が見える。とにかく、犯人を差出し、死刑になることは間違いないが、その代償として、食料品の輸出拡大を日本に認めさせようというのだ。
 
 本当にそうか。私の知見では、中国政府も、犯人の中国存在は当然のこととして認識があり、ある程度の捜査し犯人の目星はついており、事態打開のためにはやむを得ないと判断したためだ。それもその筈、日本マスコミは、中国と日本政府に遠慮して、犯人中国説を強く言わなかったし、また、担当者が余りにも素人過ぎて、それが指摘できなかったが、中国に犯人存在は自明の理だったのだ。
 
 私は、農薬と中国事情に詳しいので、事件直後から犯人の中国存在を確信し、直ちに2万5千字にも及ぶ意見書を各新聞社、テレビ局に送った。だが、なしのつぶてだった。いま少し事件を振返ってみよう。なお、事件の詳細は、私のブログに書いてある。「毒餃子事件」の所を見ていただきたい。
 
1、中国犯人は、自明の理だ。
  私は、当時次の事を主張した。その主張は、今次の中国側の発表と、日本側の取材事実と寸部の狂いもない。
  ①農薬の性質として、絶対に袋を通じて浸透することはあり得ない。
    ・これは、「有機塩」の常識から当然のこと。
    ・溶剤なら、4、50度に暖めれば、袋を通過することもあるが、常温では、溶剤でもポリ袋を通過することはほとんどない。
 
  ②中国では、労働者の不満が大きく、不満者の投毒は十分考えられる。
    ・今次の発表でも、その旨のことが書いてあった。
    ・テレビカメラによる監視があったが、投毒監視ではなく、製品管理の監視だった。だから、このカメラに犯人が写ることはない。
    ・そう考えると投毒の機会は十分考えられ、食品衛生のために、労働者は手袋をしていたが、注射器を隠すには、手袋が格好の場だったこと。
   ・中国側は、自分の都合のいいところばかり日本調査団に見せ、日本マスコミが独自の調査をしようとしたところ、逮捕までしている。何か、そういうところに、中国側の弱みがあったことは明らかだ。
   ・日本では、メタミドホスは市販されていないが、中国はされていて自由に変える。
 
  ③日本側に犯人がいるとしても、東京方面と大阪方面に同時に投毒することはできない。
    ・日本で、投毒して直接利益になる者は、常識では考えられない。
    ・中国であってこそ、不満のはけ口として意味がある。
 
2、日本のテレビは、何故、中国と断定しなかったか
  ①政府担当者が、農薬に関して無知がひどかった。
    ・大学教授が色々喋ったが、彼らは、化学の専門家だったかも知れないが、農薬の知識は余り知らない。従ってまた、その物性も知らない。
    ・日本の化学教授の中には、勿論、農薬専門の者もいるが、その専門家は、不思議なことに、テレビにでることはなかった。
    ・サリン事件の時もそうだったが、何故、こんな素人教授ばかり出すのか。不思議でならない。もし、私なら、サリンの時だって、「サリン」だと認定された後は、かなり専門的な意見が言えた。あんな馬鹿な「河野犯人説」をマスコミに信じさせることはあり得なかった。
     勿論、今次の「農薬ポリ袋通過説」にも適切な反論ができた。
    ・全く不思議だった。私が、専門家の立場から、日本の犯人の存在を説明したやったのに、マスコミに全く無視されることは。
 
  ②テレビは、何であんな素人ばかり出したのか今もって分からない。
    ・超素人の俳優などは、「中国説」を感情的に叫んだが、彼らが叫んだとしてもほとんど効果はない。
    ・中国のあの馬鹿げた100%あり得ない「ポリ袋通過説」を「あり得るかも知れませんね」などと言うのか全く不思議だった。
 
 一連の事実を見て、私には、中国に遠慮しているとしか思えなかった。
 それに対して、中国のマスコミは、調査も何もしないうちから、中国に犯人がいる可能性はないのに、日本マスコミは、トンでもない言いがかりを付けてくると論評したのだ。何故、反論しないのか不思議、というより、情けなかった。
 
3、その後、中国食品は急減
  テレビ宣伝の甲斐があってか、中国食品は激減した。汚染農薬事件でなく、今次の事件は犯罪であり一過性のものであるのに、騒ぎに騒いだために、中国は大打撃受けた。日頃の行いが悪いから自業自得と言えるが、凄い効果だった。中国の粉ミルク「三鹿」製品の大被害でも、中国では、それほどテレビ報道が小さかったのとは大違いだった。
 
 驚いたのは、中国。中国から強権的に日本犯人説を流し、日本政府の頭を一殴りすれば事件は解決するかと思ったが、やはり、日本マスコミの力は大きかった。何とか名誉回復をすることをしないと、中国は、日本に食品を売込むことは困難だ。それが、今次の中国政府の「犯人起訴」の事実だろう。
 
4、日本の被害、中国は賠償するか
  まず、日本にどれだけ損害があったか。ちなみに、テレビで、この毒餃子事件は慎重に報道しないと、中国に莫大な損害があるから、慎重にしようと言った司会者がいたが、もし、そんな事をしていたら、日本には、取返しのつかないことになっていたことは、事件の経過から見て明らかだ。
 
  ①政府(日本国)の被害
    事件後、食品検査に検査係官30名を動員することになった。
    この金額は、1人1千万円/年とすると、2年分で6億円。
    さらに、この間に政府関係者が移動・連絡(含中国渡航)のための費用は、
    これと同じか、それよりも大きいと考えられる。まあ、6億円だとしよう。
  ②民間の被害
    数千人とも言われる人が、病院に受診した。ざっと1億円の費用だ。
    食品会社は、回収のために多くの費用を費やした。
      原価費用、回収費用、処分費用を合わせると、
      これは、1億円で済むかどうかだ。
  ③テレビ被害
    テレビは、やらなくてもいい放映を、安全を呼びかけるためにせざるを得ず、
    合計すれば、2ヶ月くらいは毒餃子にかかりきりになった。
    13万円で計算すると、
      12時間×3600秒×3万円×60日×5局 → 650兆円(→500兆円) 
 
 これから、実損だけでも13億円ほど、テレビ被害は、中国方から見れば何とも言えないところだが、日本としては、つまらないことを放映させられたのは当然で、こちらは500兆円に達する。とは言っても、実損は、その100分の1だとすれば5兆円の損害だ。
 これから、日本総被害は、5兆円を下らないといったところだろう。
 
 さて、中国は、この被害を賠償するか。
 私は、中国の中華帝国振りからして、最小の被害者には、慰謝料程度の見舞いをする可能性はあるが、それ以上はしないと思われる。その裏には、中国に対する日本侵略の被害はどうなったかとの認識があるからだ。
 
 この件は、法的には、完全に終っているし、その後は、6兆円もの経済援助をしたのだから、精神的なものを除けば、経済的なものも終わっていると見ていい。この金で、中国は、開放経済後の繁栄を果たしたのだ。ちなみに、日本は、米国により国土は中国と同じ程度に破壊されたが、自力で復興した。いや、精神的な物が大きいのだ、か。それなら、中国の今の愛国という名の反日教育は何なのだ。はっきり言って、テレビ被害が計算できないのと同じだ。
 
5、今後の中国の対日政策予想
 中国は、今後、日本政府にどんな要求を突きつけてくるだろうか。大胆な予想をしてみよう。
 
  ①弱腰の鳩山由紀夫だ、この際、中国の傘下に入らせよう
    中国政府は、鳩山の「東アジア経済圏」を利用し、日本を実質自己の傘下に
    入れ込もうとしているのじゃないか。
    あと1ヶ月で始まる中国政府によって始まる前代未聞の
    「企業秘密強制暴露」政策の受入れ強要。
    私は、これが最も大きいと考える。
    毒餃子事件での譲歩は、そのための交換条件の一つだ。
  ②現状「中国元」の容認の強要
    米国の「中国元」に対する要求は非常に厳しい。
    何とか、それをかわしたい。そのために、
    見せかけの「東アジア」の共同を提唱するのではないか。
  ③「中華帝国」の野望に文句を言わせない
    ここまで、言えるかどうかは分からない。
    だが、中国がその野望を持っていることは明らかだ。最近の軍事費の伸びを見れば明らかだ。
 
 皆さん、中国の野望に屈することなく、日本の国益を護ろう
 

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