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12、漢字の送り仮名をどうするか具体例 6章4
法則の順位は:
任意優先 > 優先 > 一般則
最優先 例外 本則
★ 具体例1(通則1)‥‥ 低水準の法則化(次記)
本則:活用語尾の送り原則
〔例〕憤る 承る 書く 実る 催す ‥‥「u」(基本)
生きる 陥れる 考える 助ける ‥‥「i」「e」(「居る/得る」の付加)
荒い 潔い 賢い 濃い ‥‥「i」終了(形容詞)
主だ ‥‥「だ」(抽象名詞/形容動詞)
例外(優先適用):「しい」、「か/やか/らか」
〔例〕著しい 惜しい 悔しい 恋しい 珍しい ‥‥形容詞型(「し」の付加)
暖かだ 細かだ 静かだ ‥‥抽象化(か(=化))
穏やかだ 健やかだ 和やかだ ‥‥抽象化(やか)
明らかだ 平らかだ 滑らかだ 柔らかだ ‥‥抽象化(らか)
〔例2〕:他の言葉との統一化
「aう」「aく」「aす」「aむ」「aる」「iむ」「eむ」 ‥‥動詞
「aい」「iい」「uい」 ‥‥形容詞
「aだ」「iだ」「eだ」「oだ」「nだ」 ‥‥抽象(形動)
味わう 逆らう 食らう 和らぐ 脅かす(おどかす) 脅かす(おびやかす) 捕まる 明らむ
異なる 揺する 群がる 教わる 慈しむ 哀れむ
少ない 小さい 冷たい 平たい 危ない 大きい 明るい 危うい
新ただ 平らだ 同じだ 幸いだ 巧みだ 懇ろだ 惨めだ 幸せだ
哀れだ 盛んだ
許容(任意優先):前項の法則の拡大化(むしろ、多仮名化)
表す(→表わす) 著す(→著わす) 現れる(→現われる) 行う(→行なう)
断る(→断わる) 賜る(→賜わる)
「着る」「寝る」「来る」 ‥‥「iる」とはしない。
★ 具体例2(通則2)‥‥語尾の統一化
例外(優先適用)
語らう〔語る〕 計らう〔計る〕 向かう〔向く〕 ‥‥「aう」型
浮かぶ〔浮く〕 ‥‥「aく」型
動かす〔←動く〕 照らす〔照る〕 ‥‥「aす」型
生まれる〔生む〕 押さえる〔押す〕 捕らえる〔捕る〕‥‥「aeる」型
勇ましい〔勇む〕 輝かしい〔輝く〕 喜ばしい〔喜ぶ〕‥‥「aしい」型
晴れやかだ〔晴れる〕 ‥‥「やか」型
及ぼす〔及ぶ〕 積もる〔積む〕 聞こえる〔聞く〕 ‥‥「oす/oる/oeる」型
頼もしい〔頼む〕 ‥‥「oしい」型
以下の物には、任意優先もある(送り仮名の省略)。
起こる〔起きる〕 落とす〔落ちる〕 o/i(自他)
暮らす〔暮れる〕 冷やす〔冷える〕 a/e(自他)
当たる〔当てる〕 終わる〔終える〕 変わる〔変える〕 集まる〔集める〕
定まる〔定める〕 連なる〔連ねる〕 交わる〔交える〕
混ざる・混じる〔混ぜる〕
恐ろしい〔恐れる〕
派生語である使役形、形容詞形、抽象名詞形(形動)に対する語尾の統一化
〔例〕
重んずる〔←重い〕 若やぐ〔←若い〕
怪しむ〔←怪しい〕 悲しむ〔←悲しい〕 苦しがる〔苦←しい〕
確かめる〔←確かだ〕
重たい〔←重い〕 憎らしい〔←憎い〕 古めかしい〔←古い〕
細かい〔←細かだ〕 柔らかい〔←柔らかだ〕
清らかだ〔←清い〕 高らかだ〔←高い〕 寂しげだ〔←寂しい〕
汗ばむ〔←汗〕 先んずる〔←先〕 春めく〔←春〕
男らしい〔←男〕 後ろめたい〔←後ろ〕
許容(任意優先適用=最優先) ‥‥誤読恐れなし(活用が明確)
〔例〕
浮かぶ(→浮ぶ) 生まれる(→生れる) 押さえる(→押える) 捕らえる(→捕える)
晴れやかだ(→晴やかだ) 積もる(→積る) 聞こえる(→聞える)
起こる(→起る) 落とす(→落す) 暮らす(→暮す) 当たる(→当る)
終わる(→終る) 変わる(→変る)
不可(誤読の恐れあり)
明るい〔←明ける〕 荒い〔←荒れる〕 悔しい〔←悔いる〕 恋しい〔←恋う〕
★ 具体例3(通則3)‥‥非活用語(名詞)の法則化
本則(低水準):送り仮名不要
〔例〕月 鳥 花 山
男 女
彼 何
例外(優先適用):抽象語は、最後の1文字
辺り 哀れ 勢い 幾ら 後ろ 傍ら 幸い 幸せ 互い 便り 半ば
情け 斜め 独り 誉れ 自ら 災い
一つ 二つ 三つ 幾つ
★ 具体例4(通則4)‥‥名詞化派生語
‥‥語尾「さ」「み」「げ」などは、元の送りにする(本則2)。
本則(低水準)
(1) 活用のある語から転じたもの。‥‥抽象化。だが、任意優先あり
動き 仰せ 恐れ 薫り 曇り 調べ 届け 願い 晴れ
当たり 代わり 向かい
狩り 答え 問い 祭り 群れ
憩い 愁い 憂い 香り 極み 初め
近く 遠く
(2)「さ」「み」「げ」などの接尾語が付いたもの。
暑さ 大きさ 正しさ 確かさ さ=様
明るみ 重み 憎しみ み=味
惜しげ げ=化
例外(優先適用) ‥‥具体、抽象の中間(慣用)
謡 虞 趣 氷 印 頂 帯 畳
卸 煙 恋 志 次 隣 富 恥 話 光 舞
折 係 掛 組 肥 並 巻 割
「組」「光」「折」「係」は、名詞か動詞かで送りが違う。
許容(任意最優先適用)‥‥変化が簡単な名詞化語
〔例〕
曇り(→曇) 届け(→届) 願い(→願) 晴れ(→晴) ‥‥名詞型では省略可
当たり(→当り) 代わり(→代り) 向かい(→向い) ‥‥名詞化
狩り(→狩) 答え(→答) 問い(→問) 祭り(→祭) 群れ(→群)
憩い(→憩)
★ 具体例5(通則5)‥‥副詞・連体詞・接続詞
本則(低水準)‥‥漢字書きでは「最後の1文字」
〔例〕必ず 更に 少し 既に 再び 全く 最も
来る 去る
及び 且つ 但し
例外(優先適用)‥‥派生語の原則に戻る(雑多なもの)
〔例〕明くる 大いに 直ちに 並びに 若しくは
又(←例外の例外)
〔例2〕‥‥やや複雑な派生語
併せて〔←併せる〕 至って〔←至る〕 恐らく〔←恐れる〕 従って〔←従う〕 絶えず〔←絶える〕
例えば〔←例える〕 努めて〔←努める〕
辛うじて〔←辛い〕 少なくとも〔←少ない〕
互いに〔←互い〕
必ずしも〔←必ず〕
★ 具体例6(通則6) ‥‥複合語の法則
本則(低水準):複合語は、各文字ごと
〔例〕
(1) 活用のある語 ‥‥優先則がない場合(送り仮名省略)の対処(本則1)
書き抜く 流れ込む 申し込む 打ち合わせる 向かい合わせる 長引く 若返る 裏切る 旅立つ ‥‥これらには、大部分に優先則あり
聞き苦しい 薄暗い 草深い 心細い 待ち遠しい 軽々しい 若々しい 女々しい
気軽だ 望み薄だ
(2) 活用のない語 ‥‥一語性、慣用重視
石橋 竹馬 山津波 後ろ姿 斜め左 花便り 独り言 卸商 水煙 目印
田植え 封切り 物知り 落書き 雨上がり 墓参り 日当たり
夜明かし 先駆け 巣立ち 手渡し
入り江 飛び火 教え子 合わせ鏡 生き物 落ち葉 預かり金 寒空 深情け
愚か者
行き帰り 伸び縮み 乗り降り 抜け駆け 作り笑い 暮らし向き 売り上げ
取り扱い 乗り換え 引き換え 歩み寄り 申し込み 移り変わり
長生き 早起き 苦し紛れ 大写し
粘り強さ 有り難み 待ち遠しさ
乳飲み子 無理強い 立ち居 振る舞い
次々 常々 近々 深々
休み休み 行く行く
許容 (任意優先、最優先)‥‥一語性、慣用
〔例〕
書き抜く(→書抜く) 申し込む(→申込む) 打ち合わせる(→打ち合せる・打合せる)
向かい合わせる(→向い合せる) 聞き苦しい(→聞苦しい) 待ち遠しい(→待遠しい)
田植え(→田植) 封切り(→封切) 落書き(→落書) 雨上がり(→雨上り) 日当たり(→日当り)
夜明かし(→夜明し)
入り江(→入江) 飛び火(→飛火) 合わせ鏡(→合せ鏡) 預かり金(→預り金)
抜け駆け(→抜駆け) 暮らし向き(→暮し向き) 売り上げ(→売上げ・売上)
取り扱い(→取扱い・取扱) 乗り換え(→乗換え・乗換) 引き換え(→引換え・引換)
申し込み(→申込み・申込) 移り変わり(→移り変り)
有り難み(→有難み) 待ち遠しさ(→待遠しさ)
立ち居振る舞い(→立ち居振舞い・立ち居振舞・立居振舞)
呼び出し電話(→呼出し電話・呼出電話)
★ 常用漢字の使用基準(2000,2)
公用文書等では、使用の義務づけ。個人非拘束。品詞別に定めた。
1 代名詞(漢字で書くもの)
彼,何,僕,私,我々
2 副詞・連体詞
(漢字で書くもの)‥‥漢字の方が有意(強制)
必ず,少し,既に,直ちに,甚だ,再び,全く,最も,専ら,余り,至って,
大いに,恐らく,必ずしも,辛うじて,極めて,殊に,更に,少なくとも,
絶えず,互いに,例えば,次いで,努めて,常に,初めて,果たして,割に,
概して,実に,切に,大して,特に,突然,無論,明るく,大きな,来る,
去る,小さな,我が(国)
(仮名で書くもの)‥‥漢字で書く時は、通則5(具体例5)に従う。
かなり,ふと,やはり,など,よほど,すべて
3 接頭語「御」‥‥漢字・仮名を統一する
〔例〕御案内,御調査 ‥‥常用漢字
ごべんたつ,ごあいさつ ‥‥常用以外
4 接尾語は原則として仮名で書く.
〔例〕惜しげ,偉ぶる,弱み,少なめ,私ども
5 接続詞
(1)(普通が優先)原則として仮名
おって,かつ,したがって,ただし,ついては,ところが,ところで,また,
ゆえに,または ‥‥‥漢字の時は、通則5
(2)(優先)原則漢字にする
及び,並びに,若しくは,更に
6 助動詞、助詞 ‥‥(仮名)
〔例〕
ない(現地には行かない。),ようだ(それ以外に方法がないようだ。),
ぐらい(二十歳ぐらいの人),だけ
(調査しただけである。),ほど(三日ほど経過した。)
7典型例(原則仮名)‥‥形式名詞、形式動詞など
〔例〕
こと(許可しないことがある。),とき(事故のときは連絡する。),
ところ(現在のところ差し支えない。),もの(正しいものと認める。),
とも(説明するとともに意見を聞く。),ほか(特別の場合を除くほか),
ゆえ(一部の反対のゆえにはかどらない。),わけ(賛成するわけにはいかない。),
とおり(次のとおりである。),ある(その点に問題がある。),
いる(ここに関係者がいる。),なる(合計すると1 万円になる。),
できる(だれでも利用ができる。),…てあげる(図書を貸してあげる。),
(終り)
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