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中国、いよいよ無人島(海洋)開発に着手
2、3日前のこと、「朝日」「読売」で、中国が無人島を民間の力で開発するという記事が載った。何で「無人島」なんだ、日本では、地方産業はずたずたで、「無人島」どころか「地方」に目を向ける者はいない。中国は、儲かってしょうがないから「無人島」にまで手が伸びてきたのか。まさか。北京五輪の後は、深刻なバブル崩壊。だったら、何でだろう。
★ 中国のバブル崩壊
まず、中国のバブル崩壊。それまで輸出消費税17%を掛けていたものを来年(2009)1月からは4%程度(各種あり)にするという。一般の国内消費税(5、6%)とほぼ同じだ。今まで「外貨不畜」のため、無茶くちゃな消費税だったが、今はこんな事態だ。事態発生には、ここ3年で、2割の「元高」が影響しているが、「技術なし」の単なる「工賃稼ぎ」のバブル景気は、足下がこれほども弱いのかというほどだ。
★ 中国の軍事費
事態は急を告げているのに、中国政府にとっては「下ろせない旗」がある。「中華帝国」建設の旗だ。中国政府幹部は叫ぶ。「我々は平和国家で、平和的手段で物事を解決し、決して、軍事優先ではない」と。だが、「衣の下は鎧(よろい)」、丸見えだ。ここ20年ほどの軍事費の伸びがそれを物語っている。軍事費は3兆円。中国政府は、この額はまだ国際標準より少ないという。本当か。
ここ17年の統計(2007)がある。この間の経済成長は年平均10%。そして、軍事費は、その約5割り増しで、大体15%程度だという。その最終結果が、彼らの主張で「3兆円」なのだが、今、この経済成長を越える「年率15%」の軍拡は異常じゃないのか。
17年、15%の成長を続ければ、軍事費は、初年度のおよそ十倍になる(1.15の17乗)。感覚的にいうと、日本の防衛費が現在の5兆円から50兆円になる速度だ。控えめな勘定をすると、17年前5千億円だったものが5兆円になる勘定だ。日本は、この17年間、軍事費は殆ど伸びていないから、中国の異常さは歴然としている。世界にも類を見ない「軍拡」速度なのだ。
第2は、中国の軍事費には「軍事研究費(等)」は入っていない。これを入れると直接費の2、3倍になるという指摘がある。これは、闇の中で誰にも分からない。
ちなみに、中国の宇宙開発の急成長。あれよあれよと言う間に「有人飛行」できるところまできた。
電脳開発は、米国の「IBM」を買収すると、国産「レノボ」が国際競争できるところまできた。そして、影武者・「国家機密プログラム隊」は、20万人くらいいるとも言われ出した。電網の国家管理(閲覧禁止)が着々と進んでいる。
そして、「国防大学」。軍隊幹部の養成学校だ。大学入学試験では、「別枠」で募集。勿論、第1枠で、「北京大学」「精華大学」などより格が上だ。意外に知られていないが、「入試制度」を見ると、その事が一目瞭然。肝心の大学は、私の知る限りでは、「長春」と「長沙」にバカでかいのがある。「長春」は「空軍」。門の前を歩くと、飛行機が並んでいるから確実だ。「長沙」は「陸軍」のようだ。学生が3千人いると聞いた。歩哨が構えていて、外からは校内の様子は全く分からない。休日ともなると、学生が軍服姿で街をぞろぞろしている。海軍は、大連、その他にあるようだが、見たことはない。そもそも、軍事施設は、旅行用地図には真っ白で、そこが「国防大学」かどうかは窺い知れない。バスで現実に通ってみて、なるほど「大学」かと分かる程度だ。
最後は、「退役軍人」の施設。街の一等地にデンと構えている。いや、小さい物なら、街中に腐るほどある。
これらの施設は、「軍事費」じゃないのか。勿論、軍事費だ。だから、「直接軍事費」以外に「研究費」「学校」「軍官舎」「娯楽施設」を加えるなら、その2、3倍の広義の軍事費があるという指摘は、あながち間違っていない。
広義の軍事費で、計算してみよう。2007年では、広義の軍事費8兆円。この金額は、日本の5兆円を超えている。中国の国富(GDP)は、ほぼ日本の半分。だから、中国の軍事費の重さ(重量感)は、日本の3倍ほど(8÷5×2)。最近の「元高」を加味すれば、「4倍」になる。
中国政府は、軍事費3兆円は、人口が13億人なら多くないという。だが、「国際賃金」は日本の10分の1程度だから、日本に当てはめれば、「3兆円」は「30兆円/年」に相当する。「購買力平価(「元」の実勢評価)」で表現すれば「40兆円/年」になる。これが異常でなくて何なのだ。
★ 南シナ海への触手
中国は、1992年、「領海法」という国内法を定めて、日本海の二倍ほどの「南シナ海」を中国の海と定めた。さらに、この時、東シナ海の「尖閣諸島」も中国領とした。
周辺国は、怒らないか。もちろん怒る。だが、軍事力で勝てない周辺5カ国は、手も足も出ない。いや、中国が「南シナ海」に触手を伸ばし始めた頃(1970代)、ベトナムが、中国に防衛戦を挑んだが、難なくひねられ、それ以降は、各国とも傍観視するだけだ。
一般に、中国の南進は、中華帝国の「陸上支配」はほぼ固まったので、「海上支配」に手を付けたと言われている。この頃から、中国は、「海軍」軍拡が著しくなった訳だ。
1992年、いくら海上に「赤線(国境)」を引いたところで、「実効支配」がなければ妄想に過ぎない。中国海軍は、着々と「南シナ海の珊瑚礁」に「軍事施設」を造り始めた。全く傍若無人だが、誰も止められない。特に、米軍のフィリピン引上げ(1992)からは、中国の一人舞台だ。
軍事施設の次は、民間人の「入植」。中国は、2003年7月「無人島の保護利用法」定め、いよいよ積極的にこの広い海の経営に乗出した。無人島で何をするのか。まさか、ロビンソン・クルーソの生活か。中国沿岸の島なら観光開発もできるが、500キロ、千キロ先の遙か遠い「無人島」に行く者があるのか。冗談も、休み休み言え。それから5年は放置された。
だが、国際法上、自国領を主張するには「居住」の実績は不可欠。そこで、今次(2008年12月)の奨励措置となったわけだ。この措置には、「中国国民」だけでなく「外国人」も含まれるという。中国海軍保護、つまり、中国の施政権の容認することが条件となっている。中国沿岸には、6千あまりの無人島がある。そこに行く者があるのか。今後の動きが注目される。
話は替わる。尖閣諸島にも4社が名乗りを上げ、現在審査中だという。
何だって、仮に日本人がそこに住むようになっても、中国の保護を認めれば、そこは中国領になるのか。そう。その通り。台湾人でも、フィリピン人でも、ベトナム人でも、中国に申請すれば、そういうことになる。筋が違うだろう。申請は、日本政府にするのじゃないか。これでは、丸で他人のアパートに「お前、あそこに住まないか。俺がガードマン(用心棒)になってやるよ」というに等しい。たぶん、本気で住む気になれば、日本より中国がいいのは当たり前だろう。情けない日本なのだ。
★ 尖閣諸島が風前の灯火(ともしび)だ
尖閣諸島は、日本が明確に領有を主張した1895年以降は、明らかに日本領だった。それが1971年になると、突然、中国・台湾が自国領を主張してきた。この海底には、石油、天然ガスが眠っていることが分かったからだ。
中国は、どう言ったか。尖閣諸島は、明代初頭には中国領が明らかで、日清戦争によって日本により奪われたものだから中国領だと。前段の「明代初頭」の件もデタラメだし、後段の「日清戦争」の件もデタラメだ。
2000年以降、尖閣諸島近海には、中国の潜水艦、調査船がうろつくようになった。日本が抗議すると、少しは大人しかった。しかし、最近の鼻息の荒さはどうだ。
香港のテレビ局・鳳凰電視台が、「中国・人民解放軍が魚釣島(=尖閣諸島)に進攻すれば、日本に勝てる」との記事を流した。台湾の報道機関は、「回収」できると言った。中国・浙江省には、そのための秘密の軍事施設があるという。それは、分からない。
現実にも、2008年12月8日には、中国・海洋調査船が尖閣付近の日本領海内を航行していた(日本政府抗議)。さらに驚きは、その少し前の9月14日には、四国・足摺岬沖合の領海に潜水艦が現れているのだ(日本政府抗議)。一体、何の真似なのだ。
尖閣諸島、危うし。この話は、話せば長くなる。改めて話すことにする。
★ いや、はや、中国(中華帝国)の海上支配欲は恐ろしい
軍隊を出動させれば、明らかに戦争。それは、国際世論を負にし、最悪の選択肢だ。なら、「民間人」を使おう。中国の「無人島開発」援助政策は、第一陣送込み政策だ。もし、その時「民間人」に犠牲が出れば、それこそ待っていましたとばかりに「中国海軍」のお出ましとなる。
この手段、歴史上、世界中の帝国が、繰返し繰返し使ってきた手段だ。日本も中国侵略のとき使った。「張作霖」列車爆破事件などは、民衆に憎まれた満州馬賊を演出するために、本来、日本の手先だったはずの張作霖を「日本軍隊」の手で抹殺するのだ(1928)。また、日本国内で起きた米国軍による「松川謀略事件(1949)」も類似の手口だ。その後、何かが起きた。そう、「満州事変(1931)」、「国鉄職員十万人首切り(1949)」だ。ともに、国家陰謀事件だった。
我々は、国家「陰謀」には、常に警戒の目を持って当たらねばならない。
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