もしかしたら開発室附属雑記帳

計算機の明後日を考える「もしかしたら開発室」の雑文(又は下書き)コーナー

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また暫く間があいてしまいましたが、ちょっと書きためていたものを放出します。今回はQUMI Q2-Lネタです。
ただ、話の中心部分(色の表現能力に関する話)は、LED光源のDLPプロジェクタであれば、他の製品にも当てはまるかもしれません。

まとめ


  • QUMI Q2-Lではリフレッシュレートを下げると色の表現能力が上がる
  • QUMI Q2-Lの入力周波数仕様(下限)は、やっぱりザル
  • QUMI Q2-Lはインターレース表示にも対応していた


  • ことの発端

    元々CRTモニタを使っていたときにリフレッシュレートを極力高くしていた(120Hzとか)こともあって、QUMI Q2-Lでも120Hz設定で表示していました。尚、1280×800だと、そのままではピクセルクロックが165MHzを超えてしまい、DVI→HDMI変換では出力できなくなるので、「NVIDIA コントロール パネル」でブランク期間を減らしたカスタム解像度を作成して使っています。

    さて、長らくそれで使ってきたものの、どうも何となく見た内容が頭に入ってこないなぁ…とか、あまり風景写真とか見ても現実感がないとか、上手く説明できない不満が募っていました。買ってすぐの頃はあまり感じなかったので(寧ろ色の綺麗さに驚いた位なので)、違いがあるとすればリフレッシュレート位です。そこで、先程のグラフィックカードドライバのカスタム解像度を作る機能を利用して、リフレッシュレートを思いっきり下げてみることにしました。
    イメージ 1

    PAL圏の50Hzすら通り越して30Hzです。普通のディスプレイであれば、こんな水平・垂直同期周波数だとアンダーレンジ扱いされて弾かれてしまうものですが、チェックがザルなQUMIにかかればなんてことはありません(何しろ、水平同期15kHzの映像とかも映せるので。まぁ、そもそも液晶モニタ等でアンダーレンジをチェックする意味は何なのかって話なんですが)。

    さて、肝心の結果なのですが、やはりこちらの方が心なしか落ち着いて見れるというか、例えば風景写真等をパッと見てもモヤモヤしてないような、寧ろ色の綺麗さと大画面であるメリットが生きて、やっと生々しさを取り戻したような、そんな印象です。少なくとも、120Hzのときと比べると好印象に感じられます。

    調子に乗って、さらに周波数を落としてみました。
    イメージ 2

    もはや水平同期周波数は15kHzすら下回っていますが、これでも正しく映せてしまいます。
    先程の30Hzと比べると、やはりこちらの方が若干マシな気がします。

    納得するための理屈

    DLP方式のプロジェクタでは、3色の光源(LED式の場合)を時分割に点滅させ、明暗比を変えることで色合いや階調の表現を行います。ようは、1ビットオーディオとかと同じ原理ですね。人間の目がローパスフィルタの役割を果たすので、そのまま出力しても点滅が認識できずに済む訳です。

    適当な数字をでっち上げて説明すると、例えばリフレッシュレート60Hzの映像信号が入力されると、1フレームをプロジェクタ内部でオーバサンプリングして32枚×3プレーン(各プレーン1bit色)のフレームを作り、60×32×3 = 5760Hzでミラー・光源を駆動して絵を表示する…というイメージです。これで、オーバーサンプリングに単純なPWMを使ったとしても、各色32階調で32768色を表現できます(実際は、ΔΣでお馴染みのPDMを使うか、或いはPWMに誤差拡散を組み合わせるかしていると考えられます)。

    (何か拙作Beep3 Wave Playerの話を書いてる気分になってきました…。)

    上記の例ではオーバサンプリング数を固定にしましたが、少なくともQUMI Q2-Lでは恐らく、ミラー / LEDに対する出力周期の方がある程度固定になっていて、それと入力信号の垂直同期周波数に合わせるようにオーバサンプリング数を動的に変化させているのだと推測されます(オーバーサンプリング数に小数を含められないので、ミラー等の駆動周波数を微調整してキリがよくなるように調整する程度のことはしているとは思いますが)。

    こう考えると、リフレッシュレートを下げた場合はオーバサンプリング数が上がるため、色の表現能力が上がることで生々しさが増した…と納得がいきます。

    ちなみに、プロジェクタの正面でUSB扇風機をまわして色縞を観察してみましたが、120Hz / 60Hz / 30Hzでは明らかに色縞の出方が違いました(前者ほど早く流れる)。ブランク時の色を黒以外にしておくと、実際に動作切り替えが発生したタイミングが明確にわかるほどの差です。尚、30Hzと15Hzでは流れ方の差があまりわかりませんでした。(でも15Hzの方が落ち着いて見れる気がするんだよなぁ…なんでだろう…)。

    実運用のためのメモ

    50Hz未満のリフレッシュレートでは、OSDメニューの各種設定が挙動不審になります。

    例えば、エコモードの切替が利かなくなったり(変えても明るさが変わらない)、ディスプレイモード設定を切り換えると色が化けたり…。このため、(音量以外の)OSDを使った調整をするには、一旦50Hz以上に切り換える必要がありそうです。

    このとき、「イメージ」設定は直前まで表示されていた画面の設定を引き継いで表示されるようです。例えば、DVIの60Hz(BIOS画面やVBE使用時等)→HDMI 30Hz(グラフィックカードドライバの制御下)に切り替わった場合、HDMI側の設定を無視してDVIの設定が引き継がれるような動作になります(HDMIとDVIでは画質設定が別に保存されているみたいです。多分HDCP関係で区別しているのかも?)。

    暫く使ってみた感じとしては、なめらかさと色のバランスを取ると、普段使いの妥協点としては40〜50Hz位かなぁと思います。

    また、リフレッシュレートの許容範囲が広いことを利用して、動画を見るときにはデータのフレームレートに合わせてリフレッシュレートを切り換える芸当も可能と思います(VSyncと動画再生が同期できるようになるため、カクカクせずなめらかに再生することができます)。

    この辺の挙動は、Vivitekのさじ加減に因るのか、TIのリファレンス実装か何かに因るのかはわかりませんが、
    LED光源のDLPプロジェクタをお使いでしたら一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。

    脱線

    ちなみに、先程のカスタム解像度のスクショにプログレッシブ/インターレースの選択設定がチラッと写ってますが、nVidiaのドライバではインターレース出力ができるようで、これを使ってQUMI Q2-Lに表示させてみたところ、問題なく表示されました。
    (まぁコンポジット信号を受け付ける位なので、対応していて当たり前といえば当たり前なのですが…。)

    表示の形式は、縦解像度2倍にして奇数列だけ・偶数列だけのフレームが交互に出ているようなイメージです。チカチカしますが、なめらかさは失われません。
    (わかる人には「TOWNS-OSでビデオモード表示にしたときみたい」と言えば伝わるはず…。超少数だと思いますが。)

    まぁ表示できるといっても、具体的に何か有用な使い方ができるかというとあまり思いつかないのですが…(DVD見るときにプログレッシブ変換しなくて済むとか、それくらいでしょうか…)。

    ただ、ドライバ側の制約なのか、同一の垂直同期周波数になる設定でプログレッシブとインターレースが混在すると、後で作成した側の方しか使えなくなるトラブルがあるようなので、本格的に使おうと思うと少々気をつける必要があります。

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