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  だました者はだまされる因果応報的な物語

 ●イサクとその子孫たち

 ここから旧約聖書は アブラハムの長男 イサクと その子孫の物語へと引き継がれる
聖書のイメージとは裏腹に 血を分けた兄弟同士のいがみ合いや心の葛藤がきわめて人間的に描かれ
やがてそれは民族の対立へと発展するのである 

 神への捧げものとして死を免れたイサクは 長じて40歳のとき ハラン(北シリアの街道の町)
に居住していた親族の娘 リベカを妻に迎えた

 イサクの母 サラ同様 リベカにも長い間子供ができなかった
イサクは神に祈り 結婚20年目にしてようやく子供を身ごもるのである
生まれてきたのは双子の男の子だった

 先に出てきた子は赤く 全身が毛皮の衣のようだったのでエサウ(毛深い)と名づけ
後から生まれてきた弟は 兄エサウのかかと(アケブ)をつかんでいたので ヤコブと名づけることになった

 2人の子供は成長し やがてエサウは狩猟を得意とし ヤコブは家にいることのほうを好むようになる
ここからおわかりのように性格はかなり異なっている

 兄エサウは素直で正直な性格であり 一方 弟のヤコブは 知略にたけた
どちらかといえばずる賢い人物として描かれているのだ

 こうした2人に対して父のイサクは兄エサウを 母のリベカは弟のヤコブに愛情を注いでいく
やがて 兄弟の間にトラブルが起こる

 ●母リベカの入れ知恵

 たとえばこんなことが起こる ある日 家でヤコブが豆の煮物を料理をしていると 
エサウが狩から 疲れきり 空腹で倒れそうになって帰ってきた

 エサウはヤコブを呼んでこう言う
「お願いだ 何か食べさせてくれ 腹が減って死にそうなんだ」
「それなら まずお兄さんが長子の権利を譲ってください」と とっさにヤコブは答えた
そしてエサウは 空腹を満たすため 豆の煮物とパンと引き代えに 長子の権利をヤコブに譲ることを誓った
つまり弟の立場が上になったわけだ そして事態はさらにこじれてしまう

老人となったイサクは ある日 長男のエサウを呼び寄せて
「自分が死ぬ前に祝福を与えるから 狩にいき獲物でおいしい料理を作ってほしい」と頼んだ

 そこで エサウはさっそく獲物をとりに野に出かけるのである
しかし イサクの会話を聞いていた母のリベカはヤコブにこう入れ知恵するのだ
「毛深い兄のエサウと入れ替わって おまえがその料理を届けにいきなさい そのためにすべすべの肌を隠しなさい

 母リベカの言葉どおり ヤコブはエサウの晴れ着を着て コヒツジの毛皮を首と腕に巻きつけ
イサクの部屋に入る このあたりヤコブは策士だ 

 老衰のため目が見えないイサクは 部屋に入ってきたのが誰だかわからない
声はヤコブだと疑うのだが 腕の肌触りはエサウのものであったので 兄ではなく弟を祝福してしまう

 兄をだましてでもヤコブが欲しかったイサクの祝福の言葉とは どんなものだったのだろう

 聖書を見てみよう

 「多くの民がお前に仕え
  多くの国民がお前にひれ伏す
  お前は兄弟たちの主人となり
  母の子らもお前にひれ伏す」
               (創世記27章29節)

 こうしてヤコブは 財産を引き継ぎ一族の長となった 
さて当然のことだが エサウは 祝福をだまし取られたことを知って激怒する

 イサクに自分にも祝福を与えてくれるよう泣いて頼むのだが 一度与えた祝福は取り消すことはできなかった

 そこでエサウの怒りをおそれたヤコブは 母リベカからハランに住むリベカの兄 
叔父のラバンのもとに逃げるように忠告され 1人旅立つ

 ここから先は だましたものはだまされるという因果応報的な物語が展開されていく

 ●ヤコブが見た天に届く階段の夢

 ある日 旅の途中で ヤコブは 夢を見る 
それは 天まで続く階段があり 天使たちが昇り降りをしていた 神がそこに立って
「あなたが今横たわっている この土地をあなたと子孫に与える」というものだった

 思わぬ神の祝福に神を恐れたヤコブは 枕にしていた石を記念碑として立て
先端に油を注いでその場所をベテル(神の家)と名づける

 なぜ神は逃亡中のヤコブを祝福したのだろうか ここにも 逆境にある人間を好む神の価値観が見えてくる
つまり一言で言えば聖書の神は 人間を逆境に置いて鍛える神なのだ

 ●12部族の祖となるヤコブの子供

 やがて 叔父のラバンのもとにたどり着いたヤコブは ラバンの2人の娘 姉のレアと妹のラケルのうち
妹のラケルとの結婚と引き換えに7年間働くという約束をラバンと交わし 
その通り7年間をラバンのもとで過ごす

 ところが 皮肉なことにエサウをだましたヤコブが 今度はラバンにだまされることになるのだ

 ヤコブとラケルの結婚のための祝宴を開いた夜のことである
ラバンはヤコブの寝室にラケルではなく 姉のレアを送り込み ヤコブはラケルと間違えてレアと結ばれてしまう

 翌朝 怒ったヤコブはラバンに抗議した しかし だましにかけてはラバンのほうが上手だった
この土地では姉から先に嫁ぐ習慣があるといってヤコブを認めさせてしまうのだ

 結局 ヤコブは本命だった妹のラケルと結ばれるためにさらに7年 
合わせて14年間ラバンのもとで酷使され ラケルとレアの2人の娘を妻にすることになる

 やがて レアからはルベン シメオン レビ ユダ イサカル ゼブルンが生まれた
そして ラケルからはヨセフ ベニヤミンが生まれ さらにラケルの女奴隷ジルパからはガド アシュルが生まれ
レアの女奴隷ジルパからはガド アシュルの合わせて12人の子供が生まれる
やがて彼ら12人がユダヤ12部族の祖となるのである

 ちなみに今日 イスラエルが母系社会であり あらゆるケースで母系を重視するゆえんは 
このエピソードから始まっている

一方 ヤコブの兄エサウは セイルの地に居をもうけ 後にヤコブの子孫のイスラエル人と対立する
エドムジンの祖となるのである

 ひろさちや監修 中見利男著 聖書のすべて 日本文芸社より

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すてきなブログですね。新しいページをアップしたらこちらが推奨されました。わたしも好きな箇所です。今後ともよろしく。

2010/7/11(日) 午前 9:54 [ パスターハリーの「聖書」その他 ]


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