播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。

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今日も暑いので、涼しそうな1,000m級の山に出かけてきました。
1,000m級といっても、車でかなりの高さ(標高850m)まで上がれるお手軽ハイキングです。

選んだ行き先は、兵庫・岡山県境にある日名倉山(ひなくらやま。1,047.1m)。

イメージ 1
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「千草」。(マウスポインタを合わせたとき右下に表示される虫眼鏡のアイコンをクリックすると拡大表示されます)

09:30
姫路市街の自宅を車で出発。

国道29号線の追分(おいわけ)交差点を左折して県道724号線に入ったら新宮を目指し、国道179号線(出雲街道)に入ります。

国道179号線の太田井橋で千種川(ちくさがわ)を渡ってすぐの交差点を右折し、千種川沿いに北上(県道53号線)。

道の駅ちくさをすぎて5kmほど北に進んだところで、川の対岸に「エーガイヤちくさ」という温泉施設が見えてきます。
そのエーガイヤちくさが見える「室橋東詰」交差点を左折し、国道429号線へ。

国道429号線は、初めのうちこそ立派な道路ですが、進むにつれて道幅は狭くなり、志引峠(しびきとうげ)への上りは1〜1.5車線幅の登り坂。

志引峠を越えて反対側に少し下ったところで「ベルピール自然公園」への道標が立つ分岐に出会うので、そこを左折。

分岐から少し入ったところには、「宮本武蔵 山牢跡」なるものがありました。

イメージ 2
▲宮本武蔵 山牢跡の碑

武蔵ゆかりの地(6)
日名倉の山牢跡・十国岩(東粟倉村)

 関ヶ原の戦で新免伊賀守の手について宇喜多に加担した武蔵は、宮本村に帰郷の途中、播州境の木戸を破って逃げた咎により、姫路城から国境の目付に来ていた武士に追われ、村に帰っても、身を潜めていなければならなかった。武蔵を追っている武士達は、武蔵をおびき出す囮として、彼の姉のお吟を捕らえ、日名倉の牢に連れて行ったのだった。
 武蔵は、沢庵に捕らえられた後、宮本村から出て行く途中、姉を助け出すため、それまで一緒だったお通と別れ、ひとり日名倉の牢を襲撃するが、姉のお吟は、既に姫路方面へ身柄を移された後であった。
(出典:現地の看板)

「宮本武蔵 山牢跡」からさらに坂を登って行くと、道の終点がベルピール自然公園になっています。

11:05
ベルピール自然公園の駐車場に到着(地図中「P」)。

イメージ 3
▲ベルピール自然公園の駐車場(下山後に撮影)右奥はベルピールホール

以下のURLをクリックすると、Googleマップで駐車場の位置が表示されます。


ここは時々コスプレイベントが開催される場所なので、コスプレーヤーが集まりやすいらしく、今日も駐車場にそれらしい若い女性が何人かいました。

駐車場の写真を撮ろうと思いましたが、彼女たちが映り込んでしまう(マイナーな趣味であり、それを趣味にしていること自体を隠して楽しんでいる人もいるため、どこの誰か分からず、撮った写真をどうされるかも分からない人に写真を撮られると気分を害する人がいます)ので、上の写真は下山後、駐車場に人がいないときに撮影しました。

写真に写っている建物はベルピールホール。その裏手には、登山者が使えるトイレがあります。
そこで用を足し、靴を履き替えて準備を整えました。

11:15
準備が整ったので出発。

今回は、日名倉山の3つのピークの南側をトラバースする林道を東に進み、3つのピークを順に踏んで、山頂から西へ下る周回コースを歩くことにしました。

イメージ 21
▲日名倉山の3つのピーク(宍粟市の東山山頂から2018年6月2日に撮影)

3つのピークの南を通る林道へ入るには、いったん駐車場を出て、丁字路を左に入ります。

イメージ 4
▲駐車場を出て突き当たりを左へ曲がる

バリケードがありますが、それは車両の誤進入を防ぐためのもので、ハイカーである私は入っても良いだろうと判断して進みました。

11:17
丁字路を左に入って間もなく舗装道路は左へ向きを変えますが、直進方向に未舗装林道があるので、そちらへ入ります(地図中「林道入口」)。

イメージ 5
▲舗装道路から未舗装林道へ入った

普通車では厳しいような未舗装林道でしたが、コスプレーヤーが乗った乗用車がゴリゴリと車体の底部を擦りながら林道を突き進んで行きました。

コスプレーヤー達は林の中で撮影をしようとしていたらしく、私が彼らの車に追いついたときには、路肩が広くなっているところに車を止めて撮影準備の真っ最中。

コスプレーヤー達の横を通り抜けた後、熊よけ鈴のロックを外して音を鳴らし、対熊スプレーを入れたホルスターからスプレーを取り出す練習をしながら、登り基調の林道をのんびりと進みました。

イメージ 6
▲未舗装林道の様子

二の丸の南を通過した辺りで、林道は下り基調に変わります。

11:38
「←日名倉山」と書かれた小さな道標に出会いました(地図中「林道離脱地点」)。
この道標に従って植林の斜面に入り、高い方へ進んでいくと、地形図の破線道に合流します。

イメージ 7
▲林道から離脱する場所の様子(道標がある)

イメージ 8
▲破線道に合流した

破線道に入ったら、北へ進みます。

急坂とまではいきませんが、それなりに疲れる自然林の中の上り斜面を進んでいると、道が平坦になりました。
一の丸の南端に出たようです。

「日名倉山の3つのピークにはそれぞれ石の標柱があったはずなのに、何もないなぁ」と思いながら歩いていると、ピークの北端に標柱がありました。

11:48
一の丸を通過(地図中「一の丸」)。

イメージ 9
▲一の丸

一の丸からわずかに下って、北の山並みがよく見える鞍部から上り返すと二の丸です。

11:55
二の丸を通過(地図中「二の丸」)。
ここは南側の展望が開けていました。

イメージ 10
▲松の木が生えている二の丸

二の丸から少し下った後、急坂をまっすぐ登ると三の丸(山頂)です。

11:59
日名倉山の山頂に到着しました(地図中「三の丸(山頂)」)。
小さな祠、「宍粟50名山」の標柱、「三の丸」の標柱、そして一等三角点標石(点名:雛倉山)が立っています。

イメージ 11
▲日名倉山山頂
日名倉山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2018年06月17日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hinakurayama20180617/virtualtour.html

※パノラマ画面左上のリストで「日名倉山山頂」を選択すると、ベンチのある休憩所で撮影したパノラマ、「日名倉山山頂(空撮)」を選択すると、ドローンで撮影した空撮パノラマが表示されます。)
※北に大きく見える山並みは、駒ノ尾〜後山山塊です。
祠や標柱が立っている場所の西、一段下がった所にベンチが並んだ休憩場所があるので、そこで北の山並みを見ながら昼食を楽しむことにしました。

イメージ 12
▲ベンチのある休憩所

イメージ 13
▲日名倉山山頂全景(ドローンで撮影。中央に私が立っています。)

本日の昼食は、日清のカレーメシ。
デザートは、クラッカーとホットコーヒー。

イメージ 14
▲本日のデザート

私以外には、夫婦と思われるハイカーが1組、小さな子供さんを一人連れた親子が1組、単独男性ハイカー1人が登ってこられました。

車でかなりの高さまで入れるので、人気があるようです。

13:25
涼しさや展望、食事、ドローン操縦を思う存分楽しんだので、下山開始。
山頂から西へ延びる広い道を下ります。

イメージ 15
▲西へ下る道は、初めのうちは広い

広い道は間もなく右へ直角に折れ曲がりますが、そこからは普通の遊歩道です。

イメージ 16
▲北へ向きを変えた直後の道の様子

この遊歩道はつづら折れになっており、直線部分は非常に緩やかな坂で、つづら折れの頂点は丸太階段になっています。

その丸太階段を使い、つづら折れの頂点で標高を大きく下げるようになっています。

イメージ 17
▲つづら折れの頂点はこのような丸太階段

13:36
ベンチが並ぶ広い空間を通過(地図中「展望の広場」)。

イメージ 18
▲展望の広場

ベルピール自然公園には「リュバンベールの鐘」と呼ばれる巨大な鐘が吊られた鐘楼が立っているのですが、その鐘は観光客が自由にならすことが出来ます。

下山中は何度もその鐘の音を聞かされることになりました(鐘を鳴らそうとする人達の「せーの」というかけ声が聞こえてくれば心の準備が出来るのですが、何の前触れも無く大きな音が鳴って驚かされることもあります)。

イメージ 20
▲リュバンベールの鐘が設置された鐘楼

13:43
ベルピールホールの裏、屋外トイレの脇に下りてきました。

イメージ 19
▲ベルピールホール裏の登山口の様子

13:46
駐車場に到着。

13:50
ベルピール自然公園を出発。
往路を逆にたどり、自宅へ戻りました。

15:30
自宅に到着。


今まで当ブログで紹介した山の記録の一覧を公開しています。興味のある方はどうぞ。
山行記録一覧  ←クリック  

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MREの個包装の中身

前の記事(https://blogs.yahoo.co.jp/dfm92431/69955783.html)ではMREレーションが12個納められた段ボール箱について紹介しましたが、今回は段ボール箱の中身、個別のMREレーションを紹介します。

MRE個包装の表面には、内容物が分かるようにメニューの番号と名前が書かれています。
昔と違い、近年のMREはメニューの名前が英語とフランス語で書かれているのが特徴。

アメリカ軍は多国籍軍の一員としてNATO諸国と共に行動することが多いため、NATO公用語である英語とフランス語の両方でメニューを表記しているのです。

ただ、英語の表記は非常に大きいですが、フランス語表記はその下に括弧書きで書かれているだけです。

イメージ 1
▲1食分のMREのパッケージ(メニューは右下に表示)

個別のMREの外装パッケージはポリエチレン(LDPEまたはLLDPE)製。
厚みがあって、開封にはハサミやナイフが必要に見えますが、実際は素手で簡単に開けられます。

その秘密はパッケージ上端のシール部分にある逆V字型の部分。
この逆V字の頂点部分を左右に引っ張ってやると、(逆V字の尖った部分は接着面積が小さいため)簡単にシール部分が剥がれます。

イメージ 2
▲MREパッケージ上端の逆V字部分(「Peelable Seal」と表示)

外装パッケージに収まっている中身は、さらに透明なナイロン袋にまとめられています。

イメージ 3
▲中身はさらに透明ナイロン袋に収められている(500mlのペットボトルはサイズの比較用)

イメージ 4
▲中身はレトルトパック等がいくつも重なっているため厚みがある

今回は2017年のMRE(MRE XXXVII)のメニューNo.2「Shredded BBQ Beef」の中身を紹介します。

透明なナイロン袋を破ると、中からどっさりと色んなモノが出てきます。

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▲「Shredded BBQ Beef」の中身一式
内容(番号は上の画像内の丸数字に対応)
(1)厚紙製スリーブ
(2)Beef Shredded in Barbecue Sauce(バーベキューソースで煮込んだ牛肉)
(3)Black Beans in a Seasoned Sauce(煮豆)
(4)Tortillas, Plain(トルティーヤ:トウモロコシから作った薄いパン)
(5)Automeal Chocolate Chunk Cookie(チョコチップクッキー)
(6)Bag, Hot Beverage(飲料用ナイロン袋)
(7)スプーン
(8)Flameless Ration Heater(化学反応式ヒーター)
(9)Barbecue Sauce(バーベキューソース)
(10)Tropical Punch Flavored No Fruit Juice(トロピカルパンチジュース)
(11)Cheese Spread with Jalapenos(ハラペーニョ入りチーズスプレッド)
(12)Accessory Packet C(アクセサリーパケットC)
今回のメニュー「Shredded BBQ Beef」は、(2)と(3)、(9)、(11)を(4)のトルティーヤで包んで食べるもののようです。

では、早速調理開始。

まずは(2)の牛肉と(3)の豆を(8)のヒーターで加熱しましょう。

ヒーターは水をかけると化学反応を起こして発熱するタイプのもので、Flameless Ration Heaterの頭文字を取って「FRH」と呼ばれます。

加熱性能はたいしたことがなく、条件が良くてもメインディッシュの温度が加熱前より約40度上昇する程度。
今までの経験では、40度も温まったように感じたことはありません。せいぜい「ぬるい」状態になるくらいです。

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▲少量の水を入れると化学反応で発熱する「FRH」

まずはFRHの上端を切り口から破って開封し、中から白いヒーター本体を取り出します。
この白い袋の中の物質が水と反応して発熱するので、濡れた手では触らないでください。

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▲FRHの中身は白い袋

そうしたら、加熱する食材が入ったレトルトパックとヒーターを重ねて袋の口に差し込みます。

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▲ヒーターとレトルトパックをFRHの袋の口に差し込んだ様子

そのままFRHの袋を立てて持ち上げ、袋の口から水を少量注ぎますが、袋の下端付近にある2本の線の間に水面がくる程度の量にしなくてはいけません。

イメージ 9
▲FRHの袋下部にある2本の線(この線の間に水面が来るように水を入れる)

適量の水を入れたら、ヒーターとレトルトパックを袋の底に落とし、ヒーターに水が染みこむようにするため、ヒーターが下になるように袋を倒します。

ヒーターが暖かくなり始めたら、(1)の厚紙製スリーブの中にFRH一式を差し込んでください。

厚紙製のスリーブは断熱材として働くので、効率よくヒーターの熱をレトルトパックに伝えられるというわけです。

2014年(MRE XXXIV)まではレトルトパックが紙箱に入っていて、ヒーターはその紙箱に入れて加熱していましたが、2015年(MRE XXXV)以降のMREでは箱がスリーブ(筒)に変わりました。

FRHを入れたスリーブは、岩などを枕にして斜めに立てかけておきます。
このとき、FRHのヒーターが下、袋の口は上に折り返しておくのが説明書通りの使い方です。

今回は加熱すべきレトルトパックが2つ(牛肉と豆)あるため、ヒーターを2つのレトルトパックで挟むようにセットしました。

イメージ 10
▲FRHをセットしたスリーブを岩に立てかけた様子

FRHでレトルトパックが温まるのにかかる時間は、10〜15分。
その間はぼーっとしていても良いですが、このとき私はお腹が空いていたので、待っている間に(5)のチョコチップクッキーを食べました。

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▲Automeal Chocolate Chunk Cookie

チョコチップクッキーと聞いて想像するようなサイズでは無く、これ1枚で280kcalあります。

パサパサ、モソモソの大きなクッキーなので、口の中の水分を全部持って行かれながらゆっくりと食べていたら、10分経過していました。

FRHからレトルトパックを取り出して開封しましょう。
レトルトパックの開封用の切り口は、短辺側にあります。

数年前までは長辺側に切り口があり、開封したレトルトパックを縦に持って食事をしていましたが、近年のMREでは長辺側を切り取り、横向きで持つ形に変わったようです。

イメージ 12
▲MREのレトルトパック(矢印の位置に切り口がある)

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▲開封したBeef Shredded in Barbecue Sauce(牛肉)のレトルトパック(どろっとした不気味な物体に見えますが、実際は柔らかくて美味しい肉がゴロゴロ入っています)

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▲開封したBlack Beans in a Seasoned Sauce(豆)のレトルトパック

これらのレトルトパックの中身と(9)のバーベキューソース、(11)のチーズスプレッドを(4)のトルティーヤで包んで食べるわけですが、手が汚れているので手を拭きましょう。

(12)のアクセサリーパケットにはウェットティッシュが入っているので、それが使えます。
ウェットティッシュといっても、私達が想像するものとは異なり、かなりしっかりした紙がびしょ濡れの状態で入っています。

イメージ 15
▲アクセサリーパケットに入っているウェットティッシュ

手が綺麗になったところで、トルティーヤのパックを開封しましょう。
袋には下の画像のように2つ折りになった丸いトルティーヤが2枚入っていました。

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▲Tortillas, Plain

(7)のスプーンを使い、広げたトルティーヤに食材を載せます。

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▲まずトルティーヤにチーズスプレッドを塗り、牛肉、豆を載せてバーベキューソースをかけた状態(敷いているのはティッシュペーパーですが、これはレーションに付属していません。)

上の画像は具材を載せすぎた状態です。
食べるのに苦労しましたが、これは美味しい。

MREレーションは、牛肉がメインディッシュに入っているメニューにハズレはないと信じているのですが、今回もその通りで大当たり。

味も食感も異なる牛肉と豆ですが、最後にかけたバーベキューソースのおかげで味がまとまり、牛肉とチーズの組み合わせはチーズバーガーのような濃厚な美味しさ。

あっという間にトルティーヤ2枚を使い切ってしまいましたが、レトルトパックにはまだ牛肉と豆、バーベキューソースが残っています。(チーズスプレッドは使い切りました。)

というわけで、豆は豆だけで食べ、牛肉には余ったバーベキューソースをかけて完食。

口の中に濃厚な味が残っているので、飲み物で口の中をさっぱりさせましょう。

今回のメニューには(10)のトロピカルパンチジュースが付属しているので、それを飲みます。

コップを持ってきていませんが、問題ありません。
MREレーションに付属している(6)のBag, Hot Beverage(飲料用ナイロン袋)を使えば良いのです。

トロピカルパンチジュースは12オンス(360ml)の水に溶かして飲むので、Bag, Hot Beverageの表面に印刷された目盛りに従って水を入れます。

イメージ 18
▲12オンスの目盛りまで水を入れたBag, Hot Beverage

そこへ、トロピカルパンチジュースの粉末を投入。
アメリカンな飲み物だけあって、とんでもない色になります。

イメージ 19
▲おぞましい色のTropical Punch Flavored No Fruit Juice

ナイロン袋の表面にある説明書きによると、ナイロン袋のままでは飲みづらいので、レトルトパックを温めるときに使った厚紙のスリーブにナイロン袋を入れてから飲むようです。

レトルトパックが紙箱に入っていた時代は、ナイロン袋をその箱に入れて飲んでいました。
箱なので底があるし、形が安定していて持ちやすく、ある程度快適に飲料を飲めたのですが、今のスリーブは昔の紙箱に比べると使いづらい。

イメージ 20
▲スリーブにナイロン袋をセットしてから飲む

以上でメニューNo.2「Shredded BBQ Beef」の中身は完食したことになります。
カロリーはおおよそ1,200kcal。

アクセサリーパケットにインスタントコーヒーとガムが残っているので、最後はこれらも消費してしまいましょう。

(注)アクセサリーパケットにはA、B、Cの3種類があり、それぞれ中身に多少の差があります。今回紹介するのは「C」です。

イメージ 21
▲アクセサリーパケットCの中身一式(左上から時計回りにインスタントコーヒー、コーヒー用粉末クリーム、ガム、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、甘味料、塩)

コーヒーはパッケージに「6オンスのお湯又は水に溶かす」ように書かれており、粉末クリームには「8オンスの飲料に溶かす」よう書かれています。

というわけで、間を取って7オンスの水にコーヒーと粉末クリーム、甘味料を溶かしてみました。

イメージ 22
▲出来上がったアイスコーヒー

正直言って、MREレーションに付属している軍用コーヒーはあまり美味しくありません。

トロピカルパンチジュースを飲むのに使った飲料用ナイロン袋を軽くすすいでからコーヒーを作ったため、ジュースの風味がほんのり残っていたのもその理由かもしれませんが。

最後はシナモン風味のガムを噛んで口の中をさっぱりさせて終わり。

イメージ 23
▲シナモン風味のガム(ペパーミント味の場合もある)

さて、以上の食べ方をご覧頂くとおわかりいただけると思いますが、MREレーションを食べるには、水を別途用意する以外、特に何も必要ありません。

食べるために必要な用具は、全てMREに含まれているのです。これはMREの非常に優れた特徴。
その代わりに、大量のゴミが出ます。

今回は2017年のMRE(MRE XXXVII)のメニューNo.2「Shredded BBQ Beef」の食べ方を紹介しましたが、メニューによって入っている物が異なっているため、それぞれのメニューに合わせて食べ方を工夫して下さい。

FRHなどの使い方は全てのメニューで共通です。

今回のメニューはトルティーヤが入っていましたが、これは特殊なパターン。
他のメニューでは、一般的にクラッカーが入っています。

イメージ 24
▲他のメニューに入っているクラッカー(左)。右はチーズスプレッド。

イメージ 25
▲通常、チーズスプレッドはクラッカーに塗って食べる

MREの付属品について

粉末飲料はフルーツ味やココア、シェイクがありますが、スポーツドリンクはMREに含まれていません。

「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」によると、スポーツドリンクの粉末は、戦闘糧食に求められるサイズや重量の制限を満たせないため、今のところはMREに同梱されていないとのこと。

スポーツ飲料が欲しい場合は、兵士が各自で基地内の売店で購入するようです。

付属品にはマッチやトイレットペーパー等がありますが、兵士からは「歯ブラシや歯磨き粉、歯間ブラシは入れてくれないの?」という問い合わせがあるようです。

これについてのアメリカ軍の回答は、「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」によると「歯の手入れ用具は、MREではなく別のジャンルの装備品(Health and Comfort Pack)に含める方が良いと判断したため」というもの。

MREの栄養価

MREは、1食につき1300kcalの熱量があり、各メニューには169gの炭水化物、41gのたんぱく質、そして50gの脂肪が含まれています(参考:NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012)。

「カロリーが高すぎる」と思われるかも知れませんが、米軍での1日あたりの摂取カロリーの目安は、以下のようになっています。

運動強度(参考:NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012)
・弱(駐屯地内での業務):男性 3,000kcal、女性 2,200kcal
・中(交通整理、見張り):男性 3,250kcal、女性 2,300kcal
・強(徒歩による偵察、戦闘):男性 3,950kcal、女性 2,700kcal
・特殊な状況(高地・極寒地):男性 4,600kcal、女性 3,150kcal

MREのパッケージは1食分でもそれなりに大きくてかさばるため、アメリカ兵がMREを持ち出す際は一度パッケージを開き、必要なコンポーネント(メインディッシュ、ドリンク等1つ1つの小袋のことをコンポーネントと呼んでいます)だけを抜き出して持ち歩くそうです。

「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」の中でもそのことに触れられており、中身をバラして持ち出す(この行為は「フィールドストリップ」と呼ばれています)場合は、栄養バランスを考慮するようにと書かれています。

栄養バランスについては、「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」に以下の表が掲載されています。

これは、MREに含まれる様々なコンポーネントに含まれている(意図的に追加されている)重要な栄養素を簡単にまとめたもの。

イメージ 26
▲「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」に掲載されている栄養成分表を日本語に訳したもの

初期のMREは食物繊維の含有量が少なく、MREばかりを連続して食べていると便秘になるという有様だったようです。
しかし、「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」によれば、最近のMREには十分な食物繊維が入っているとのこと。

最後に

色んな国のレーション(戦闘糧食)がオークションなどで簡単に手に入るようになっていますが、基本的には食べ物としてではなく「コレクション」用として出品されています。

食べ方を紹介しておきながらこんなことを書くのもおかしな話ですが、レーションは食べないことをお勧めします。

食べる場合は、製造年月日と保管状態を確認し、少しでも異常を感じたら絶対に食べないで下さい。

なお、MREレーションの製造年月日は、外装パッケージや個別のレトルトパックなどの表面に印刷、打刻されている数字から判断できます。

イメージ 27
▲MREレーション外装パッケージに打刻された製造年月日(赤枠内の「7144」。これは2017年の144日目、つまり2017年5月24日という意味)

イメージ 28
▲アクセサリーパケットに印刷された製造年月日(「7137」。2017年の137日目、つまり5月17日を表す)


今まで当ブログで紹介した山道具の一覧を公開しています。興味のある方はどうぞ。
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最近は最高気温が25度を超える日が続いていますが、25度でも暑がりの私には厳しい。
というわけで、標高が高くて涼しい1000m級の山へ行くことにしました。

行き先は、兵庫県宍粟市の東山(ひがしやま)。

車で標高700m弱まで上がれるうえ、登山道がよく整備されていて蜘蛛の巣や虫、藪に悩まされることがなく、暑い季節でも快適に歩けるのが選んだ理由です。

東山温泉メイプルプラザ前に車を置き、メイプルロード2号線→東山尾根コース→山頂→往路を引き返して遊歩道1号線で下山するというコース。

イメージ 1
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「音水湖」。(マウスポインタを合わせたとき右下に表示される虫眼鏡のアイコンをクリックすると拡大表示されます)

09:00
姫路市街の自宅を車で出発。

国道29号線を北上し、伊和神社のある道の駅 播磨いちのみやを過ぎてさらに6kmほど北へ進んだところにある「谷橋」交差点(三叉路)を右折します。

ここには「フォレストステーション波賀→ 6km」の標識が立っているので、見落とすことはないでしょう。

谷橋交差点を右折してからは、ほぼ一本道。

軽四ではちょっとキツイかなと思う登り坂を延々と上り、峠を越えてわずかに下ったところにある三叉路を右折すれば、東山登山の基地となる「フォレストステーション波賀」に到着です。

10:25
フォレストステーション波賀の中心施設である「東山温泉メイプルプラザ」前の広い駐車場に車を置きました(地図中「P」)。

以下のURLをクリックすると、Googleマップで駐車場の位置が表示されます。


イメージ 2
▲駐車場の様子(左の建物はトイレ)

10:34
トイレで用を足し、準備を整えて出発。

駐車場を出てアスファルト舗装の道を北へ進みます。
道はメイプルロード2号線の入口まで緩やかな登り坂。

イメージ 3
▲アスファルト舗装の登り坂を進む

コテージ村の横を通り過ぎ、左へ直角に道が折れ曲がった後もさらに300mほど進んだ所が峠になっています。

峠は直進と右折の三叉路になっており、直進して向こうへ下るとオートキャンプ場、右折するとメイプルロード2号線。

今回のコースはメイプルロード2号線に入るのが正解なので、ここを右折します。
メイプルロード2号線もアスファルト舗装の道。

イメージ 4
▲ここを右折するとメイプルロード2号線

イメージ 5
▲メイプルロード2号線の様子

10:55
東屋が見えてきたら、そろそろメイプルロード2号線の終点です(地図中「登山口」)。
メイプルロード2号線の終点が登山口になっており、ここからようやく山歩きらしくなります。

写真には車が写っていますが、この登山口まで車で来た方が楽でいいですね。

イメージ 6
▲メイプルロード2号線終点直前の様子

イメージ 7
▲メイプルロード2号線終点にある登山口

丸太階段を登ると、すぐに二股の分岐に出会います。
そこには道標が立っており、左を指して「東山尾根コース」、右を指して「歩道1号線」となっていますが、今回は「東山尾根コース」で登る予定にしているので、道標に従って左へ。

稜線に出るまでの道は林道と何回か交差しているため、誤って林道に入り込まないように林道側は「進入禁止」標識があり、登山道側には道標が立っていました。

イメージ 8
▲登山道と林道が所々で交差している(この場所は直進すると林道なので「進入禁止」標識がある)

登山口から10分も経たないうちに、稜線に出ました。
新緑が気持ちいい。

稜線上の道はなだらかで、楽に歩けます。

バックパックに付けた熊よけベルの音が鳴り響いているはずなのに、自分の呼吸の音と足音がはっきり耳に入り、何の雑念もなくただ黙々と歩いているだけの状態になりますが、これはまるで座禅でもしているような感覚。

イメージ 9
▲新緑の尾根を進んだ

11:11
ベンチのある休憩所に出会いました(地図中「四等三角点(点名:上東山)」)。
ここには四等三角点(点名:上東山)が埋設されています。

イメージ 10
▲四等三角点(点名:上東山)のある休憩所

イメージ 11
▲四等三角点(点名:上東山)は軽量標石

11:16
「山頂まで1.3km」の標識が立つ場所を通過(地図中「山頂まで1.3km地点」)。

ここは遊歩道1号線が西から合流する場所でもあります。
今日は「遊歩道1号線」で下る予定にしているため、下山時はここから西へ下ることになります。

イメージ 12
▲山頂まで1.3km地点の様子

山頂までの距離は1.3kmですが、標高差は100mほどしかないため、この後の道のりも非常になだらか。

標高の高さからくる涼しさと、木々の中(木陰)を歩くことで得られる涼しさとで、あまり汗をかくこともなく、スイスイ歩けました。

11:19
「山頂まで1.0km」の道標に出会いました(地図中「山頂まで1.0km地点(誤り)」)。

どう考えても、先ほどの「山頂まで1.3km」地点から300mも歩いていません。
設置した人が間違えたようです。

イメージ 13
▲「山頂まで1.0km」道標(実際は残り1.0km以上ある)

岩がゴロゴロした比較的急な斜面(距離は短い)を登り切ると、今まで自然林の中だった道が、植林の中の道に変わります。

植林の中を歩いていると「ギャーギャー」という鳥の鳴き声が耳障りで、気持ちよい山歩きの雰囲気が台無し。

イメージ 14
▲植林の中を進んだ

11:30
「山頂まで0.6km」の道標のある地点を通過しました(地図中「山頂まで0.6km地点」)。

イメージ 15
▲「山頂まで0.6km」道標

11:35
植林の尾根が終わり、やや急な坂で一気に標高を上げたところで、空が開けた場所に出会いました(地図中「林道が交差する地点」)。
林道が登山道を寸断するように通っている場所です。

ここは林道を横断し、まっすぐ進むのが正解。

イメージ 16
▲林道に入り込まず、矢印の方向へ進む

開放的な場所を抜けると、アセビの生えた自然林の中を歩くことになりますが、自然林の中に入るとすぐ、下の画像の道標に出会います。

イメージ 17
▲林道を横切って間もなく出会う道標

この道標は右を指して「東山頂上」と書かれています。

直進して尾根の中央を歩いても山頂には行けるのですが、道はありません。
歩きやすい遊歩道は尾根の中央から右にずれているので、道標に従って歩いて下さい。

先ほどの道標で右折するとすぐ、丁字路に突き当たります。
ここには左を指して「頂上まで200m」と書かれた道標があるので、それに従って左折。

イメージ 18
▲丁字路にある道標

丁字路から山頂までの200mほどの道は、砂利が敷き詰められた庭園路のような雰囲気。
山の上と言うより、どこかの公園の中を散歩している気分です。

この辺りにはカッコウとウグイスがおり、その鳴き声に私の熊よけベルの音が混じってなんだか賑やか。

イメージ 19
▲山上庭園のような中を歩いていると、展望台が見えてくる

11:42
展望台のある東山山頂に到着しました。

展望台の登り口の前には、宍粟50名山の標柱と二等三角点標石(点名:上野)があります。

イメージ 20
▲東山山頂全景(ドローンで撮影)

イメージ 28
▲展望台(ドローンで撮影)

イメージ 21
▲宍粟50名山の標柱と二等三角点標石(点名:上野)
東山山頂の展望台で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2012年10月21日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/higashiyama20121021/virtualtour.html

※パノラマ画面左上のリストで「東山山頂(山名表示)」を選択すると、見えている山の名前が表示されます)
東山山頂でドローンを使って撮影した空撮全天球パノラマ(撮影日:2018年6月2日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/higashiyama_aerial20180602/virtualtour.html

※パノラマ画面左上のリストで「東山山頂空撮(山名表示)」を選択すると、見えている山の名前が表示されます)

私が到着した時点では展望台の上に先客がいたので、展望台の下で昼食を摂ることにしました。

本日のメニューは、アメリカ軍のレーション(戦闘糧食)。
MRE 37のメニューNo.3 Chicken, Noodles and Vegetables in Sauceです。

イメージ 22
▲本日の昼食(アメリカ軍のレーション)

イメージ 23
▲メインディッシュのChicken, Noodles and Vegetables in Sauce

イメージ 24
▲デザート代わり(?)のミックスフルーツ

イメージ 25
▲食後はレーション付属のインスタントコーヒーとSkittles(民生品のグミキャンディ)

食事が終わった頃に先客が下山したので、入れ替わりに私が展望台に上り、景色を楽しんだりドローンを飛ばしたりしてのんびり休憩。

地形図を見ると、山頂の西側に特定地区界で囲まれた場所がありますが、そこはフォレストステーション波賀の敷地ということ。

フォレストステーション波賀の敷地内でドローンを飛ばして良いかどうか分からない(一般的には、公園などの施設では飛行禁止です)ので、展望台の東側だけを飛行させました。

私はドローンを飛ばすにあたって航空法第132条第2号(DID上空の飛行)の許可と同132条の2第2号(目視外飛行)、同第3号(30m未満)の承認を受けているため、展望台との距離が近い画像を撮影している点については、航空法上は問題ありません。

12:45
単独女性ハイカーと入れ替わるように下山開始。
往路を引き返し、山頂まで1.3km地点から西へ下りました。

西へ延びる道は「遊歩道1号線」。
自然林の斜面に付けられたつづら折れの道で、新緑の中を気分良く下ることが出来ました。

途中で落石のある場所や小さな沢で道が分断されている場所もありましたが、歩くぶんには全く問題ありません。

イメージ 26
▲遊歩道1号線の様子

13:42
遊歩道1号線からメイプルロード2号線に入り、往路を引き返して駐車場に到着。

15:08
自宅に到着。

イメージ 27
▲今回のルートの高低差を表したグラフ(カシミール3D)マウスポインタを合わせたとき右下に表示される虫眼鏡のアイコンをクリックすると拡大表示されます。


今まで当ブログで紹介した山の記録の一覧を公開しています。興味のある方はどうぞ。
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概要

今回の記事で紹介するのは、アメリカ軍の戦闘糧食「MRE(Meal, Ready-to-Eat)」です。

1回分の食事に必要な食品一式に、水で発熱するヒーターや調味料、はてはトイレットペーパーまで付属した「全部入り」の食料パッケージ。

本来は米軍内で消費されるものですが、ショッピングサイトやオークションサイトでMREが普通に売られており、日本国内では食品としては販売できないので、観賞用やコレクション用という扱いです。

この「民間に出回っているMRE」ですが、前述の通り「全部入り」の食料で便利なため、特にアウトドア愛好家の間では、(私も含めて)自己責任で実際に食べている人が多くいます。

実はこのブログでは、過去に一度MREを紹介したことがあります。
その記事を書いてから時間が経ち、当時からMREの形態が若干変わっているので、新規に記事を作ることにしました。

MREの歴史(参考:NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012)

戦闘糧食が缶詰だったベトナム戦争当時、アメリカ陸軍ではより軽量な戦闘糧食の必要性を感じたため、多層フィルムの袋に密封した食料の開発を開始。

その結果、1980年代初頭にMREが登場しました。
当初12種類しかなかったメニューは、今では24に増え、兵士からのフィードバックをもとに改良が継続されています。

このときに出来上がった多層フィルムの袋というのは、今で言うところの「レトルトパウチ」。
私達が普段お世話になっているレトルト食品の元祖は、アメリカ軍というわけ。

MREの歴史の詳細は、次の通りです。

・1970年 最初の試作品が完成
・1972年 仕様の再検討
     ・セ氏約27度で3年の賞味期間
     ・空中投下可能な梱包
     ・氷点下セ氏50度からセ氏49度までの環境に対応
     ・十分な栄養素
・1975年 型式取得
・1980年 調達開始

「MREが使われ始めたのは1980年?ボンカレーはそのずっと前からあったはずでは?」と思われるでしょうが、ボンカレーに使われていたレトルトパウチは、とても軍用として使える品質ではありませんでした。
一方、米軍では改良が重ねられ、1980年になってようやく支給できる状態になったというわけです。

MREの段ボール箱の外観・仕様

イメージ 1
▲MREの段ボール箱(メニュー1〜12が入ったCASE A。NATOの公用語が英語と仏語なので、箱にはMREの名前が仏語でも印刷されている))

イメージ 2
▲MREの段ボール箱の側面(三日月は食料を表す記号)

品名: MRE(Meal, Ready to Eat)
メーカー: AMERIQUAL、SOPAKCO、WORNICKの3社が米軍に納入しています。
NSN: 8970-00-149-1094(NSNはNational Stock Numberで、米軍が調達する物品全てに割り当てられた一意の番号)
重量: 1食あたり0.68kg(カタログ値。メニューにより異なる。)
体積: 1食あたり0.227立方メートル(カタログ値。メニューにより異なる。)
熱量: 1食あたり1,300kcal(カタログ値。メニューにより異なる。)
納入価格: Defense Logistics Agency(アメリカ国防兵站局)のサイトによると、1箱(12食)あたり$119.03 USD(2018年5月時点)

イメージ 3
▲段ボール箱の表記

段ボール箱には、MREの製造年月日や注意事項が記載されており、どのような環境で保管されていたのかが分かる特殊なステッカーも貼付されているのですが、それらを順番に紹介していきます。

まずは、MREの製造年月日。

段ボール箱に書かれている「DATE PKD/LOT」が製造年月日(Date Packed)とロットナンバーで、上の画像では以下のような表記になっています。

 DATE PKD/LOT 06/07/17 7158

左側の数字はアメリカ式の年月日表記で、月/日/年の順に日付が書かれています。
つまり、この例の場合は「2017年6月7日」に製造されたという意味。

では、ロットナンバーである「7158」は何を表しているのでしょうか。

4桁のロットナンバーはJulian Date Codeと呼ばれる数字。

これも年月日を表していて、左端の1桁は製造年の1の位の数字を表しています。
「158」は、1月1日を1日目と数えた場合の日数で、「158」は1年が始まって158日目、つまり6月7日を意味します。

要するに、「06/07/17」も「7158」もどちらも同じ年月日を表しているのです。

段ボール箱には分かりやすい年月日表示があるものの、箱から取り出したMREには年月日表示がありません。
しかし、オークションなどで1食分ずつ単品で購入したMREの製造年月日を知りたいという場合も、Julian Date Codeを知っていれば大丈夫。

MREの外装パッケージや、中に含まれているレトルトパックやパウチには、(最近のものであれば)必ずJulian Date Codeが印刷、または打刻されているのです。

ただ、それらは桁数が多いため一見するとJulian Date Codeに見えないのですが、どんなに桁数が多い(場合によってはアルファベットまで混じっている)コードでも、MRE関連のパッケージに書かれているコードであれば、アルファベットを除く左側の4桁がJulian Date Codeになっています。

製造年月日の調べ方を書きましたが、それが分かったからといって、安心してMREを食べられるとは言えません。
あくまでも、食べられるかどうかの目安の一つ。

比較的新しいMREであっても、保管状態が悪ければ品質は劣化しているのです。

例えば、アメリカ軍ではセ氏27度で保管されたMREの賞味期限は3年とされており、セ氏38度で保管されたMREの賞味期限は6ヶ月とされています。(出典:NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012)

製造年月日の下にある「INSP/TEST」は、製造から3年先の年月が書かれています。
「INSP」は「inspection」、つまり「検査」の意味です。

MREが入っている段ボールの側面には「NOTICE(注意)」として、以下の記載があります。

イメージ 4
▲MRE外装段ボール箱側面の表示

NOTICE
THIS PRODUCT HAS BEEN HELD UNDER CONTROLLED TEMPERATURE AND HUMIDITY CONDITIONS AND SHOULD NOT BE CONSIDERED OVERAGE BECAUSE OF THE DATE OF PACK AND THE DATE OF PACK SHOULD NOT BE THE CONTROLLING FACTOR IN DETERMINING ISSUANCE AND UTILIZATION OF THE PRODUCT. FURTHER REFRIGERATION IS NOT REQUIRED.
(出典:MREの段ボール箱)

要約すると、「製造年月日だけを見てMREが食べられるかどうかを判断するな」という意味。

通常の賞味期限が過ぎた後に検査をするのは、3年経過後もさらに保管期間を延ばし、そのMREを有効活用するかどうかを判断するため。

延長が可能な期間は、最大で6ヶ月です。一度保管期限を延長したMREの期限を再度延長することはありません。
(出典:U.S. Army Public Health Command Implementation Instructions for Army-Owned Operational Rations Shelf-Life Extension Policy)

この米軍の文書を見る限り、オークションサイトなどで見かける「賞味期限はINSP/TESTの2年先」というような表記は正しくないということになります。

MREがどんな環境で保管されていたのか知る術はなさそうですが、段ボール箱にはその手掛かりがあります。

それはTTI(Time-Temperature Indicator:時間・温度指標)と呼ばれるラベル。

製造年月日が印刷されているのと同じ面に貼られた赤いラベルで、中に黒っぽい円が描かれており、その黒っぽい円の内側には、時間が経ったり、高温にさらされると黒くなるインクで赤い円が描かれています。

イメージ 5
▲TTIラベル

中心の赤色の円が見えていれば(内側の円が外側の円より明るければ)、保管状態は良好という意味。
上の画像のTTIがまさにその状態で、内側の円が赤く見えています。

内側に円が見えず、大きな黒い円が一つだけの状態(外側と内側の円が同じ色)や、内側の円が外側の円よりも暗い色をしていたら、その段ボール箱が保管されていた場所は高温だった、あるいは保管期間が長かった、つまり中のMREが劣化していることを意味します。

イメージ 6
▲保管状態が悪かったMREのTTI(内側の円の色が外側よりも暗い)

MREの購入を考えている人は、製造年月日だけでなく段ボール箱に貼られたTTIラベルにも注目してください。
残念ながら、MREを単品で買う場合には、そのMREがどのように保管されていたのか調べることはできません。

INSP/TESTの下に書かれている「MENUS」は、合計で24種類あるMREのメニューの内、どのメニューが入っているのかを表しています。

この記事に写っている段ボール箱では、「MENUS」の欄に「CASE A MENU 1-12」とあるため、下の1番から12番までのMREが入っていることになります。

2017年のMRE(MRE XXXVII)のメニューは以下の通り。

CASE A
 1 Chili w/ Beans
 2 Shredded BBQ Beef
 3 Chicken w/Egg Noodles & Vegetables
 4 Spaghetti w/ Meat Sauce
 5 Chicken Chunks
 6 Beef Taco
 7 Beef Brisket
 8 Meatballs w/ Marinara Sauce
 9 Beef Stew
 10 Chili and Macaroni
 11 Vegetarian Taco Pasta
 12 Elbow Macaroni and Tomato Sauce

CASE B
 13 Cheese Tortellini
 14 Spinach Mushrooms & Cream Sauce Fettuccine
 15 Mexican Style Chicken Stew
 16 Chicken Burrito Bowl
 17 Maple Sausage
 18 Beef Ravioli
 19 Jalapeno Pepper Jack Beef Patty
 20 Hash Brown Potatoes w/Bacon
 21 Lemon Pepper Tuna
 22 Asian Style Beef Strips w/Vegetables
 23 Chicken Pesto Pasta
 24 Southwest Beef and Black Beans

イメージ 7
▲ここで紹介した2017年製MREのCASE Aの中身。上段左から右へMenu 1〜6、下段左から右へMenu 7〜12(個別のMREはパッケージデザインが3種類あり、メニュー番号とパッケージデザインは決められている)

MREの段ボール箱には12個のMREが入っていますが、段ボール箱は「よくこれだけの数のMREが入っていたなぁ」と感心するような大きさ。
MREはギッチギチに詰めこまれています。

上の画像を撮影するために段ボールから全てのMREを取り出しましたが、元通り段ボール箱に戻すことはできませんでした…

イメージ 8
▲段ボール箱の中の様子

この段ボール箱の耐久性の高さは驚異的で、接着剤が強力なのと、開けやすさが考慮されていないデザインのため、素手で開けるのに苦労するほど。

ちなみに、12個のMREが入った段ボール箱は、高度約400mからのパラシュートを使った投下、あるいは高さ約30mのヘリからの自由落下の衝撃から中のレーションを守れるだけの耐久性が求められています。

MREのメニュー内容

MREのメニューの総数は24と決まっていますが、どの番号のメニューが何なのかは、毎年異なります。

なるべく食べ飽きないように、MREは毎年いくつかのメニューが更新されていているのです。

「NATICK PAM 30-25,9TH EDITION AUG 2012」によると、メニューの変更については、提案された新メニューを審査員がチェックし、1〜9の9段階で評価します(1が最低点、9が最高点)。

審査の結果6点以上になったメニューが試験的に支給され、現場の兵士が1〜9の9段階で複数の新メニューを評価します。その際、どのメニューを採用して欲しいか、あるいは今のメニューからどれをなくして欲しいかを書くためのアンケート用紙も配付し、点数とアンケート結果によりメニューが変更されます。

ちなみに、2018年度のMRE(MRE XXXVIII)では、ピザがメニューとして追加されるとか。
高温の環境で長期間保管したところ、トマトソースが酸化して茶色くなったため、トマトの酸化を防ぐローズマリー抽出物を追加して対応したそうです。

Defense Logistics Agency(アメリカ国防兵站局)のサイトから関連文書を探してみると、MRE 38のMenu #23が「Pizza Slice, Pepperoni」になっています。



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購入の経緯

数十年前ですが、私が子供の頃は何故か一斗缶に入った乾パン(陸上自衛隊用)が家にあって、おやつ代わりに食べていました。それが妙に美味しかったことをよく覚えています。

それから何十年も経ったある日、海上自衛隊に乾パンを納入している会社の乾パンがネットで紹介されているのに出会いました。

すると突然子供の頃の記憶が蘇り、「また乾パンが食べたい」と思うようになって、昔食べた陸自の乾パンのメーカーとは異なりますが、海自に乾パンを納入しているメーカーの製品を箱買いしてしまいました。

イメージ 1
▲本格派カンパンの3食分(300g)入りパッケージ(前面)

イメージ 2
▲本格派カンパンの3食分(300g)入りパッケージ(背面)

製品名: 本格派カンパン
メーカー: 株式会社カニヤ(山梨県)
内容量: 1パック 300g(100g×3袋)
原材料名: 小麦粉、砂糖、ショートニング(パーム油、米油)、食塩、黒ごま、イースト
保存方法: 直射日光及び高温多湿をお避け下さい。
栄養成分表示(100gあたり): エネルギー:400kcal、たんぱく質:11.2g、脂質:5.1g、糖質:77.2g、食物繊維:4.2g、ナトリウム:442mg(食塩相当量:1.1g)
価格: 1箱(300g×20パック入り)¥8,573(記事掲載時点)

概要

株式会社カニヤは海上自衛隊に「大形乾パン」を納入している会社ですが、その大形乾パンとほぼ同じ外観の乾パンで、トランプ程度の大きさの乾パンが5枚、透明な袋に密封されたものが3セット、アルミパックに封入された製品です。

自衛隊向けの製品と市販品は、製法や検査方法が異なっているそうです。

外観

アルミパックを開けると、中から透明な袋が3つ出てきます。

イメージ 3
▲アルミパック内部の様子

透明な袋1つには乾パンが5枚入っていて、しっかり密封されています。

透明な袋の片面には英語で「NAVY BISCUITS」等の表記があり、反対面には何の表示もありません。
袋の側面は、一方に英語の栄養成分表示が、もう一方には日本語の栄養成分表示が印刷されています。

イメージ 4
▲アルミパックから取り出したパッケージ(左は表面、右は裏面)

乾パンの大きさは、縦約80mm、横約55mm、厚さ約11mmとなっていますが、これは防衛省の仕様書(N5001F)で規定されています。

イメージ 5
▲本格派カンパンの外観(左は表面、右は裏面)

同仕様書によると、自衛隊に納入されている大形乾パンは中種の配合割合が小麦粉20.0、イースト適量、本ごねの配合割合が小麦粉59.8、砂糖12.5、ショートニング6.0、食塩1.0、ごま0.7となっており、保証期限は3年とされています。

市販品も、これと大きくは異ならないはずです。

イメージ 6
▲本格派カンパンの断面

味など

特にこれといった味はついておらず、小麦の風味なのか、ほのかに甘い程度。
「乾パンは固い」というイメージがありましたが、この製品に関しては極端に固くはなく、簡単にかじれるレベル。

個人的には素朴で美味しい、硬めのビスケットだと思います。

ただ、口の中がパサパサになるのはいかんともし難いので、適当な飲み物を用意してから食べることをお勧めします。

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