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村上龍の世界

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村上龍先生についての書庫です
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■芥川賞直後の貴重なサイン本

「タイトルだけで心臓を打ち抜かれた。この美しすぎるフレーズ。まだ田舎の高校生だった僕は自転車に乗って家へと向かう中、本屋でこの文庫本を購入する。この何でもないような一日の出来事は今考えるすごく重要な場面で、これほど左右する一冊になるとは想像もしていなかった。その頃は“なんかすげーもん買っちゃったな”そう心の中でおもっていた。」




〜あらすじ〜
福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。
(裏表紙より)

と、まあ、今では使い古された感のある無軌道な若者たちを描いた群像劇になるが発表当時は随分センセーショナルな題材ではなかったかとおもわれる。何かのインビューで賞を獲れるように傾向を研究して書いたというような事を言っていたのが印象的。この小説が76年で、さらにそこから20年昔の56年には一橋大学に在学中の石原慎太郎(23歳で最年少)が同じように無秩序な若者たちをテーマにした『太陽の季節』で受賞している。内容は金持ちの家の不良が女を妊娠させて堕胎手術で死なせてしまうという、ただそれだけの話になるが50年代の日本で、それを書いたという事に価値があったのだろう。そして『限りなく透明に近いブルー』から30年後には金原ひとみが『蛇にピアス』を発表し、わずか19歳で受賞する。選考委員であった石原氏が10名いた選考委員中、ただひとり反対したのに対して村上氏が猛烈に推していた。後に単行本へ帯文と解説を寄与する。蛇にピアスの裏話として単行本化にあたり結末を差し替えた為、陳腐な駄作に成り下ったとの声もあるようだが四半世紀に一度、この手の青春群像が脚光を浴びるようだ。


明日は芥川賞と直木賞の発表があります、約40年前に受賞した村上龍氏も今は選考委員です。

村上龍の私的ベスト6

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1. 『村上龍映画小説集』 講談社 1995年発行

2. 『どこにでもある場所とどこにもいない私』 文藝春秋 2003年発行

3. 『イン ザ・ミソスープ』  読売新聞社 1997年発行

4. 『トパーズ』 角川書店 1988年発行

5. 『最後の家族』 幻冬舎 2001年発行

6. 『69(Sixty nine)』 集英社 1987年発行



【備考】1・2・4は短編集
【画像】佐世保の生家

小説を読んで人生が変わるなんて衝撃的な事は起こらないが、こういう考え方もあるんだという事を知るのにはいい、ただ村上龍の小説はそれともまた少し違うが決定的に言えることがひとつあって押し寄せる言葉の正確さに驚かされるということだ、それをいつも楽しんでいる

龍がのぼるとき

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村上龍について少しだけ書きたい、ほぼ全ての出版物を読んでいます、つまり、かなりコアなファンだと思います、いままで触れることもなく書かなかったのは聞こえよく言うと自分の中で何かが決着していないような気がしてなかなか書けなかった(決着なんて最初からないのだけれど)普通の作家の小説は一回読み終えた後にもう一度ひらくなんて事は僕の場合はない、なのにどういうわけかこの人の本にはそれがあってパラパラとひらいて一行を読み返す、驚くほどズドンと来る言葉があったりする、前後左右に関係なく強烈に響きます、たぶん、その響きを確認する為に読み返しているんだと思う、小説のスタンスは独特でまわりくどくネチネチした描写が多い、それでいて何故かドライな印象があります、物語の進行もひたすら状況を説明するだけという感じが多いように感じます、そして、そこにはたいした意味はないけれど妙なリアリティーと説得力があっていつも感心します、つまり表面だと思います、この人もやっぱり表面を極めているのだと思うのです、一方でカンブリア宮殿なんかを観てると、とてもシャイな印象を受ける、勝手にスマートでイイ男を想像していたから初めて顔を見た時は少々ガッカリしたのを覚えています、それでも発言には終始共感というか納得のいくことばかりで、うっかり自分の考えと同じだなんて軽々しくいつも思ってしまうのですが、嘘のない正しい事、正論を言っているのだから当然なわけだ、それは作品中にも反映されていて極力意味を持たせないダイレクトな言葉と文体にのせて警告を発しつづける

現在を切り取って状況を正確に言い当てることの出来る数少ない作家のひとりです



『限りなく透明に近いブルー』でデビューした頃はかなり騒がれたようです、村上龍の登場によって誰でも作家になれるといった間違った風潮が発生したようですが、それだけ重要な人物だということは間違いないのでしょう、高校の美術教師として教壇に立っていた父の村上新一郎氏が芥川賞受賞後に”村上龍”を育てた父親としてエッセイを出しましょう、と依頼され出版されたの本があって、それがこの『龍がのぼるとき』という本です、なかなか手に入らない本で読みたいと思っている人も多く人気のある本です、『龍がのぼるとき』このタイトルのセンスの良さを見てもわかるようにお父さんもかなりの文才があります、最近の龍さんの文に近いような読みやすさもありノンストップで読めました、面白いのは別枠でその当時高校三年生だった妹が地元紙に向けに『フルートと兄』という題名で兄について書かかれた作文も掲載してあります、本当はそれも紹介したかったけどたいへんなので、とりあえず”ブルー旋風”で世間をあっと言わせた臨場感のある当時のエピソードを抜粋してみました




昭和51年4月10日群像新人賞の知らせが入った。しかし、私は近頃文芸雑誌をほとんど読んでいなかったし、その価値についても賞金10万円也しか知らなかった。「いつのまに小説なんて書いたんだろう?美術大学は小説も教えるのか、変な奴」ところが、さっそく新聞に五段抜きで書きたてられ、「文学」にくわしい人たちから昴奮した電話がかかってきたりして、周囲が騒がしくなった。新しく赴任したばかりの児童文化会館はマスコミのインタビュー会場になってしまった。私や妻は息子の事で電話や訪問者があると、こんどは何をしでかしたのかとおびえるようになっていたから「受賞」にうまく対応できずに、記者諸君から「もっとうれしそうな顔してください」とカメラを向けられても、やはり「犯人の父」みたいな表情になりがちだった。さっそく、妻が買ってきたズシリと重い「群像」で息子の小説を読み始めたが、だんだん具合が悪くなってきた。さっぱり分からない。主人公のリュウと息子の龍が重なり、知りたくなかった過去が目前に展開されたようで読むのを止めた。だが、選者五名のベテラン作家が「清潔な性描写」「悲哀も後悔もなく」「大型新人の登場」などとそろって評価していらっしゃることや、本人の殊勝な親思いの受賞ことばなどを読み、幾日もかかって何回も読んだ。終章の一頁はあまりにも悲しくて活字がかすんだ。新聞も週刊誌もテレビもラジオも、「村上龍ラッシュ」となり、数件の佐世保の書店も「郷土出身の・・・」と垂れ幕を吊るし「龍ちゃんがまた新聞にのっとるよ」と叫び、騒ぎの輪が拡がった。7月5日、夜8時すぎ息子の彼女から涙声による「芥川受賞」の一報が入った。折りしも一日おくれで米軍基地からは独立記念日の打ち上げ花火が景気よく炸裂し私たち家族三人は7年間の屈辱の日々を吹き飛ばすように肩を組んで狂喜乱舞した。電話のベルがひっきりなしに鳴り、新聞社、ラジオの訪問等、たちまち祝福の対応にてんてこ舞いとなった。祝電の束を配達した電報局の人まで「おめでとうございます」という。「やっと通じた」という電話は深夜まで続く。一夜明けるとさらに頻繁になり、夢ではないかとNHKの荒川アナウンサーの録音をきいて、やっぱりほんとだと確かめたり。「スタジオ102」に出て高梨、山根アナウンサーと話ている息子をみて娘といっしょに「かっこいい!」と叫ぶ。テレビの伝達力のすごさもよく分かった。放映中からはやくも「いまうつってますよ」「いま、みてます」と電話が殺到するのだ。食事も出来ないし、トイレにもいけない。

息子がオヤジよりエラくなるという事はオヤジにとって目を細めることであるのと同時にちょっと淋しいような異様な不快感も伴うものだ。

30年、教員をして得た給料の総額は、息子の一年間の収入にも負けている。

息子は75キロもあるのに、俺は56キロしかない。

俺はNHKのテレビに出て出演料3千円しかもらわなかったが、息子は俺より少ししか喋らないくせに10万円もらった。

息子は数百万もする外車を乗り回しているが、俺は国産のポンコツ車だ。

俺の万年筆は千円のパーカー特売品だが、息子は高級モンブランだ。

息子は厚いビフテキを食べ残すが、俺はラーメンの汁まで一滴も残さない。

息子はペルシャネコを数匹飼っているが、俺はバカな犬を一匹しかもたない。

村上新一郎の息子とよばれていたのに、村上龍の父とよばれるようになった。

こんなことを考えていると夜も眠れぬほどハラが立ってくる。

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