Cafe 『La bussola nella vita』旧舘

紅茶、小説、HMKUについて書いてます♪ こちらは旧舘のほうでございます。詳しくはトップの記事を・…

頂きもの♪

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夏の日差しと抜けるような空と真っ青な海。
 はじけるような笑顔の君。
 眩しすぎて、正視できないくらいだ――



君 が 眩 し す ぎ る か ら
written by Miyu Yogiri
[crystalaqua]http://www.geocities.jp/skyaquarium_miyu/crystalaqua/index.html



「ね、これどう?」
 セルフィとリノアはエスタの街にある店で二人、ショッピングをしていた。
 リノアがハンガーにかかった水着をセルフィへ見せる。
「え〜、それ、ちょっと派手じゃない?」
「そうかな? セルフィに似合うと思うんだけど」
「あ、リノアこれ似合いそうだよ」
「どれどれ?」
 なぜだか二人は自分のよりも友人の着る水着を選んでいる。どれも自分が選ぶものよりもきわどくて派手だったりするのが面白い。
 そして二人は延々と二時間にわたってあれこれと悩み抜き、やっと納得できる水着を見つけて購入した。店から出てきた二人の顔はわずかに上気し、うきうきとした表情をしていた。
「その水着、アーヴァインが見たら興奮しちゃうかもよ〜」
「リノアのだって、いいんちょが見たら卒倒しちゃうかも」
 くすくす、と二人は笑みをかわした。どちらも自分の恋人に見せるために水着を購入したのだ。もちろん、水着姿の自分を見た恋人が、夜になって甘いシチュエーションに持っていきたくなるようにとの目論みがある。
「あーあ、だけど、リノアはいいよね。色は白いし、胸もあるし」
「そうかな〜。すぐ焼けて赤くなっちゃうし、最近はちょっとウエスト周りが気になるのよね……。セルフィは肌のきめが細かいし、ウエストも脚も細くてうらやましいよ」
「あたしはホント、胸ないし、細いっていうよりやせっぽちだし……。その割りに筋肉ついてるからさ……」
 リノアは「悩みも人それぞれだね〜」と納得したようにうなずいた。
「この季節はすご〜くキスティスになりたい! って思うんだよね」
「あ、あたしもあたしも〜」
 これまた二人の友人であるキスティスを思い浮かべ、リノアとセルフィは羨望のため息をついた。
 キスティスは目も覚めるような美人であるばかりでなく、スタイルも抜群である。胸はメロンのようだし、ウエストはそれでいてほっそりしている。適度に張りのある腰からほっそりとした脚が伸びている。男性ならば誰でもよだれを流さんばかりに見惚れるだろうし、女性ならば誰でも彼女のようなスタイルになりたいと願うだろう。それほどまでに完璧なスタイルをキスティスは持っているのだ。
 だが決まった恋人はいない。性格だっていいし、美人でもあるし、スタイルも抜群なのに、恋人がいないだなんてヘンだよね、とリノアとセルフィはいつも不思議がっている。当の二人には熱愛する恋人がいるのに、どこをとっても完璧なキスティスに恋人がいないとは、世の中わからないものである。
 それから二人はエスタの洒落たカフェでケーキを食べながらおしゃべりをして楽しみ、ラグナロクでバラムへの帰途についたのだった。


「……っし!」
 セルフィはホテルのバスルームにある姿見に水着姿を映し、腰に両手を当てて気合を入れた。
 先日リノアと一緒に買った水着である。
 ミリタリー柄の水着はビキニタイプである。スポーツブラのような形をしているのだが、ブラが胸の真ん中で縛って止めるようになっているのが特徴である。
 ほどこうと思えば簡単にほどける。胸の中心で縛るため、スポーツブラよりも露出度が高い。大きくはないが、ふっくらとした胸が半分ほどあらわになっている。セルフィにしてみれば精一杯のセクシー水着であった。
 下も少し凝っていて、腰の両側で縛って止めるタイプなのだ。両側をほどかれると立った状態でも水着を脱ぐことが出来る。そんな風に考えて、セルフィは一人赤くなっていた。
 ただその水着には上着がある。ミリタリー柄にピッタリの、胸ポケットまでついたベストに、ホットパンツ。それを着たまま泳ぐことも出来るのだが、普通にそのまま外を歩いても違和感がない。
 アービン、どう思うかな。
 セルフィは胸の中心で揺れているブラの結び目にそっと触れた。
 海にはモンスターがいるため、この世界の人たちはほとんど海では泳がない。もっぱら国営のプールや大型レジャープール、リゾートホテルなどにあるプールを使うのがほとんどだ。
 今セルフィは三日間の休暇を取り、アーヴァインと二人でガルバディアに新しく出来た大型レジャープールに来ている。砂漠のど真ん中に作ったプールとあって、なかなか評判のプールだ。プールの他にこれまた大型のテーマパークもあるため、セルフィはそこで遊ぶのも楽しみにしている。
 今いる部屋は、プールとテーマパークに隣接したホテルである。アーヴァインがセミスウィートを取ってくれたので、部屋は広々としてゆったりとしている。ベッドルームもバスルームも二つずつあるのだが、まず二人が別々に寝ることはないだろう。どちらのベッドもクイーンサイズの大きなものなので、二人が寝ても狭いことはない。夜のことを思いめぐらし、セルフィは胸の先端にしびれるような痛みが走るのを感じた。
 セルフィは二つのベッドルームをつないでいるリビングへ行った。すでにアーヴァインが着替えを終え、ソファにゆったりと座ってくつろいでいる。
「お待たせ」
「へえ、すっごく可愛いね。それが新しい水着かい?」
「……うん」
「迷彩柄とは、SeeDを意識してるのかな?」
 くすりと微笑みながら立ちあがり、アーヴァインはセルフィのそばにやってきてそっと耳元で囁いた。セルフィの体の中心がざわりとうずく。
 アーヴァインも紺色のシンプルな半パンタイプの水着を着ていた。一見すると普通の半パンに見えるところはセルフィと似ている。最近の水着はそういう普通の服のようなタイプが多い。シンプルな半パンではあるが、それでもアーヴァインの溢れる男らしい魅力を一切損なうことはなかった。
 二人は水着の上からパーカーを羽織り、タオル類を入れたバッグを持って部屋を出た。ホテルの宿泊者は水着のまま出歩いても構わないのだ。ホテル内にもプールはあるが、外にある大型レジャープールには数本のスライダーがあるので、セルフィはそちらで遊びたいと思っている。
「じゃ、行きますか」
「うん!」


 プールサイドに荷物を置けるスペースを見つけ、セルフィとアーヴァインはバッグを置き、パーカーを脱いだ。この時点ですでにアーヴァインは周りの女性たちから熱い視線を浴びている。パーカーを脱いだアーヴァインの見事に鍛え上げられた体を見て、ため息と羨望の声が聞こえてきた。
 こういったことには慣れっこのはずなのに、セルフィは胸がずきりと痛むのを感じた。やはり時々、こんな自分がアーヴァインの恋人でいいのだろうかと思うときがある。
 セルフィはそんなもやもやした気持ちを振りきるように、ベストとホットパンツを脱いだ。ビキニ姿のセルフィを、アーヴァインがじっと見つめているのに気づく。
「……え、と……ヘン?」
「いや、もちろんそんなことないけど……セフィ、君……その姿で遊ぶつもりかい?」
「うん、そうだけど……。ダメ?」
「や、ダメってことじゃなくて……そ、そう、日焼けしちゃうよ、そんな格好じゃ」
「そんなん日焼け止め塗ればいいことやん」
「でもプールに入れば取れちゃうし。ベストくらいは着ておいた方がいいと思うな」
「やだ。暑苦しいもん」
 セルフィはバッグから日焼け止めを取り出し、自分の肩に塗り始めた。何でそんなこと言うのかな。この水着見て、アービンは何とも思わへんのかな。
「セフィ、背中に日焼け止めを塗ってあげるよ」
「ん、じゃあお願いね」
 ケンカしたってつまらない。だから気を取りなおして楽しくやろうと思い、セルフィは微笑みながらアーヴァインに日焼け止めクリームを手渡した。アーヴァインが優しく背中を撫でる感触に肌が粟立つのを感じる。
「アービンの背中にも塗ったげようか?」
「うん、頼むよ」
 アーヴァインの広い背中に日焼け止めを塗る。ちょっと愛撫にも似た動きをしてしまう自分が恥ずかしい。普通にクリームを塗ってるだけなのに。どうしてそんな風に考えてしまうんだろう。そんなにあたしってえっちやったかな。
 何とか普通にクリームを塗り終え、二人は手を繋いで遊びに出かけた。
 長い列に並んでいても、アーヴァインと一緒なら退屈しなかった。二人してスライダーを滑り、勢い良く水へ落ちた時、水着のブラが半分ずれてしまい、セルフィは慌てて直しながらプールを出た。
 先にプールサイドへ上がっていたアーヴァインが手を貸してくれたが、その表情はどこかしら硬かったので、セルフィは少し気になってしまった。
 すると、セルフィの手を引いたまま、アーヴァインはずんずんと歩き始めた。
「アービン? どうかしたの、アービン?」
 セルフィの言葉に返事もしないまま、アーヴァインは人気(ひとけ)のない場所へセルフィをつれてきた。
「アービン……?」
 アーヴァインは硬い表情のまま、セルフィを壁に押しつけた。
「アービ……っ」
 容赦のない口づけだった。気が遠くなるようなキス。セルフィは全身の力が抜けていくような気がした。
「アー……ビン……?」
 アーヴァインの唇はセルフィの首筋をたどり、そして胸元へと下りてきた。
「ねえ、ダメ……っ」
 いくら人気がない場所とはいえ、いつ誰が来てもおかしくない。セルフィはアーヴァインの背中をとんとんと叩いた。
 つきん、と胸に痛みが走った。そしてアーヴァインが体を起こす。慌てて胸の痛みを感じた場所を見ると、胸のふくらみにしっかりとキスマークが残されていた。
「ちょ、アービン!? やだ、跡残ってるじゃん!」
「ああ……ゴメン。つい我を忘れちゃってさ。だってセフィ、すごくセクシーな水着姿だから」
 低く囁くアーヴァインの声に酔いそうになりながら、セルフィは胸に残されているキスマークをそっと指先で触れた。
「このままじゃ遊べない……」
「あのベストを着ればいいよ」
「ん……」
 不本意ではあったが、このままでは人目に触れる。見ればキスマークだとはっきりわかってしまうので、もうあのベストを着て遊ぶしか方法は残されていない。セルフィは手でキスマークを隠しながら荷物置き場へと戻り、ベストを着込んだ。
「さあ、行こうか?」
 アーヴァインの表情がなぜか晴れやかになったことに少し疑問を感じながら、セルフィは一緒に遊びに出かけた。


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