Cafe 『La bussola nella vita』旧舘

紅茶、小説、HMKUについて書いてます♪ こちらは旧舘のほうでございます。詳しくはトップの記事を・…

ショートストーリーとか

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・・・なんだろ、このドキドキ。
うちがはじめて気づいたんは、その時やったんかも―


「絆の欠片」


「あー!いいんちょだ!!」
「セルフィ!無事だったのか」
・・・脱出艇から何とか逃げ出したこと、気絶していてその間に「おねえちゃん」がどこかへ行ってしまったこと、チョコボを捕まえてでっかい船を見つけたことをあたしは「報告」した。
「んで、中に入ってみたらいいんちょがいてびっくり!」
報告しながら、あたしは一人、大事な人が欠けてるのに気付いた。
「・・・あれ、リノアは?」
「・・・・・・」
スコールは何も返さない。これは、もしかしてなんだろうか。
「・・・リノアは・・・」
こんなに苦しそうないいんちょの顔、見たこと無いな。
「・・・リノアは、魔女になった」
えっ?
驚くあたしをよそに、スコールは、重々しく、それでいて淡々と言葉を紡いでいった。
「自分が、親しい人とかに・・・恐怖を振りまきたくない・・・嫌われたくないから・・・行くんだと・・・言っていた。」
「・・・・・・」
あたしは、ほぼ無意識に、スコールのそばを離れて、飛び出した。
リノアが消えるのはおかしい、という思いとか、スコールは何故それを認めたのか、とか、いろんなことがごちゃごちゃになって、なんだか胸が熱くなった。

・・・どういう経緯でここにいたのかは解らない。でもあたしは気付いたらコックピットにいた。
乗り物好きのあたしにとって、かなり魅力的な場所だったけど、勿論はしゃぐ気にはなれなかった。
ゆっくりと、いろんな席に座ったりしながらメインの操縦席のほうへ歩いていく。
操縦席に座ると、なぜかほのかに温かい気がした。いいんちょが、ずっと座ってたからだろうか。
「ここだけ・・・?」
リノアはどこに座ってたんだろう。ここ以外は、触れても冷たいだけだったのに。
「あ。」
直感的に気付いた。と同時に顔に血が昇るのも感じた。
・・・いいんちょ、ほんとは、そばにいてほしかったんやん。
放したくなかったんやん。
そうやんな。せっかく取り戻したのに、すぐお別れなんてあまりに酷すぎるわ。
ふと、自分の目から雫がこぼれた。
「・・・・・・」
下のほうで怒鳴り声が聞こえてくる。普段はめったに聞かない、キスティスの怒鳴り声。
なんでやろ。涙がとまらへん。
そのとき、誰かがあたしの涙をぬぐった。
ごつごつした、それでいて繊細な手。
「・・・?」
「何で泣いてるの?セルフィ。」
「アーヴァイン・・・」
声だけでわかった。というより雰囲気で。
「う、うち、わからへん。何でか解らんけど、とまらへん・・・」
嗚咽に詰まりながら、何とか話す。
アーヴァインは涙をぬぐった手をそのままのばしてきて、あたしを抱きしめた。椅子の背もたれ越しに。
「・・・僕だったら・・・」
「・・・え?」
「君がもし魔女になっても、僕だったら絶対に放さないよ。」
耳元で囁かれたその声は、不思議とあたしを落ち着かせてくれた。
「たとえ全世界を敵に回しても。僕はキミのそばでずっと笑ってる。」
「・・・アーヴァイン・・・」
「どうして、名前を呼んでくれないんだい?・・・もしかして、忘れてしまった?」
「・・・え?どういう意味・・・?」
ほんとに解らなかった。というよりは確証がなかった。それくらいあたしの中であやふやになっているものだったから。
「・・・セフィ。」
「あ・・・!」
思い出した。二人だけの呼び方。二人で過ごしたあの日。ひょろひょろで色白の、
「・・・アービ、ン・・・、アービン・・・」
「アービン!」
嬉しくて何回も繰り返し言った。
「そう、正解。覚えててくれて嬉しいよ、セフィ。」
「ううん、今まで忘れてて、ごめんな。アービン」
アーヴァイン、いやアービンはいっそう強く抱きしめてくれた。
不意に耳の後ろに口付けを落とされる。
「・・・!」
「本当は、向き合ってしたい。でも、今は僕らの仲間を救い出さなくっちゃ。」
「え、うん、そだね」
不意の口付けに放心状態になっていたあたしは、下が静かになっていることに気付いた。多分、いいんちょに答えが出たんだ。
「・・・この続き、世界を救ったら・・・」
「・・・約束してくれるかい?」
アービンが言いたいことがなんとなく解った。というより彼は最初からそのことを伝えていたのかもしれない。最所に出会ったときから。
「・・・それって、プロポーズ?」
「セフィがいいのなら。」
「・・・いやなんて、言うはずあらへんやろ?」
むしろその逆だよ。
「・・・じゃ、約束だ。」
「うん、約束。」
あたしはアービンの小指に自分の小指を巻きつけた。
「・・・良し。じゃあ、行こうか?セフィ!」
「え?」
アービンが抱きしめていた手を放した。そして横に立ってこう言った。
「勿論、飛ばすだろ〜?」
とばす?これを?
「だって、セフィこれを飛ばすためにここに来たんじゃないのかい?行こうよ!リノアのもとに!」
「・・・・・・」
・・・飛ばせるのかな。
いや、飛ばすんだ。皆のために。
「よっし、行くぞぉー!!」
どうにでもなるやろ!こんなん、うちが飛ばしたる!
かなり前に習った機体操縦の心得を思い出しながら、エンジンを点火し、スロットルを上げる。勿論乗ったのは初めてだけど、不思議とどうすればいいのかが解った。
「セフィ!いい調子だよ!」
「ありがと、アービン!」
徐々にエンジン音が甲高くなり、ついに機体が浮き上がる。
「飛べぇ!」
無意識に叫ぶ。
機首をそのまま上げる。機体が前進をはじめた。
「セフィ!やった、本当に飛んでる!」
指で銃を撃つまねをしながら、アービンも飛び跳ねた。
「アービン!ちゃんと座ってないと危ない!」
「大丈夫さ〜!僕はこう見えても・・・っとっと」
言った刹那によろけて、あたしの膝に倒れこむ。
「ちょっ・・・アービン、大丈夫?!」
「なーんてね☆冗談」
アービンはあたしの膝に顔をうずめたまま、笑って見せた。
「アービン!もう、ほんまに・・・」
その先はあきれていえなかった。でも、自分でも不思議なくらい、和やかな気分になった。
不意に足音が近付いてくる。みんな、飛んでるって事気付いたんだろうな。
「アービン!みんながこっちにきてるよ、早く起きて!」
あたしはまだ自分のひざに乗っかってるアービンに気付いて、慌てて起き上がらせた。
「しかたないな・・・」
文字通りに渋々退く。
ほぼ同時に扉が開いた。
一番最初にドアを開けて入ってきたのはゼルだった。
続いて、キスティス、スコール。
「・・・あの、飛んでるんですけど。」
ゼルが思わずつぶやく。
「見て!みんな!飛んじゃったよ!」
「セフィ、すごいだろ!」
二人が思い思いに口を開いた。
「・・・スコール、行く場所は決まっているんでしょ?」
キスティスがいいんちょに言った。
それを受けて、いいんちょが先程とは違う自信に満ちた眼で皆に言った。
「・・・魔女がどうとか、もうどうでもいい。」
「・・・リノアを助けに行く!」
「・・・決まったね!よし、じゃあ・・・」
アービンはそう言ったあと、こちらに向けてウインクを放った。
「セフィ!行くよ〜!」
その合図であたしは飛空挺を発進させた。

―始まりは、何気ない一言。でもその言葉から始まった物語は、きっと、永遠に―



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき

まず一言、めちゃくちゃ荒削りなのはご了承くださいな。
私自身、こんなに難しいものとは思ってませんでした。
下手するとオリジナルよりも難しい気がします。
いずれ、手直ししていきます。最後まで読んで頂いて、有り難うございました☆
ここを書いた理由としては、きっとゲームでは描かれて無いこんなやり取りがあったと思うんですよ。この場面の後からアーヴァインはセルフィのことをセフィって呼んでますから。きっと、こんなやり取りがあったに違いない・・・かも
以上☆

閉じる コメント(4)

Breath Dragoonを読んでる途中、FF8というワードに引きつけられました(^-^;) 懐かしいですねぇ。周りからは不評の声が多いですが私は好きですよ。特にキャラが格好良すぎです。スコールとかアーヴァインとか(そしておなじみビックス&ウェッジ)セルフィの関西弁も健在ですね。 まさか、Breath Dragoonのセフィはそこから!?

2006/8/22(火) 午前 10:34 [ ign**esa*a ]

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ばれてしまった!?というのは言い過ぎかもしれませんが(笑 ……ご想像にお任せします☆ FF8は大好きですね。戦闘システムはちょっと微妙ですけど、ストーリーとかは歴代最高だと思ってますね♪

2006/8/22(火) 午後 2:57 Ron

ねー、泣けますよねー。 確かに、いちいち魔法を付けたり外したりするのは凄い疲れましたね……(^-^;)

2006/8/22(火) 午後 5:13 [ ign**esa*a ]

顔アイコン

あれは結構面倒……でしたね あ、メール受け取りましたよー、返信しておきます。

2006/8/22(火) 午後 6:05 Ron


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