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それからもう少し歩いただろうか。
ポートヴィルヘルムの町並みはまだ見えなかったが、風が変わった。
「もう少しで町が見えるはずだ。あと少し、みんな頑張ろう。」山の匂いから、潮の香りへと変わっていく。 ヴェルデは後ろの3人を見た。幸いみな元気そうだ。セフィも心の整理がついたみたいだし。 「うん」 「ヴェルデ、ポートヴィルヘルムまで行くのはいいんじゃが、そこからどうするつもりじゃ? ここもケピの村みたいだったら船は出してくれんじゃろう」
金剛が額の汗をぬぐいながら言った。
「そうだな、やっぱり夜を待って船を奪うしかないだろう」
今のヴェルデにはその手しか浮かばなかった。
「……あんまり誰も傷つけたくないよ」
セフィがぽつりともらす。その言葉はヴェルデに痛いほど刺さった。
「……いい方法を考えとくさ」
それっきり会話は続かなくなった。やがて町並みが見えてくる。
「あ、町が見えた!!」
セフィがはしゃぐ。
「どうだ、ヴェルデ」グランディリオにおける、世界の扉。そう呼ばれているのがここポートヴィルヘルムだった。あらゆるものがここに集まる。ロードミゲールの品物。さらにその近辺の食料品から海外の交易品まで。必然的に町も大きく発展している。中央のテルニア教の教会を礎とし、その周りに住宅、さらに外側に商店街。道は複雑に入り組んでおり、非常時には町並みが自然の城壁となるつくりだった。 ヴェルデは腰の単眼鏡を取り出して、町並みを覗いた。 「……うん、やっぱり外には誰も出ていない。ここも魔法の影響が出てるみたいだ」
もとの場所に単眼鏡を直してから言った。
「まあ、とりあえず町に降りてみよう。」
4人はそのまま進んだ。
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Breath Dragoon
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