Cafe 『La bussola nella vita』旧舘

紅茶、小説、HMKUについて書いてます♪ こちらは旧舘のほうでございます。詳しくはトップの記事を・…

Breath Dragoon

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Breath Dragoon(37)

ヴェルデにとっては、むしろやりやすい相手のはずだった。元々ストライダーなのだから、対人戦よりもはるかに闘いやすい。グラディウスよりもリーチの長い武器もある。勝ち目は存分にあった。
「ディフィシオーネ、ひとつ尋ねたい」
 あくまで隙を見せないように疑問を投げかける。
「なぜ、こんなことを?」
「……なぜ、だと?」
 言葉に瞬時に怒りがあふれた。
「愚かな人間どもめ、自らが犯した罪も知らぬのか!」
「私の夫を殺したのは! 私の仲間を殺したのは誰だ!!」
「…………」
「誰のせいでこんなことになった! 誰のせいで旨くも無い酒に溺れなければならなくなったぁ!!」
 声がその場を震わす。
「ここまでしておいて、良くそんな口が聞けるものだな、人間よ! わが同胞の仇、いまこそとらせてくれるわ!!」
 竜が火を吹いた。赤い舌が地面を舐め上げた。
「くっ!」
 ヴェルデは脇へ転がり込み、すぐに立ち上がって竜の顔を一閃した。竜が痛みに怯む。すかさずそこを斬り上げる。硬い鱗がはじけた。
「おのれ!」
 ディフィシオーネが尻尾を叩きつけた。ヴェルデは後ろに吹き飛ばされ、壁に打ち付けられる。そして尻尾は止まらずに城壁を粉砕した。
「かはっ」
 そこは3階。かろうじて床をつかむ。下には中庭の噴水が見えた。
「あっけないものだな」
 竜の顔がそばまできた。吐息が熱い。
「くそっ」
「では、お別れだ。」
 ディフィシオーネが息を吸った。ヴェルデはとっさに光の剣を作り、右目を突いた。
「がぁぁあ!!」
 竜が凄まじい咆哮と共に大きく後ろに退いた。その隙に足をかけて這い上がる。
「おのれっ、おのれえ!!」
 突いた右目のほうに回り連続で攻撃する。さすがに効いたのか前足を大きく上げてのけぞった。
 ヴェルデが竜の下に潜り込んで胸を刺した。のけぞりから竜が戻ってくるのとあわせて。



 凄まじい咆哮。大量の血飛沫。



 ヴェルデが後ろに飛びのく。地面を揺らしながらディフィシオーネは地面に沈んだ。
「…………」
「……すまない……」
 目を開けたままの竜の瞳から、一滴の雫がこぼれた――

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