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あの事件の後、各地を旅して回って復興の手伝いをし、結局ミレットの町に帰ってくるのは一年が過ぎ ようとしていたころだった。その後少しの休養の後、ヴェルデとセフィはチュチュを探しに旅に出た。 が、本人はみつからなかった。ケピの町には彼女の残した手紙があっただけだった。 ――あたし、は生きています 皆さんがこれを見ていただけたなら幸いです―― この言葉が真実かどうかはわからない。でも、きっとどこかで生きている。生きているのならどこかで きっとあえる。そう信じて、旅立ちからさらに一年後、ミレットに帰り着いたのだった。そして今、ヴェ ルデは剣の稽古場を開き、セフィは病院の手伝いをして生活していた。 「ねね、ヴェルデ師匠。次はいつ稽古つけてくれるんだ?」 帰り支度をしているヴェルデに、意気揚揚とファンが話し掛けた。 「そうだな、明日はちょっと用事があるから、あさっての昼からでどうだ?」 目を輝かせながらファンは大きく頷いた。 「もちろん! 約束だかんな!」 ヴェルデの返答を聞いてから、ファンは自分の武具を抱えて稽古場を走り出た。 「すまんな、ヴェルデ。いろいろ世話焼かせて」 隣にいたイルクがヴェルデに向かって言った。 「いやいや。これくらいで役に立てるならいつでもいいさ。それよりイルク、お前は剣術とか、興味ない のか?」 「はは、やめておくよ。もう若くないしな。それに、今の俺にとっちゃ武術よりも雑貨や本を売る技術の ほうが必要だからな」 「そうか。っていっても、イルク、お前俺より二つ上なだけじゃないか」 苦笑を交えてヴェルデが言う。つられてイルクも笑い出す。 「ははは、そうだったな。ま、細かい事はきにしない、気にしない」 |
HEAVENS KINGDOM
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