|
「少しは気にしろよ。じゃ、またあさってに」
「はいよ」
イルクは右に、ヴェルデとセフィは左に角を曲がる。
イルクと別れ、二人で歩いている時にセフィが口を開いた。
「ね、イルクさんなんだか若くなった気がしない?」
「え?」
ちょっと予想しなかった質問がきたのでヴェルデは思わず声を上げた。
「そうかなぁ。俺にはあんまり変わってない気がするけど」
「ん〜ん。女の目はごまかせないよ〜」
セフィは意味ありげな笑みを浮かべた。
「あれは誰かに恋、してるとおもうな〜」
「えっ?」
さらに予想しなかった答えにまたヴェルデは声を上げた。
「こ、恋ってお前、あいつももういい年だぞ? 確かに今は一人身だが……」
「そんなの、わかんないよ? ヴェルデだってあの6年前のあのキスの……」
「わ〜! わ、わかった、わかったからよせって!」
慌ててセフィの口をふさぐ。その手をどけながらセフィが続けた。
「むご……だから、恋とか、結婚とかに年は関係ないとあたしは思うの。ファン君だっていつまでもイ
ルクさんのところにいるわけじゃないし。この先一人で住むのはちょっと寂しいよ」
「…………」
「別に、それだからどう、というわけじゃないけど。やっぱりそこを否定されちゃうと哀しいな」
「……すまん、悪かった」
「ん。わかってくれたのならいいよ〜」
また彼女の顔が笑顔に戻る。確かにその話が納得できたからというのもあるが、素直に謝ったのは単に
笑顔を崩したくなかったからだった。
我ながら、恥ずかしい。でも、これはどうしようもない。
|