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asasinのアンプラグド・ウォーゲーム出戻り東部戦線不始末記

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「ドイツとオーストリヤは歓喜し全世界は沈黙した。」 「世界大戦を語る-ルーデンドルフ回想録」より

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9月に入り幾分涼しくなりましたが、先月のテッド・レイサー祭りは熱かったです。
プレイしてから随分と時間は経ってしまいましたが、思い出しながらゲームの紹介など・・・

Barbarossa to Berlinに続き、今度はWW1の傑作東部戦線ゲーム「鷲たちの黄昏 CMJ21When Eagles Fight」をプレイ。8月初旬に一度、そして31日に二度目の対戦をする機会に恵まれました。

さてこの「鷲たちの黄昏」。
デザイナーは言わずと知れたテッド・レイサー。本家コマンドマガジン25号の付録として1993年に発売(その後日本版コマンドマガジン21号に「鷲たちの黄昏」として付録化)。当時から評判は高かったらしく、その年のチャールズ・ロバーツ賞を受賞します。WW1ゲームに於けるレイサー氏の快進撃はここから始まったと言っても良く、その意味でも記念碑的作品と言えるかも知れません。

テーマは第一次欧州大戦の東部戦線キャンペーン。同テーマではフルマップ1枚のゲームが、実はこれくらいしか無いのはちょっと驚きです。
期間は1914年8月のタンネンベルク会戦からロシア帝国の崩壊する1917年まで、1ヶ月/1ターンの全24ターン(冬期は2ヵ月/1ターン)。
参加する国は、同盟軍として新興国ドイツと黄昏のオーストリア・ハンガリー帝国、対するはこれまた帝政末期のロシア(最後の方でルーマニアもちょこっと顔を出します)。
イタリア戦線や西部戦線も、ランダムイベントによって間接的にではありますがシステムに取り込まれていて、大きく戦況に影響を与える工夫がしてあります。
ゲーム背景に関しては、素晴らしいサイトがありますので詳しく知りたい人はこちらをご参考に。

ゲームシークエンスは究めてシンプル。
移動-攻撃-補給チェックを互いに繰り返すだけです。ZOCは無しでメイアタック、CRTも戦闘比とこれまたオーソドックスなものばかり。
WW1なので機械化移動やオーバーランなんて当然無く、戦闘後前進も通常は1ヘクスのみとこれまた
穏やかなものです。
ただ、戦闘結果でダイス目に恵まれると、3ヘクスもの戦闘後前進となる突破が起きます。このちょっとした工夫で戦線が動きやすくなり、均衡が崩れた際に起きるドラマチックな展開が上手く演出されてるあたりはさすがです。
ユニットも大半は1ステップしかないのでガンガン消えては、ガンガン補充で帰って来ます(特にロシア軍)。
まさにWW1、東部戦線全体が巨大な肉挽き機と化します。恐ろしい・・・

それぞれの軍には、シンプルながらも個性的な性格付けがなされており、雰囲気を一層盛り上げてくれます。
ドイツ軍正規兵は2ステップあってステップロスしても余り戦力が減らなかったり、
オーストリア軍は最初は強いんだけど、一旦壊滅して補充で戻ってくるとヘロヘロに弱くなっていたり、
いくら除去されても補充ポイントが余るくらいに人的資源の豊富なロシア軍だったり。

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更に特筆すべき物として、ドイツ軍には「オーベルオスト戦闘」なるものがあり、これが強烈!
戦闘フェイズ開始時に「オーベルオスト・マーカー」を自軍ユニット上にスタックさせておくと、戦闘後にさらにマーカーから2ヘクス以内のユニットは再度攻撃ができるというもの。これにダイス修正+3の「重砲兵隊」を組み合わせると、たとえどんなに要塞化された都市であろうと、ほぼ確実に1ターンで陥落させることが出来ます。
対するロシア軍にはスタフカ・マーカー。隣接したユニットは攻撃/防御に有利なダイス修正を受ける事が出来ます。
しかしロシア軍はそれだけではありません。恐怖の「弾薬切れ」(攻撃/防御力半減)チェックを毎ターン、攻撃フェイズ初めに受けなければなりません。判定結果分の数の「弾薬切れ・マーカー」を各々プレイヤーに二等分して、好きなユニットを弾薬切れに出来ます。
ロシア軍プレイヤーは当然、戦闘と関係無さそうなユニットに置き、同盟軍プレイヤーはこれからまさに攻撃しそうなユニットに置く事になります。
ひどい時には12個ものユニットが弾薬切れになるので、そうなるともうロシア軍は攻撃どころでは無くなります。移動後の戦闘前にチェックって所がミソです。

勝利条件は、半年(5ターン)毎にサドンデス条件をチェックして、その時点で満たせた側が勝利します。
これがまたなかなか絶妙なバランスで、ギリギリ届きそうで届かない感じで、無理し過ぎると手痛いしっぺ返しをくらったり・・・
フルターンプレイするとかなりの時間を要するゲームですが、上手い事サドンデスに持ち込めば半日での勝利も夢ではないかも知れません。

これらの特徴と増援軍や補充ポイント、更にランダムイベントが複雑に絡み合って、ゲーム中に主導権が何度も入れ替わる劇的な展開が約束されています。そしてプレイヤーはその都度、知力を振り絞って最善を探しながら苦闘を続ける事になります。まさに傑作の名に相応しい手に汗握る面白さ!
WW2東部戦線に「ロシアンキャンペーン」があるなら、WW1にはこの「鷲たちの黄昏」あり!です。
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残念ながら絶版で入手困難ですが、持ってて押し入れに眠らせている方は是非!掘り出してみて下さい。ほんと面白いですから。

因みに文頭に引用したルーデンドルフの回想録、なんと昭和16年のもの。図書館でコピーしたんですが貸し出しは禁止でした。
どうでもいいけど当時は「オーストリヤ」表記だったんですね・・・

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