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☆彡 おばあちゃんが わたしを 家に 呼ばなかった理由
それは ふしぎ お酒大好きな おじいちゃんだった
お酒を探して 家じゅうで暴れ 通りで 叫ぶから
おばあちゃんを 叩いて 顔 腫れ上がらせるから
病院 抜け出して コンビニで 暴れるから …
でも 絶対 行くの
わたしになら おじいちゃん やさしい
わたしがいると おばあちゃんを なぐらない
ときどき お酒 買ってきて と 言うけれど …
ごめんね と おばあちゃん 毎日 あやまる
ううん わたし 双子だったら 良かった
家と おばあちゃんち と 両方 いられる
こんな 家でも いいのかい?
おばあちゃんの笑顔 いつも 見られる
おじいちゃんも すごく やさしくなるから
ごめんね … あんな おじいちゃんで …
えっ? おじいちゃんが いてくれたから
わたし おばあちゃんに 会えたんでしょう?
ああ〜 神様
孫を抱きしめて 泣くことをおゆるしください
この子のような 愛のまなざし
夫に向けてこなかった日々を おゆるしください
わたしを殴って 気がすむのならと 大きな誤解
していた 愚かさを どうぞ おゆるしくださいませ
そして …
目には 目を 歯には 歯を
殴りかかったら 足払いする ワザを
暴言には グウの音も 出ない 返答を
わたしを 人間扱い する日まで
わたしが 夫を 恋人扱い できる日まで
芯の強い女になる 勇気を お与えください
孫に向かって イェ〜イ と ピースできる日まで |
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☆彡 いつまでも働いていたかった おじいちゃん
大工の腕は ぴかぴかだもの
こわごわ 頼んだ ドールハウス 作り
胸をたたいて 引き受けてくれた
まもなく 完成 仕上げに びっくり
本物そっくり 高級住宅
屋根がはずせて エレベーターも ある!
お礼を 言おうと 思ったら
抱きしめられて 感謝をされた
お じ い ち ゃ ん
よ く わ か ら な い け ど
あ り が と う
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☆彡 悪かった さびしい思い させてたなんて これからは 思いやるよ 君のこと
いきなり 食卓テーブルに
すべらせてきた 指輪のケース
娘も驚き 立ちつくしてる
中から 出てきた
フィフティーン・スィート・ダイヤ
思わず 首に 抱きついた
指で 娘に 目くばせ 「シー!」
ホワイト・ノイズの テレビの前で
寝転び 涙を ながしてた
そんな 秘密は 明かせない
お笑い ビデオが 終わった後で
声を 殺して 笑ってた わたし
深夜 こっそり 見ていた あなた
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ハワイではよく虹を見かける。
夜の雨が上がって、朝の空にかすかな虹があるのはいいもんだ。
気持ちがさわやかになる。
(Ryoは良く眠っただろうか…)
ケラーは目覚めて一番にRyoを思い出し、苦笑した。
結婚する以前、目覚めて真っ先に考えることは「彼女」のことだった。
それが、今、妻でもなく、娘でもなく、あの孤児のことを思っている。
(あの子が息子なら、なんだって教えてやるのに・・・)
ケラーは本気でそう思った。
しかし…あの子は、かわいい笑顔の下に、どんな苦労を隠していることか。
ジャクソンの家であの子がみせた、「1秒後の顔まね」は 何を意味する?
どうして人の顔をコピーするのか。それに、あの階段の降り方…。
ケラーはベッドから抜け出し、寝室の窓を開けて外の風を入れた。
階段室から出たRyoの行動を、記憶の中で再現する。
(この階段の降り方はなんだ! どうしてここまで音を気にる?)
ケラーは、Ryoがまるで、忍者のように降りるのをふしぎに思った。
ケラーはまだ知らない。食事を満足に与えられなかった
Ryoは、のどの渇きを、家族が寝静まった深夜にいやす
悲しい習慣を、この歳で身につけていたことを。
ケラーはしばらくRyoを見下ろしていたが、足早に階段を降りた。
時間をかけて階段を下りたRyoは、ドンドンと大きな音で下りて
きたケラーを、目を見開いて見上げていた。
(魔法の靴とでも思っているのか?
これをはけば、階段を勢い良く下りられるって…)
「腕」のとき同様、Ryoは、ごついブーツをさわってきた。
かがみこみ、こぶしでコンコンとノックしている。その音が楽しかったのか、
Ryoは何度かそれを繰り返していた。
(そんなつまらないことも、楽しいのか)
明かりのない階段室に閉じ込められていたのなら、遊ぶことさえできなかったろう。
(だから、音に…、聞こえる音の楽しさを喜ぶんだ)
暗闇の中で、ドアの向こうから聞こえる音を楽しみ、聞いて遊ぶ…。
リビングには、ジャクソン一家の団欒があっただろうに、あの子は
あんなところに閉じ込められていた。なぜそんなひどいことができるのか!
ケラーは目の前の小さな子が、たまらなく不憫(ふびん)に思えた。
廊下の真ん中を歩いていたRyoが、キッチンのドアのそばでは避けるように
遠回りをした。そして、急に反対側の壁にからだをすりつけてうずくまった。
呼吸が荒い。落ち着かせるために後ろから両腕をまわし、輪を作ってから
下腹をグッと強くしめた。発作を起こした子にする救急法だ。
呼吸の荒さはそれでおさまったが、キッチンを見ないようにして
Ryoは逃げていった。
ケラーの頭の中で、シンクをうならせ、蛇口からほとばしっていた、水の光景が
浮かんだ。
Ryoのくちびるが乾いて血がにじんでいたのは、食べ物はもちろん、水さえ
まともに与えられなかったせいだろう。
手やからだを動かすことまで禁じられ、蛇口に触ることさえ止められていた
としたら…。
そうか! 蛇口の閉め方は、わからないかもしれない。
それで、朝までそのままになっていたのも理由がつく。
しかし、男の子だろう。蛇口くらい、自分で閉めろ!
自分で開け閉めできることを、今覚えるんだ。
ケラーはRyoの手を引き、シンクの前に連れて行った。
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