エルフの診察室

北国はもう氷と雪の中です

「追憶のローマ」

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

イメージ 1


★Ryoが思わずつぶやいた言葉に、(えっ?)という表情をしてすぐに

 フランはおかしそうに笑い出した。その時はイタリア語がわからなかった小夜香が

 ボクの腕にしがみつき、「なんて?」と、1語で聞いてきた。

 『強力なトランポリンで、あの十字架のてっぺんまで、ジャンプしてみたい…だって』

 「なんで? なんでそれがおかしいのよ。フランさんは思い切り笑ったじゃない」

 小夜香は女性特有のカンの鋭さで、ボクにつめよる。

 Ryoには女らしくふるまうのに、ボクにはいつもこうだ。弟と思ってる?

 ボクの方が4歳も年上なのに。

 「こういうことだよ、小夜香。十字架のてっぺんまでジャンプしたら、

  引力のせいで落ちるだろう? そのとき、十字架にしがみつくか、十字架の先が

  ボクのお尻に刺さるか、フランはどっちを想像する?…って聞いたんだ。

  フランのやつ、思いっきり笑ったんだ」

 話を聞き終わったとたん、小夜香は吹きだして、フランに抱きついて笑い出した。

 まじめな、おとなしい顔をして、Ryoはそんな笑い話をよくしていた。

 フランと話す時はいつもイタリア語だから、当然まわりのイタリア人にも聞こえる。

 はげあがったナポリなまりのおじさんなんか、すもうとりがシコを踏むようなかっこうで

 両手を打って笑い、お尻を押さえて痛そうな顔までしてる。

 Ryoのまわりには、いつも、こんな笑いが起きていた。

 四人が、三人になって、Ryoを思い出しながら「ルネサンス街道」を

 ドライブしたけれど、初めにボクたちは、約束したのだった。

 「楽しいことだけ、思い出そうね…」と。

 だから、よく笑った。

 でも、思い切り笑った後、三人とも、ふ〜っとため息・・・。

 しかたがないし、それでいい。

 Ryoが、今もなお、それぞれの胸の中だけじゃなく、三人の会話の中で

 楽しくよみがえってくれることを、喜ぼう。

 恋人だったフランも、亡くなったRyoと一緒に、その死をいつまでも悲しむ必要は無い。

 亡くなった人と一緒に、死んだように生きるなんて、良くないと思うから。






全1ページ

[1]


.
エルフの診察室
エルフの診察室
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(1)
  • ハワイ locoimport.com
友だち一覧
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

標準グループ

登録されていません

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事