|
9時ごろB&Bを出発する。フィリップとモニカが荷物の積み込みを手伝ってくれる。そして、フィリップがかつて自分が働いていたシャトー・ラ・トゥール・カルネ(Ch. La Tour Carnet、4級)のボトルを一本プレゼントしてくれた。さらにもう一本自家製のアペリティフも付け加えてくれる。これはワインとコニャックを混ぜたアルコール度20%ぐらいの甘口だ。ちゃんとラベルも自分で印刷したものを貼り付けて、まるで商品のよう。写真はそれらを並べて撮ったもの。
その後昨日下見した道を一路フェリー乗り場へ行く。小型のフェリーだがダンプカーのような大型も混ぜて20-30台ぐらいが乗り込む(次の写真)。
次の写真は船がメドックを離れたところ。ローカルなフェリー用桟橋という風情だ。乗ってから船内で切符を買う。二人と車で18.2ユーロだった。結構高い。船は中ノ島を避けながらジグザグに進み、20分ぐらいで対岸に着いた。
航行中に私の車のセキュリティアラームが頻繁に鳴った。しかたないからドアロックを解除したままにしたが困ったものだ。ひょっとしたらドーバーからブーローニュまでの船内でもずっと鳴っていたかもしれない。あのフェリーは航行中は車置き場に入れないから確かめようがないが。
対岸のブライ(Blaye)という町は商店がいっぱいでかなり賑やかな町だ。突っ切ってそのまま一路高速道路A10に向かう。高速道路に乗ればあとはそのままトゥール(Tours)まで一本道だ。
今日の予定はトゥールとル・マン(Le Mans)の間の小さな村にあるB&Bである。例によって前日に電話を入れて予約したもの。本当はその近くにある評判のシェフが営業しているB&Bに泊まってうまい夕食を食べたかったのだが満室でだめだったのだ。
フェリーを使用したおかげで今日の旅程はちょっと余裕があるので、トゥールの手前で高速を降りた。ヴィエンヌ川沿いにシノン(Chinon)を経由して走り、その川がロワール川に合流するソーミュール(Saumur)で川を渡って北上することにしたのだ。
ロワール川は水量もあり、いつ見ても心の和む美しい川だ。古城が点在しているのもいい。それで、天気もいいし久しぶりにシノン城とソーミュール城を訪問することにした。
まずシノン城であるが、かのジャンヌ・ダルクがシャルル7世と会見して軍勢を与えられたことで有名なこの城も今は廃墟だ(次の写真)。もともと英国領だったこの地に城を建設したのはヘンリー2世である。
城は丘の上に立っているので入り口から反対側を見ると眼下にヴィエンヌ川が見える(次の写真)。
丘を登る道からは次の写真のようにブドウ畑が見える。ここはシノンワインの産地でもある。ロワールワインはサンセールやプイイ・フュメなど白ワインがポピュラーであるが、これはカベルネ・フラン種だけで作る特長ある赤ワインだ。
ここから20kmほど下流に行くとやや大きい町ソーミュールだ。やはり丘の上に立っているのがソーミュール城(次の写真)。この城は14世紀に建てられて以来ずっと使われてきたせいか傷みは少なく今は博物館になっている。それでも今回は一部修復中で博物館は閉じていた。
次の写真は丘からの眺め。ここにもブドウ畑がある。シノンと同じくカベルネ・フランで作る赤が主なものだがソーミュール・シャンピニーという名前のものはシノンよりも上等である。
B&Bは広い敷地にある大きな3階建ての館で、あてがわれた部屋は寝室もバスルームもゆったり過ぎるほど広い。天井の高さも4メートルぐらいありそう。しかし上階に住む家族が階段を上り下りしたり部屋を動き回るとかなり音が響く。内部はすべて木造なのだろう。食堂もだだっ広く、しかも家族はそこを使わないで済んでいる。
泊り客は我々以外は長期滞在者が一人居るだけであった。彼はル・マンのレース場でレーシングの練習に明け暮れている若者で、さすがにル・マンの近くという感じだ。レースをやるのはいいがスポンサーを見つけるのが大変なんだよ、とぼやいていた。
ここはオプションで夕食も取れるのでお願いしたが、おかみさんの素人料理で、まあおいしいけど特筆するほどではない。鷹揚な人で、翌朝の朝は所要でいないから宿泊費はテーブルの上にでも置いていってくれ、という。間違いがあるといやだから事前に支払ったが。(続く)
|