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これは現在開催中の芸術祭City of London Festivalの一環です。 ロンドンのシティというのは金融の中心地としてつとに有名ですが、昔はロンドン行政府からも独立して特別自治区として認められていたところです。現在でもその名残で精神的には結構独立したところがあり、このフェスティヴァルのように独自の催し物も開催されます。 セントポール大聖堂はそのシティの中心にある由緒ある寺院です。チャールズ皇太子が最初の結婚をしたときはここで式典が行われ、美しいダイアナ妃とともにTVで世界中に放送された様子を憶えていらっしゃる方も多いでしょう。 さて、今夜のコンサートは次のとおりです。 指揮:Mark Elder 管弦楽:The Hallé 曲目:ブルックナーの交響曲第7番ホ長調 ロンドンでの演奏頻度はそれほど高くないので聴いたのは初めてです。弦も管もとても美しいアンサンブルでした。ただ、この特殊な場所では残響時間が優に5秒を超えますので、音が溶け合うときはより美しくなりますが金管などは高音部が目立つため音が薄っぺらく感じることがありました。低音がたっぷりとするためにはちょっと空間が大きすぎる嫌いがあります。参考までに、オーケストラも聴衆もほぼあの大きなドームの下あたりに位置していまして、私とオーケストラの距離は10数メートルでした。 マーク・エルダーという指揮者はロイヤルオペラではお馴染みですが、普通のコンサートに接するのは初めてです。とても優雅な身のこなしと指揮をする人です。今日の演奏は、第1楽章がやや緊張感に欠ける印象でしたが楽章を追うにつれて調子を上げ、全体としてはとても品位のある美しい仕上げでした。私はこの曲は今年の1月にベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団で聴いていますが、あの時はハイティンクが体調を崩していたためか今一迫力に欠ける演奏でしたので、今回は満足できる演奏で来てよかったという感じです。第2楽章前半のアダージョはほんとに美しく、オルガンのように音が溶け合って夢見心地になります。私から見える範囲で多くの人が幸せそうにこっくりこっくりやっていましたね。 それにしてもここでは特殊音響のせいで演奏する側はやりにくいだろうなと思いました。 この場所で13日にヴェルディのレクイエムが演奏されるのですが、人気のコリン・デーヴィス指揮ロンドン交響楽団なので切符は早々に売切れです。私はキャンセル待ちしますが、あまり見込みはなさそうです。
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