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環境を保つという事

人間が文明を発達させるとの同じように、人間は環境を「破壊」してきたという。

空に粉塵が放たれ、土壌に薬品がしみこみ、海に海水以外の物質が流れ込む。
土にはコンクリートが敷かれ、木は切り倒され、そこに新たな都市が築かれた。

そして今、人々は口々に「環境の保全を!」と。


――地球の美しい環境を保つ


とても結構な事だ。

しかし、人間が創った人工物を全て「自然にあらず」として、 エ コ で ロ ハ ス なモノをよしとするのはどうかと思う。


はるか昔。地球はまだ無機物が集まってできただけの熱く新しい星だった。
誕生直後はマグマの海に覆われていたが、地殻と原始の海が出来、そこに有機化合物の化学進化の結果、最初の生命が生まれた。

その後、シアノバクテリアの光合成によって大気が形成され、ここから徐々に地球の環境が変化する。

自然とは何か。

自然をあるがままの状態とするならば、原始の地球の自然は「地殻と原始の海に覆われた、無機物で一杯の地球」だっただろう。
しかし、シアノバクテリアの発生によって、大気のない無機物で一杯の地球に、大気と有機物が生まれる。

シアノバクテリアが、それまでの原始の地球の環境を「破壊」したともいえる。
あるがままの自然である一方で、ここでは環境破壊も起こっているのではないか。


地球年表の中で、環境や生物は様々に変化し、進化を続け、競い合うように生きてきた。

環境の変化によって生物が進化したことも、ある生物の台頭によって周りの環境が変化したことも数えきれない程の回数があるだろう。
あるサボテンは陸にすむトカゲから身を守るために背を高くし、高い枝先に実をつけるようになったし、一方のキリンは背の高い木の葉を食べるために首を長くした。

そこにいる生物の為に環境が変化することも、またその逆も珍しいことではないのだ。



では、人間は?

人間が行った「環境破壊」の為に、地球の環境は少なからず変化した。
それまで無かったモノが地球上にあふれた。

多くの人は、これを自然ではない――不自然だという。

しかし、この「環境破壊」というものは、それまで他の生物が生命活動の中で行ってきた環境を変化させるという行為と少しも変わらないのではないか。

人間が手を加えているから自然ではないのか。
とはいえその人間も元々自然から発生したもの。
人間だけが他の生物と一線を画し、他の生物による環境の作り変えは自然で、人間による環境の作り変えは不自然だというのはただの驕りではないか――


地球の環境は常に変化している。

何億年も前の地球と今の地球とは似ても似つかない。

そしてこの地球は、生まれた時から今まで絶えず変化を続けてきた。
おそらく、これからも。

たとえ少々度合いが違くとも、変化してしかるべきなのではないか。

むしろ、変化を止めて今のままでいつまでも保たせようとしている方が、これまでの地球の歴史の中では不自然にあたるのではないか……。


自然、地球、環境。

それは、そこに住む人間も含めてのこと。


永い地球の歴史に人間の歴史を委ねるのも、ちゃんと「自然」な生き方だと思う。


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