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『影のない女』が前回日本で上演されたのは18年前サヴァリッシュの指揮でバイエルン州立歌劇場の来日公演で、愛知県立芸術劇場のこけら落としだった。これがNHKで放送され当時中学生だった私はその放送を見て大変感激しいつか実演でみたいと思っていた。その後15年くらいたって渡独したおりゼンパーでやっと生公演に接することができてまた感激してしまった。
『影のない女』 ゼンパーオーパー
(http://blogs.yahoo.co.jp/dom06wagner/folder/990885.html?m=lc&sv=%B1%C6%A4%CE%A4%CA%A4%A4%BD%F7&sk=0)
ドイツでは地方劇場でも度々上演されている演目で決して珍しい演目ではない。また、CDやDVDではウィーンやドレスデンの演奏が多く、両者が圧倒的に美しい響きを出す得意中の演目である。実際に私がゼンパーで見たときはオケの響きの厚さは生半可なものではなく、自分たちこそがこの曲をどこよりも一番うまく演奏できるといったプライドのようなものを感じた。
さて、今回の新国。わたしはまずまずだと思った。歌手として素晴らしかったのは、エミリー・マギー(皇后)とミヒャエル・バーバ(皇帝)だ。そして最も重要な役であるバラクとその妻の、ラルフ・ルーカスとステファニー・フリーデのコンビはよく歌えてはいるが、表現力にもっと深いものを求めたい。ジェーン・ヘンシェル(乳母)は後半少しばてたのか、途中まで良かったのに残念。
そして指揮のヴェヒターと東響は1幕の全く歌わない、音をなぞるだけの演奏を聴いたときには酷過ぎると感じたのだが、2幕の美しいチェロの演奏から俄然演奏に熱が入りはじめ前半とは打って変わって演奏に厚みと表現力の幅が生まれて良かった。公演終了後、「オーケストラ、ブラボー」と声をかけていた人もいたが、それはまだ甘いと私は思う。R・シュトラウスを表現するには、まだまだ日本のオケは不十分だ。
最後にドニ・クリエフの演出だがバラクの妻を主軸に哀れな女性の物語という解釈は、舞台で表現できていたかかなり疑問。最後に家が組み立てられて子供が遊んでハッピーエンドとなる展開は、こんなに単純で良いのかと疑問。まあ、凝った演出をしても我が国の聴衆にはないも伝わらないのだが、、。
ちなみに、この曲2011年にゲルギエフの指揮でマリンスキー劇場の来日公演でも取り上げられる予定である。
2010年5月29日(土)14:00 新国立劇場
【指 揮】エーリッヒ・ヴェヒター
【演出・美術・衣裳・照明】ドニ・クリエフ
【企 画】若杉 弘
【芸術監督代行】尾高忠明
【主 催】新国立劇場
(指 揮)
エーリッヒ・ヴェヒター
(演出・美術・衣裳・照明)
ドニ・クリエフ
キャスト
【皇帝】ミヒャエル・バーバ
【皇后】エミリー・マギー
【乳母】ジェーン・ヘンシェル
【霊界の使者】平野 和
【宮殿の門衛】平井香織
【鷹の声】大隅智佳子
【バラク】ラルフ・ルーカス
【バラクの妻】ステファニー・フリーデ
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団
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失礼します。同じ日に観ました。オペラを見慣れていないので不安でしたが感想を拝読して同じだと思う点が多くありほっとしています。歌手(とりわけ女性)はよかったのですが演奏には辛い評価をつけました。意図はわかるもののとりわけ残念だったのが演出でした。先日の新日本の「ペレアスとメリザンド」を思い出しながら、中途半端ならコンサート方式の方がよいのではないかと考えたりもします。劇自体はなかなか深みがあって楽しめました。
2010/5/30(日) 午前 8:27
演出は、黒子がちょっと気になりましたね。新日本フィルの「ペレアス、、」は評判いいですよね。このコンビ来シーズンは新国に登場しますよね。そろそろ新国も専属オケを持つ事を真剣に考えて欲しいと思いました。
2010/6/1(火) 午後 10:46