CD, DVD視聴記

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ワイマールのリング

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既に『ラインの黄金』と『ワルキューレ』のみ発売されているミヒャエル・シュルツ演出のワイマールのリングを鑑賞しました。ブルーレイのみでの発売でこんなマニアックなものをなぜとも思うのですが、マニアックだからこそブルーレイのみなのかもしれません。

内容は期待以上の出来でした。良かったです。なんといってもクレアの指揮とシュターツカペレワイマールの演奏が素晴らしい。かなりアップテンポな場面もあればかなりじっくりと歌手に会わせてオケを歌わせるところなど絶妙なコントロールとバランスを聴かせてくれます。

そしてシュルツの演出。HMVのサイトでは革新的と書かれていますが、ドイツの地方劇場ではごくごく一般的な水準の読み替えだと思います。『ラインの黄金』も『ワルキューレ』も3人のノルンによる寸劇ではじまり、さらに『ワルキューレ』などハーゲンの誕生も示しています。全てが仕組まれたもの、定められた運命に従って、登場人物達が動いていくというのは、東京リングのウォーナー演出などとも共通しているかもしれません。『ラインの黄金』の冒頭からヴォータンが登場し、アルベリヒに黄金を盗ませます。『ワルキューレ』の1幕でも登場人物達には見えないけれどもヴォータンがずっと、ジークムントとジークリンデに付き添っているところなど、いろいろと面白い場面もあります。

歌手はさすがに、超一流歌手を聴いていると聴きおとりがするのは仕方ないですが、みな役者です。また、妻屋氏の怪しげな動きをするファフナーや、フンディングも見事です。

もうすぐ発売される後半の『ジークフリート』と『神々の黄昏』が楽しみです。

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夏休み中ひたすら今まで買いだめしていたDVDを少しずつ鑑賞している今回はその中から。

1999年バイロイト音楽祭で上演されたもので、W.ワーグナー演出、バレンボイム指揮の『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を鑑賞した。CDで発売されていたころからもっとスタンダードナンバーの一つに数えられてもいいのではないかと思っていたのだが、映像で見るとその思いをさらに強くした。

W.ワーグナーの演出はシンプルな舞台設定で美しくて見やすいが、今日の演出からすると物足りなさも感じるのだが、比較的筋書きに忠実な演出は歌手に無用な動きも少なくじっくりと歌を堪能することができると思う。

歌手はホルのザックスとザイフェルトのヴァルターが特に素晴らしい。シュミットのベックメッサーは、非常にまじめな役作りをしている。また、現在バイロイトで活躍中のユン(夜警)やトレケル(ナハティガル)が脇役に登場しているのもうれしい。(トレケルのワーグナーの諸役に関心したことは一度もないのだが、、)

そしてなんといってもバレンボイムの個性的な演奏が面白く、1幕と2幕終わりの部分のたたみかけるようにクライマックスにもっていくのは、他の指揮者ではなかなかうまく表現できていない部分でこの演奏の一番特筆すべきところだと思う。

ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
演出:W.ワーグナー

ザックス:ロベルト・ホル
ポーグナー:マティアス・ヘレ
ベックメッサー:アンドレッス・シュミット
ヴァルター:ペーター・ザイフェルト
エヴァ:エミリー・マギー
マグダレーネ:ビルギッタ・スヴェンセン
ダーヴィット:エンドリック・ヴォートリッチ

バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
指揮:ダニエル・バレンボイム

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2007年ザルツブルク音楽祭の公演。指揮はダニエル・バレンボイム、演出はアンドレア・ブレット。時代設定を1980年代のロシア(ソ連時代でもヨーロッパではこの名前で呼ばれる方が多かったらしい)にしたもので、当時のロシア(ソ連)は改革派のフルシチョフ失脚後、82年にブレジネフが死去するまで停滞時代と呼ばれ、さらに後を次いだアンドロポフ、チェルネンコと短命政権が続き、85年から書記長になったゴルバチョフの改革から冷戦終了、その後の民主化と一気に転換(崩壊?)していくのである。

そして経済も何もかもが停滞していたこの時代の閉塞感をブレットは、『エフゲニー・オネーギン』に持ち込んだのである。

実はこの公演生の舞台を昨年ザルツブルクで観ている。当初の感想はあまりよくなかった。ブレットの演出がよくわからなかったのと、合唱団の感情を押し殺した歌。そして小粒な歌手たち。これらにあまりピント来なかったのだが、今こうして改めて見返してみると、まったく異なる印象をもつようになった。

ブレッドンの演出だが、ここまで読み替えた『オネーギン』は初めてみたが概ね成功していると思う。閉塞した社会状況を表すためまったく無表情に演技と歌唱をする合唱陣は、主要人物を浮かび上がらせるにも役に立っている。

歌手には目立って大物(フルラネット以外)はいないものの、マッティ(オネーギン)、サムイル(タチアナ)、カイザー(レンスキー)等ハイレベルな歌唱と演技を楽しむことができる。

バレンボイムとウィーンpoは、合唱陣とは全く異なり、かなり激しくテンポを揺さぶり、もの凄い早さでオケがバレンボイムの棒に付いて行くところは壮快だ。無機質な合唱と激しいオケ、この対比が閉塞感を余計に強調しているようにも感じられた。

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ショスタコーヴィチの交響曲の演奏と解釈においては、現代の第一人者ではないだろうか、キタエンコがケルン・ギュルツェニッヒ管を指揮した全集を某オークションサイトで手にいれた。これまでショスタコーヴィチの交響曲の実演経験は、5番(西本/ミレニアム響、ビシュコフ/WDR響、ホーネック/NDR響の三種と今週末にエッシェンバッハ/フィラデルフィア管を聴く予定だ)、7番(フィオーレ/デュッセルドルフ響)そして11番(キタエンコ/NDR響)だ。一番感銘を受けたのはキタエンコの指揮したもの。ショスタコのスコアを知り尽くし、どうすれば素晴らしいショスタコの書いた譜面を音に出せるのかを知り尽くした演奏だったと思う。ここではイデオロギーが言われた時代が遠い過去のことであることがはっきりとしている。

このCDとても欲しかったのだが、ドイツにいる時には持って帰るのが面倒だということで購入を控えていた。帰国後ネットやCDショップを探しても新譜は8番しか手に入らないことがわかり残念に思っていたのだが、神保町のササキレコードであっさりつ見つけることができたのだが、その値段をみて購入をためらっていた。しかし某オークションサイトをみるとその半額くらいの値段で出品されているのを見つけ手に入れた。で、5番と11番しかまだ聴いていないのだが、やはり素晴らしい。すべての音がこう響くべきだというような確信をもって演奏されている。またここではオーケストラも最高だ。ケルンのオーケストラというのは、ハンブルクやベルリンに比べ、柔らかく明るい響きをしていると思うのだが、そこはドイツのオケ、重心のしっかりとした低弦のアンサンブルをはじめ、重戦車のように響き咆哮する金管楽器が健在だ。

ショスタコの交響曲演奏のリファレンスとして貴重な全集ではないだろうか。ショスタコの交響曲に興味をもたれているかたはぜひ聴いてみてください。

今再度HMVのサイトで調べてみたら普通に手に入りますな、、、。

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今回は旅行記はお休みして元旦に見たDVDをご紹介します。キルヒナー演出、レヴァイン指揮の『神々の黄昏』です。HMVのサイト等によると94年から始まったチクルスで96年に若干手が加えられ97年に映像収録されたとのことです。「デザイナーズ・リング」と呼ばれたそうですが、シンプルな舞台作りでロザーリエによる衣装が随分と変わっています。私はこういうのは大好きです。

この演奏凄いのはまず歌手陣です。デボラ・ポラスキのブリュンヒルデが安定感抜群で落ち着いて聴くことができました。また、エリック・ハルヴァルソン(ハーゲン)、ファルク・シュトルクマン(グンター)、アンネ・シュヴァネヴィルムス(グートルーネ)の3人の存在感と演技力に圧倒されます。1幕のギービヒ家の館のシーンは最高です。ハルヴァルソンは見た目的にもGood?なハーゲンです。ここまで歌える歌手じゃあなくてもと思うシュヴァネヴィルムスのグートルーネですが(失礼!)、ブリュンヒルデと張り合うグートルーネを初めて観ました。

これらの歌手に比べヴォルフガング・シュミットのジークフリートはやや聴きおとりするかもしれませんが、それでも十分合格レベルです。いいと思います。最近とのあまりの容姿の違いにも驚きますが(笑)。

ワグネリアンらしい怪しさが漂いまくっている、レヴァインですが(失礼!)これまたバイロイト祝祭管をゆったりとしたテンポで鳴らしまくっています(レヴァインは映像では登場しません)。そのスケールの大きな圧倒的な演奏にも感激しました。

とまあここまで素晴らしい歌手や演奏が揃っていれば、これを邪魔しない演出で十分ではないでしょうか。ただ残念なのはリングの他の作品が収録されていないことです。


リヒャルト・ワーグナー『神々の黄昏』

指揮:ジェームス・レヴァイン
演出:アルフレート・キルヒナー

ブリュンヒルデ:デボラ・ポラスキ
ジークフリート:ヴォルフガング・シュミット
グートルーネ:アンネ・シュヴァネヴィルムス
グンター:ファルク・シュトルクマン
ハーゲン:エリック・ハルヴァルソン
ワルトラウテ:ハンナ・シュヴァルツ
アルベリッヒ:エッケハルト・ヴラシハ
ノルン?鵯:ビルギッタ・スヴェンデン
ノルン?鵺:イヴォンヌ・ナエフ
ノルン?鶚:フランセス・ギンツェル
ヴォークリンデ:ジョイス・ガイヤー
ヴェルグンデ:サラ・フライヤー
フロースヒルデ:ジェーン・ターナー

バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団

1997年制作

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