2005-07 鑑賞記(欧)

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2007年5月18日(金)17:00 ドルトムント歌劇場
ワーグナー 『ジークフリート』(ニーベルングの指環第二夜〜チクルス上演)
Arthur fagen(指揮) クリスティーネ・ミーエリッツ(演出)

Juergen Mueller(ジークフリート)
Jeff Martin(ミーメ)
Bela Perencz(さすらい人)
Simon Neal(アルベリヒ)
Mika Kares(ファフナー)
Ji-Young Michel(エルダ)
Jayne Casselman(ブリュンヒルデ)

ドルトムント歌劇場
ドルトムント・フィルハーモニカー

 前二作に比べると歌唱陣がイマイチでした。ジークフリートは、『神々の黄昏』でも歌います、Juergen Muellerというベテラン歌手でした。大蛇を退治するまでは、上半身裸で赤色の長髪のかつらをかぶっていますので、超人○○○と言った感じでした(笑)。歌唱は安定しているのですが、声に伸びというか張りがなく、勢いもあまりありません。Jeff Martin(ミーメ)は、歌は悪くないのだけど、決定的な声量不足です。Bela Perencz(さすらい人)は、声を聴いているとアルベリヒの方が合っているのではと思いました。男性陣で検討していたのは、ドルトムントの専属のSimon Neal(アルベリヒ)で、この人は声量もたっぷりありなかなか立派でした。一方の女性陣はエルダのMichel(アジア系)はあまりぱっとしませんが、この日もブリュンヒルデのJayne Casselmannnの歌唱が素晴らしく大満足。ただやや大味に感じられるところもありました。

 演出は幕のすぐ後ろに鉄格子が舞台正面全体にあります。ノートゥングを鍛える場面では舞台したから激しく炎が吹き出してきて驚かされました。この作品に限らずやたらと会場が煙臭くなる舞台です。今回の『ジークフリート』は『ワルキューレ』で上がったテンションが少し落ちたという感じでした。最終日に不安が残りました。

引き続き”ドルトムントリング”『ワルキューレ』です。音楽以外で気づいたことを書きます。お客さんがとにかく少ないです。これには驚きました。デュイスブルクでオペラを観た時、日本からこられていたご老人とお話をしましたが、その方いわく「ルール工業地帯だから、オペラを聴くような層が少ない」とのことでしたが、はたしてそうでしょうか?ベルリンやドレスデンでも客が多いのはワーグナー、シュトラウスといった人気作曲家のときだけで、それ以外は本当にお客さんが少ない。日常的にオペラを聴く層が少なくなってきているのは明らかです。そのため各オペラハウスが子供向けのプログラムを用意しています。私も大学に勤める身ですのでドイツの大学生、大学院生と毎日接していますが、クラシック音楽を聴く人は皆無です。これには驚きました。

2007年5月12日(土)17:00 ドルトムント歌劇場
ワーグナー 『ワルキューレ』(ニーベルングの指環第一夜〜チクルス上演)
Arthur fagen(指揮) クリスティーネ・ミーエリッツ(演出)

Lance Ryan(ジークムント)
Bart Driessen(フンディング)
Juregen Linn(ヴォータン)
Elena Nebara(ジークリンデ)
Jayne Casselmann(ブリュンヒルデ)
Annette Seitgen(フリッカ)
Marcie Ann Ley(ヘルムヴィーゲ)
Heike Susanne Daum(ゲルヒルデ)
Vera Fischer(オルトリンデ)
Maria Hilmes(ヴァルトラウテ)
Franzuska Rabl(ジークルーネ)
Andrea Rieche(ロスヴァイセ)
Margareta Malevska(グリムゲルデ)


 この日も歌手には大満足。『ラインの黄金』に引き続き登場のAnnette Seitgenのフリッカは、期待通りの素晴らしい歌唱。歌う箇所の多い今日の方が、実力を存分に発揮できたのではと思います。こんなに素晴らしいフリッカも初めてです。そしてSeitgen以上に素晴らしかったのは、ジークリンデを演じたElena Nebaraという歌手。かなりの歌唱力と非常に感情表現の強い人で、3幕では相当テンションが上がっていてこのテンションの高さを維持して歌い終えたのは立派です。こんなにすばらしいジークリンデは初めてです。ブリュンヒルデのJayne Casselmannは、非常に安定した歌唱で安心して聴くことができました。もう少し表現力に深みがあるとなお良いと思います。この女性陣は大変充実していました。Juregen Linnのヴォータンは、重量級バリトンではなく比較的明るい声で非常に悩み多き神です。また、非常に優柔不断でついフリッカを殴ってしまいますがすぐに後悔したりします。歌良し演技良しの歌手でした。評価が分かれると思うのはLance Ryan(ジークムント)でしょうか。一幕の“ヴェールゼ〜”は異常な長さでしたが(私はこういうのはあまり好きではない)それ以外の部分はそれほどでもない?ヴェルゼをのばすくらいならその分を他に割り振ってもらいたいものです。また、フンディングのBart Driessenはこの劇場の専属ですが、声は立派なのですが、フンディングの凄みにかけますね。最近、こういう美声のフンディングをよく聴くのですが、はやりなのでしょうか?

 演出は、冒頭嵐の場面は、子供と大人があらわれ、その子供が徐々に成長しそして離ればなれになるというのを、素早く見せます。その後すぐに、全裸のラインの乙女に囲まれたヴォータンがあらわれます。ヴォータンが、彼女達も使って指環奪還を目指すことを示しています。ストロボのように、暗闇からパッパッパッと人物や場面が現れ、物語の進行を見せるのは少し面白かったです。

 演奏は3幕の魔の炎の音楽やクライマックスへの持って行き方はそれなりに満足できました。1幕は随分とあっさりしていて拍子抜けしました。2幕は金管陣のパワーがもう少し欲しいところ。しかし、歌手にぴったりと合わせるのが上手な指揮者です。劇場経験の豊富さがよくわかります。独唱陣との息もぴったりと合っています。なかなかいい『ワルキューレ』ではありました。

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5月中旬は、ドルトムント歌劇場のリングチクルスを鑑賞しました。昨シーズンに『ラインの黄金』と『ワルキューレ』がプレミエ上演され、今シーズン先に『ジークフリート』が単独で上演され、その後4月と5月に1回ずつチクルス上演されました。『神々の黄昏』は最初のチクルスがプレミエになります。

指揮者のArthur Fagenはアメリカ生まれの指揮者で主にヨーロッパと北アメリカで、オペラとコンサートの指揮者として活躍しているそうです。現在はここの音楽監督だと思いますがリングチクルスの指揮を最後に今シーズンで退任したものと思われます。

演出家のクリスティーネ・ミーエリッツは、ドルトムントのジェネラルマネージャーを努め、各地の一流オペラハウスでも演出を手がける人です。2006年の東京オペラの森の公演でも『オテロ』の演出を手がけています。

さて、全体の印象は”なかなか見応えのある公演”でした。正直に申し上げてここまでの水準は期待していませんでした。歌手のレベル、特に女性陣はハイレベルの歌唱を聴くことができました。また、オーケストラも、やはりがんばりどころをわかっているというか、経験豊富なのがよくわかりました。粗いところはいろいろあるものの、要所をわきまえた演奏をします。不満だったのは、演出です。すごい演出家みたいですが、楽曲の読みの深さは感じませんでした。早速最初の『ラインの黄金』からです。


2007年5月11日(金)19:30 ドルトムント歌劇場
ワーグナー 『ラインの黄金』(ニーベルングの指環序夜〜チクルス上演)
Arthur Fagen(指揮) クリスティーネ・ミーエリッツ(演出)

Wolfgang Koch(ヴォータン)
Simon Neal(ドンナー)
Hannes Brock(ローゲ)
Stephen Owen(アルベリヒ)
Jeff Martin(ミーメ)
Bart Driessen(ファゾルト)
Ramaz Chikviladze(ファフナー)
Annette Seitgen(フリッカ)
Elena Nebara (フライア)
Ji Young Michel(エルダ)
Heike Susanne Daum(ヴォークリンデ)
Maria Hilmes(ヴェルグンデ)
Franziska Rabl(フロースヒルデ)

ドルトムント歌劇場
ドルトムント・フィルハーモニカー


歌手陣をみると誰?という人ばかりだと思います。ドルトムントの専属歌手も多く含まれていると思われます。しかし、この歌手陣は非常にレベルが高く満足のいく出来でした。フリッカのAnnette Seitgenは『ワルキューレ』で素晴らしい歌唱を聴かせてくれるのですが、ここでも立派な歌いっぷりで、かなり満足のいく出来でした。また、今回は『ラインの黄金』のみ登場のWolfgang Kochは声質は非常に明るいのですが、こういうヴォータン像も有りかなあと思いましたし、演技も良くできるひとでこれも満足でした。その他ローゲのHannes Brockをはじめ他の歌手陣も大物はいないものの、演技もよくできて、きちんと歌える人がそろっていたと思います。

Arthur Fagenの指揮は、早めのテンポできびきびと進めてゆきます。”神々のヴァルハルへの入場”はもっと高揚して欲しかったのですが、まずまずの出来でした。

演出は、そこそこで期待したほどではありませんでした。特に独創性や奥深さを感じる舞台ではないけど、いろいろと動くので退屈はしません。ただステージ全体が前後に動く時のキシキシというレールの音にはうんざりしました。またヴォータンの槍が鉄製でそれを舞台に叩き付けたりするので、このときの音も何度もやると耳障りでした。また、ファゾルトとファフナーは上からつるされている巨大石像なのですが、ちょっとB級映画っぽかったですね(笑)。また、フライアの周りに実際に金塊を積んで姿を隠してしまうのも歌手が大変そうでしたね。舞台全体に薄い幕を貼っているのもただ舞台がみにくいだけで、かなり駄目です。写真にあります通りこの巨大ビル群を観ていると、どういった結論にしたいのかだいたい想像がついてしまいますよね。詳細は『神々の黄昏』のレポートで書きます。

2007年5月7日(日)17:00
ワーグナー『タンホイザー』 ハンブルク州立歌劇場

ガボール・エトヴェシュ(指揮) ハリー・クプファー(演出)

ジョン・トレレーヴェン(タンホイザー)
ミヒャエル・フォレ(ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ)
Juergen Sacher(ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ)
barbara Haveman(エリザペス)
Jeanne Piland(ヴェーヌス)

ハンブルク・フィルハーモニカー
ハンブルク州立歌劇場合唱団



ハンブルク州立歌劇場クプファー演出のこのプロダクションは、96年5〜6月に来日公演をしている(ゲルト・アルブレヒト指揮、ルネ・コロ主演)。NHKでも年末に放映されたので観たのを覚えている。私にとっては映像で観るワーグナー全曲の数少ない体験だったが、10数年後それをハンブルクで直接みることになるとは思いもしなかった。そのように思い出深い公演なのだが、残念ながらヴォルフラム役のミヒャエル・フォレ以外魅力的な歌手がおらず、歌唱陣については大変不満の残る結果に終わった。しかし、演出やオケ、合唱に関してはまずまずの内容で、指揮に関しても目立ってすごいところはないのだが、オーソドックスな造りには好感がもてた。

クプファー演出は、最後にヴォルフラムがヴェーヌスベルクへ落ちてゆく結末は非常に有名だ。全体的に非常に美しい作りで安心してみることができる。

期待していたトレレーヴェン(タンホイザー)だが、DOBで聴いたザイフェルトと比較すると表現力、声量すべてにおいて大きく劣る感じがした。ヴェーヌスのJeanne Pilandもあまり記憶に残っていない。一方、エリザベス役のbarbara Havemanはなかなか健闘していた。しかしなんといっても素晴らしかったのは、フォレのヴォルフラムで3幕の”夕星の歌”にはしびれた(笑)。これだけ味わい深く丁寧に歌われたのを聴いたのは初めてだった。毎度ブログでフォレを絶賛しているが、この人は本当に凄いバリトンなのでまだ聴かれたことが無い方はぜひ一度聴かれることをお薦めする。

ガボール・エトヴェシュ(指揮)は、調べてみるとブダペスト出身だそうだが、最近発売されたフェニーチェ歌劇場の『パルジファル』(CDとDVD)の指揮者である。ワーグナー『妖精』の録音もしている。ドイツではアウグスブルク歌劇場の音楽監督をやっていたこともあるそうである。イタリアで学んだとあるから、キャリアもイタリアで長いのかもしれない。指揮は悪くはない、オーソドックスなもの。歌劇場経験の長い指揮者だと余計なことは、あまりやらないタイプが多いからこの人もそういった人達によく似ている。そして、なんといってもこのオペラハウスのオケと合唱陣は、ワーグナーに関しては百戦錬磨だろうから、なかなかレベルの高い演奏を聴かせてくれたのでまずまず満足。

ハンブルク州立歌劇場は翌月(6月)には、『トリスタンとイゾルデ』をやっていたのだがこれは、ポラスキのイゾルデが聴けたのだが残念ながら私は聴きに行くことができなかった。無理をしてでも行くべきだったと少し後悔している。

2007年5月6日(日) ハンブルク ライスハレ

(11:00からのコンサート)
ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調作品102
ブラームス 交響曲第2番二長調作品73

Roland Greutter(ヴァイオリン) Christopher Franzius(チェロ)

(13:15からのコンサート)
ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68

クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮
NDR Sinfonieorchester


 この日はライスハレにカメラが入っていたためテレビで放送するのかと思いましたが、DVDプロジェクトのための収録とのこと。

 極めてオーソドックスで響きの徹底的な美しさにこだわった名演。ダブルコンチェルトの二人の独奏者はともにこのオケのコンマスとソロ奏者で、オケの音色にうまく溶け合い非常に渋い演奏。派手なパフォーマンスは一切なくただただオケとともに丁寧な演奏に徹していました。
 
 ブラームスの2番はこの日の曲のなかで一番の名演、ドホナーニとNDR響の特徴が中間楽章において特によくでていました。オケの音色は渋くややつやがかったようなNDR響に特徴的な音。これにドホナーニによる響きの美しさがもっともよくでていた楽章でした。終楽章はそれなりに盛り上がっていましたが、トランペットは過剰にならずほどよい程度。

 ブラームスの1番は、やや早めのテンポではじまりティンパニもあまり重くなく、しかし何かを一つずつ刻みながら進むような感じで非常に印象的で強く残りました。こちらのコンサートはこの曲のみの無料コンサートでした。


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