2005-07 鑑賞記(欧)

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2007年3月12日(日)オーパーケルン 『神々の黄昏』

いよいよケルン二日間のリングも最後になりました。黄昏は18時開始なので終了は23時半(遅い!)。といスケジュールです。『ジークフリート』の時にも書きましたが後半2作は歌唱陣が比較的充実していて良かったです。今回は、ハーゲンが当初予定されていたフィリップ・カンにかわり、ジェームズ・メレンホフが歌いました。この人はすでにライプチヒでトリスタン(マルケ)、ローエングリン(ハインリヒ)を聴いていて、声量たっぷりで充実した歌唱を聴かされていたので、この代役は大歓迎です。

ジークフリートは、ヴィンケに代わりベテランのボネマ、この人悪くはないのですが平凡です。そして歌い慣れているのか老練さを感じさせます。ジークフリートが、こういう印象をもたれてはちょっとねえ、、。ジークフリートのラインの旅までは、なかなか充実した歌唱でしたがそれ以降はいたって平凡でした。ユンのグンターは期待どおりの歌唱なかなか深みのある声で聴きごたえあります。しかしこの人体格が小さいため大きくみせようと大げさな演技をするのですが、それが非常にわざとらしい。メレンホフは、ドスの効いた声で、スキンヘッドにスーツ姿で見た目もなんともいやらしいハーゲンです(笑)。

また以外に良かったのはグートルーネ役のレヒターというケルンのアンサンブル歌手です。なかなか声量もあるし立派です。また見た目もかなり美人です。

演出は、執務室で仕事に励むグンターその横に執事風のハーゲンが立っています。後ろにはライン川ケルン周辺の地図、ギービヒ家の勢力地図でしょうか?が貼ってありました。

さて二日間のケルンリングの感想もこれで終わりますが、この公演絶対にお薦めです。ギュルツェニッヒ管がとにかく素晴らしく、オケだけならドイツでも有数のリングが聴けるオペラハウスではないでしょうか。ドイツのオケにしては、軽く明るいサウンドも持ち合わせています。また指揮のマルクス・シュテンツはもともと近現代を専門としているらしい(ヘンツェのオペラの初演もやっている)のですが、ワーグナーが浸透してきているというか、自分のものにしつつあります。今回平土間の私の席からもシュテンツの指揮が結構見えたのですが、大きく弧を描く指揮は、なかなか立派でスケールの大きな空間を作りだしていました。

Dritter Tag
GOETTERDAEMMERUNG

Musikalische Leitung: Markus Stenz
Inszenierung: Robert Carsen

Siefried Albert Bonnema
Bruenhilde Irene Theorin
Gunter Samuel Youn
Alberich Oskar Hillebrandt
Hagen James Moellenhoff
Gutrune Regina Richter
Waltraute Dalia Schaechter
1. Norn Dalia Schaechter
2. Norn Viola Zimmermann
3. Norn Machiko Obata
Woglinde Julia Borchert
Wellgunde Kristina Wahlin
Flosshilde Viola Zimmermann

Guerzenich-Orchester Koeln

2007年3月18日(日)オーパーケルン 『ジークフリート』

いよいよケルンリング二日目は、朝10時から『ジークフリート』の開始です。今回のリング後半の2作の方が歌手が充実していたと思います。

ジークフリートを演じたステファン・ヴィンケは、将来を期待されるテノールですが、期待を裏切らない歌唱でした。ただ全体的に出来不出来が激しく2幕3幕の見せ場は素晴らしかったものの、1幕は本当に退屈でした。まだまだ荒削りですが、これから期待のテノールだと思います。一方相手役のミーメはPreissingerというケルンオペラのアンサンブル歌手でしたが、これが歌良し演技よしでこの公演を盛り上げていました。

2幕はヴィンケの素晴らしさが全開で、やはりこういう若々しいジークフリートでないと(黄昏のボネマは随分老練なジークフリートでした)。ジョルのさすらい人は、やはり声量不足でしたが『ラインの黄金』の時よりは幾分ましでした。ヒルデブラントもそこそこ、やはりだいぶ衰えているのですかね。

3幕は、ヴィンケも良かったのですが、それ以上に今回は『ジークフリート』のブリュンヒルデのみに出演のバーバラ・シュナイダー=ホーフステッターという長い名前の歌手。テオリンに負けず劣らずの名唱で今回のリング中この幕が一番の名演だったのではないでしょうか。この幕のみの出演なので判断はできませんが、ヘルリツィウス、テオリン以上のブリュンヒルデになることを予感させる出来でした。

演出は、カーセンのちょっとした冗談もよく効いていて非常に楽しかったです。ファフナーが巨大ショベルカーで襲ってきたりと、、。

Zweiter Tag
SIEGFRIED

Musikalische Leitung: Markus Stenz
Inszenierung: Robert Carsen

Siefried Stefan Vinke
Der Wanderer Philip Joll
Alberich Oskar Hillebrandt
Mime Johannes Preissinger
Fafner Dieter Schweikart
Erda Anne Pellekoorne
Bruenhilde Barbara Schneider-Hofstetter
Stimme eines Waldvogels Insun Min

Guerzenich-Orchester Koeln

2007年3月11日(土)オーパーケルン 『ワルキューレ』

いよいよケルンリング第一夜(といっても初日ですが)『ワルキューレ』です。この公演まずヴォータンがヤン・ヘンドリック=ロータリングからラルフ・ルーカスに変更になりました。楽しみにしていただけに非常に残念!。今回のリングの中では、私は一番よくなかったと思っています。音楽に一番集中できませんでした。それがルーカスのヴォータンにあることはあきらかでした。

トーマス・モーアのジークムントは、結構昔の歌手に多かったような声質で独特のアクのある声です。DOBの『ワルキューレ』でディーン=スミスが期待はずれだった(新国では良かったのに)のでこの役に期待したいところでしたが、今回もだめでした。決定的に表現力が不足しています。声量もあり歌いは立派なのですが、やはり悲劇のヒーロー、独特の影を帯びたようなところがないと感情移入できません。一方ジークリンデのリカルダ・メルベスも同じことが言えます。モーアに比べれば随分ましなような気もしましたが。メルベスは新国のコジ・ファン・トゥッテ(フィオルディリージ )にも出演しているようですね。シュバイカルトのフンディングは普通、悪くはないというレベルです。

二幕以降はブリュンヒルデのイレーネ・テオリンを聴くためだけにありました(ちょっと言い過ぎですかね)。まずルーカスのヴォータン、この人全く知らないのですが、超軽過ぎるヴォータンです。まず声質がヴォータン向きではありません。声量はそこそこあるのですが、こんなにかるいと2幕の語りや3幕ではなんの感情も湧いてきません。一方でイレーネ・テオリンは素晴らしかった。将来有望視されるブリュンヒルデであることは間違いないでしょう。すでに何らかの役でバイロイトにもでているはずです。こんな感じで3幕は完全にテオリンをじっくりと聞き込むところ。フリッカのダリア・シェヒターは至って平凡な歌唱。

カーセンの演出は面白く、1幕は雪の中フンディングの一派が車で荷物を運んでいるところ、その荷物が積み上げられたところにジークムントがたどり着き物語が始まるというもの。やはりストレートで時代設定だけを変えたものです。

『ワルキューレ』でも、素晴らしかったのはギュルツェニッヒ管で、いいところでトランペットが音をはずしたりということはあったものの、全体の音楽の質の高さはさすがです。

Erster Tag
DIE WALKUERE

Musikalische Leitung: Markus Stenz
Inszenierung: Robert Carsen

Siegmund Thomas Mohr
Hunding Dieter Schweikart
Wotan Ralf Lukas
Sieglinde Ricarda Merbeth
Bruenhilde Irene Theorin
Fricka Dalia Schaechter
Gerhilde Magnea Thomasdottir
Ortlinde Katharina Leyhe
Waltraute Regina Richter
Schwertleite Katja Boost
Helmwige Machiko Obata
Siegrune Andrea Andonian
Grimgerde Gundula Schneider
Rossweisse Krisina Wahlin

Guerzenich-Orchester Koeln

2007年3月11日(土)オーパーケルン 『ラインの黄金』

朝の10時頃にケルン入りし12時開演まで軽い食事(ファーストフード)をとりながら開演時間を待ちました。最初の『ラインの黄金』の2時間半は体力的には楽勝でした。

カーセンの演出は時代設定を現代に変えただけで、大きな読み替え等はありませんので安心して見ることができました。前奏曲でホルンが鳴り始めると一気にリングの世界に引き込まれます。オケも快調。

幕があがるとスモークが炊かれていて通行人が舞台の左右から現れ歩いて行きます。食べ物や飲み物を手にしている人もいれば新聞や雑誌を手にしている人もいます。そしてそれをあるきながら舞台中央の方へどんどん捨てていきます。スモークが消えると廃品を集めたところでゴミと共に生活をしている浮浪者のラインの乙女達が現れ、アルベリヒとのやりとりが行われます。

とある建設現場に舞台は移りヴォータン、フリッカが現れます。巨大なビルかなにかをたてるだけの財力があるかなりのブルジョアです。ヴォータンは槍ではなく、杖をもっています。オレンジ色の作業服をきた大勢の労働者とともにファフナーとファゾルトが現れます。ファフナーとファゾルトは、労働者のリーダーでしょうか?ローゲはベルを鳴らしながら自転車で現れます(会場に笑いが起こる)。

とまあこんな感じで進んで行きます。まあ、変な小道具や意味深なものもありませんので、DVD等でリングを見られている方なら、楽しんでみることができるでしょう。もちろんこういった演出を退屈だと思われる方もいるでしょう。

このオペラハウス、歌手が舞台中央より後ろで歌うと非常に声が響きません。とくに最初のラインの乙女とアルベリヒのシーンは本当に歌手の声が小さく響いてきません。アリベリヒ役のオスカー・ヒルデブラントが、美声なのはわかるのですが、ここまで声が小さいと、、オケの音に消されることもないのですが、、やはりParkettに座っていたため、歌手の声が上にいってしまっていて、聴こえなかったのでしょうか?ヴォータンのフィリップ・ジョルもあまり声が大きくなかった。声質は非常に重くて古いタイプの神々しいヴォータンなんですけどね、、。ヒルデブラントの方はその後、呪いを込めるシーンでは朗々とした声で熱唱だったので、最初は声が出ていなかっただけかもしれません。一方で、ファフナーのSchweikartは豊かな声量で、また独特の暖かみのある声で、フライアへの愛を歌う場面にもぴったりでした。これだけ表現力豊かなファフナーというのもちょっと聴いたことがありません。意外な役での熱演、と言っては少し失礼か。

そして今回の『ラインの黄金』の中で歌唱力、演技力それらを含めた存在感で際立っていたのはローゲ役のBezuyenでした。やはりローゲがうまくないと、このオペラは面白くありませんね。また、ドンナー役のサミュエル・ユンも素晴らしかった。黄昏のグンターに期待大です。しかし、死んでいるファフナーの上でドンナーがゴルフクラブを振り回すのは観ていてちょっと怖かった、、。

神々のヴァルハラへの入場を聴き、『ラインの黄金』は幕。でもまだ14時30分。ワルキューレの開演までの時間、ホテルへチェックインし休むことにしました。

Vorabend
DAS RHEINGOLD
Musikalische Leitung: Markus Stenz
Inszenierung: Robert Carsen

Wotan: Philip Joll
Donner: Samuel Youn
Froh: Hauke Moeller
Loge: Arnold Bezuyen
Alberich: Oskar Hillebrandt
Mime: Johannes Preissinger
Fasolt: Andreas Hoerl
Fafner: Dieter Schweikart
Fricka: Dalia Schaechter
Freia: Machiko Obata
Erda: Anne Pellekoorne
Woglinde: Julia Borchert
Wellgunde: Regina Richter
Flosshilde: Viola Zimmermann

Guerzenich-Orchester Koeln

ケルンリングの感想を書かなくてはいけませんが、今日はエッセンのアールトムジークテアターで『さまよえるオランダ人』を観てきましたのでその感想を先に書きたいと思います。

2007年3月14日(水)アールトムジークテアター エッセン 『さまよえるオランダ人』

日本もちょうど新国でオランダ人をやっているようで、救済のテーマがないバージョンでいろいろ意見も分かれているようで、いろいろな方のブログを楽しく拝見させていただいています。エッセンの今回のオランダ人はバリー・コスキーの演出で行われました。完全にこの物語を”ゼンタの妄想”ととらえた演出です、クプファーのバイロイト演出が先駆けだとか、、比較的古典的な読み替えになるのかもしれません。結論から言うと、すばらしかったです。歌手陣は歌良し演技良しで充実していましたし、オケも良かった。指揮はこのオペラハウスの GMDのシュテファン・ショルテスでした。結構早いテンポできびきびと音楽を進めていき、随分引き締まった感じがしました。途中はパウゼを挟まずに演奏されました。

今回はとにかく演出に圧倒されました。”ゼンタの妄想”もここまでやってしまえば言う事はありません。序曲終了後幕があがるといきなり、下着姿のゼンタが立っていて体中が痙攣しています(この時点ですぐに、演出の方向性がわかります)。それをとなりのアパートのようなところから、大勢の人が双眼鏡で覗いています。一番凄かったのは3幕の合唱のシーンで、ここではなんと合唱団員が男女とも全員ゼンタと同じ格好で登場します。ひげ面のゼンタもいて、舞台上の異様な雰囲気に圧倒されました。そのうちの一人のゼンタの体から、子供が生まれ、次に生まれてきたのはなんと骸骨、その骸骨と性行為をするゼンタ(合唱団員)や、オランダ人と同じ格好をした人達が何人もあらわれ本物のゼンタを取り囲んだり、、これらに何の意味があるのかわかりませんが、狂気を表現するには十分過ぎるくらい凄まじかったです。最後はカミソリをもったゼンタがオランダ人の首を切って殺して幕でした。とにかく3幕の演出は凄かった。コスキーの名前は覚えておかなくては、、、。

さて歌手陣は、演技歌唱力ともに素晴らしかったのはゼンタ役のウェーバー、よく響く深みのある声で聴かせたオランダ人役のSvilpa、そしてエリック役のCaves(代役でした)も良かったです。

Richard Wagner
DER FLIEGENDE HOLLAENDER
Musikalische Leitung Stefan Soltesz
Inszenierung Barrie Kosky

Daland Marcel Rosca
Senta Astrid Weber
Erik Erin Caves
Der Steuermann Andreas Hermann
Der Hollaender Almas Svilpa

Opern- und Extrachor des Aalto-Theaters
Essen Philharmoniker


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