2007/08 鑑賞記(欧)

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『ばらの騎士』 DOB

2008年3月15日(土)18:00 ドイチェオーパー・ベルリン(DOB)
リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』

指揮:フィリップ・オーギャン
演出:ゲッツ・フリードリッヒ
演技指導:Gerlinde Pelkowski
舞台装置と衣装:Gottfried Piltz, Isabel Ines Glathar
照明:Duana Schuler
合唱指揮:Hellwart Matthiesen

元帥夫人:ミカエラ・カウネ
レルヒェナウ男爵オックス:ピーター・ローズ
オクダヴィアン:エリーナ・ガランチャ
ファニナル:Markus Bruck
ゾフィー:クリスティーネ・シェーファー
歌手:Yosef Kang

ドイチェオーパー・ベルリン管弦楽団と合唱団


ドイツ生活最後に鑑賞したオペラは、ドイチェオーパー・ベルリン(DOB)の『ばらの騎士』(ゲッツ・フリードリッヒ演出、フィリップ・オーギャン指揮)だった。昨年も同一プロダクションを鑑賞している(マルク・アルブレヒト指揮)。この日は、ミカエラ・カウネ(元帥夫人)、ピーター・ローズ(オックス男爵)、エリーナ・ガランチャ(オクタヴィアン)、クリスティーネ・シェーファー(ゾフィー)という超豪華陣に少々興奮気味だった。特にガランチャを聴くのは初めてだったので、私もとても楽しみにしていた。座席も2.Rangの7列目だったが、隣の女性が友達と変わってくれないかと言われ1幕後のパウゼ後5列目に移動した。

その注目の歌唱陣なのだが、会場の熱気も終演後にいずれの歌手へのブラボーも凄かったのだが、私はそこまで興奮するほどか疑問だった。良かったのはカウネとローズ。昨年の同プロダクションの元帥夫人は、シェーファーで、これにはさすがにかなわなかったと思ったのだが、豊かな声量と深みのある声で良かったと思う。ローズのオックス男爵はほどよい品のなさで、ちょうど良かったのではないかと思う。下品な役だがほんとに下品にやってしまうとこのドラマの美しさまでそこなってしまいそうだ。また、ガランチャは役者としても良いと思ったが、声は前評判ほどではないと感じた。まだ、役が嵌っていない感じがした。ちょっと期待し過ぎたのかもしれない。以外だったのはシェーファーで、彼女がゾフィーをレパートリーに持っていることは知らなかったが、あまり声が出ていなくて残念だ。

ひどかったのは、オーギャンの指揮で細部へのこだわりはゼロ。ただただ大きな音を出す事ばかりを考えていた。とにかくきたない音がよく出る。このこだわりの無さには閉口した。前日のパルンボとは全く異なるオケの演奏に大変驚いた。やはり指揮者の責任は重大だ。オーギャンはキャリアのある指揮者だし、私は初めて聴いたのでもっと聴いてみないとよくわからないのかも知れない。

無事日本へたどりつきました。時差ぼけも無く普段よりもとても調子が良いです。さて今回は残っていた鑑賞記でドイチェオーパー・ベルリン(DOB)の『シモン・ヴォツカネグラ』です。

2008年3月14日(金)19:30 ドイチェオーパー・ベルリン(DOB)
ジュゼッペ・ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』

(詳細は後日)

指揮:レナート・パルンボ
演出:Lorenzo Fioroni

シモン・ボッカネグラ:Ambrogio Maestri
ヤコポ・フィエスコ:Roberto Scandiuzzi
パオロ・アルビアーニ:Piero Terranova
ピエトロ:Ante Jerkunica
マリア:Anja Harteros
ガブリエーレ・アドルノ:Stefano Secco



最後のベルリン訪問は、当初日曜日のリンデンの『マイスタージンガー』だったのだが、引っ越しの準備もあり、泣く泣く鑑賞を諦めたので翌日の『ばらの騎士』が最後となった。

『シモン・ボッカネグラ』というオペラ、かつてアバド指揮のCDで挑戦したが、その地味な内容について行く事ができずあえなく断念していた。今回はウィーンの公演のDVD(ガッティ指揮、ハンプソン(シモン・ボッカネグラ)、フルッチョ・フルラネット(フィエスコ))という豪華メンバー(もちろんアバド盤も豪華メンバーのはずだ))を鑑賞していて、このバリトンとバスが主人公の地味なオペラを、年齢や経験のためであると思うが、素直に楽しむことができたので、とても楽しみにしていた。また、本公演の指揮は、GMDであるレナート・パルンボが努めたため、この何度もお世話になり楽しませてもらったDOBの現GMDの指揮を最後に聴いてみたいと思い鑑賞することにした。

そのパルンボの指揮だが、抑制が聴いておりバランス感覚も抜群でオケをきちんとコントロールしている。アンサンブルもきめ細かく配慮が行き届いている。その反面、テンション抑えめであっさりやってしまう感じがするみたいで、会場でお話した日本人のかたはイマイチという印象をもたれたみたいだ。GMDなのでしっかりとした練習時間をとることが出来るのだろうし私はとても気に入った。しかし地味な印象は拭えない。

歌唱陣はシモン・ボッカネグラのマエストリ以外初めて聴いた人ばかりだったが、パオロのPiero Terranovaが弱かった以外かなりハイレベルだったと思う。マエストリを以前聴いたのはファルスタッフだったので、その喜劇役者ぶりにも驚いたので、このシリアスな役でどのように表現するのかとても楽しみだったが、十分に満足のいくものだったと思う。

演出はLorenzo Fioroniという人で初めて聞く人だったが、ちょっとした冗談がとても好きで楽しませてくれた。また、相当の鉄道マニアらしく蒸気機関者が登場したり、その登場の仕方にも様々な工夫があり(1回目は、巨大な実物大に近いもの。2回目は、煙だけ。3回目は鉄道模型として登場。)面白い。ただ全体として鉄道がどういう意味をもっているのか私には理解できなかった。

帰国まであと2日今日は後片付けに追われた一日でした。最後の記事は、今回のエッセン・フィル(マレク・ミンコフスキ指揮)のコンサートと、DOBで鑑賞した『シモン・ボッカネグラ』(演出:Lorenzo Fioroni、指揮:レナート・パルンボ)、『ばらの騎士』(演出:ゲッツ・フリードリッヒ、指揮:フィリップ・オーギャン)です。『ばらの騎士』は、カウネ、シェーファー、ガランチャと超豪華女性陣が並んだ注目の公演で、ガランチャのDOBデビューとなったものです。


2008年3月13日(木)20:00 エッセン・フィルハーモニー
8. シンフォニーコンサート

エッセン・フィルハーモニー管弦楽団
マレク・ミンコフスキ(指揮)
Gérard Caussé(ヴィオラ)

エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)
交響曲『イタリアのハロルド』作品16(独奏ヴィオラとオーケストラのための交響曲)

ヨハネス・ブラームス(1833-1897)
交響曲第4番 ホ短調 作品98


ミンコフスキの名前はもちろん知っていたが、彼が古楽器界で注目されている事以外は、ファゴット奏者だったり、フランス人だということは知らなかった。今回エッセン・フィルに客演したのでちょうど良い機会だと思い観に行くことにした。

プログラムの前半はベルリオーズの交響曲『イタリアのハロルド』で後半がブラームスの第4交響曲でフランス人で古楽器系の指揮者だからこのプログラムかと、あまり考えることなく聴き始めた。

『イタリアのハロルド』は、今回初めて聴いた曲で独奏ビオラが入った不思議な曲だ。パガニーニに”もっとソロを難しくしてくれ”と言われたが、結局ベルリオーズにはそれができず、このようなお得意の大管弦楽作品になったようだ。独奏ビオラのGérard Causséは、フランス、トゥールーズ生まれのソリストでかなり国際的にも高いキャリヤをもつソリストのようである。この曲だとなにもこんな名人を呼ばなくてもという気もする(失礼)。前半はエッセン・フィルの調子も良いようだしなかなか充実した演奏だったと思う。ただ終曲近くでソリストと一部バイオリンとチェロ奏者をステージからおろして演奏させていた以外、至って普通の演奏だったと思う。

このプログラムの意図とミンコフスキの面白さがわかったのは後半のブラームスを聴いてからだった。前半同様かなり激しい指揮振りでオケから派手な音色を引き出していたが、それにしてもガチャガチャと騒がしいブラームスの4番だと思った。4楽章のテンパニなど随分小さく堅い鉢を使っていた。その時はっとしたのが、響きがベルリオーズと全く同じように聴こえたのだ。共にロマン派の作曲家でありながら、特殊楽器を使い大管弦楽物を作ったベルリオーズとパッサカリア等古い作曲技法を用いながらも新しいものを模索したブラームス、両者が到達していたのは、よく似ていたんだよ。とミンコフスキに指摘されたと思ったのだが、どうだろうか?

帰国までに一度は観ておきたいと思っていたジョン・ノイマイヤーのハンブルク・バレエの公演を鑑賞した。ノイマイヤーはハンブルクのバレエ団を1973年から率いているそうだから、約30年以上ということになる。現在、名実共に世界でトップクラスのバレエ団の一つだろう。モダンバレエを観た事も初めてだったし、もともとバレエのことはあまり詳しくないので詳述できないが、密度の濃い時間を過ごすことができた。ただ『マタイ受難曲』とはもちろんバッハの『マタイ受難曲』に踊りを付けたものなのでとても長く、私はなかなか緊張感を持続させるのに苦労した。

古典が、踊りの美しさやダイナミックさで見せるのに対し、現代は体や筋肉自体の美しさや動きで見せるような印象を受けたのだが、どうだろうか?また、古典では複数で踊って揃えるところに美しさを見いだし、現代では、それぞれが異なる動きをして全体の調和でみせるような印象を受けた。

ジョン・ノイマイヤーのバレエ団一見の価値は十分にあった。


【公演演目】
2008年3月11日(火)18:30-22:30 ハンブルク州立歌劇場

マタイ受難曲

音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
振り付け、プロダクション、構成:ジョン・ノイマイヤー

ハンブルク・バレエ団

イメージ 1

2008年3月7日(金)19:00 ドルトムント歌劇場
プッチーニ『蝶々夫人』

指揮:Jan van Steen
演出:クリスティーネ・ミーリッツ
舞台装置:Hartmut Schrgöhofer
衣装:Renate Schmitzer
合唱指揮:Granville Walker

蝶々さん:Annemarie Kremer
スズキ:Maria Hilmes
ケイト・ピンカートン:Martina Schilling
ベンジャミン・フランクリン・ピンカートン:Timothy Richards
シャープレス:Simon Neal
ゴロー:John Heuzenroeder
ヤマドリ公爵:Charles Kim
ボンゾ:Ramaz Chikviladze


ドルトムント歌劇場でクリスティーネ・ミーリッツ(同歌劇場芸術監督)演出、Jan van Steen指揮による『蝶々夫人』を鑑賞した。ドイツの劇場オケならワーグナーならがんばるが、このようなイタリアオペラのスタンダードナンバーはかなり出来にムラが有るように思う。ワーグナーなら高水準の演奏ができるだけに、イタリアものの場合指揮者の力量も大きく関わっているように思う。

また今回の公演で注目していたのは演出のミーリッツで、これまでウィーンなどでかなり過激な読み替えをして物議を醸してきた演出家なのでどのような演出になるか楽しみにしていた。ただ以前彼女の演出によるドルトムントの”リングチクルス”を鑑賞した時は、『神々の黄昏』で世界の金権主義批判をしていたのだが、そこに至までの3部作の関連付けが弱くあまり良い印象を持たなかった。一方、今回の『蝶々夫人』は、もちろん読み替え等々はあるのだが比較的素直に受け入れられやすい演出だったのではないだろうか。

反 or 嫌米主義というのは、このオペラの内容からして容易に想像がつく。ピンカートンが大変軽い人間に描かれていて、手癖足癖がやたらと悪く、彼によって振り回される蝶々さん、スズキ、そしてシャープレスという設定だ。蝶々さんは全く着物を着ず、洋服を着ているし、部屋には大きな星条旗が敷かれている。その割には自分の子供には、髪の毛の色を隠すため黒い帽子を被せ頭には日の丸のはちまきをしている。外面のためだろうか。一番疑問が多く残ったのは最後のシーンだ。蝶々さんが自害するところで、部屋の周りをアメリカ人達が取り囲みそれに向かいあって、蝶々さんと家族知り合いたち(=日本人)が座る。そして蝶々さんが自害すると、彼女は転がって舞台からも落ちて、そこに舞台全体を覆う蚊帳のようなものが降りて来て、その蚊帳を今度は座っていた蝶々さんの家族知り合いたちたちが両手で押さえて壁のようなものを作っている。過度にアメリカ文化に近づいた蝶々さんを日本人が容赦なく排斥をしたように感じられた。

このミーリッツの演出は、アメリカに対してはある程度はっきりしたイメージが描かれているのだが、日本については漠然としていていまいちはっきりしない。ひょっとしたら、日本なんて関係ないかもしれないとも思える。しかし、アメリカに対してはっきりと対比されている集団がいることは確かだ。ひょっとしたら、この対比されている集団の中には、日本だけではなくヨーロッパまでも含まれているのではないかとも思われた。いずれにしてもいろいろ想像力をかき立てられる演出である。

指揮のJan van Steenは、オランダ人でオランダ、ドイツ、イギリスを中心に活躍しておりBBCウェールズナショナル管の首席客演指揮者の地位にある。Steenは、ドルトムントフィルから信じられないくらい甘いコクのある音色を引き出すのに成功していた。なるほど指揮者によっては、ここまでできるのだなあと、地方オケの底力にも関心した。今回の公演の一番の立役者だと思う。

歌唱陣はみな声量はあるが、前回DOBで聴いたソリスト達と比べるとその実力差は雲泥の差である。深い表現力を歌とともに身につけるのも容易なことではない。

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