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2008年2月23日(土)19:00-22:15 ハンブルク州立歌劇場
W.A.モーツァルト『魔笛』
指揮:バラージュ・コチャール
演出、舞台装置、衣装:Achim Freyer
合唱指揮:Florian Csizmadia
演技指導:Wolfgang Buecker
ザラストロ:Harald Stamm
タミーノ:Wookyung Kim
パミーナ:Irena Bespalovaite
弁者:Wilhelm Schwinghammer
僧侶:Frieder Stricker
夜の女王:Gornelia Goetz
3人の侍女:Miriam Gordon-Stewart, Renate Springler, Ann-Beth Solvang
パパゲーノ:Moritz Gogg
パパゲーナ:Trine Wilsberg Lund
モノスタトス:Ladislav Elgr
2人の武者:Peter Galliard, Hee-Saup Yoon
3人の童子:Solisten des Toelzer Knabenchors
3人の僧侶:Mark Bruce, Bruno Nimtz, Detlev Tiemann
ハンブルク・フィルハーモニカー
ハンブルク州立歌劇場合唱団
ドイツ語のジングシュピールとして作られた『魔笛』は大衆娯楽としてわかりやすく、楽しませるのが本来の目的だったと思う。本公演は、子供向きに作られたものだが(そのような記述は無いと思うが)様々な仕掛けや工夫が凝らされていて大人でも十分楽しめる内容だった。土曜日の夜の公演ということもあり、子供たちの姿が非常に多かった。
Achim Freyerが演出等すべてを手がけているようだが、オケピットから舞台上へ3つのはしごがかけられていたり、プロンプターを隠す覆いがはずされ、プロンプターも鳥の帽子をかぶって時々舞台上の歌手と演技のやりとりもしていた。タミーノはウィーン少年合唱団のような格好で、パミーナの服には、胸にハートのマークが書いてあったり、パパゲーノとパパゲーナは道化師のような格好。ザラストロや合唱団、モノスタトス等は全身がブルーだ。大蛇からして、大蛇というよりもトカゲの怪物という出で立ちで完全に子供向け演出で当初はやれやれという感じだった。
しかし、さすがレジーテアターの本場、観客を楽しませる、あるいは驚かせる仕掛けが次から次へと現れる。この懲りようが半端でないので、『魔笛』がきらいな人も寝ている暇はないと思う。絶対に期待を裏切らない展開なのだ。特に3人のボーイソプラノにまで結構な演技をさせていたのには感心した。
タミーノ役の韓国人歌手Wookyung Kimとパミーナ役のリトアニア人歌手のIrena Bespalovaiteが優れていたと思う。夜の女王のGornelia Goetzはしっかりとコントロールされた歌唱できれいな高音を響かせていた。あまり金属的な音にならなくて良い。ザラストロ役のHarald Stammは舞台の後ろの方で歌うことが多く、やや聴こえにくいところもあったのだが、2幕のアリア”この聖なる殿堂では”の時、オーボエの女性の首席奏者が泣いているのが見えた。暖かみのある深い声でパミーナを包み込みながら歌う場面は全曲中の一番の感動的な場面だった。
いろいろ考えながら見ていたが、よくわからず。結局最後はタミーノの夢でしたという、非常にわかりやすい落ちだが、きちんと落ちをつけてこれまでの演出の整合性を保っているのである。
こういう演出をみると演奏云々はどうでもよくなってくる。
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