2007/08 鑑賞記(欧)

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日本でも徐々に増えつつあるが、ヨーロッパではほとんどの劇場が座席指定でネット上でチケットを買うことができる。この場合支払いはクレジットカード等で、チケット自体は郵送してくれたり、当日開演前に売り場で替えてくれる場合がほとんどだ。日本と異なるのは、開演前にチケットの売買が劇場前でかなり公然と行われていることだ。ダフ屋ももちろんいるが一般の人でチケットを購入したけど、観れないので売りに来たという人も多い。また、当然ダフ屋というのはいろいろな手を使ってチケットを高く買わせようとするから、こちらも安く買うためにはそれなりの技が必要である。私がドイツの劇場でよく合った日本人のおじいちゃん(この人のことについてはまたの機会にじっくり書きたい)曰く、ダフ屋との交渉は開演前15分が勝負とのこと。ここまでぎりぎりの戦いはしたくはないが、ヨーロッパでオペラを観られる方は、最後まであきらめないことが肝心だ。ただ、人気指揮者や歌手がでる公演でも日本のようにあっと言う間に売り切れることはないので、発売されてから早めに申し込めばたいていのチケットは手に入る。

このチケット日本ではぴあのような全国的に各種公演を取り仕切っているものもあるが、ドイツはもっと地域的なもの、ベルリン市とかフランクフルト市とか都市ごとに限られているような気もする。もちろんいまでも劇場独自にチケットを発行しているところもある。こういうのはもらうととてもうれしい。

2008年3月2日(日)19:00-22:00 プラハ国立オペラ劇場
レナード・バーンスタイン『キャンディード』

指揮:Guillaume Tourniare
演出:Micheal Caban, šimon Caban
舞台装置:šimon Caban
衣装:Simona Rybáková
合唱指揮:Regina Hofmanová
演技指導:Tyrtko Karlovič

(キャストの詳細は後日)

キャンディード:Aleš Brlscein
クネゴンデ:Jana Slbera


プラハ国立オペラ劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団


プラハ滞在二日目の夜は『キャンディード』を鑑賞した。このオペラは、『ウエストサイドストーリー』と共にバーンスタインの代表作である。私はクラシックを聴きはじめた頃は、バーンスタインの指揮した CDをかなり集めていたが、彼の作品については全く関心がなかった。プラハでこの曲をやっていたのは、全く偶然だったが、貴重な体験をすることができた。

この曲の録音では1989年にバーンスタイン自身が指揮した改訂版が発売されている(私は未聴)。日本でも何年か前に佐渡裕の指揮で上演された記憶がある。この曲の序曲は大変有名で単独で演奏されることも多いのだが、佐渡の指揮やいろいろな演奏を聴いていると、今回のプラハの演奏はひどいものだった。指揮は前日の『カルメン』の時と同じGuillaume Tourniareで、左手に指揮棒をもつ独特のスタイルでぴょんぴょん飛び跳ねながら指揮をするのだが、前日の『カルメン』とはオケの鳴り方に雲泥の差があった。

序曲の演奏は散々だったのだが、この曲ミュージカルっぽいところもあれば、普通にオペラのアリアや合唱と変わらない曲もふんだんに盛り込まれている。英語の歌が随分とチェコ語訛りっぽい歌手もいるのだが、(特にクネゴンデのJana Sibera)なかなか充実した独唱陣と合唱で多いに楽しむことができた。台詞の部分はチェコ語で英語の字幕がでるのだが、これは早過ぎて字幕を追う事はなかなか難しかった。

このようなヨーロッパの伝統的な劇場を観ていていつも感じるのだが、自分たちの得意のレパートリー以外の曲目でも、自分たちなりにアレンジして楽しめるレベルに持ってくる。とにかく世界の一流といつも比較して、まだ足りないと嘆く日本とは随分と違う。たいていの国にはお国ものがあり(チェコだと、スメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクといったところだろうか)それらは結構充実した演奏を聴く事ができるのは当たり前だけれども、お国もの以外の曲目をどのように上演するか、プラハのやり方も大変勉強になった。



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2008年3月1日(土)19:00-22:00 プラハ国立オペラ劇場
ビゼー『カルメン』

指揮:Guillaume Tourniare
演出:Zdenék Troška
舞台装置:Milan Ferenčík
衣装:Josef Jelínek
合唱指揮:Marcela Benoniová
演技指導:Tvrtko Karlovič

カルメン:Galia Ibragimova
ドン・ホセ:Igor Jan
エスカミーリョ:Miguelangero Cavalcanti
ミカエラ:Ludmila Vernerová
フラスキータ:Hana Jonášová
メルセデス:Szlva čmugrová
スニガ:Ivo Hrachovec
モラレス:Oldřich Kříž
ダンカイロ:Lubomír Havlák
レメンダード:Josef Moravec

プラハ国立オペラ劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団



いよいよ3月に入り、私のドイツ滞在もあと20日をきった。先週末はプラハへ行き国立オペラで『カルメン』と『キャンディード』を鑑賞した。町を歩き食事をするとその物価の安さに驚かされた。観光地として人気があることがよくわかる。チェコは、シェンゲン条約にも加盟したので近いうちに、EU内では入国の際のパスポート・コントロールもなくなるだろう。この土日のプラハの天気は、あまり優れず風が強くて寒かったが、その美しい街並みと有名なチェコビールを堪能したので満足のいく旅行ができた。

プラハには有名なオペラハウスが三つある。国民劇場、国立オペラ劇場、エステート劇場で、国民劇場はチェコ語での上演である。実はこの日国民劇場と国立オペラはどちらも『カルメン』を上演していたのだが前者は既にチケットが売り切れており鑑賞することができなかったため。二日とも国立オペラでということになった。

私は以前に名古屋でプラハ国立歌劇場の『アイーダ』を鑑賞している。この時はラダメス役をホセ・クーラが歌ったのでそれが目当てで、このオペラハウスの方には特に注目していなかった。このときの国立歌劇場が、国立オペラ劇場であると思われるので2度目、3度目の鑑賞ということになる。クーラも含めて歌唱陣が全く冴えなかった事が記憶にあるのだが、、、。


このプラハ国立オペラ劇場の『カルメン』は全体的にはレベルの高い満足のいく公演だった。カルメン、ホセ、エスカミーリョ以外はチェコ人っぽい名前なので劇場専属の歌手だろうか?。カルメン役のGalia Ibragimovaが飛び抜けて素晴らしかったと思う。やはりこれくらいの声量をもってしっかり歌って欲しいと思う。ホセ役のIgor Janは、声量があり輝かしい立派な声をしているのだが、歌が単調でつまらなくなるところが多々あった。ミカエラ役のLudmila Vernerovaは線は細いがしっかりとした声で情感豊かな表現をする。主役には国際的なスター歌手を配し、脇役は自国の専属歌手や若手で占める。ハンガリーのオペラハウスと同じようなやり方だろうか?。日本の新国もこれに近いと言えばこれに近い。

オケはヨーロッパのオケらしく、金管楽器など派手にならず、全体的にも渋めで素朴な感じがとても良い。となると『キャンディード』はどうなってしまうのかとても楽しみになってきた。

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2008年2月23日(土)19:00-22:15 ハンブルク州立歌劇場
W.A.モーツァルト『魔笛』

指揮:バラージュ・コチャール
演出、舞台装置、衣装:Achim Freyer
合唱指揮:Florian Csizmadia
演技指導:Wolfgang Buecker

ザラストロ:Harald Stamm
タミーノ:Wookyung Kim
パミーナ:Irena Bespalovaite
弁者:Wilhelm Schwinghammer
僧侶:Frieder Stricker
夜の女王:Gornelia Goetz
3人の侍女:Miriam Gordon-Stewart, Renate Springler, Ann-Beth Solvang
パパゲーノ:Moritz Gogg
パパゲーナ:Trine Wilsberg Lund
モノスタトス:Ladislav Elgr
2人の武者:Peter Galliard, Hee-Saup Yoon
3人の童子:Solisten des Toelzer Knabenchors
3人の僧侶:Mark Bruce, Bruno Nimtz, Detlev Tiemann

ハンブルク・フィルハーモニカー
ハンブルク州立歌劇場合唱団


ドイツ語のジングシュピールとして作られた『魔笛』は大衆娯楽としてわかりやすく、楽しませるのが本来の目的だったと思う。本公演は、子供向きに作られたものだが(そのような記述は無いと思うが)様々な仕掛けや工夫が凝らされていて大人でも十分楽しめる内容だった。土曜日の夜の公演ということもあり、子供たちの姿が非常に多かった。

Achim Freyerが演出等すべてを手がけているようだが、オケピットから舞台上へ3つのはしごがかけられていたり、プロンプターを隠す覆いがはずされ、プロンプターも鳥の帽子をかぶって時々舞台上の歌手と演技のやりとりもしていた。タミーノはウィーン少年合唱団のような格好で、パミーナの服には、胸にハートのマークが書いてあったり、パパゲーノとパパゲーナは道化師のような格好。ザラストロや合唱団、モノスタトス等は全身がブルーだ。大蛇からして、大蛇というよりもトカゲの怪物という出で立ちで完全に子供向け演出で当初はやれやれという感じだった。

しかし、さすがレジーテアターの本場、観客を楽しませる、あるいは驚かせる仕掛けが次から次へと現れる。この懲りようが半端でないので、『魔笛』がきらいな人も寝ている暇はないと思う。絶対に期待を裏切らない展開なのだ。特に3人のボーイソプラノにまで結構な演技をさせていたのには感心した。

タミーノ役の韓国人歌手Wookyung Kimとパミーナ役のリトアニア人歌手のIrena Bespalovaiteが優れていたと思う。夜の女王のGornelia Goetzはしっかりとコントロールされた歌唱できれいな高音を響かせていた。あまり金属的な音にならなくて良い。ザラストロ役のHarald Stammは舞台の後ろの方で歌うことが多く、やや聴こえにくいところもあったのだが、2幕のアリア”この聖なる殿堂では”の時、オーボエの女性の首席奏者が泣いているのが見えた。暖かみのある深い声でパミーナを包み込みながら歌う場面は全曲中の一番の感動的な場面だった。

いろいろ考えながら見ていたが、よくわからず。結局最後はタミーノの夢でしたという、非常にわかりやすい落ちだが、きちんと落ちをつけてこれまでの演出の整合性を保っているのである。

こういう演出をみると演奏云々はどうでもよくなってくる。

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DVD視聴記 B.A.ツィンマーマン 『軍人たち』 2006年ルール・トリエンナーレにて上演ライブ

先日もB.A.ツィンマーマン『軍人たち』(クプファー演出、コンタルスキー指揮、シュトットガルト歌劇場)のDVDについて書いたが、今回は同曲の2006年ルール・トリエンナーレで上演されたときのライブ映像である。演出はDavid Pountneyで、演奏は先日ブログでも紹介した、スローン指揮のボーフム交響楽団である。

時間や空間の表現や電子楽器やスピーカーの使い方等、この曲に注目するポイントはいくつもあるが、演出では、クプファーのものと比較すると非常に平易でわかりやすいのが、Pountney演出の特徴である。まずこの会場が面白い。工場の内部を利用しており中央に花道のような舞台が設けられ、歌手はここで歌い演技する。その両側に観客がおり、オケは片方の観客の後ろにいる。この長細い舞台でそれぞれの場面が同時進行してゆく。非常に見やすいし相互の関係が理解しやすい。しかしこのような無調音楽はどことなく不気味さを醸し出すものだが、その点ではクプファー演出の方が複雑な舞台設定で不気味さがよく出ていたと思う。

歌手陣もなかなか良い歌手が揃っているのだが、特にストルツィウス役のClaudo Otelliが歌唱演技共に素晴らしかった。ちなみにOtelliは5月に新国でも同役で登場する。この他ハンナ・シュヴァルツがヴェーゼナーの年老いた母役で出演していたので驚いた。どの歌手も指揮者が写っているモニターを見ながら必死だが、とにかく舞台上をよく動くし演技も細かい。

問題点があるとしたら、スローンの指揮とオケにあると思う。やはり若干緩い。冒頭のティンパニの打撃音も締まらないし。トランペットなど、もう少し鋭い音を出して欲しいと感じる所があった。また、シュトットガルトのものよりも若干テンポが遅く感じるのだが、これがオケが崩れないようにゆっくり演奏しているように聴こえて危なっかしい。全体的にはボーフム交響楽団は大健闘していると思うのだが、5月の新国の公演では若杉と東フィルにはこのレベル以上は絶対期待したい。

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